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野放し状態の性教育
子ども達の電子メディア漬けが大きな問題になっていますが、それに関連して子ども達の性被害も増えています。ネットで知り合った人に会って被害にあう、ネット上に自分の性的な写真を載せられる、等です。
配偶者や恋人からのデートDVも深刻で、性暴力の加害者の73%は顔見知りの関係だそうです。
子ども達が動画を見ていたら、望まないのに目に飛び込んでくる過激な性の描写。興味本位に友達から流されてくるAV。それを見て、最初は嫌がっていても最後は喜ぶと信じてしまう男子。
以前も紹介しましたが、ニュージーランドの公共放送で流される性教育動画です。
女子は恋愛ものアニメで学びます。初めはレイプ同然でも、それが恋愛に変わるというストーリーが描かれているので「誘われたら断ってはいけない」「受けるのが愛情表現」と勘違いをしてしまいます。今の子ども達が最初に触れる性の情報は悲惨で深刻です。恋愛も歪んでいきます。
親は性の話を避けています。自分の中でも混乱があるので、どんなふうに話していいのかわからないというのが本音です。そして、子ども達がネットで得ている情報を知りません。自分たちも思春期の頃に友達同志で回し読みしたエロ本と同じだろうと思っています。
そして、自分も親から教えられたことがないけど、結婚して子どもを作ったのだから自然に学ぶだろうと野放しにしているのです。
学校の性教育は昔から何も変わっていません。2000年代になって間もない頃、厚生労働省が、性交や避妊法などを中学校で教える副読本を作りました。でも、「性交や避妊の仕方を教えるなど行き過ぎた指導」「過激な内容」等と批判され、国会でも取り上げられて、学校における性教育バッシングが起きました。
私もその頃、市の男女共同参画の委員長をしていたので、子どもや女性の人権の立場から性教育の大切さを話していたら日本会議の人たちから相当バッシングを受けました。
以後、何も知らない子ども達に性交や避妊の話をするのは寝た子を起こす教育だと、学習指導要領では「性交を扱わない」とされてしまったのです。
小学5年生の理科で「人は母体内で成長して生まれる」と習います。でも受精に至る経緯は取り扱わないので、突然精子と卵子が出てきて、競争して一番になった精子が卵子と結合して受精。そして、お母さんのおなかの中で育ち、生まれるのです。
「あなたは愛の結晶、奇跡の子よ」と言われても謎だらけです。それで命の尊厳がイメージできる子は天才です。
生理の話は今でも宿泊訓練などの前にお話を聞くようです。男女一緒のところもあれば、別々の学校もあるようです。
中学生になると保健体育で心身の機能の発達と心の健康について学びます。まさに自分達の身体も成熟していく過程にあるので生理の仕組みや射精は習います。そして性交はすっ飛ばして、性感染症の予防にはコンドームは有効であると教えるのです。
現場の先生たちは、魂の抜けた授業を強いられています。生徒も、この問題は質問してはいけないという気配を受け取ります。そして、うやむやになってネットの情報に走るのです。
本も含めたネットの情報の大半は男性中心の発想で描かれています。その方が売れるのでしょう。
ある高校生の男子生徒の話です。好きな人ができて、デートを申し込みました。ネットで女性が喜ぶ方法を研究して、初日に全てやってみたそうです。いきなり抱いてキスをして、ベッドに押し倒して強姦です。嫌と叫ぶ声を聞きながら「これは喜んでいる証拠」と思ったとの事。結果、訴えられたそうです。
ある男性は「今度、僕の部屋で一緒にゲームしよう」と誘って、やって来た女の子に性交渉を要求しました。女の子が抵抗したのを見て「部屋に来たという事は、OKという事だろう」と怒ったとの事。女性にスキがあったから、というのがまかり通るのです。
全く、人権が尊重されていない上に、愛のひとかけらもありません。そして妊娠するかもしれないのです。日本は妊娠しても相手の許可がなければ中絶できません。特にレイプの場合はどこの誰なのかわからない時もあります。親には話せない・・・自分で抱え込んで産んでしまって、とっさに赤ちゃんの息の根を止めてしまう事件も起きています。
でも、罪に問われるのは女性のみ。13歳以上は性行為を自分の意思で判断できるとみなされる日本。恐怖で体がすくみます。激しく抵抗しなかったから同意したと判断されて、男性は無罪になる現実です。
そして、レイプされているのに少しでも感じる自分がいたら、それがショックで自分を許せなくなる女性もいます。これは体の反応、と言い聞かせても、感じた自分は何なの?スキがあった自分が悪い、と自分を責め続けるのです。
コロナ禍で生活費がなくて体を売る女性も増えています。以前から婦人相談所、婦人保護施設などがありますが、それらは全て、売春防止法の中にあり、検挙されるのは女性だけなのです。これが先進国?
