ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特殊稿6 ― 性錬金術(2)

 特殊稿として近・現代編には時間的スパンとして納まらない「タルムード」「聖婚儀礼」「性錬金術」を取り上げてきました。これらは全てそのまま現代世界に直結してもいたのです。いずれもが人間にとって根源的な問題だからです。
 中でも、その起源が古代となる「聖婚儀礼」と「性錬金術」の記事は一連のものとなるのですが、今回がその最終記事になります。
 「聖婚儀礼」「性錬金術」には、全ての存在にとって根本となる生命エネルギーである性エネルギーの取り扱いという根源的な問題がありました。不幸なことに、現代文明はその最初期からその取り扱いを誤ったまま現在に至ったわけです。
 性錬金術は性魔術で、それには白魔術と黒魔術があるのですが、白魔術に属するクムラン宗団の性錬金術マスター、その洗礼者ヨハネとマグダラのマリアのコンビでもその術は誤ったものでした。その最初の姿勢が誤っていたのです。愛の方向ではなく、野心の方向にその術を用いていたからです。
 ただし、性錬金術や洗礼者ヨハネの存在等を抜きにしては、現代の諸問題の根本が見えないのも事実で、だからこそ取り上げる必要があったのです。性錬金術や洗礼者ヨハネを通して、始めて「聖杯」の全体像や、シオン修道会、テンプル騎士団、フリーメーソン等の中身とその全体的な輪郭が現れてくるのです。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特殊稿6 ― 性錬金術(2)


性錬金術マスター洗礼者ヨハネ ~洗礼者ヨハネと「聖杯」の関係


クムラン宗団のトップの役職は、高い順に⑴預言者 ⑵祭司のメシア(キリスト)⑶王のメシア(キリスト)で、⑴はマグダラのマリア⑵は洗礼者ヨハネでした。⑶はイエスがその候補でしたが、実はイエスには「義人ヤコブ」とよばれる弟がおり、両者が王のメシアの座を巡って争っていました。

聖母子とマグダラのマリア、洗礼者ヨハネ
Wikimedia Commons [Public Domain]

⑴の預言者の意味は「神の言葉を預かる者」です。その預言者マグダラのマリアは、クムラン宗団の秘奥義である性錬金術の女性マスターでもあり「聖杯」でもあったのです。そこで「聖杯」の定義を改めて確認します。以下になります。

キリストの遺物(遺体の一部を載せた物質としての
ユダヤ王の血流をその身に受けたマグダラのマリア(その遺体)
キリスト(ユダヤ王)を生みだす器としての知識文献
ユダヤ王とマグダラのマリアの血脈子孫

外伝17で指摘したように、「聖杯①」がその載せる対象であったキリストの遺物、遺体の一部とは、ダビデ王の血統子孫でマグダラのマリアパートナーだった男性の首です。

実はこの男性が、クムラン宗団内において祭司のメシア(キリスト)の地位にあった洗礼者ヨハネだったのです。洗礼者ヨハネがダビデ王の血統子孫であり、マグダラのマリアとのパートナーとしての性錬金術男性マスターであったのです。
そして、彼こそが斬首された男であり、斬首された彼のその首を所有する者は世界を支配するとささやかれた人物だったのです。

外伝17で「テンプル騎士団は髑髏というか人間の首級を重視しており、テンプル騎士団に関係する寺院などには頭像が随所にほどこされています。頭像およびその象徴であるバフォメットが、テンプル騎士団の信仰の対象だったのです」と記したとおり、テンプル騎士団が崇拝信仰の対象としたのが洗礼者ヨハネです。
彼の象徴がバフォメットだったのです。

フリーメーソンの儀式でのバフォメット
Wikimedia Commons [Public Domain]

そしてイエス磔刑後にマグダラのマリアが南フランスに逃れた際に、彼女が身ごもっていて、産んだ子供サラは洗礼者ヨハネとの間の子供だったのです。
「聖杯②」のマグダラのマリアがその身に受けたユダヤ王の血流とは、洗礼者ヨハネだったのです。

つまり、洗礼者ヨハネとマグダラのマリアの子供サラが「聖杯④」の「王家の血流」の源流でもあったのです。(ただしマグダラのマリアは、その後数人の男性との間に子供がいますから、その血流子孫もサラ以外に幾人かいました。)。

それにしても、なぜ「その首を所有する者は世界を支配する」とされるほどまでに洗礼者ヨハネが崇拝信仰されたのか?

それは彼が性錬金術のマスターで、しかもその性錬金術で、進化段階を上げさせる技術を獲得していたからでしょう。
その性錬金術の方法テクニックが知識文献として残されていたのが「聖杯③」というわけです。これらをテンプル騎士団が発掘したのです。

進化段階の意味 ~支配権獲得のため性エネルギーを利用する性錬金術


『マイトレーヤの使命』Ⅱ、Ⅲの巻末には「世界のイニシエートのリスト―光線構造と進化の段階―」という欄があり、各人の光線構造と共に進化段階(肉体として死んだ時点)が記されています。
例えばアルキメデス(2.2)と出ています。これはギリシャの哲学者あるアルキメデスが、死亡時には進化段階が2.2に達していたという意味です。

この欄によると、イエスは磔刑の死によって進化段階が4.0に到達していたことが分かります。進化段階とは霊的位階の意味でもあるのですが、どうやってそれが上がるのか?

