注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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国民投票法案や水道民営化、外国人労働者の受け入れ拡大 秋の臨時国会で動いていること
転載元)
長周新聞 18/10/25
安倍政府は24日から始まった臨時国会に、外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理・難民認定法(入管難民法)改定案など13本の法案を提出すると表明した。
さらに先の国会で審議先送りに追い込まれた水道法改悪案や改憲手続きを定める国民投票法改定案なども焦点になる。国の将来を左右する重要法案を多数審議案件に盛り込んでおきながら、その内容を隠したまま問答無用で成立させようとしている。
今臨時国会で提出される主な法案は、入国管理法改定案、日欧EPA関連法案、原子力損害賠償法改正案、海洋再生可能エネルギー利用促進法案、漁業法改定法案、デジタル化促進法案など13法案とされる。
だが個別の法案名を見るだけでは何を意図した法律なのかがよく分からない。しかも臨時国会提出法案全文を衆議院がホームページなどで公表するのは国会召集日の翌日で、国民は事前に審議内容を知ることすらできない。そして公表する内容も「“第四十条”を“第三十九条の二”に…改める」「第一条中“を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成する”を“の基盤を強化する”に改める」(水道法改定の例)といった細切れ状態の条文の羅列で、ここから意味をくみとるのは至難の業だ。
同時進行で大手メディアは「閣僚の資質が焦点」などと煙幕を張り、法案審議から国民の関心をそらす動きを強めている。
入管法改定案
提出法案で最大の焦点と目されているのは入管法改定案である。同法は外国人労働者の受け入れを、単純労働に拡大する新在留資格創設が柱だ。
(中略)
先の国会で「働き方改革関連法」が成立し無制限の無賃残業を認める「高プロ」導入も決めた。このうえに外国人の単純労働者受け入れを認めれば、劣悪な外国人労働がまん延し、それが国内の労働・安全基準や給与水準を大幅に押し下げる危険性をはらんでいる。
日欧EPA関連法案
日欧EPA関連法案は日欧EPAの来年発効を目指す承認案など国内手続きを進めることが中身だ。日欧EPAでは、日本の農林水産品についてTPP並みの82%に及ぶ関税撤廃をとり決めたが、それを実行に移せば牛乳・乳製品を出荷する畜産農家をはじめ国内産業には大打撃となる。
(中略)
国民世論を無視して安倍政府が合意をとりつけた日欧EPAだが、これを本当に発効させるのか正念場を迎えている。
漁業法改定案
漁業法改定案も提出する方向である。その伏線は規制改革会議が猛烈な圧力をかけ、水産庁が今年5月に発表した改革案である。これは全国の自治体にも漁業関係者にも知らせず秘密裏に作成され、6月には政府の「農林水産業・地域の活力創造プラン」として正式な政府方針にしている。その内容は自治体が地元の漁業協同組合に優先的に漁業権を与えるルールを廃止することが柱だ。養殖用の漁業権については、営利企業が漁協を通さず直接、自治体から買えるようにする(区画漁業権の民間企業への開放)方向だ。さらに水揚げ漁港の集約、沖合・遠洋漁業(許可漁業)漁船のトン数制限撤廃、生産性が低い漁業者への許可とり消し、などが主な内容となっている。
洋上風力推進法も
農漁業破壊策とセットで動くのが洋上風力建設を推進する「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法案」である。
(中略)
政府がいくらでも「命令」を後付けできる身勝手な内容も加えている。
(中略)
「重要広範議案」ゼロ 首相の出席必須なくす
そして今国会における特徴は与党側が「国会会期が窮屈なので入管難民法改定に万全を期す」と主張し、今国会提出議案のなかで「重要広範議案」をゼロにする動きを見せていることだ。
「重要広範議案」とは与野党がとくに重視する法案で、所管大臣や首相が本会議の趣旨説明や質疑、委員会の基本的質疑に出席しなければならない。これまで通常国会では四法案、臨時国会では最低一法案指定するのが通例だった。だが今回は「安倍首相の外交日程が立て込んでいる」との理由で、入管難民法改定も含めてどの法案も「重要広範議案」に指定しなかった。
(中略)
だが安倍首相は臨時国会召集日に衆参両院の本会議で所信表明演説を終えると、翌日から中国、シンガポール、アルゼンチンなど外国を飛び回り、あまり日本に帰って来ないスケジュールを組んでいる。
(中略)
会議に向けた移動時間も含めれば、国会審議に参加しない日はさらに増えることになる。
(中略)
そして重要法案でありながら、こっそりと成立手続きを加速している法律が、継続審議案件の水道法改悪案と国民投票法改定案である。
水道法改悪は水道民営化の促進と広域化を促すことが主な内容である。これまでの水道法は「法律の目的」に「水道を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成する」と明記し公益性を重視していた。
