女川原発2号機再稼働を村井嘉浩宮城県知事が同意 〜 地元住民の反対や避難経路の不明は置き去り

 「今だけ、金だけ、自分だけ」「命よりも金」そんな言葉が浮かびます。村井嘉浩宮城県知事は東北電力女川原発2号機の再稼働に同意しました。これによって2022年以降の運転再開が可能になりました。加藤官房長官は「地元の理解が得られた」と述べていますが、民間世論調査では61%が再稼働反対を表明しています。同意せざるを得なかった地元の方々は、経済的理由で追い詰められての判断ではないでしょうか。おしどりマコさんがいみじくも「経済的徴兵と同じ」と核心を突いておられました。
 さらに事故が起こった時の肝心の避難計画が役に立たない可能性があります。2019年に行われた避難訓練では参加した住民から不安の声が上がっていますし、これまでに「災害時の孤立が頻繁に起きている」との東京新聞の報道もあります。避難経路も確保されないまま、地元住民の反対をも無視する強引な再稼働ですが、ゆるねとにゅーすでは、その背景に「菅政権による脱炭素社会をお題目にした原発推進政策」があると指摘されています。あらゆる利権の中でも最も巨大な闇を抱える原発の実態を、改めて認識すべき時です。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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女川原発再稼働 避難はまた置き去りか
引用元)
(前略)
 女川でも問題になったのが避難計画だ。経路に当たる国道は豪雨や高潮で通行不能になる例が多く大渋滞も懸念される。

 離島からの避難には海路や空路が含まれているが、広域災害時に人員や資材を確保できるのか。想定される避難先も被災した場合、収容先はどうなるのか…。実効性が疑われている

 地元住民らは、立地自治体の同意の差し止めを求める仮処分を裁判所に申し立て、議会には再稼働反対の請願を提出。政府にも避難計画の再審査を求めてきた。
(中略)
 これで十分という避難計画はないのかもしれない。横たわるのは日常の暮らしが根底から覆されかねない危険性を受け入れてまで、原発を維持しなければならないのか、との問いだ。
(以下略)
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女川原発の再稼働へ 「金が落ちるならしょうがねえ」 住民避難の不安は残したまま
引用元)
(前略)
地元同意手続きはとんとん拍子で進んだ。県内の市町村長から意見を聞く場は、会談2日前にあったばかり。事故時の避難計画が義務付けられている原発30キロ圏内にある美里町の相沢清一町長が「県民に新たな不安を背負わせる」と反対を表明したが、少数意見として受け入れられなかった

 早期の同意となった背景には、地元の商工会や漁協の要請も影響した。津波で800人以上が犠牲となり、人口減少が続く女川町では経済のてこ入れとして原発への期待が大きい。2年前には「福島みたいになりたくねえ」と語った同町の60代の男性漁師は、「金が落ちるならしょうがねえ」と諦めたように言った。
(以下略)
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宮城・女川原発の再稼働を村井知事が同意!東日本大震災の被災地で初!福島原発事故の記憶を葬りつつ、「脱炭素社会」を口実に「with原発社会」がますます加速!
転載元)
どんなにゅーす?
・2020年11月11日、宮城県の女川原発2号機について、村井知事が再稼働に同意することを正式に表明した

・東日本大震災の巨大な津波被害を受けた被災地の自治体が原発再稼働に同意したのは初である上に、福島原発と同型機の再稼働に地元知事が同意したのも初めて。福島原発事故の詳細な調査や総括がいまだ行なわれていない中、「脱炭素社会」を掲げる菅政権の主導で「with原発社会」がますます加速していく動きが広がっている。

(中略)



福島の悲劇の記憶」が薄れつつある中、ついに被災自治体の首長が原発再稼働に同意!「反省しない&責任取らない&喉元過ぎれば…」の「日本病」が変わらず蔓延!


菅政権が推し進めようとしている「脱炭素社会」を口実にした「with原発社会」が急ピッチで現実化しつつあるわっ!
ついには、東日本大震災で甚大な津波被害を受けた宮城県の村井知事が、地元原発(女川原発2号機)の再稼働に正式に同意してしまったし、このままじゃ、完全に福一事故以前の「原発まみれの日本社会」に逆戻りだわっ!!

相変わらず、「反省しない&誰一人責任取らない&喉元過ぎれば熱さを忘れる」などといった深刻な「日本病」が蔓延中だし、いい加減に「過去の失敗」に少しは学んだらどうなんだ。
村井知事がこうした再稼働の同意を発表したのも、菅政権による「脱炭素社会」をお題目にした「原発推進政策」が大きな後押しになったのは間違いないし、まさに、”中毒状態”からいつまでたっても抜け出せないまま人生が破綻していく薬物中毒患者と同じで、このままではいずれ「第二・第三の福島によって」日本が破滅するだろう。

ちなみに、村井知事は、「原発がある以上、事故が起こる可能性はある」としつつ、「事故があったから(原発が)ダメであれば、全ての乗り物も食べ物も事故が起きた経験から否定される」などと主張しているけど、これは相当に悪質な詭弁と言わざるを得ない。
巷でも、御用言論人などが「原発を規制するなら自動車も規制しないといけない」などと言っているケースが見られるけど、原発が最もダメなのは「事故のリスクがあるから」ではなく、「1%の支配層や電子力ムラ、さらには政治家などによる強力かつ腐敗した利権構造がある」からダメなんだ
さらにいえば、「これらの腐敗した利権構造を守るために、事故のリスクを意図的に過小評価しているからさらにダメ」なのであり、原発と自動車などを並列で語る手口は、こうした自分たちの利権構造を隠しては、国民に間違った認識を植え付けるための完全なる詭弁&国民騙しだ

しかも、女川原発の再稼働容認の判断を正当化させるために、こうした悪質な詭弁を堂々と披露しているのだから、ますます悪質と言わざるを得ないわっ!!
結局は、「1%による1%のための原発」なのは見え見えですし、こうした利権構造をどうにか守るために、意図的にその他の発電方法の普及を妨害しているようにも見えてくるわ!

そして、この前の「もんじゅ関連の記事」でも触れたけど、「原発が核兵器と密接に結びついている」ことも、日本の権力層が原発に縋り付き続けている要因の一つになっている
日本に原発が導入されたプロセスを見ても、米国の軍産資本勢力の意向が大いに反映されていたことが分かるし、とにかくも、日本の原発をめぐる闇は相当に深いということだ。
こうした「原発地獄」から日本が脱していくには相当な困難を伴うと思うけど、「第二の福島事故」が起こってしまえばいよいよ日本は終わりだし、ボクたち国民が粘り強く「原発中毒」から脱していくための努力を続けていかないといけないのではないかな。

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