独逸の伯林で見た、聞いた、感じた社会問題、教育問題 ~第44楽章 壁とか国境について考えてみた・・・

第43楽章にも書きましたが、冷戦時代、ベルリンには、ベルリンの壁があり、1961年8月13日から1989年11月9日まで東西に分断されていました。
日本も戦後、日本の分割統治の計画があったそうです。

ベルリンでは、子供時代から学校でも国境があった方がいいのか・・
国境はない方がいいのか・・と関心が高い問題なのです。
日本は海に囲まれているので、あまり国境について考えることは
ないと思います。
もし、日本がフォッサマグナあたりで東西に分かれていたら・・

第44楽章は、壁とか国境について考えてみた・・・
(ユリシス)
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ベルリンの壁崩壊30周年コンサート



ベルリンでは8月24日にブランデンブルグ門の前で
ベルリンフィルハーモニーによるベルリンの壁崩壊30周年の意味もあり、
また、新しい指揮者キリル・ペトレンコ時代の幕開けということで、

Author:A.Savin[FAL]
キリル・ペトレンコ

オープンエアーでの入場無料のコンサートが開催されました。
3万4千人もの人々が集まり、盛大な記念すべきコンサートになりました。








コンサートも素敵ですが、特に注目したいのは、ベルリンの観客の様子です。
クラシック音楽会場なのに、みなさんラフな格好なのです。
実際に、ベルリンフィルハーモニーの室内の場合も同じです。
日本でも気軽にラフな格好でクラシック音楽を楽しめるようになったら
いいなと思っています。

動画は配信元のrbbでご覧ください(画像をクリックすると配信元へ飛びます)

コンサートの全演奏と最後のインタビューをご覧いただけます。
野外コンサート会場はとても素敵だと思いました。
舞台を囲む屋根の形といい、紫のライトアップといい・・
とてもセンスがいいなと思いました。
最後の建設の様子の動画と建設チーフのインタビューによると、
1か月をかけて、120人総出でこちらを建設した
とのこと、最後には、
安全なコンサートを達成できて、満足していると語っています。
スポンサーにはドイツ銀行などもありますが、記念コンサートを無料で行うことところが太っ腹だな・・そして音楽を楽しんでいる国民性を感じます。
実際にコンサート会場に行った方によると、混んでいて、見えないとか・・
反対側に降りてしまい、ぐるっと回るのが大変だったとか言っていましたが・・・


ドイツ移民の成功率は50%


1989年11月9日にベルリンの壁がちょうどこのブランデンブルグ門の周辺で
崩壊して30年が経ちました。2015年には、ドイツには、シリアの難民が
大勢押し寄せて来ました。

photo by ユリシス


2015年には多くのシリアの難民の方たちが、ドイツ語の語学学校に通学していたのですが、現在私が通学している語学学校の先生に聞いてみたのです。
難民の方たちは、その後仕事を持つなどの成功率はどれくらいですか?』
すると、2015年あたりには、ドイツ語の先生の需要も多くなったと言っていた先生が答えました。
『成功率は50%と言われている。これはかなり良い方だと思っている・・』
シリアからの難民の方々の中には、ドイツの土地に慣れずに帰国された方もいるのですが、成功率50%は良い方ではないかと見なされているようです。
私自身、移民として生活していますが、移民にとっての壁は、生活の慣れもありますが、語学の壁、仕事や資金の壁など多くを乗り越えていかなければいけないのです。


家庭の中の壁とハグ


さてさて、壁を家庭の中、家の中に置き換えてみます。
家の中では、自分の個室、書斎などをお持ちでしょうか・・。
子供に個室を与えていますでしょうか・・・
日本人にとっては、子供時代は親が添い寝をして、家族が川の字になって寝る・・
という温かい雰囲気があり
ますが、西洋人は子供時代から個室を与えられて、
赤ちゃんの時から一人でベッドに寝る
ような習慣になっています。
息子には10歳ごろだったかな・・、あるとき、西洋人のように一人で寝るのはどう??と聞いたところ、絶対にいやだ!と言っていました。
親としても、子供の寝顔をそばで見ながら安心して寝る・・・
風邪などをひいたときなども、呼吸が荒いことがすぐにわかりますので、
やはり親は子供に添い寝をするという日本式がいいと思うのですがどうでしょうか・・


インターナショナルスクールに通学されている方から聞いたことは、
日本のように添い寝をしないせいなのか、小学校低学年の西洋人の子供たちは、
参観日などは、学校でも一目をはばからずに親と
ハグをずっとしていて、
担任の先生に子供を呼んでもらってまで、ハグをずっとしているとか・・。
また、親が手で描いたハートを子供に飛ばすことも流行っていて、
子供は親が飛ばす空気のハートをパクパクと食べるそうなのです。
添い寝より、愛情のパフォーマンスの方が重視されるのかな・・とも思いました。
日本人ももっと愛情パフォーマンスであるハグをした方がいいと思いますが、
日本人はやはり慣れていないですよね・・と自分自身でも思います。
お友達と頬を右、左とつけて挨拶する場面もあるのですが、やはり慣れないです。
息子などは、女の子のお友達とは、全員ハグで挨拶です・・。
日本だとカップルだけなのに・・。


