ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝27 ― 表と裏、まだら模様

 今年1月17日の「板垣英憲情報局」に「欧州の「黒い貴族」は、オランダの「オレンジ家」、英国の「ノルマンディ公ウィリアム」から始まっている」とありました。
 これについて、オレンジ家は良く解ります。しかし、ノルマンディ公ウィリアムは疑問です。「黒い貴族」にはどう見ても「カナン族」と「王家の血流」という別の二系統があるのです。この中のオレンジ家は「王家の血流」の黒い貴族です。英王室もそうなっています。
 一方ノルマンディ公ウィリアムは「王家の血流」ですが、黒い貴族(悪魔崇拝)だったのかは不明です。「黒い貴族」の規定そのものをハッキリさせなければ多くの混乱が生じます。
 問題は、同じ「黒い貴族」でも「カナン族」は表のイルミナティであり、「王家の血流」は裏のイルミナティに別れるところです。
黒い貴族の系統
表のイルミナティ カナン族の一団

裏のイルミナティ 王家の血流
(オレンジ家)
 おまけに、前回黒い貴族と裏のイルミナティのテンプル騎士団が、敵対関係ながら協働もしているという複雑さを見たように、表裏のイルミナティの関係は複雑なのです。
 そもそもイルミナティを表と裏に分けて情報を出されているのは竹下さん以外ほぼ皆無です。従って表裏のイルミナティの関係を探ろうにも資料がないのです。
 それで今回は、これまでのものを整理して憶測レベルでしかないのですが、表裏のイルミナティ組織、その関係の謎を追ってみます。
(seiryuu)
————————————————————————
ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝27 ― 表と裏、まだら模様

元来の「黒い貴族」は表のイルミナティ ~「黒い貴族」の中の裏のイルミナティ


混乱しがちなので改めて整理します。
「黒い貴族」とは本来「秘密の力」の創設者9名の末裔を中心とした「ゾロアスター13血流」が支配する悪魔崇拝「表のイルミナティ」勢力です。ユースタス・マリンズが指摘する「カナン族」を中心に構成され、フェニキアからカルタゴを本拠として活動、後にはヴェネチア、ジェノバを本拠としたグループです。

「カナン族」の「カナン」は地上組織に命令を発するブラック・ロッジ、つまり地獄のルシファーの存在だったのです。「カナン」がパレスチナの地名にもなっています。地上では「ゾロアスター13血流」を頂点とするカナン族の一団、この表のイルミナティ勢力が「黒い貴族」となります。これが本来です。

彼らは竹下さんによるとグノーシス派イルミナティ、トゥーレ協会、バーバリアン・イルミナティの3つの形態で活動します。

図は2020/12/15に差し替え

しかし、同じく「黒い貴族」と呼称はされますが「ゾロアスター13血流」を頂点とするカナン族の一団とは別の系統グループがあります。オレンジ家を代表とする「王家の血流」グループです。

こちらはマグダラのマリアの血流子孫グループで、悪魔崇拝となったグループです。欧州の王家の多くがこのグループに属します。現英王室もこのグループに分類できます。

現英王室は外伝8で見たように、ジョン・コールマン博士が次のように分析している通りです。

「ウィンザー家」の実態はゲルフ家であり、ヴェネチアの黒い貴族のなかでももっとも古い名門の一つだ。ヴィクトリア女王の血統は、直接ゲルフ家までさかのぼることができる。

pixabay [CC0]

「カナン族」のグループも「王家の血流」のグループも同様に「黒い貴族」と呼称され、いずれもが悪魔崇拝ではあります。そして事実、オレンジ家のウィリアム3世が英王室を「乗っ取る」のに両グループは協働しています。しかし、少なくとも2000年時点では、この両グループは全くの別の敵対する組織になっています。

2013年8月10日の竹下さんの記事をお読みになれば分かるように、「裏のイルミナティ」の最高位階第15位階がオレンジ家のユリアナ女王、次の第14位階がエリザベス女王です。

地上組織「裏のイルミナティ」の頂上ピラミッドの冠石に当たる王の座を、欧州の王家、つまり「王家の血流」が占めていたのです。

同じ「黒い貴族」の呼称ながら「ゾロアスター13血流」を頂点とするカナン族の一団は「表のイルミナティ」の勢力、それに対して「王家の血流」のグループは「裏のイルミナティ」の勢力で、両者は本来から基本的に敵対関係にあるのです。

ところが、両者は現実に「ヴェネチアの黒い貴族」として一団で活動もしていたのです。

「王家の血流」はどのように黒い貴族に合流したか? ~ゲルフ家の転身


幾つかの謎が浮かび上がってきます。元来「ゾロアスター13血流」を頂点とするカナン族の一団が「黒い貴族」で、表のイルミナティの勢力です。

①この「黒い貴族」に「王家の血流」がいつ?なぜ?合流したのか?
②「王家の血流」は最初から裏のイルミナティに属していたのか?
③それとも「王家の血流」は表のイルミナティに属していたが、どこかの時点で裏のイルミナティに転身したのか?