最近は男性の被害者も増えてきました。初めて見た性の情報が過激であればあるほど、臆病になる男性も増えています。プライベートなことを人に相談できない日本。特に性の問題はタブー視されています。いったいどうなっていくのでしょうか?
世界に目を向ければ2009年には、ユネスコが中心となり『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』を作成。性教育を「自らの健康・幸福・尊厳への気づき、尊厳の上に成り立つ社会的・性的関係の構築、個々人の選択が自己や他者に与える影響への気づき、生涯を通して自らの権利を守ることへの理解を具体化できるための知識や態度等を身につけさせること」として、5歳から幅広く性の事を学ぶ包括的性教育が始まりました。
そして、小さいころからの包括的性教育は、性行為を早まらせたり危険な性行動につながったりはしない。むしろ性的な活動を遅らせたり、コンドームや避妊法の使用率上昇に貢献することが明らかになっています。
日本の学校は、包括的性教育を教える指導要領がありませんが、養護の先生などが動き出しています。そして保護者の間でも、家庭でどのように伝えたらいいのか?模索する動きが出てきました。
特に、性教育は一生を通じて幸せに生きる事に直結する話です。子どもがいきなり「赤ちゃんはどこから生まれてくるの?」と聞いてきた時に、嘘をつかない、ごまかさない、正直であることはとても大事です。
我が家は男性と女性が3人ずつでしたので、家族全員でお風呂に入ることが自然な性教育になっていました。子ども達はおちんちんの話が大好きです。笑いながら、あっさり、正直に答えていました。
子どもは生まれながらに物の本質をとらえる能力を持っています。親が自分の疑問に応えてくれたことによって信頼関係が生まれます。
又、正直に答えてあげる方法を考えるだけでも、性に対する向き合い方が変わります。夫婦の在り方が変わり、子どもの漠然とした不安がなくなり、思春期の爆発的な性のエネルギーを肯定的に受け止め、これが正常だと自信が生まれるでしょう。これが包括的性教育の土台になります。
どんなに話したらいいのかわからない時は、こんな絵本を利用してもいいと思います。
もう少し大きくなったら、このような動画もあります。
https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%80%A7%E3%82%92%E5%AD%A6%E3%81%B6%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC
他に、自分の性に関することについて自分で決められるようにするために作られた「つながるBOOK」もあります。
ただ、性の具体的な情報ばかりを先に伝えていくと、本質が見えなくなります。愛が先です。私は魂が惹かれ合うような恋愛をしてほしいのです。この直観の世界を伝えるにはどうしたらいいのでしょうか?
だからこそ日ごろの生活が大事なのです。親が愛し合っているか?家庭に笑いがあるか?意見が違っても認め合っているか?困ったことがあっても支え合っているか?完璧ではなくても赦し合っているか?そして、心身を清らかにしているか?
