ぴょんぴょんの「ガタン!で治る」

〈椎間板ヘルニア〉が、病院やクリニックで治った話は聞いたことがありません。
でも、「椎間板ヘルニアが治った」話を聞いて、半信半疑で訪ねてみると、これまで聞いたことも見たこともない理論と手技で、〈椎間板ヘルニア〉が良くなっている。
以来、何人の患者さんをそこに紹介したことでしょう。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「ガタン!で治る」


パン屋で教えてもらった〈上部頚椎カイロプラクティク〉


近所に、夫婦二人でやってるおいしいパン屋があってな。
こんな田舎にいながら、焼きたてのバケットやパン・ド・カンパーニュが食べられるのはありがたい。

Author:grongar[CC BY]
パン・ド・カンパーニュ

わあ、食べてみたい!

実は、こないだそのパン屋で、おれのギックリ腰の話をしたら、オバハンがこんな話をしてくれた。
「実は、私も腰が悪かったのよ。
パン屋って、重いものを運ぶでしょう? ムリをしたのね。
病院に行ったら〈椎間板ヘルニア〉って言われて、痛み止めや湿布で治らなかったら、手術だって言われたの。
でも、手術なんかしたら、何ヶ月も入院しないといけなくなるでしょう?
主人1人じゃ店はできないし、どうしようって思ってるうちに、どんどん悪くなって、起き上がれなくなっちゃって。
やっぱり、手術しかないのかなあと思ってたら、弟がお見舞いに来て言うの。
『姉さん、だまされたと思って、行ってみてくれ』って。
どこに行けって? 病院かと思ったら、整骨院て言うじゃない?
何をされるかわからないし、コワくて気が進まなかったわ。
でも、このまま寝たきりになるよりはと、思い切って連れて行ってもらったの。
行くときは、弟に抱えられないと歩けなかったけど、帰る時はコルセットもはずして、さっさと歩いて帰れたのよ。
クロくんも行ってみたら? フフフ・・だまされたと思って!」

えええ?!
それで、くろちゃん、行ってみたの?

行ったぞ〜、マジックみてえだったなあ。

アヤシイ?

そんなんじゃねえ、ちゃんとした整体? 整骨? 
いや、あれは〈カイロプラクティク〉か?

うわ! 〈カイロプラクティク〉は、アブナイよ。
知り合いの、整形外科のお医者さんが言ってたよ。
〈カイロプラクティク〉で傷めた患者さんが、よく来るって。

おれも、〈カイロプラクティク〉はコワいから、避けてきた。
ポキポキやられて、ひどい目に合ったヤツを知ってるし。
だが、おれが受けたのも〈カイロプラクティク〉の一種にちげえねえ。

何て名前なの?

〈上部頚椎カイロプラクティク〉。



ふうん・・聞いたこともないねえ。
服は着たままでやるの?

ああ、ちょっと首を出すくれえだな。
体に触れるのは、首の触診と、手足の長さを計るだけかな。

へえ?? 腰が悪いのに、腰に触らないの?

そう言やあ、一度も腰に触らねえし、腰の話も聞かれなかったな。

なにそれ? ホントに大丈夫なの?

呼ばれて診察室に入ると、まず4方向の全身写真を撮られる。

レントゲン?


じゃねえ!!
レントゲン嫌いのこのおれが、オメオメと放射線を浴びると思うか?
写真だよ、ふつうの写真。

へえ? でも、レントゲン見ないとわからないんじゃない?

まあまあ、最後まで話を聞けよ。
写真を撮り終え、椅子に座ると、うなじにローラーみたいのを下から上に転がしてる。

超音波かなにか?

ちげえ。

じゃあ、なに見てるの?

さあ、何を見てるのでしょう? 答えは後ほど・・。
お次はベッドに寝て、手足の長さを計る。椅子に座ってばんざいして、手の長さを計る。
首の触診、それで検査は終わり。



ええ?? たった、それだけ?

あのローラーはパソコンにつながってて、モニターに描かれた曲線と、頚椎の模型を見せながら、「あなたはこういう風にズレてます」と説明を受ける。

パソコンには、何が写ってるの?

