大西つねき氏が説くウクライナ侵攻を巡る金融経済 / 日本がアメリカの腰巾着として没落し外資の属国となることを回避できるか最後の岐路

読者の方からの情報です。
 ウクライナ侵攻を金融経済から説く大西つねき氏の動画を、読者の方からお知らせいただきました。4/10記事の苫米地英人氏の解説による「シン・金本位制(金準備担保型通貨制)」とも相通ずる、実体の裏付けのある通貨への移行と、今後、日本を襲う厳しい状況、そして最後のチャンスかもしれない打開策を提言されています。この動画の重要な部分はまさしくここですが、日本人の覚悟を問われたとも言えるシビアなものです。
 アメリカは史上空前の借金大国で、アメリカにある資源は労働力も含めてアメリカに所有権が無い状態です。つまりドルは事実上、裏付けのない通貨です。それに対してロシアは資源大国の上、ずっと経常黒字でルーブルには裏付けがしっかりある。今後、ルーブルの信用は上がることがあっても、ドルが上がることはない。この、紙屑同然のドルを世界一保有しているのが日本です。これは何を意味するかというと、アメリカと共に沈んでいく国だということで、今の円安の本当の理由はそこにあると見ています。
 日本が7年間のアベノミクスの間に10兆ドルもの対外資産を買い、その代わりに売った円で、日本の資産を外資に買われてしまっています。ドルが紙くずになった瞬間に、日本の資産は消えます。
 「もしも自分が政権の中枢にいたら、最後のドル高の今、日本の持っている対外資産を全て売りまくる、外国人投資家から国内資産を買い戻す」しかし、これまでそれを仄めかしただけで失脚させられ殺されてきたのが日本の政治家です。アメリカの腰巾着を続けて日本がこのまま惨めな属国に落ちていくのを、私たちは止められるか。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「ドル高とルーブルと金の話」@パイレーツラジオ2.0(Live配信2022/4/20)
配信元)


(6:40〜)
 時事が動く時は、金融市場(相場)も活発になる。
これまでは有事のドル買い、有事の円買いだった。
しばらく前から、金など現物が上がっている。
この背景を見る。

現代のお金というものは実体がない
「お金イコール借金」誰かの借金でお金の数字が生まれる
借金の縛りが信用を生む。
お金と借金は増え続ける仕組みだが、お金それ自体には実体がない、ただの数字。
(これが分からない人は、ぜひ、大西つねきの講演会に聞きにきて欲しい。)

増え続けるお金の価値が落ち、相対的に実体・金の価値が上がってきているのは当然

原油、鉱物資源、水源のある不動産、森林のある不動産など、実体のあるリソースも価値が上がってくる。
お金はただの数字なので、それを所有権に代える必要があるのが、現在の資本主義。


(13:20〜)
今ウクライナで起こっていることは、アメリカの利権を巡る戦いが実態
原油の採掘権、パイプラインなど実体を押さえるための陣取り合戦で、自由と独立の戦いなどではない。
アメリカはそもそも世界中から借金をしている国、借金大国だ
地球の資源を食い尽くすガン。
誰が貸しているのか。 日本、ドイツ、中国、香港などの資産国が債権国だ。
「ドル」が国際決済通貨だから信用があるとみなされる


戦後のブレトンウッズ体制では、ドルの信用の裏付けとして金をリンクさせた。
1オンス35ドル 金本位の固定相場だった。
その後、アメリカ国外に流出したドルを持って他国が金に交換を求めた結果、アメリカの金の保有量が減り、ついに金との交換を停止したのが1971年。
ニクソン大統領が変動相場制にした。
つまり現代のドルには裏付けがない

その後もドルが国際決済通貨であり得たのは、ペトロダラー、原油をドルで支払うことに決めたからで、
これはアメリカの強大な軍事力、覇権で成り立っていた。

(21:00〜)
ここ10年来様変わりしてきている。 
すでにロシアと中国は、ルーブルと人民元で貿易決済を始めていた。
「ドルを持っていないと国際貿易できないのはおかしい」ドルの一極支配から外れた


これは相対的にドルの価値が落ちていると言える
世界の借金大国アメリカにある資源も労働者も「借金のかた」で、アメリカの所有ではない。
そのような国のドルは本来信用が低下する。
しかし、国際決済通貨である強みと、ドルの金利を高くしたことで、相対的に円の金利が下がり、ドル買いが加速した。
今のドル高は、投機家のバンドワゴンの動きだと見ている。