(中略)
水道民営化をめぐっては今年6月に改定PFI法を成立させ、「地方議会の議決」がなくても水道民営化を決定できる仕組みに変えている。このうえに水道料金を企業の言い値で決めることも可能になるなら、海外水メジャーによる日本の水市場略奪が一気に加速するのは必至である。
自・公・維新・希望の党の四党で共同提出した国民投票法案の審議も大詰めにきている。
安倍首相は自民党の改憲条文案を臨時国会に提示することに意欲を見せているが、国民投票の手続きを定める法案が成立しなければ次のステップにすすめない関係にある。そのため国民投票法自体に改憲内容を規定する文面はないが、安倍政府は同法の早期成立を目指している。そして次なる段階として改憲に向けた手続きを一気に加速させる青写真を描いている。自民党改憲案は「自衛隊の明記」や「緊急事態条項創設」も含んでおり、日本の国是である「戦争放棄」の覆しにつながる危険な内容である。
(以下略)
さらに先の国会で審議先送りに追い込まれた水道法改悪案や改憲手続きを定める国民投票法改定案なども焦点になる。国の将来を左右する重要法案を多数審議案件に盛り込んでおきながら、その内容を隠したまま問答無用で成立させようとしている。
今臨時国会で提出される主な法案は、入国管理法改定案、日欧EPA関連法案、原子力損害賠償法改正案、海洋再生可能エネルギー利用促進法案、漁業法改定法案、デジタル化促進法案など13法案とされる。
だが個別の法案名を見るだけでは何を意図した法律なのかがよく分からない。しかも臨時国会提出法案全文を衆議院がホームページなどで公表するのは国会召集日の翌日で、国民は事前に審議内容を知ることすらできない。そして公表する内容も「“第四十条”を“第三十九条の二”に…改める」「第一条中“を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成する”を“の基盤を強化する”に改める」(水道法改定の例)といった細切れ状態の条文の羅列で、ここから意味をくみとるのは至難の業だ。
同時進行で大手メディアは「閣僚の資質が焦点」などと煙幕を張り、法案審議から国民の関心をそらす動きを強めている。
入管法改定案
提出法案で最大の焦点と目されているのは入管法改定案である。同法は外国人労働者の受け入れを、単純労働に拡大する新在留資格創設が柱だ。
(中略)
先の国会で「働き方改革関連法」が成立し無制限の無賃残業を認める「高プロ」導入も決めた。このうえに外国人の単純労働者受け入れを認めれば、劣悪な外国人労働がまん延し、それが国内の労働・安全基準や給与水準を大幅に押し下げる危険性をはらんでいる。
日欧EPA関連法案
日欧EPA関連法案は日欧EPAの来年発効を目指す承認案など国内手続きを進めることが中身だ。日欧EPAでは、日本の農林水産品についてTPP並みの82%に及ぶ関税撤廃をとり決めたが、それを実行に移せば牛乳・乳製品を出荷する畜産農家をはじめ国内産業には大打撃となる。
(中略)
国民世論を無視して安倍政府が合意をとりつけた日欧EPAだが、これを本当に発効させるのか正念場を迎えている。
漁業法改定案
漁業法改定案も提出する方向である。その伏線は規制改革会議が猛烈な圧力をかけ、水産庁が今年5月に発表した改革案である。これは全国の自治体にも漁業関係者にも知らせず秘密裏に作成され、6月には政府の「農林水産業・地域の活力創造プラン」として正式な政府方針にしている。その内容は自治体が地元の漁業協同組合に優先的に漁業権を与えるルールを廃止することが柱だ。養殖用の漁業権については、営利企業が漁協を通さず直接、自治体から買えるようにする(区画漁業権の民間企業への開放)方向だ。さらに水揚げ漁港の集約、沖合・遠洋漁業(許可漁業)漁船のトン数制限撤廃、生産性が低い漁業者への許可とり消し、などが主な内容となっている。
洋上風力推進法も
農漁業破壊策とセットで動くのが洋上風力建設を推進する「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法案」である。
(中略)
政府がいくらでも「命令」を後付けできる身勝手な内容も加えている。
(中略)
「重要広範議案」ゼロ 首相の出席必須なくす
そして今国会における特徴は与党側が「国会会期が窮屈なので入管難民法改定に万全を期す」と主張し、今国会提出議案のなかで「重要広範議案」をゼロにする動きを見せていることだ。
「重要広範議案」とは与野党がとくに重視する法案で、所管大臣や首相が本会議の趣旨説明や質疑、委員会の基本的質疑に出席しなければならない。これまで通常国会では四法案、臨時国会では最低一法案指定するのが通例だった。だが今回は「安倍首相の外交日程が立て込んでいる」との理由で、入管難民法改定も含めてどの法案も「重要広範議案」に指定しなかった。
(中略)
だが安倍首相は臨時国会召集日に衆参両院の本会議で所信表明演説を終えると、翌日から中国、シンガポール、アルゼンチンなど外国を飛び回り、あまり日本に帰って来ないスケジュールを組んでいる。
(中略)