なんか、色の違う線があって、真ん中のまっすぐな青線が理想です、と。
おれの線は、上のほうが、真ん中の青線から大きくはずれていた。

つまりこれは、上の方の頚椎に大きなズレがあるという意味らしい。

何を計っていたんだろう?

首の皮膚温だそうだ。

へえ??? 皮膚温だけでズレがわかるの?

脊椎の中には、脊髄が通っているだろ?
椎骨がずれて、脊髄や脊髄神経が圧迫されると、自律神経の温度調節がおかしくなる。
そこを、見ているらしいんだ。

そうか、正常なら、左右の温度は変わらないのか。

おれの場合は、右にグ〜ンと飛び出していたから、右が左より温度が高くなってた。

レントゲンも超音波も使わないで、首のズレがわかるなんて、考えた人スゴイね!

さて、いよいよ治療だ。

ずれてるとこを、ボキバキってやるの?

おめえ、首をボキバキやられたら、どうなるか知ってんのか?

ヘタすると、車イスになっちゃうかも。

パン屋のオバハンに、何をされるのか聞いたら、
「あら、簡単よ。台の上に寝て、首をカタンってやるだけだから」と聞いてはいたけど、正直、ちいとコワかった。
とゆうのも、まな板に横になって、ガタン!だからなあ。

ヒエエ〜〜〜! ギロチン?!


まあ、最初はちょっと驚くかな。
でも、子どもも受けてるんだぜ。

子どもも!

おれの場合は、第一頚椎が右に寄っちまっていたから、左下に寝かされた。
そして、右顎の後ろあたりを指で押したかな?と思ったとたん、枕がトンと下がった。

ギロチン!

一瞬、何があったの?って感じで終わる。
そして、2〜3分そのまま動かずにいる。

痛くなかった?

ゼ〜ンゼン!
そこから起きて、今度は休息用のベッドに移動するが、立ち上がるとき、腰の痛みが前にもどった感じがした。

悪くなっちゃったの?

好転反応だな。
それから30分、温かくしてベッドに横になっていたら、両手がじわじわと暖かくなり、気が巡り出した感じがした。

30分も横になってるのか。

当日は髪を洗うのも、アルコールを飲むのも避けるように言われた。

へえ、なんでだろう?

調整した頚椎がズレないように、そして炎症が起こらないようにするためかな。
休んだ後、もう一回4方向の写真を撮って、首にローラー転がして、手足の長さをもう一度チェックする。
そうして、調整の前後で、全く変わったことを確認する。

皮膚温の差はなくなってた?

ほとんど、正常値の青線に近づいていた。
写真の比較でも、姿勢が良くなっていた。

すごい、一回パタンとしただけで?

帰りは、来たときよりも腰が少し痛かったが、足の裏がまんべんなく地面についている感覚が気持ちよかった。
だが、一番驚いたのは、車のシートベルトだった。


シートベルトがどうかしたの?

ああ、車に乗るといつも、シートベルトが首にめり込んできて痛かったのが、まったく気にならなくなっていた。

首の位置が変わったってこと?

また、最近、右肩が上がりにくくて、右手がだるくて、マウスも左手で操作していた。
それから、首を掻いたとき、左側が鈍感でおかしかったが、感覚が左右同じになった。
また、右の股関節がキヤっとなることもなくなった。

そういうのを何年も放置して、ついに、ギックリ腰で気づかされたってこと?

放っておけば良くなると思ってたが、ごめんなさいって感じだ。


〈カイロプラクティク〉の歴史とメカニズム


良くなるのはわかるけど、〈カイロプラクティク〉、いまいち信用できないなあ。

じゃあ、〈カイロプラクティク〉について考えてみよう。

上部頚椎カイロプラクッティク説明

〈カイロプラクティク〉の創始者は、ダニエル・デビッド・パーマー ( D.D.パーマー )というヒゲのおっさんだ。
彼には、こういう逸話がある。
ビルの管理人ハービーの背骨の椎骨が、一つゆがんでいるのに気づいた彼は、本人の了承を得て、手で正常の位置に戻した。
すると、17年間聞こえなかったハービーの耳が聞こえるようになった。
1895年、D.D.パーマー50才のことであった。
(ステージ宗一郎)

