注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
イラン側がアメリカ本土で報復措置に出る
本日クレムリンに出回っている【ロシア】対外情報庁(SVR)の新報告書は、【ロシア公文書の機密度として最上位の】「特に重要な」極秘情報に指定され、大部分が黒塗りされていました。その中でイランのアドルファズル・シェカールチー准将の「イランへ一発でも撃てば、アメリカおよびその同盟諸国の利害に火が着く」というドナルド・トランプ大統領に向けた発言に言及し、この脅しが真実であったことはトランプがオマーン国を介してイラン側に「米国の【イラン】攻撃はもういつ起こってもおかしくない【状況だ】」とのメッセージを送ったそのほぼ直後に示されたのだとか。
――【米国側の攻撃予告から】二時間もしない内に、フィラデルフィアにあるアメリカ合衆国東海岸最大の製油所で「凄まじい爆発」が起こったのです。
――米国内に入り込ませていることは昔から知られているイラン軍の“スリーパー・セル”が決行した攻撃ではないかと疑われています。
――そのリーダーの一人と目されているのが、過激アメリカ系イスラム教活動家ルイス・ファラカーンです。
――2018年11月にイランを訪れた彼は、トランプに向けて明らかに脅迫【と言うべきメッセージ】を発信し、もし米国がイラン勢を攻撃しようものなら何が起こるか警告しました:
「我らが【アメリカ】大統領と彼を支える政府には、慎重に慎重を重ねて頂きたいと願うのみです……この戦争は、中国、ロシア、あらゆる国々を巻き込む戦争を再び引き起こすことになるでしょう……皆さんの知っている【姿の】アメリカは終わってしまいます」。
Louis Farrakhan denies 'death to America' chant as he rips U.S. foreign policy in Iranhttps://t.co/Q99h0b8ywp pic.twitter.com/ssudME9j0J
— The Washington Times (@WashTimes) 2018年11月8日
目には目を、つまり目(かそれと同等の物)以外はダメ
厳しく機密指定された当該報告書の中で私たちが言及することを許された箇所によりますと、SVR【=ロシア対外情報庁】の情報分析官らも昨日の【ロシア】外務省の判断と同意見で、確かにトランプ大統領は“ドル終焉の日”という迫りくる危機に万全の対処をすることをより【重視して】、イランとの戦争を避けた【と見ています】。
――【そして】現在のこの危機を完全に理解するには、以下の一連の出来事を最も正しい文脈で見ていかねばならない、と【当該報告書は】記しています。始まりは6月5日のイラン最大のコンテナ港への攻撃で、石油製品の保管施設にて「凄まじい爆発」が起こりました。
――これに続き、2日後である6月7日にはイランの商船6隻がペルシャ湾の2つの港で「ほぼ同時刻に炎に包まれました。
【とある】“国家主体”が挑発されてもいないのに一方的にイランに対して以上の攻撃を行ったことを受け、SVRの情報分析官らは“キサース刑罰時計”のカウントダウンが始まったとの警鐘を鳴らした、と当該報告書は続けます。
――【キサースとは】同種のものでの仕返しであり、イランで採用されているイスラム法に基づく「目には目を」形式の因果応報的な司法制度であり、正義に反する行為がその身に降りかかったときには応酬するよう命じるのです。
――今回の場合だと、誰の命も奪われていませんので、彼らが報復を許されるのは「財産」だけだと【キサースでは】義務付けています。【つまり】推奨される「目には目を」のやり取りとしてイランが実行しうるのは、「船6隻」と「単一の港」の損傷、となります。
――そしてもし損傷【したくても】「船6隻」が見つからない場合、【キサースでは】同じ価値の【別の】物を破壊しても全く問題ありません。例えば1億7,600万ドルのアメリカのドローンなどでしょうか。
ただMQ-4Cのドローンは中東には一台も配備されておらず、グアムでこの夏初めて使う予定だと周知されていたので無理があると断念したようです。……今日び、ネットですぐバレますがな。】
――ですが凄まじい爆発で損害を受けた港に関しては、「目には目を」のやり取りは達成できていませんでした。
――こういった全てをトランプ大統領が熟知している様子は、150名のイラン人の命が失われてしまうため、自分はイランを攻撃しないことにした、と宣言したことからも明らかです。
――【150名の命を奪うことは】回避されたことから、“キサース刑罰時計”は【これ以上の】カウントダウンを止め、「財産には財産を」のみが取り交わされることとなったという訣です。
Fire at a large shipping port near Bandar Abbas, #Iran. https://t.co/xrDQxpwjYS
— RadioFarda (@RadioFarda_Eng) 2019年6月5日
Explosion and massive fire at Philadelphia oil refinery caught on video https://t.co/S02h5fJmJg pic.twitter.com/eOthAdg4JN
— CBS News (@CBSNews) 2019年6月21日
イラン軍のテロ組織指定で可能となること
イラン側のアメリカ国内で攻撃を決行する能力については、少なくともイスラム革命防衛隊が【アメリカで】“スリーパー・セル”作戦を展開していると認めた2012年以降は知られていることだ、と当該報告書は説明します。
――この問題がはっきりと浮き上がったのは2018年11月のことです。アメリカ系イスラム教指導者ルイス・ファラカーンがイランへ赴き、【イラン側の高官らと】会った後にイランを攻撃することについてトランプ大統領に緊急警告を発しました。
