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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特殊稿5 ― 性錬金術(1)
錬金術は性エネルギー魔術 ~「賢者の石」とは「不老長寿」「不老不死」の妙薬
錬金術とは、一般には「金属の鉛を黄金に変化変質させること」となっていますが、これはカモフラージュの要素が強く、錬金術のその本来目的ではありません。錬金術とは人間の心身の変容がその目的なのです。
人間は老います。それによって身体が鉛のように重く輝きを失い、それに伴い精神もふさぎ込み落ち込んでいく・・・このような通常での鉛のような身体とその精神を若返らせ、軽く柔軟に、いわば輝く黄金の状態にさせるのが錬金術の目的なのです。いわゆる「不老長寿」「不老不死」の妙薬を作りあげるのが目的です。
錬金術の世界ではこの妙薬は「賢者の石」とも呼ばれます。以下のようにウィキペディアの概要にある通りです。
「一般によく知られた賢者の石は卑金属を金などの貴金属に変えたり、人間を不老不死にすることができるという。霊薬としてのエリクサーと同様のものとして考えられることもある。・・・12世紀にイスラム科学からの錬金術が輸入されると、ヨーロッパでは賢者の石の探求熱が高まった。神秘主義的なヘルメス思想とともに、様々な伝説と風聞が広まり、小説の題材としても使われる。黒魔術と関係付けて語られることもある。」
この錬金術には、人間が誰しもそのうちに持っている性欲・性エネルギーが用いられるのです。性エネルギーによるマジック、性魔術が性錬金術です。本来的には、この性エネルギーを研究活用するのが宗教といってもいいのです。
インドのヨーガ行者などが修行で求めるのが有名な「クンダリニーの上昇」です。これは性エネルギーが背骨の中を通って上昇し、最後には頭頂に至って抜けていくもので、「蛇(性エネルギー)がとぐろを巻き、うねりながら背骨の中心管を上がっていく」様で表現されます。この「クンダリニーの上昇」によって心身の状態が変容し意識が拡大します。「クンダリニーの上昇」とは性錬金術の一つなのです。
ただし、この「クンダリニーの上昇」は、基本的には一人単独で「苦行」と瞑想の修行によって行うものです。
これに対して、男女コンビの性的交わりによって同様の効果を求める性錬金術もあります。男女のその性エネルギーの交流、やりとりの循環によっていわゆる「賢者の石」を作ろうとするものです。普通はこの男女のコンビによる錬金術を性錬金術と称しています。
「聖婚儀礼」とは、実のところ性錬金術そのものであり、それは性魔術でありました。
魔術には白魔術と黒魔術があります。単独で修行する「クンダリニーの上昇」は、誰かを傷つけ迷惑をかけるものでも無く白魔術に入ります。
そして男女コンビで行う性錬金術も、全般として白魔術と黒魔術とに分けられます。
クムラン宗団の秘奥義が性錬金術 ~キリストを生みだす「聖杯」がマグダラのマリア
「聖婚儀礼」の原型であったイナンナ(イシュタル)とニムロデの性儀式は、悪魔崇拝儀式の原型ともいい得るもので、これは性錬金術の性マジックの中においても完全な黒魔術です。
事実、魔術で活力や若さを得る面でいえば『ギルガメッシュ叙事詩』の記述で、イナンナが長期間に渡って活力溢れ、若さを保っていたことが見て取れます。
活力を得て若返るために最も効率的で手っ取り早い方法、それは活力や若さの源である性・生命エネルギーを“他人から奪う”ことです。性錬金術の黒魔術はそのための技法であり、悪魔儀式の本質がここにあります。
悪魔儀式には必ず、と言って良いでしょう、幼児の強姦を含めた殺害の犠牲がついて回ります。悪魔儀式を執行する者たちは、幼児の人身供犠によってその性・生命エネルギーを奪い取って自らのものにしているのです。
長子初子を生け贄として捧げさせるのを義務としたイナンナとニムロデの「聖婚儀礼」がまさにこれに当たるのです。そして、この黒魔術の性錬金術である「聖婚儀礼」が全世界に拡がり、それが現在にまでそのまま直結していたわけです。
しかし、同じく男女のコンビの性的交わりによる性錬金術でも、黒魔術では無く白魔術としての性錬金術も当然あります。
中国の房中術や仙道がそれに当たりますが、イエスやマグダラのマリアが所属していたクムラン宗団の秘奥義こそがこの「聖婚」の性錬金術だったのです。だからこそ、マグダラのマリアがメシア(キリスト・クリストス)を生みだす「聖杯」だったのです。
クムラン宗団の別名はエッセネ派であり、エルサレムのそれは支部であり、本部はエジプトのアレクサンドリアにありました。その当時のアレクサンドリアは、あらゆる宗教や哲学思想のるつぼでありました。そしてその当時最も勢力を持ち、世界初の世界宗教と評しても良かったのがミトラ教でした。
