福島第一原発の排気筒切断工事が始まった 〜 放射能大量放出の恐れ、最大限の警戒を

 以前から倒壊の危険があり、今年の3月には解体作業に入る予定だった福島原発1、2号機の排気筒の解体作業が8月1日から始まりました。排気筒は高さ約120mもあり、原発事故メルトダウンの際にはベント排気に使われたため、内部には100兆ベクレルを超える放射能が存在すると言われています。そのため周辺の放射線量も非常に高く、作業員の被曝が心配です。作業は、排気筒から200mほど離れた場所にある大型バスの中から遠隔操作で行うとの報道ですが、それでも凄まじい被曝量は避けられず、作業自体も「とんでもなく困難で、技術的にも超高度な作業」にもかかわらず、仮にトラブルが発生しても絶対に近づけないという「絶望的」なものだそうです。
 鋼鉄構造物の劣化に詳しい東海アマさんが排気筒の画像を見て、即座に「スクラップ」状態だと判断されたほど痛んだ排気筒を、遠隔でソロリソロリと解体する間にもしものことが起こった場合、放射能汚染の拡散は深刻で首都圏も影響は免れないようです。
 2014年、がれき撤去作業によって南相馬市の水田が汚染されてしまった報道がありましたが、今回の作業は当時とは比較にならないほど困難なものだそうです。
当時の放射能汚染ルートを参考にすると、今回の解体作業によって放射能の大放出が起きた場合、栃木県方面の汚染が疑われるそうです。東海アマさんは「最大級の警戒」を呼びかけておられました。
 なお、解体作業は猛暑のため、2日に一旦中止となっています。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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福島第1、排気筒の解体開始 事故時「ベント」で使用
引用元)
東京電力は1日午前、福島第1原子力発電所の1、2号機の排気筒を解体する作業を始めた。排気筒は、2011年の東日本大震災での事故時に原子炉を覆う格納容器内の圧力を下げるベント(排気)に使った。上半分を解体し、倒壊リスクを低減する。作業員の被曝(ひばく)を避けるため、遠隔操作で解体する
(中略)
排気筒から約200メートル離れた高台に配備した大型バスの中から遠隔で装置を動かす。作業は福島県大熊町の地元企業が担う。
(以下略)

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配信元)





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恐怖の福島第一原発、排気筒切断工事
引用元)

(前略)
そうした経験から、福島第一原発排気筒の、以下の写真を見た瞬間に、「こりゃアカン!」と叫んだ。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4652.html

 こんなものは、もはや構造物ではない。鉄塔のように装っているが、本質はスクラップにすぎない。もう倒壊事故は、時間の問題と思えた。
(中略)
この排気筒の中には、2011年3月12日からの、100兆ベクレルを超える凄まじい量の放射能が貼り付いていて、倒壊とともに、日本列島を再び巨大汚染に至らしめるのである。

 これが、どのくらい凄まじい汚染をもたらすかというと、東電の公表では、煙突内部で数十シーベルト毎時の汚染が確認されているので、仮に1割の10兆ベクレルが外部に出たとして、半径100キロ圏は、ミリシーベルト級の汚染、1000キロ圏でも、政府が新しい安全基準に定めた毎時2マイクロ超級の汚染になる可能性がある

 しかも、ここに残っているのは、セシウム137・ストロンチウム90・アクチノイド系核種など長寿命の危険核種ばかりで、一度汚染されたら線量が下がる見込みが少ない。生物危険性は著しく高い。
(中略)
巨大な切断装置をクレーンで吊して、2メートルごとに鉄塔(煙突)を切断してゆくというが、これは、とんでもなく困難で、技術的にも超高度な作業だ。
 もしクレーンで吊した装置にトラブルが発生しても、近寄ることさえできない。
 操作する側も、命がけであり、バスの中で操作するとはいうが、おそらく凄まじい被曝量になるだろう
(以下略)

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