ムズムズ、カイカイが始まる
また、出たの?
ある朝、ベッドから足を下ろした瞬間、ムズムズ来てさー。
よく見ると、黒い点がぴょんぴょん跳んでる。
ウワア! 発生しちゃった!
今年は梅雨が始まるのが、早かったからかな?
かれこれ3年前の話だな。
以来、すっかり、ノミとはご無沙汰だったのに、なんで今年はこうなった?!
そう言えば、こないだ、ニホンミツバチを飼ってる友だちが言ってた。
今年は当たり年だって。
ニホンミツバチの分蜂が多くて、巣箱置くだけで、どんどん入るって。
おかげで、梅やビワなど果物も豊作だって。
だから、ノミも当たり年って言いたいのか?
ハチもノミも同じ昆虫なのに、ハチは歓迎されて、ノミは・・。
ノミが出て以来、ニャンコと3人、川の字で寝られなくなっちまった。
かれらは今、外出以外はクーラーつきのネコ部屋に隔離状態だ。
じゅうぶん、幸せだと思うけど。
おれがサミチイの!
(・・・)
で、ノミはどうなったの?
今は、徹底的に掃除して落ち着いてるが、最初は朝いちが大変だった。
ベッドから足を下ろすのがコワイ。
一歩踏み出した瞬間に、ムズムズ、カイカイが始まる。
おちおち、歯も磨いてらんねえ。
蒸し暑い上に、カイカイじゃ、大変だね。
スリッパの中にも隠れてるし、草履の布にも潜んでる。
靴下はくと、縁のラインを攻められる。
そこで思い出したのが、膝まで隠れる、バードウォッチング用ブーツ。
それのおかげで、やっと落ち着いて掃除機かけられたわ。
ハハッ!
真夏に、部屋の中でブーツ履いて掃除機かけるくろちゃん!受ける!!
笑ってるが、心の平安が保てるのは、ブーツを履いてる間だけ。
いっそのこと、ブーツを履いたまま暮らそうかと思ったわ。
ブッ!
だが、この季節、ブーツは中が蒸れるからな。
ノミよりも、水虫を喜ばせそうな状況になってギブアップ。
周囲は敵だらけだね。
ノミ対策あれこれ
一番良かったのは、ミント油。
足に塗りたくったら、ノミが寄り付かなくなった。
なるほど、
防虫効果があるんだ。
ミントの香りで、イライラもスーッと静まって、塗ったとこも冷やーっとして。
そうそう、じゅうたんは要注意だよ。
その通り。
じゅうたんのそばを歩くだけで、痒くなったわ。
思い起こせば、うちのじゅうたん、引っ越して以来10年間敷きっぱなしだった。
思い切ってのけて、太陽光線で殺菌したった。
まあ、大掃除できてよかったじゃない。
プロにノミの駆除を頼むと、2DKで¥120,000〜(2回施工1ヶ月保証) かかるよ。(
害虫駆除相談センター)
そりゃ、よっぽどのケースだろ。
そう言えば、今年はヒバ油は使わないの?
ヒバ油をアルコールで薄めて、さらに水で薄めたのを噴霧して、掃除機かけるって言ってたよね。
あれは、いい香りで気持ちいいが、部屋中シュッシュして手が疲れるのと、あとがジメッとなるから、クーラーのついたネコ部屋限定にやった。
そうだ!
ノミは、光に集まる習性があるって知ってた?
夜、電気を消してスマホの画面を見ていると、スマホの光にノミが集まって来るんだって。
ウエエ〜!!
2000円くらいするけど、
「ノミ取りホイホイ」という商品もあるよ。
こんなチカチカ明るいの、寝室に置けねえなあ。
自作もできるよ。
電気スタンドの明かりをつけて、洗剤と水を入れた洗面器を置くだけ。
うーん、てゆうか、
「ノミ取りホイホイ」になってるネコを何とかしねえと。
まずは、お風呂だね。
白状すると、実はこれまで一度も、あいつらを風呂に入れたことがねえんだ。
それよりもっと、カンタンなのはねえか?
首輪につけたり、背中に垂らすノミ取り薬があるだろ?
獣医の薦める「〇〇ライン」はどうだ?
「〇〇ライン」、
効果はあるみたいだよ。
「恐るべき!効果! だった。使用してからまもなく、
フェニルピラゾール系の殺虫成分フィプロニルにより薬品に接触したノミは見る見るうちにすぐ死んでしまう。だって犬や猫が体を掻くと、そのたびに ぼろっ!ぼろっ! とノミが落ちる。歩いた後にはノミが点点と散乱しているんですよ。そりゃもう。凄かった。」
(
めざまし猫)
殺虫成分「フィプロニル」てのは?
「〇〇ライン」の成分だよ。
言っとくけど、
「フィプロニル」は神経毒だからね。
虫の神経をこわして、殺すんだよ。
おっかねえな!
それに、
ジワーっと効くから、この毒を食べた虫はすぐには死なない。
巣に帰って、そいつの糞を食べた仲間が死ぬ。そいつの死骸を食べた仲間が死ぬ。
仲間も道連れにするのかよ?!
「フィプロニル」は、ほんのわずかな量でも命にかかわる猛毒だから、
ウサギみたいな弱い動物は、「フィプロニル」を使うと死んじゃうんだ。
「日本の登録農薬の中でも非常に厳しく制限されている部類になる。」(
Wiki)
ほえ〜!! ネコは強いから大丈夫なのか?
CMでやってるゴキブリ駆除剤も、ほとんど「フィプロニル」だよ。
あの最強のゴキブリまで、殺せるのかよ!