Wikimedia_Commons[Public Domain]
D.D.パーマー

す・・すごい! そんなことがあるんだ。

と言うわけで、D.D.パーマーは〈カイロプラクティク〉の創始者になった。
ちなみに、〈カイロプラクティク〉の「カイロ」はギリシャ語で「手」、「プラクティック」は「技術」を意味する、つまり、背骨のゆがみを手で直すことを意味する。(Wiki)

へえ、ギリシャ語から来てるんだね。

その後、医師の資格もないD.D.パーマーが、いろいろな症例を治してしまうため、〈カイロプラクティク〉に対する医学界からの圧力は強く、D.D.パーマーは何度も投獄された。(札幌整体腰痛の谷井治療室)

医学界も脅威に感じるほど、効果があったんだね。

ただ、日本では〈カイロプラクティク〉が法制化されていないので、誰でも今すぐ開業できてしまう。それが、問題になっている。

たしかに、「カイロプラクティク」の看板、よく見かけるよね。

この動画によると、日本にある、およそ2〜3万軒の「カイロプラクティク」の店の中で、国家資格を持っている、または国際的に認められた学校を卒業しているのは、およそ1000人しかいない。

たった、それだけ?

自称のカイロプラクターが多いため、頚椎アジャストメントによる事故も報告されている。」(Wiki)

事故は、コワいねえ。
くろちゃんの行ったとこは、大丈夫?

おれを診た先生は「柔道整復師」で、アメリカのカレッジにも勉強に行ってるが、何よりパン屋のオバハンのお墨つきだし!

パン屋のオバハン、信頼されてるねえ!

〈カイロプラクティク〉を世に出したD.D.パーマー。
後を継いで〈カイロプラクティク〉を研究した息子のB.J.パーマーは、最終的に「すべての背骨の中でも最も影響を与えているのは〈上部頸椎〉である」という結論に至った。

Wikimedia_Commons[Public Domain]
B.J.パーマー

〈上部頸椎〉って?

頚椎の上の二つだな。
首は、4〜5キロの頭を支えている、大玉スイカ一個分てとこかな?

頭って、そんなに重かったの?

いやいや、おめえは心配ねえ。
中身スカスカで、首がズレる心配もねえとは、何ともうらやましい話だ。

・・・いじわる!!

その大玉スイカを支えているのが、24階建てタワーの背骨。
その最上階の二つが〈上部頚椎〉と呼ばれる、〈環椎〉と〈軸椎〉だ。

〈環椎〉〈軸椎〉って何?

では、ここで、「しもっち先生」の解剖学をどうぞ。

新解剖学 第12骨 奇抜な骨!頚椎1〜2番の環椎・軸椎をリスペクト

うわあ、わかりやすい・・・
ってゆうか、後ろにいるピカチュウ骸骨、気になる〜
しもっち先生のダンス、キレッキレだし。

・・イヤイヤ、ほねっちもなかなかイケてるぜ・・
って、肝心の〈環椎〉〈軸椎〉はわかったか?

頭蓋骨のすぐ下に、頚椎1番〈環椎〉くん、「大きいお口が特徴的です。」
その下に頚椎2番〈軸椎〉くん、「歯突起というツノが生えています。
・・この二つが、ふだんはドッキングしてるんです!」

模型で見ると、こうなっている。


〈環椎〉くんを、上が前方、下が後方に描くとこうなる。

Wikimedia_Commons[Public Domain]

ほんと、輪っかだね。

〈環椎〉は、真下から頭蓋骨を支えているから、またの名を〈アトラス〉。
ギリシャ神話で、ゼウスに命じられて天空を支えた、巨人アトラスのことだ。

L玉スイカを支えるアトラス!

Wikimedia_Commons[Public Domain]
アトラス

実は、〈環椎〉と頭蓋骨の接点は、ほんの指先ほどの2点。
しかも、〈軸椎〉との間には、ショックを吸収する椎間板がない。

だから、ズレやすいのかあ。

しかも、〈環椎〉がズレただけで、全身に影響が出てしまうからやっかいだ。
まず、脳脊髄から全身への司令が届きにくくなる。
また、全身からの栄養が脳脊髄へ届きにくくなる。

首は、頭と胴体の大事な連絡橋だからねえ。

しかも、〈環椎〉の真上に脳があって、〈延髄〉が〈環椎〉の「大きな口」に入り込んでいる。

生命の中枢、急所と言われると〈延髄〉が?