『幸せを開く7つの扉』や映像配信「宗教学講座」の最初期「意識の進化と界層」等を視聴して頂くと、性エネルギーが人間の胴体基底部から中心線を通って頭頂へと上昇し抜けていき、7つのチャクラが覚醒することで進化段階が上昇することが理解できます。


そのエネルギーが上昇するルートは、体表・神経叢・脊髄の3つあり、まず体表のルートで下から順にムラダーラ・チャクラからサハスラーラ・チャクラまで全て覚醒すると進化段階が1.0に到達、同様に神経叢のルートでサハスーラ・チャクラまで覚醒すると進化段階2.0。

脊髄内部のルートであるスシュムナー管を性エネルギーが上昇するのをクンダリニーの上昇といい、脊髄のサハスーラ・チャクラまで覚醒すると進化段階3.0となります。
更に、脊髄内部スシュムナー管の内部の各細い管をエネルギーが上昇することで、4.0、5.0、6.0、7.0へと進化段階は上がります。

イエスの4.0の段階はヒンドゥー教の自己実現、仏教の阿羅漢の段階となります。
洗礼者ヨハネの象徴であるバフォメットの絵像には、バフォメットの胴体基底部から先端に球のついた棒がまっすぐ屹立して、そこに2匹の蛇が絡みついているのをよく見ます。これはクンダリニーの上昇を示すものでしょう。

バフォメット
Wikimedia Commons [Public Domain]

つまり、洗礼者ヨハネがクンダリニーを上昇させ、進化段階を上げるテクニックを持っていたことを示すのでしょう。進化段階は霊的位階で、それが上がれば霊的パワーが増大します。

クムラン宗団は、「天上のエルサレム」の絵画に見られるよう彼らはローマ帝国からの独立と、彼らなりの理想世界の建築を目指していたことが分かります。

ただし、もしその理想世界が実現したとして、その支配者は誰がなるでしょうか? 彼らが他の誰かに譲るでしょうか?
そんなわけが無いのです。

クムラン宗団の性錬金術は白魔術で、幼児生け贄の黒魔術とはハッキリ区別すべきです。しかし、クムラン宗団が求めていたのは結局のところパワーでした。彼らは霊的世界を含めた世界の支配権を求めていたのです。

この点で黒魔術を駆使した性錬金術の者たちとやっている事実と指向性は同じなのです。男女の営み、その性エネルギーを愛ではなく、野心実現のために利用していたのです。


夫婦愛を育む性錬金術 ~アーバン博士の『愛のヨガ』


たとえそれが白魔術であっても、性錬金術は非常に危険な代物です。容易に悪魔崇拝と結びついてしまうからです。

現に洗礼者ヨハネは生前はまともでしたが、死後、そう時を置かず(AD51年)彼の本体である霊体は悪魔崇拝に転じマグダラのマリアもAD1050年頃、悪魔崇拝に転じたことを映像配信で教えてもらっていますが、それはその通りでしょう。自然な成り行きだからです。

悪魔崇拝と性錬金術が結びつく最大の要因は何か?
いうまでもありません。性錬金術のその目的がパワー、支配権の獲得にあったからです。性錬金術のテクニックを用いて生命エネルギーの性エネルギーを野心のために利用するからです。この姿勢・指向性は、やがて支配権を得るためならば“何でも利用の対象”とする方向で、やがて幼児生け贄の悪魔儀式に行き着いていきます。

このように、どのような錬金術でもその方向が野心に向かっているならそれは非常に危険なのです。その意味でこの世界で唯一と言って良いでしょう、文献として安全な性錬金術の方法が記されたのは、R・Vアーバン博士の著した『愛のヨガのみでしょう。

この本には性錬金術のテクニック「愛のヨガ六ヵ条」が明かされ、そのアーバン博士の助言によって、“地獄の状態”にあった男女カップルが、“天国”の祝福されたカップルに転じた実例が幾つも載せられています。

一 準備、二 体位、三 継続時間、四 集中、五 くつろぎ、六 回数
愛のヨガ六ヵ条

なぜこのように“鉛の男女カップル”が“黄金の男女カップル”に転ずる現象が起こるのか?
アーバン博士の提唱する「愛のヨガ六ヵ条」は、確かに性錬金術のテクニックではあります。しかし、その目的は野心の方向とは全く真逆の方向、ただひたすら“男女の愛を育てる”、つまり「夫婦愛」を育み、深めるためのものだからです。


その著述から、男女カップルが心身の変容を遂げ、通常では全く想像もつかない素晴らしい境地に至っていること、つまり意識の拡大が起きていることが見て取れます。意識の拡大は進化段階の上昇でもあるのです。
しかしこの意識の拡大、進化段階の上昇は、愛を育むことの脇に結果的に副産物としてついてきただけなのです。進化段階の上昇は目的ではないのです。

一連の「聖婚儀礼」「性錬金術」の記述の最後に改めて「ぴ・よ・こ・と2」の一文を紹介します。

豆粒のような小さな種があります。これが愛に育つか、野心になるか、そのどちらかなのです。実は、この種は性欲です。この単なる性欲を愛に昇華することができるのです。
夫婦の愛というのは、調和した性生活でしか育ちません。セックス自体を根本的に悪・罪と否定していたら、育ちようが無く、全て野心になってしまいます。それは名誉欲や支配欲に化けてしまうのです。


Writer

seiryuu様プロフィール

seiryuu

・兵庫県出身在住
・いちおう浄土真宗の住職
・体癖はたぶん7-2。(自分の体癖判定が最も難しかった。)
・基本、暇人。(したくないことはしない。)
・特徴、酒飲み。アルコールには強い。
・歯が32本全て生えそろっている(親不知全て)原始人並み。

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