だからEUじゃ、とっくの2013年に「フィプロニル」は禁止になった。
EUでは「〇〇ライン」は買えない。(
Wiki)
日本じゃ、売れ筋ナンバーワンだぞ!
同じように、
背中に垂らすノミ取り剤の成分「メトプレン」も、幼虫からさなぎ、成虫への、昆虫の変態を止める薬だよ。(
AllAbout20th)
先天奇形になるらしい。
そんなの、ネコに使えるかよ!
ノミ取り経口薬も、ネオニコチノイド系殺虫剤「ニテンピラム」が入っているかもしれない。(
wikiHow)
ハチがいなくなった原因の、ネオニコチノイドか?!
ノミ取り注射薬もコワイ。
「ルフェヌロン」という、昆虫のキチン質をできなくする毒が入ってるかもしれない。
何がどれに入っているかは、
この表がいいよ。
どれもこれも、恐ろしい毒ばかりだ。
おれんちのネコに、そんなん使えねえ。
おれさえ、掃除を一生けんめいやって、カイカイをガマンしたらすむことだ。
薬は毒だって、わかってくれたね。
お風呂に入れられないなら、ノミ取り櫛がいいよ。
薬よりも、ノミ取り櫛の方が効果があったという報告もあるし。
「ノミ取り櫛を最初に使ったあの夜、猫から獲れたノミ。その数100匹以上!」。
(
ぴぴ)
すぐに、買う!!
ヒバ油をふりかけて、櫛でスキスキする!
外国じゃ、ノミ取りに珪藻土を使うみたいだよ。
ノミは、珪藻土に水分を奪われてコロリだから、
カーペットやフローリングにふりかけて、3日ほど放置したら掃除機かけるだけ。(
wikiHow)
薬より安全だな。
庭のノミを減らすには、ノミの幼虫を食べる線虫「ネマトード」。
「
効果は高く、2日以内にノミの数が目に見えて改善されます。」(
PETMED)
ノミの天敵を利用する方法かあ。
線虫じゃなくても、
テントウムシやヒアリもノミの幼虫を食べるってな。
そうだよ! そこだよ!!
さぞかし原始人は、ノミに困らされただろうって思うけど、
今より、生態系のバランスが取れていたから、そうでもなかったんじゃない?
「よい日やら 蚤が跳ねるぞ 踊るぞや」。
これを詠んだ小林一茶の時代は、のんびりノミを眺めながら、一句詠むゆとりもあったしな。
今は、1匹の虫でも、家の中にいることは許されない。
それくらい、
殺虫剤が横行してるからね。
そのせいで毎年、40分の1ずつ昆虫の数が減ってるし、昆虫の種類も半減した。(
害虫駆除相談センター)
なんと!!
害虫駆除センターが、「世界から虫が居なくなったらどうなる?」って心配してるぞ。
虫のバランスが崩れることは、ぼくたちの生活にも大きな影響が出る。
ゴキやノミだって、めちゃくちゃ増えて、人間を困らせたいなんて思ってない。
淘汰してくれる相手が消えちゃったから、しょうがないんだ。
やっぱ、バランスかあ。
うちでも、思い当たることがあった。
台所で毎晩、大きいゴキがウロチョロ目立つんで、一人二人と外に出してたら、ちっこいゴキがチョコチョコ出始めて。
大きい子がいなくなったからだね。
で、方針を変えて、大きいヤツを容認したら、ちっこいのも減った。
なにごとも、バランスだね。
ビタミンCのスゴイ体験
そうそう、最後に、今回ノミのおかげでいい体験をした。
なになに?
何ヶ所もノミに噛まれて、足が真っ赤に腫れて、熱をもって、頼みのコロイダルシルバーも効かなくなったとき、ビタミンCのことを思い出した。
たしか、炎症にいいはずだと。
ビタミンCなら、ぼくも毎日、コロナ予防に飲んでるけど。
真夜中に、足をかきむしりながら台所に行き、
さっそくビタミンCを飲んでみた。
そしたら、
ほとんど即効で、足の赤みも、腫れも、熱も、みるみる引いて、楽に眠れた。
そして、あっと言う間に枯れた。
だから、ビタミンCは炎症に効くって、ぺりどっと氏も書いてたでしょ。
台湾で風邪を治した話。
「台湾の街角でビタミンCを購入して、ホテルのバスタブに足を浸けて汗をかきながら白湯を飲みつつ、ビタミンC1gを30分おきに摂り続ける。
…これが数時間で風邪を治してしまった方法になります。」
そうそうそう!!
ビタミンC、いいのは知ってたが、以前は、酸っぱくて飲めなかったんだ。
無理して飲んだら、下痢しちまってな。
ところが
今回は、どんなに濃くしても、酸っぱくない。
むしろ、おいしかった! それに、下痢もしなかった。
よっぽど、不足してたんだよ。
ビタミンCはコロナにもいいしね。
「朗報です。『ビタミンCの大量摂取』が新型コロナウイルスに効くことがハッキリとしました。予防と治療の両方に効きます。」(
時事ブログ)
ノミのおかげで、家中、掃除が行き届いてピカピカになったし、
ビタミンCのスゴイ体験もできたし。
あとは、早く、ネコたちと一緒に寝られるようになるといいなあ♪
Writer
白木 るい子(ぴょんぴょん先生)
1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)
昔飼ってたネコが、ぴょんぴょん飛び回るのがかわいくてつけたあだ名で、
ノミから取ったわけじゃないです。