今はどこから始めたらいいのかわからなくなるほど、混乱し、悪循環に陥っている性の問題。それを克服して、アーユルヴェーダー解説の「愛のヨガ」や「房中術」の世界にたどり着くのはいつの事でしょう。
でも、一組でも夫婦が愛し合い、お互いを尊重しながら子どもを育てていけたら、確実にそこから始まります。そしてこの愛ある家庭に勝る性教育はありません。
本当の愛と性の意味を教えられ、気づいたという事は、もう、始まっていると信じます。
親は性の話を避けています。自分の中でも混乱があるので、どんなふうに話していいのかわからないというのが本音です。そして、子ども達がネットで得ている情報を知りません。自分たちも思春期の頃に友達同志で回し読みしたエロ本と同じだろうと思っています。
そして、自分も親から教えられたことがないけど、結婚して子どもを作ったのだから自然に学ぶだろうと野放しにしているのです。
学校の性教育は昔から何も変わっていません。2000年代になって間もない頃、厚生労働省が、性交や避妊法などを中学校で教える副読本を作りました。でも、「性交や避妊の仕方を教えるなど行き過ぎた指導」「過激な内容」等と批判され、国会でも取り上げられて、学校における性教育バッシングが起きました。
私もその頃、市の男女共同参画の委員長をしていたので、子どもや女性の人権の立場から性教育の大切さを話していたら日本会議の人たちから相当バッシングを受けました。
以後、何も知らない子ども達に性交や避妊の話をするのは寝た子を起こす教育だと、学習指導要領では「性交を扱わない」とされてしまったのです。
小学5年生の理科で「人は母体内で成長して生まれる」と習います。でも受精に至る経緯は取り扱わないので、突然精子と卵子が出てきて、競争して一番になった精子が卵子と結合して受精。そして、お母さんのおなかの中で育ち、生まれるのです。
「あなたは愛の結晶、奇跡の子よ」と言われても謎だらけです。それで命の尊厳がイメージできる子は天才です。
生理の話は今でも宿泊訓練などの前にお話を聞くようです。男女一緒のところもあれば、別々の学校もあるようです。
中学生になると保健体育で心身の機能の発達と心の健康について学びます。まさに自分達の身体も成熟していく過程にあるので生理の仕組みや射精は習います。そして性交はすっ飛ばして、性感染症の予防にはコンドームは有効であると教えるのです。
現場の先生たちは、魂の抜けた授業を強いられています。生徒も、この問題は質問してはいけないという気配を受け取ります。そして、うやむやになってネットの情報に走るのです。
愛のひとかけらもない危険な性行動
本も含めたネットの情報の大半は男性中心の発想で描かれています。その方が売れるのでしょう。
ある高校生の男子生徒の話です。好きな人ができて、デートを申し込みました。ネットで女性が喜ぶ方法を研究して、初日に全てやってみたそうです。いきなり抱いてキスをして、ベッドに押し倒して強姦です。嫌と叫ぶ声を聞きながら「これは喜んでいる証拠」と思ったとの事。結果、訴えられたそうです。
ある男性は「今度、僕の部屋で一緒にゲームしよう」と誘って、やって来た女の子に性交渉を要求しました。女の子が抵抗したのを見て「部屋に来たという事は、OKという事だろう」と怒ったとの事。女性にスキがあったから、というのがまかり通るのです。
全く、人権が尊重されていない上に、愛のひとかけらもありません。そして妊娠するかもしれないのです。日本は妊娠しても相手の許可がなければ中絶できません。特にレイプの場合はどこの誰なのかわからない時もあります。親には話せない・・・自分で抱え込んで産んでしまって、とっさに赤ちゃんの息の根を止めてしまう事件も起きています。
でも、罪に問われるのは女性のみ。13歳以上は性行為を自分の意思で判断できるとみなされる日本。恐怖で体がすくみます。激しく抵抗しなかったから同意したと判断されて、男性は無罪になる現実です。
そして、レイプされているのに少しでも感じる自分がいたら、それがショックで自分を許せなくなる女性もいます。これは体の反応、と言い聞かせても、感じた自分は何なの?スキがあった自分が悪い、と自分を責め続けるのです。
コロナ禍で生活費がなくて体を売る女性も増えています。以前から婦人相談所、婦人保護施設などがありますが、それらは全て、売春防止法の中にあり、検挙されるのは女性だけなのです。これが先進国?
『「助けて…」と言えない 路地裏に立つ女性たち』
— M (@flyingbackto) November 1, 2021
NHK クローズアップ現代+
2021年10月27日(水)放送https://t.co/R9TasNEnPE
最近は男性の被害者も増えてきました。初めて見た性の情報が過激であればあるほど、臆病になる男性も増えています。プライベートなことを人に相談できない日本。特に性の問題はタブー視されています。いったいどうなっていくのでしょうか?