以上の謎です。

残念ながら、この謎を読み解く資料は見つけられないので不明です。しかし、まともな推測さえ出来ず「~のような気がする」程度のことしか記せませんが、あえて限られた情報の中での考えを記してみようかと思います。

①の謎について、マグダラのマリアの血流には特徴があります。「強者に寄生する」です。
マグダラのマリアの血流は、現実世界で王権を握った者と婚姻血縁関係を結び、存続してきたのです。「王家の血流」はその存続と世界支配のため、「黒い貴族」と婚姻関係を結んだ可能性は十分ありそうです。

そうだとすると、それはいつか?です。
聖マルコの遺体がヴェネチアに運ばれたのが823年、この時点で、黒い貴族がオルムス派に接触したと考えられます。オルムス派はマグダラのマリアの性錬金術技法等を受け継いだカタリ派の一つです。そして、実際にマグダラのマリアの血流子孫が「黒い貴族」と婚姻関係を結んだとすれば、第1次十字軍遠征前あたりの気がします。

マグダラのマリアとテンプル騎士団は切り離せません。黒い貴族とテンプル騎士団は、共に地中海貿易と国際金融業を取り仕切っているのです。黒い貴族とマグダラのマリアの血流子孫の政略結婚が、黒い貴族とテンプル騎士団の互いの利益を得るための協働を成立させた可能性はありそうです。

編集者註:中世ヨーロッパの主な貿易ルート
地中海貿易を独占していたのはヴェネチアとジェノバ

次いで②と③について。
まずマグダラのマリアの血流子孫が「黒い貴族」のある家(たとえばオルシーニ家)と婚姻関係を結んだとしても、それは「黒い貴族」の中では一つの存在だけで、「王家の血流」は「黒い貴族」の中で最初はグループになっていなかったのは確かでしょう。

マグダラのマリアの悪魔崇拝転落は1052年で、彼女は裏のイルミナティ勢力に属します。最初に「黒い貴族」の中に入り込んだマグダラのマリアの血流は、最初から裏のイルミナティに属していた気がします。そこから徐々にグループが形成されていったのでしょう。

その途中参入の一つが「黒い貴族のなかでももっとも古い名門」のゲルフ家です。ゲルフ家はエステ家(「ゾロアスター13血流」ヘロデ王の子孫)と血縁で、有力なカナン族の黒い貴族でした。ところが途中ある時期から「王家の血流」に参入しているのです。


オレンジ家は最初から裏のイルミナティ? 〜表のイルミナティを利用する裏のイルミナティ


これは推測にもなっていませんが、最初に「黒い貴族」と婚姻血縁関係を結んだマグダラのマリアの血流子孫、それと直系で繋がるのがオレンジ家だったのかも知れません。私の感覚ではオレンジ公ウィリアム3世は最初から生まれつき裏のイルミナティだったと感じます。

そのウィリアム3世に表のイルミナティの「黒い貴族」が、彼が英国王になるべくお膳立てして従う形にて協働しているのです。清教徒革命のオリバー・クロムウェルを買収したマナセ・ベン・イズラエル、彼は『Anti-Rothschild Alliance<反ロスチャイルド同盟>資料室』にて「タルムード学院の学長」だったとあります。

『悪魔に愛された女』で「タルムード」はブラック・ロッジ、つまり表のイルミナティの聖典だと明かされています。そのタルムード学院の学長でユダヤ教ラビであったマナセ・ベン・イズラエルは間違いなく表のイルミナティの「黒い貴族」だったでしょう。

その彼がクロムウェルを買収し清教徒革命を起こさせます。これは後の名誉革命でのオレンジ公ウィリアム3世が英国王奪取のお膳立てを行ったとも言えます。

Wikimedia Commons [Public Domain]
Wikimedia Commons [Public Domain]

そのマナセ・ベン・イズラエルには更に面白い情報もありました。『Anti-Rothschild Alliance<反ロスチャイルド同盟>資料室』に「1640年、マナセは自身の発行する新聞紙上で、聖書の予言は成就したと発信した。彼が予測したのは、ソロモンの神殿を再建し、メシアの時代の到来を告げるため、散逸しているイスラエルの支族はまもなくエルサレムで再結合するということだった。」

そしてウィキペディアの「メナセ・ベン・イズラエル」の記事には「メナセは1650年に『イスラエルの希望』をアムステルダムで刊行し、(中略)...同書においてメナセは、終末の到来を確かならしめるためには、ユダヤ人の拡散を完全のものとして、世界の末端であるイングランド(アングル・ド・ラ・テール 地の角)をユダヤ人の植民地と化するべきだと主張した」とあります。

1666年のサバタイの「パレスチナにユダヤ王国を復活」の宣言の前に、「黒い貴族」表のイルミナティの勢力サイドに、パレスチナでのユダヤ王国復活の計画と、世界支配のための英国の植民地化計画が立てられていたわけです。この流れの上でサバタイのメシア宣言があり、英国の乗っ取り攻撃がなされていたわけです。

そしてこの実態は、表のイルミナティ「黒い貴族」の計画と行動を、その中に秘かに潜り込んでいた裏のイルミナティが利用した、と見えます。実際、裏のイルミナティは表のイルミナティ組織の中に秘かに潜り込み活動しています。

2014年5月6日の竹下さんの情報によると、表のイルミナティに属するイエズス会と聖ヨハネ騎士団が、裏のイルミナティに1999年に取り込まれています。このようなことが起きるのは、イエズス会と聖ヨハネ騎士団の組織内の深部に裏のイルミナティ勢力メンバーが潜り込み、工作して組織を内部から破壊する以外には考えられないのです。


Writer

seiryuu様プロフィール

seiryuu

・兵庫県出身在住
・いちおう浄土真宗の住職
・体癖はたぶん7-2。(自分の体癖判定が最も難しかった。)
・基本、暇人。(したくないことはしない。)
・特徴、酒飲み。アルコールには強い。
・歯が32本全て生えそろっている(親不知全て)原始人並み。

これまでのseiryuu氏の寄稿記事はこちら


Comments are closed.