――トランプがこれに応じたのは5箇月後の2019年4月。イランの革命防衛隊をテロ組織だと宣言しました。
――【この宣言】でFBIには、【革命防衛隊と】如何なる形であろうと何らかの繋がりのあるアメリカ人、とりわけファラカーンを監視・逮捕・起訴する権限が全面的に与えられることとなりました。
In an important step to counter the Iranian regime’s terrorism, the U.S. has designated the Islamic Revolutionary Guard Corps, incl. Qods Force, as a Foreign Terrorist Organization. We must help the people of Iran get back their freedom. pic.twitter.com/T65CxJjRrr
— Secretary Pompeo (@SecPompeo) 2019年4月8日
ポンペオ国務長官のツイート:「イラン政権によるテロ行為を迎撃する重要な一歩として、米国は【特殊部隊の】コッズ部隊を含めたイスラム革命防衛隊を外国テロ組織として指定しました。我々はイランの人民が自由を取り戻すお手伝いをせねばなりません。」
フィラデルフィアはイスラム教徒が集まる西洋版メッカ
当該報告書が詳述していますが、アメリカの【一般】市民がルイス・ファラカーンについて知らされていないのは、彼が率いるアフリカ系アメリカ人の政治・宗教運動、ネイション・オブ・イズラムはシーア派(例えばイラン)でもなければスンニ派(例えばサウジアラビア)でもないというイスラム教からスピンオフした独特の宗派なのですが、今現在、彼らは】フィラデルフィアにあるイラン支持のシーア派のモスクの多くに集っているのです。
――この街は別名を“西洋版メッカ”といい、これは15万から20万人の熱心なイスラム教徒を抱え、しかもその大半が黒人で、総人口の10%~15%を形成していることに由来します。
――アメリカでこれに匹敵する大都市はそうありません。しかも現在、フィラデルフィア大都市圏のモスクの数は63【も】あります。
――国内で四番目に多い数で、これを凌ぐのは南カリフォルニアとニューヨーク市とシカゴのみ。
――という訣で、イランがこの地の港にある製油施設を標的に選んでも何ら不思議ではありません。ファラカーンに献身的なイスラム教徒は、何十年もの時を費やし、この街のありとあらゆる場所へ浸透していったのですから。
(4-A) Philadelphia Muslim Kids Sing in Head-Chop Chorus
— Montana 🕊Agent Applebutt (@_Montana_Bound_) 2019年6月22日
Many people claim to be shocked at the video of several kids wearing sharia outfits belt out a musical rendition of the violent parts of the Koran.https://t.co/a1x0lEEA8O
(Video)https://t.co/etAw1HSuZo pic.twitter.com/pM2zrwbSxR
イスラム教版ハルマゲドン
ルイス・ファラカーンが何故未だにアメリカで自由に動き回ることを許されているのかといいますと、彼が元大統領バラク・フセイン・オバマと個人的に親しい友人だからだ、と当該報告書は締めくくっています。
――米国の左派大手メディアは【勿論】知っている事実なのですが、オバマが大統領選に出馬する【チャンス】を潰しかねないため、【大手メディアは選挙時に】自国の市民にはこの情報を提供しませんでした。
――ファラカーンが1965年にアメリカ合衆国最大の公民権運動活動家の一人、マルコムXの暗殺を公然と命じたことを鑑みれば、理解し難い交友関係です。
――しかし、オバマがテロ組織ムスリム同胞団を密かに支持し、文書が未だに機密指定されている点や、「史上最悪の外交的判断」と今では呼ばれるようになったものを統括したのがオバマであるという点から考えれば、理解できましょう。
――【史上最悪の外交的判断とは】トランプが破棄したイランとの【核】合意のことです。このせいで、“誰かさん”が心底起こって欲しいと願っている戦争の一歩手前まで世界全体は来ているのです。
――【世界戦争を願っている】その筆頭格がシーア派のイスラム教国家であるイランであり、彼らは世界戦争がひとたび始まれば、隠された“12番目のイマーム”が出てくるのだ、そして自分たちは全てを支配することになるのだ、と信じています。
――オバマやファラカーンも、そうなのかもしれません。
【FOXニューズのヘッドライン:】
翻訳:Yutika
註:原文中、赤字で強調された部分は濃い青字に色を変更しております(※水色部分は引用部分です)。よって翻訳文で赤字になっているのは、シャンティ・フーラ独自の「10分でわかる」要約サービスです。
【 】内は訳者の追記部分です。また訳文は日本語での読み易さを優先して、見出しを加えており、原文とは異なる形で文や段落を分割しています。
ちなみに「訣」という漢字は「わけ」とも読みます。詳しくはこちらのコメント欄後半の解説をご参照ください。
今回、イスラム教の「12番目のイマーム」という黙示録の救世主登場を彷彿とさせる思想に触れ、イスラム教とキリスト教の一部過激派の利害が一致するのが理解できるようになりました。
中華思想もそうですし、日本神道もそうですし、選民思想はユダヤ教に限らずどこの国にもあるようです。そこに上手いこと付け込むんですねぇ、悪というものは。
どっかの神様に特別に選ばれたと納得できるほど、自分は立派だと思えるのがスゴイです。真正の脳内お花畑というか、そいつぁーおめでたい限りで……多分、一皮めくったら劣等感で埋め尽くされていそう。世耕子飼いのネトウヨの現実逃避に通じるものがありますな。