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ミトラ神
原初はアーリア人の宗教で、地域的にはイラン高原あたりが起源となるのがミトラ教で、ペルシャ、インド、中東全域、エジプト、欧州、中国へと広がり、その中で様々な宗教をその中に包含していったと見られるのです。
ミトラ教には古代メソポタミアの太陽信仰と重なる「死と復活」の儀礼も取り込まれ、ニムロデであった太陽神はミトラに置き換わっています。「聖婚儀礼」も取り込まれています。ただし、それは幼児生け贄の悪魔儀式は取り除いたものでした。
今回はその根拠等を記す余裕がないのでいずれ詳細は見るとして、実はクムラン宗団エッセネ派とは、どう見てもミトラ教だったのです。
性錬金術を欧州に橋渡ししたのはテンプル騎士団 ~マグダラのマリアのパートナー
ミトラ教であるクムラン宗団には、幼児生け贄の悪魔儀式は取り除かれているとはいえ、女祭司の神殿娼婦との性的交わりで王(メシア・クリストス)が生みだされる「聖婚」の原型はそのまま引き継がれており、それが最も重要なものだったのです。
さて、先に見たウィキペディアの「賢者の石」には「12世紀にイスラム科学からの錬金術が輸入されると、ヨーロッパでは賢者の石の探求熱が高まった。」とありますが、イスラム科学から欧州に錬金術を伝えたというその主体者は誰か? 間違いなくテンプル騎士団です。
まずイスラム科学ですが、12世紀当時、イスラム世界と最も緊密に接触していたのがテンプル騎士団なのです。
そしてローマ帝国でキリスト教が公認されて以来、歴史の表舞台から姿を消していったミトラ教が“潜った”のがイスラム教の中だったと考えられるのです。普通に見てイスラム科学、そして性錬金術を欧州に橋渡しできるのは、テンプル騎士団を置いて他にないのです。
更に重要なのは、テンプル騎士団がクムラン宗団の秘密文書をヘロデ神殿の地下至誠所から発掘したのが1120年頃です。
クムラン宗団の秘密文書の核心部分は、クムラン宗団で行われていた「聖婚」性錬金術の秘法であり、それは「キリスト」を生みだす技法だったのです。
テンプル騎士団が手中にしたのが、キリストを生みだす「聖杯」性錬金術の秘宝だと見て取れるのです。
イエスが活躍した当時、クムラン宗団の最大の秘奥義である性錬金術の熟達者マスターは、男女二人のマスターがいたはずで、その一人、女性マスターはマグダラのマリアです。
マグダラのマリアは神殿娼婦の女祭司であり、クムラン宗団の預言者だったのです。メシア(キリスト・クリストス)を生みだすクムラン宗団内での最も高い地位にあったのです。
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洗礼者ヨハネ(左)とマグダラのマリア(右)
それでは男性の性錬金術マスターは?
これはエジプト由来になるでしょうが、メシア(王)には宗教を司る祭司のメシアと、政治経済を司る王のメシアの2つがあります。王のメシアより祭司のメシアが格上になり、このクムラン宗団の祭司のメシアが「聖婚儀礼」性錬金術のマスターだったと見るのが自然でしょう。
イエスはメシア(キリスト)になるべく行動していましたが、イエスは元々は王のメシアの候補だったのであり、祭司のメシアと見られていた人物は別人でした。その人物はイエスの洗礼を施した男、「洗礼者ヨハネ」です。「洗礼者ヨハネ」が祭司のメシアの地位に目され、マグダラのマリアとの性錬金術パートナーであり、マスターだったのです。
古代メソポタミア、イナンナとニムロデの聖婚を原型としてシュメール人たちが行っていた「聖婚儀礼」、女祭司である神殿娼婦と王(メシア・クリストス)による性交渉は、性錬金術そのものでもあったのです。
錬金術とは、鉛に譬えられる通常の人間の心身を、いわば黄金の状態に変容させる技法で性魔術です。
ただし、古代メソポタミアの「聖婚儀礼」性錬金術は、幼児の生け贄を義務づけしており、これは悪魔儀式の原型でもある黒魔術で、この点では、クムラン宗団の「聖婚儀礼」性錬金術とは異なります。
クムラン宗団では、幼児生け贄の悪魔儀式は取り除いており、その性錬金術は白魔術になります。
また「聖婚儀礼」とは、女祭司である神殿娼婦が「聖杯」となって王(メシア・クリストス)を生みだす儀礼でもあり、この儀礼形式自体は、古代メソポタミアもクムラン宗団も全く同様です。「聖婚儀礼」と神殿娼婦制度は一体だったのです。
クムラン宗団の神殿娼婦の女祭司がマグダラのマリアでした。彼女が「預言者」であり「聖杯」であり、また性錬金術の女性マスターでもあったのです。
そしてマグダラのマリアと対の関係で性錬金術の男性マスターがいました。その彼が祭司のメシアだったのです。