アキタフーズ疑惑は西川公也内閣官房参与の辞任に飛び、農水官僚の腐敗にまで及ぶ可能性 / 政官の汚職だけでなく私たちの健康にも関わる問題へ

 鶏卵生産大手「アキタフーズ」が吉川元農相に大臣室でワイロを渡した疑惑が、さらなる広がりを見せてオオゴトです。8日「西川」氏が辞任の報が流れ、は?「吉川」でなく「西川」?と混乱していたら、西川公也元農相でこちらもアキタフーズからの接待対象でした。安倍政権下で農相に就任したもののスキャンダルで辞任、衆院選でも落選したのに安倍首相が内閣官房参与として起用し、菅政権でも引き続き農水省への影響力をふるっていたようです。典型的なオトモダチ人事で選挙で拒否された人物が農政の中枢に居たわけです。7日の野党合同ヒアリングでの農水省は、他省庁を凌ぐ勢いで質問の回答をことごとく拒否し、官僚が政治家への忠誠を見せつけているのかと思うほどでした。ところが、政治家をかばっていたのではなく、どうやら農水官僚も捜査対象に上がるような犯罪に染まっていたらしい。
森友問題の時の籠池氏のように、今回のアキタフーズ元代表も「メモ魔」ということで、改ざんナシの詳細な記録があるそうです。検察次第で年末大掃除が可能です。
 ところで、鶏卵業界については汚職の背後に深い問題があることが見えてきました。8日参議院農水委員会での石垣のりこ議員の歯切れの良い質問から、鶏卵の価格調整には他の農畜産物のような法律がなく毎年予算措置が取られ、今後も法制化の見通しはないことが分かりました。そこに様々な思惑が関わる隙ができると思われます。他方、国際的なアニマルウエルフェア(快適性に配慮した家畜の飼養管理)の流れは1960年代から「放牧飼い、ケージ無し」の方向で進み、日本のように鶏の身動きができないバタリーケージが9割以上の飼養は遅れに遅れていると言えます。
当然、国際獣疫事務局(OIE)のアニマルウエルフェア基準案は、日本にとっては厳しいものでしたが、なぜか利害関係者であるアキタフーズ代表がOIEへの提言に加わり、2次案から4次案に至るうちに業界の意見を反映したものとなっていました。石垣のりこ議員の質問を聞くうちに、ことは政治家の利権に止まらず、鶏卵の生産状況が私たちの日々の健康に直結する問題だと気づきました。農水省まで日本人の安心安全を売り飛ばしていることが暴露されようとしています。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)


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鶏卵疑惑に農水省は戦々恐々…甘い汁を吸ったのは誰なのか
引用元)
 鶏卵疑惑が官僚にも飛び火しそうだ。鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県)グループ元代表が吉川貴盛元農相に現金を渡していた問題を巡って、野党は7日農水省などへのヒアリングを開催。「捜査に関わる」とお決まりのワードで回答を拒む農水官僚は、明らかにビビっていた。
(中略)
 野党はさらに、今年7月に西川公也元農相や本川一善元事務次官、大野高志元畜産部長らがアキタ側から豪華クルーザー接待を受けていた問題も追及。農水省の担当者は乗船したOBにヒアリングした結果として「現職の職員は接待を受けなかった」とだけ発言したが、メンバー表の提出は拒否。「どこまでが捜査の対象なのか分からないので……」とヤケに慎重だった。
(以下略)
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社説 元農相の現金授受疑惑 倫理観の欠如が甚だしい
引用元)
(前略)
 元代表は業界団体のリーダー格で、政府や国会議員に陳情を重ねていた。吉川氏への現金提供を認めているという。

 農相は畜産業の政策決定に幅広い権限を持ち、贈収賄事件となる可能性がある。東京地検特捜部には徹底した捜査が求められる。

 当時は、家畜をストレスのない状態で飼育する「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の国際的な基準づくりが進んでいた

 基準案はケージ飼育が主流の日本の養鶏に見直しを迫るもので、業界団体が反発していた。政府は反対意見を出し、修正された

 鶏卵の取引価格が下落した際、国が補塡(ほてん)する事業についても、業界は拡充を要望していた

 現金の授受が政府の施策に影響を及ぼした疑いもある。きのう、衆参両院の農林水産委員会で野党が追及したが、政府側は捜査に関わるとして答弁を拒んだ。
(以下略)
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西川公也内閣官房参与が辞意 疑惑の鶏卵大手から接待
(前略)
 西川公也内閣官房参与(77)は参与を辞任する意向を固めた
(中略)
西川氏を巡っては、鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ元代表による吉川貴盛元農相への現金提供疑惑に絡み、クルーザーによる接待が明らかになっていた。
(中略)
 西川氏は2014年に農相に就任。政治資金問題で15年に辞任し、17年衆院選で落選後、安倍政権が起用した
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西川元農相が数百万円を受領か 鶏卵大手から 内閣官房参与を辞任
引用元)
 安倍内閣で農相を務めた西川公也・内閣官房参与(77)が、鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の元代表(87)から2018~19年、現金数百万円を受け取っていたとみられることが、関係者への取材で分かった。西川氏は8日付で参与を辞任。東京地検特捜部は、現金の趣旨を慎重に調べているもようだ。
(中略)  西川氏は栃木県議などを経て、1996年の衆院選で初当選。内閣府副大臣や農林水産委員長を歴任し、14年9月~15年2月、安倍内閣で農相を務めた。17年10月の衆院選で落選したが、翌11月、首相のアドバイザー役となる内閣官房参与に任命され、菅内閣でも再任された
(中略)
 アキタ社の元代表らが18年11月、農相だった吉川氏を大臣室に訪ね、家畜のストレスを少なくする「アニマルウェルフェア(動物福祉)」を巡る国際機関の厳格化案に反対する要望書を出した際、西川氏も同行していた
(以下略)

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