〈上部頚椎〉のズレによって〈延髄〉が圧迫されたら、どうなるか?

血液の流れとか、心臓の働きとか、呼吸とかに影響が出るよ。

そうだ。生命維持に必要な器官が影響を受ける。
そして、全身の神経系統に影響が出たり、頭部の栄養が不足して、お肌が荒れたり。

そうかあ、〈上部頚椎〉がズレてたら、いくら顔や首をエステしても早く老化するのか。

〈上部頚椎〉のズレが及ぼす影響は、美容や脳みそばかりじゃねえ。
頭を右に傾けてみろ。そのまんま、歩けるか?

う・・う・・ムリ!

頭を傾けて歩くことはできない。
体は、頭だけでも水平に保とうとして、他の背骨をゆがませる。
そのとき、背骨や、腰や、股関節、膝にも負担がかかるってわかるか?

わかるわかる。
でも、スマホやパソコンを見てるときは、みんな首を前に突き出してるよ。


ストレートネックだな。
それを代償するために、腰のS字湾曲が消えて、腰痛などの原因になる。

それほど、〈上部頚椎〉は大事な場所だったのか。
でも病院に行っても、教えてくれないよ。

整形外科はムチウチに牽引したり、首にカラーを巻いたり、痛み止め飲ませたり、マッサージしたり、温めたり冷やしたりするが、後遺症で悩む人は多い。

根本治療になってないからだよ。〈上部頚椎〉は現代医学の盲点だね。

〈上部頚椎〉のビミョーなズレは、レントゲンじゃわからんし。
しかし、〈上部頸椎〉だけで、全身が治るとB.J.パーマーは言うとるから、もっと〈上部頸椎〉に注目すべきだと思うな。

日本上部頸椎カイロプラクティック協会公式ビデオ改訂版


真実はいつもシンプル


でもまだ、わかんないことがあるんだけど・・・・。

なんだ?

首を調整する時に、なんで首を支える台がガタン!と落ちるの?
それが、コワくて行く気がしない。

ああ、あれか?
あれは、頭を支える台を下げたとき、一瞬の頭が無重力になるだろ?
それを利用して、首を直している
んだ。

頭が浮いた状態で、頚椎を押すんだね。

しかし、真実はいつもシンプルだと思わないか?
「東洋医学セミナー」の経絡治療はたった一個の金銀の粒で治る、ホメオパシーはたった一粒の砂糖玉で治る。
鍼治療も、ハリネズミみたいにたくさん打つのは、名人じゃねえし。


「ヘタな鉄砲も、数撃ちゃ当たる」じゃ、ダメだね。

必要最小限で、最大の効果を得る、それが本物ということだ。

たった1回のガタン!で、痛くないし、効果は明らか、いらないことはしない。
シンプルだね!

ただし、忘れちゃいけねえのは、本物の治療には必ず好転反応があること。
おれも、やった後、半日くらいは腰が前よりもキヤキヤしたが、今は何ともねえ。

それまでの、間違った使い方で傷めた場所が痛みだす。

そこを誤解して痛み止めを飲んじまったら、なんのための治療かわからん。

だねえ、ぼくも、一度見てもらおうかな。

おうし、1ヶ月後に行く予定だから、連れてってやろう。

“様々な原因で、椎骨がずれることは誰にでも起こりえることであり、それ程大きな問題ではない。椎骨がずれることによって神経圧迫を起こすことも、大したことではない。
しかし、これらの原因により脳からの生命エネルギーが低下し、組織細胞に十分な栄養、エネルギーが伝達されなくなり、100%の先天的回復力が低下することは大きな問題である。
椎骨のずれを矯正することは、大きな問題ではない。矯正により神経圧迫が取り除かれることもそれほど大きな問題ではない。
しかし、矯正により神経圧迫が取り除かれ脳からの先天的回復力が100%になり健康が取り戻せることは大きな問題である。”
B.J.パーマー



Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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