一生を通じて幸せに生きる事に直結する性教育
世界に目を向ければ2009年には、ユネスコが中心となり『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』を作成。性教育を「自らの健康・幸福・尊厳への気づき、尊厳の上に成り立つ社会的・性的関係の構築、個々人の選択が自己や他者に与える影響への気づき、生涯を通して自らの権利を守ることへの理解を具体化できるための知識や態度等を身につけさせること」として、5歳から幅広く性の事を学ぶ包括的性教育が始まりました。
性教育の課題は? 話題の「包括的性教育」とは? <用語解説> https://t.co/chGYbtPnIx
— 安藤道人(Michihito Ando) (@dojin_tw) October 17, 2021
そして、小さいころからの包括的性教育は、性行為を早まらせたり危険な性行動につながったりはしない。むしろ性的な活動を遅らせたり、コンドームや避妊法の使用率上昇に貢献することが明らかになっています。
日本の学校は、包括的性教育を教える指導要領がありませんが、養護の先生などが動き出しています。そして保護者の間でも、家庭でどのように伝えたらいいのか?模索する動きが出てきました。
特に、性教育は一生を通じて幸せに生きる事に直結する話です。子どもがいきなり「赤ちゃんはどこから生まれてくるの?」と聞いてきた時に、嘘をつかない、ごまかさない、正直であることはとても大事です。
我が家は男性と女性が3人ずつでしたので、家族全員でお風呂に入ることが自然な性教育になっていました。子ども達はおちんちんの話が大好きです。笑いながら、あっさり、正直に答えていました。
子どもは生まれながらに物の本質をとらえる能力を持っています。親が自分の疑問に応えてくれたことによって信頼関係が生まれます。
又、正直に答えてあげる方法を考えるだけでも、性に対する向き合い方が変わります。夫婦の在り方が変わり、子どもの漠然とした不安がなくなり、思春期の爆発的な性のエネルギーを肯定的に受け止め、これが正常だと自信が生まれるでしょう。これが包括的性教育の土台になります。
どんなに話したらいいのかわからない時は、こんな絵本を利用してもいいと思います。
こんにちは。たきれいさんの『性の絵本』おすすめです。https://t.co/KB3U3k8xEs
— K a n r e n (@Kanren_sio) March 17, 2021
もう少し大きくなったら、このような動画もあります。
https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%80%A7%E3%82%92%E5%AD%A6%E3%81%B6%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC
他に、自分の性に関することについて自分で決められるようにするために作られた「つながるBOOK」もあります。
必要な人のもとに届きますように!https://t.co/FeNDqtkuEi
— Tamayo Fujita|次世代ファミリーコーチング (@tamayo04_) June 18, 2021
ただ、性の具体的な情報ばかりを先に伝えていくと、本質が見えなくなります。愛が先です。私は魂が惹かれ合うような恋愛をしてほしいのです。この直観の世界を伝えるにはどうしたらいいのでしょうか?
だからこそ日ごろの生活が大事なのです。親が愛し合っているか?家庭に笑いがあるか?意見が違っても認め合っているか?困ったことがあっても支え合っているか?完璧ではなくても赦し合っているか?そして、心身を清らかにしているか?
今はどこから始めたらいいのかわからなくなるほど、混乱し、悪循環に陥っている性の問題。それを克服して、アーユルヴェーダー解説の「愛のヨガ」や「房中術」の世界にたどり着くのはいつの事でしょう。
でも、一組でも夫婦が愛し合い、お互いを尊重しながら子どもを育てていけたら、確実にそこから始まります。そしてこの愛ある家庭に勝る性教育はありません。
本当の愛と性の意味を教えられ、気づいたという事は、もう、始まっていると信じます。
色々な葉っぱが落ちています。無心に掃きながら、いつの間にかガヤトリー・マントラを唱えている私。そして、葉っぱに話しかけていました。
「葉っぱさん、どんな人生でしたか?この庭で幸せでしたか?」と。
そう言えば、子どもや孫と散歩しながらも「あら、テントウムシさんこんにちは!」「クモさん、そのおうちは何て芸術的なの?」と話しかけます。家の中でも「ゴキブリのゴキちゃん、こんなところにいたの?」と言う私。
何気ない日常の会話ですが、子ども達も「この世の住人は人間だけではないらしい」と、出会う生き物を身近な存在として感じているようです。
一方、虫を見つけては「ぎゃー!気持ち悪い」「触っちゃんダメ。汚いでしょ」と親がいつも言っていたら子どもの世界が変わります。殺虫剤、除草剤、水汚染、空気汚染・・・人間中心の世界観を持つかもしれません。
この世はワンダー。その扉を閉めないで!
大人がどんなまなざしで物事を見ているのか?暮らしているのか?話しているのか?その日常こそが、子どもを育てるのだと…落ち葉を掃きながら思いました。
今回は、日常の生活こそが性教育というお話です。