(24:50〜)
円安は、異次元の金融緩和の要因がゼロではないが、問題の本質はそこではない
そのお金が誰のところに行ったかが問題で、一般の労働者など必要なところに行かなかった。
銀行や投資家がそのお金を手にしても増やすことしか考えない。国内でお金を使って回さなかった。
連中は海外の資産を買う。
7年間のアベノミクスで過去最大10兆ドルくらい対外資産を買っている。
逆に見ると「売った円」や日本の資産を海外の投資家に過去最大買われてしまっている


金余りは一般の人々のところではなく、投資家のところに余っている
ドルの金利が上がることで短期的に利益を得るためのバンドワゴンに乗った投資家の動きが今。

これは罠だと思う
ドルがいつまで高くなり続けるか疑問。
そもそもドルの国際決済通貨がいつまで続くか疑問。

(29:30〜)
今回、ロシアがドルの決済網から排除され、一旦ルーブル安となったものの、結局戻している
先日、ロシアは金1グラムを5000ルーブルで買うと発表した。
これは金本位制を始めるという意味ではない。
「金を売る」のではなく、ロシア中央銀行が「買う」と発表しただけだ。
以前からロシア国内で金の需要が高まったので、ロシア中央銀行が一時的に金の購入を控えていた。
それを今回、再開しただけ。

なぜロシアルーブルが戻したのか。
天然ガスの決済をルーブルに指定し、ロシアの輸出品もルーブルで決済すると新たに18日に発表した。
ロシアンルーブルを持っていないと交易ができないことからルーブルの需要が高まった。
またロシアは資源大国で、天然ガス、金など実物を持っている。
これまでずっと経常黒字の国、純資産国で、裏付けがしっかりある


それに対して、アメリカのドルの裏付けはない、資源があっても所有権を手放しているに等しい状態。

なので、信用はルーブルの方が高い。
制裁に加わっている国は世界でわずか3分の1、別の通貨圏が生まれると見てよい。
ドルを持つことの意義はどんどん低下している。
今、ドルが高いからと言っても今後上がり続けるはずがない。紙屑の通貨だ。

(29:20〜)
怖いのは、日本がずっとアメリカに追従して世界一ドルを持っている国だということ。
それを持ち続けることの怖さ


今、円が売られていることの背景は、一つには金利差があるけれども
もう一つは、アメリカとともに沈んでいく国と見られている。
アメリカの腰巾着でいる限り沈んでいく


ドルが紙くずになった瞬間に我々の資産は全部無くなって、
かたや売った円で買われた日本の資産は海外の投資家に所有されてしまう。
負債だけ残り、合法的に国土を買われてしまって、日本は新たな属国になる

もう半分情けない国になっている。

 地球のガンのようなアメリカのドルを唯一の決済通貨にすることを、「ふざけんな」と拒んだのがロシアと中国で、日本はロシア叩きではなく、いつまで腰巾着を続けるのか、方向性を考えなければならない。
今後、「実物」本位制となることをロシアは身を以て示している

アメリカはデフォルトを起こすギリギリのところまできているので、必死でプーチンを潰しにきている。

日本円は、世界一の生産性、日本の労働力が裏付けだった
まだ悲観したり諦める状況ではないが、現状は日本の資産がどんどん買われ、豊かな自然が破壊されてきているし、国民も「考えなくなって」、自主的に行動することができなくなり、国力が落ちてしまった。
日本は制裁に加わっている場合ではない

地球、世界のためには、実態の裏付けのある通貨の方が好ましい。
これは自浄作用かもしれない。

(51:40〜)
 もし自分が政府の中枢に居たなら、このドル高の機会を捉えて日本の持っている対外資産を全て売ってくる。まず政府が持っている1兆ドルほどの外貨準備を全部だ
もちろん、もしそれを本気でやろうとすると暗殺されるだろう。
しかし、今、本当にしなければならないのはそれで、最後のチャンスだと思う。
売り切る、そして国内の資産を外国人投資家から買い戻す


でもそれをやりきる行政も政治家もいないだろう。
今は、ドルの最後の売り場だ。
通貨は実体の裏付けが全てだ

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