右派と呼ばれるAfDの勢力の台頭


9月1日にブランデンブルグ州にて選挙が行われました。
AfDが第1政党になることは免れたのですが・・
思想・信条の壁はここにも強固にあります。



ベルリンの外側はブランデンブルグ州になりますが、
こちらでは、右派と呼ばれるAfDの勢力が強いのです。
旧東ドイツでは、AfDを支持する人が多いと言われています。
AfDの中でも、国を守りたい右派、ネオナチ系の右派がいるようです。
聞いたことは、興味深いことに、ドイツ人は家族や恋人同士でも
AfDを支持するかどうかで議論になるらしく、AfDのせいで離婚したり、
恋人同士なのに喧嘩別れの原因になっている
そうなのです・・。
日本では、れいわ新撰組を支持したからといって、喧嘩別れにはならないですね・・
実際にドイツの高校では、歴史の先生の中にAfDの支持者がいるそうです。
AfDの先生たちは、移民背景がある生徒には、悪い点数をつけることがあるようです。

Wikimedia_Commons[Public Domain]

AfDがなぜ支持されるのか・・。
今までの記事や語学学校の先生から聞いたことをまとめると、
ドイツの旧東側の方にとっては、今の現状に満足できないという意味
もあります。やはり、旧西側に比べて、旧東側が差別されている、劣っていると
思われ
ているところもあるようです。
大学なども、旧東側の就職率が悪いとも聞きました。
その原因が移民や難民でもあるのではないか・・という憶測から、外国人を排除したい、昔ながらのドイツを守りたいというノスタルジーな思いもあるようです。
ドイツのおばあさんなどは、難民にお金を出すより、老人ホームを作れ!と
怒っていた方もいたな・・・

AfDがなぜ支持されるのか?の例として、語学学校では、
先生から、日本についてのこんな質問をされました。
『徳川は、なぜ日本を鎖国したのか?』
私は簡単にこう答えてみたのです。あっていますでしょうか・・
『少し前の時代から諸外国、特にローマ・カトリックの影響が強くなり、
支配されそうだったので、日本を守るために鎖国をした・・』
欧州では、ユグノー戦争、30年戦争など、ローマ・カトリックとプロテスタントの争いである宗教戦争があった時代と同時期で、ローマ・カトリックの勢力が拡大していた時代です。
世界中を見ると、ローマ・カトリックの国が多く、ドイツ、オランダ、スイス、北アイルランドはローマ・カトリックとプロテスタントが半々になっているようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/カトリック教会

語学学校の教室には、南米、スペインからの生徒が多いので、
私が発言した時に、一瞬多くの視線を感じて、ローマ・カトリックと
言ったのはマズかったかな・・とも思いました!

カトリック教会の総本山サン・ピエトロ大聖堂


子供の個室と遺伝子組み換えトウモロコシ


家の仕切りとか、壁とか国境とか・・どう考えますでしょうか・・
家などは、子供部屋などの個人の部屋を与えるより、
共有のスペースを融通する方が家の間取りが狭くても有効に使うことができます。

実際に子育てをして来て、息子にはつい最近まで個室を与えませんでした。
個人の机というスペースを与えていただけです。この方が家族の温かい空間を
つくることができます。子供の心の成長にも良い気がします。
我が家の息子は一人っ子で、よく言うならば、愛情たっぷり十分すぎるほど、
悪く言えば、大いなる甘えん坊に育ててしまいました
ので、
(幼稚園の最初の面談で、かなりの甘えん坊さんですね・・と言われたましたので・・)
個室がなくても良かったみたいです。机はいろいろと設置していましたので、
離れたければ、違う机にPCなどを持っていき、過ごしていました。
親としても、個室がない方が狭い家でも大丈夫なので、質実剛健な生活が
できるので嬉しい
ことです。

壁は、作ってはいけないですね。心の壁でさえ、作ってはいけない・・
1988年にベルリンの壁を実際に見ましたが、異様な光景でした。
ちょうどブランデンブルグ門あたりで、東ベルリン側から壁や国会議事堂を見た時、
守衛が壁のそばで銃を持っていた光景も忘れられないのです・・
暗い雰囲気が漂っていました。

ブランデンブルグ門

語学学校の隣の席には、真面目な若い韓国からの男性が
座っています。休み時間中にニュースを見て教えてくれました。
日本の首相がアメリカからトウモロコシを買ったみたいだよ・・
中国がいらないと拒否した、ほとんど遺伝子組み換えの
トウモロコシを購入
してしまったのですね・・。
今後、いろいろなところに遺伝子組み換えのトウモロコシが
混入されるのですね・・
トウモロコシがブームがくるのでしょうか・・。
バブル時代には、イタリア料理ブームがあり、それが、
ウクライナのチェルノブイリパスタであったこと・・
後で聞いて驚愕、仰天しましたが、こうした点では 防壁が必要かもしれません。


壁は作りたくないですが、口に入れるものが健康の要ですので
目を凝らして、遺伝子組み換えなどはいつもチェックしていきたい
今の時代ですね
・・


本日の最後の音楽は・・


ベルリンフィルハーモニーの新しい指揮者キリル・ペトレンコは18歳のときに
ロシアからオーストリアに移住しているようです。
音楽家ラフマニノフもロシア革命の時にアメリカに移住をして、最後は
ビバリーヒルズで亡くなりました。
ラフマニノフも故郷への壁をノスタルジーの中で感じていたのでしょうか・・
こちらは、ラフマニノフの最後の曲だそうです・・




Writer

ユリシス

311を機に息子と共に、東京からシアトル、2012年ケアンズ、2015年ベルリンへと移住。
ユリシスの名前は、ケアンズ近郊でみられる見ると幸せになると言われる青い蝶から命名。
幸運にもケアンズの家の近くでペアのユリシスに遭遇したので、それを思い出し・・。
映像配信、東洋医学セミナーなどシャンティフーラでの学びが大好きです。
体癖1-3 




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