会議に向けた移動時間も含めれば、国会審議に参加しない日はさらに増えることになる。
(中略)
そして重要法案でありながら、こっそりと成立手続きを加速している法律が、継続審議案件の水道法改悪案と国民投票法改定案である。
水道法改悪は水道民営化の促進と広域化を促すことが主な内容である。これまでの水道法は「法律の目的」に「水道を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成する」と明記し公益性を重視していた。
(中略)
水道民営化をめぐっては今年6月に改定PFI法を成立させ、「地方議会の議決」がなくても水道民営化を決定できる仕組みに変えている。このうえに水道料金を企業の言い値で決めることも可能になるなら、海外水メジャーによる日本の水市場略奪が一気に加速するのは必至である。
自・公・維新・希望の党の四党で共同提出した国民投票法案の審議も大詰めにきている。
安倍首相は自民党の改憲条文案を臨時国会に提示することに意欲を見せているが、国民投票の手続きを定める法案が成立しなければ次のステップにすすめない関係にある。そのため国民投票法自体に改憲内容を規定する文面はないが、安倍政府は同法の早期成立を目指している。そして次なる段階として改憲に向けた手続きを一気に加速させる青写真を描いている。自民党改憲案は「自衛隊の明記」や「緊急事態条項創設」も含んでおり、日本の国是である「戦争放棄」の覆しにつながる危険な内容である。
(以下略)
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配信元)
安倍首相が所信表明演説。
— 山下芳生 (@jcpyamashita) 2018年10月24日
「被災者の皆さんの心に寄り添い」→被災者生活再建支援法改正を拒否
「沖縄の皆さんの心に寄り添い」→辺野古新基地建設を強行
「農家の皆さんの不安にもしっかり向き合い」→日米FTAで日本農業に壊滅的打撃
すべてアベコベです。
昨日の首相の所信表明演説。これまでに比べヤジが凄かった。とくに憲法改正のところでヤジは最高潮。しかも、野党からだけではなく、自民党席からのヤジも相当程度あった。明らかに求心力が落ちている。メディアは完黙だが、地方選も5連敗。だんだん第1次安倍政権のときに似てきつつある。
— 平野 浩 (@h_hirano) 2018年10月24日
招集された臨時国会での所信表明演説だが,ゴルフ焼けした顔で「国の理想を語ることが憲法」などと邪説を語る。すかさず
— 新しい民主主義に期待します (@cozy0930) 2018年10月24日
ー違うよ!
ー何を考えてるんだ!
ーだからダメなんだよ!
ー勉強し直せ!
と鋭い指摘を受ける。
勉強嫌いで,不勉強なアベには「立憲主義」の原則を理解するのは困難だろう。 pic.twitter.com/pQQlvddi1H
アベ所信表明演説で「9,356億円の補正予算により、道路や河川の改修、ため池の補修など、災害復旧を加速してまいります。」
— SHIN∞ (@shin919infinity) 2018年10月24日
野党からは「遅い!」とヤジが
その通り!遅い!
豪雨災害時なにやってた?
災害起きてるのに何の法案通してた?
北海道の地震の際、なぜ閉会中審査しなかった? pic.twitter.com/sg5ALZtfDZ
安倍首相が国会の所信表明演説で改憲への意欲を表明。
— YellowishPink (@pink_yellowish) 2018年10月24日
現政権での改憲を国民の大多数が望んでいない状況の中で、常軌を逸した発言。
これは憲法の尊重と擁護義務を謳った憲法99条違反。公僕として完全にアウト。
何が国会議員の責任だよ💢 pic.twitter.com/rGFUY1r5g3
ところがそれに安堵していられないほど、この国会は超重要法案が山積みであることを長周新聞が指摘されました。記事を途中で略するのをためらうほど、全編、簡潔にして重要です。
今回提出される13本の法案は、どれ一つ取ってもわずか48日で審議し尽くせないほどの重大な問題を抱えています。その上、先の国会で審議先送りになった「水道法改悪案」や改憲手続に必須の「国民投票法改定案」も加わります。それなのに提出法案の全文が公表されるのは国会召集日の翌日で、国民は事前に審議内容を十分に知ることができないようにされています。内容を隠したまま一気に押し切るつもりか。
国会では与野党が重視する法案は「重要広範議案」として、首相は必ず審議に出席しなければならないそうです。ところがビックリ、今国会では「重要広範議案」はゼロにして、あべぴょんは例によって外遊三昧、48日のうち12日以上の不在がすでに決まっています。
事実上の移民受け入れ策と懸念される「入管法改定案」、TPP並みの関税撤廃「日欧EPA関連法案」、「洋上風力推進法」とセットで卑怯な手段で漁業権を奪う「漁業法改定案」、まだ追求されない「モリ・カケ問題」「消費増税」「豪雨災害対策」「米軍基地問題」「原発再稼働」などなど、、国を破壊する寸前の法案がこれでもかと並んでいます。
審議放棄の、この危険な臨時国会、要注視です。