お金持ちの首長国ドバイ

アツイアツイ、今日もまた一段と暑いねえ〜!!
噴水ショーでも見て、涼んで行けや。
【ドバイファウンテン】UAEドバイの噴水ショー
うわお! ドバイ?
さすが、石油が採れるお金持ちの「国」だねえ。
でも、ドバイって砂漠の「国」だったよね。
もしかして、この噴水は海水?

んなワケ、ねえだろが!
海水だったら、噴水の口が塩で固まっちまうじゃねえか。
淡水だよ、淡水。

どっかのダムから、パイプラインで運んでるとか?

アホ!
ドバイは金持ちだって、言ったろ?
発電の過程で出る廃熱を利用して、
海水から真水を作ってるんだよ。
いや、最近は、海水に圧力かけてフィルターでろ過する方が多いかな。
(
CHILD RESEARCH NET)

どっちにしても、すごいエネルギーを使いそう?
砂漠の国でこんなド派手な噴水ショーって、「うちは金持ちだ」って主張だね。

ドバイから見たら、日本はじゃんじゃん真水の湧く豊かな国だな。

湯水のように石油が湧くドバイも、うらやましいけど。
きっと、ドバイでは水の方が貴重品だね。

それだけ、十分に真水が作れるってことか。
やっぱ、お金持ちの「国」だね。

「国」?
ドバイは「国」じゃねえよ。
アラビア半島ペルシャ湾沿岸の7つの首長国が集まった「アラブ首長国連邦United Arab Emirates」、略してUAE。そのうちの一つがドバイ首長国だ。

首長国?

ああ、首長が治める国ってこと。
首長国ドバイの唯一の街が、ドバイ。

要するに、街そのものが国ってことか。
石油に依存しないドバイ

ああ、「都市国家」と呼ぶのがふさわしい。
また
ドバイは、石油のおかげで金持ちになったワケじゃない。

へえ、そうなの?
ドバイの石油産出量は、隣りのアブダビに比べると少ない。
あと数十年で枯渇すると言われて、「原油に依存しない国づくり」を目指してきた。
それを推進したのは、現首長ムハンマド氏の父親、シェイク・ラシッド・ビン・サイード・アル・マクトゥーム氏だ。

長い名前・・・。

シェイク氏でいいよ。
かつて、電気もインフラもない小さな集落だったドバイに石油が出た時、みな大喜びしたが、産出量は思ったよりも少なく、数世代で枯渇すると予想された。
そこでシェイク氏は、石油に依存せずに繁栄していく路線を選択した。
つまり、現在のドバイの青写真を書いたのは、シェイク氏だった。(
Quora)

石油に依存しないドバイ、それが今のドバイなんだ。

じゃ、何をしたのか。
まずは、観光に手を付けた。
ドバイ国際空港や、世界最大の人工港ジュベル・アリ港を建設することによって、海外に広く門を開いた。(
tabiyori)

つねに世界一を目指すドバイに、生まれ変わったんだね。

砂漠でスキーはまたスゴイね。
でも、エネルギーのムダ使いのような・・?
あ、ドバイは石油が採れるから、いいのか。
ついつい、日本人の貧乏性がでちゃうネ。

そうでもない。最近、化石燃料はバッシングの対象だからな。
石油で海水から真水を作るのも、大量の石油を燃やす。
環境に良くないと言われたか知らんが、最近UAEでは「人工降雨」が使われている。(
CHILD RESEARCH NET)

エエッ?! 実際に、使ってるの?!

「UAEでは人工降雨(クラウド・シーディングcloud seeding)技術を頻繁に用いて、計画的に雨を降らせており、人工降雨が水問題解決の一助を担っているのです。それが特に顕著になった2017年には、実に242回の人口降雨が試されました。」
しかも、これ、海水淡水化よりずっと安いんだと。
(
CHILD RESEARCH NET)

ケムトレイルみたいに何かをまいて、HAARPを使うの?

やっぱ、何かをまくんだね。
まさか、実際にやってたなんて。
ケムトレイルやHAARPは陰謀論だ、と笑ってる連中もビックリだ。
ただ、降らせすぎて洪水になることもあると言う。

つまり、毎年日本列島を襲う、線状降水帯みたいになることもあるんだね。
人工的に雨を降らせることができるなら、雨が足りないときだけにしてください。
毎年、大雨で家を流される人たちがいて、大変なんだから。

まったくだ。
ところで、
ドバイは観光以外にも、経済特区で外国企業や資本を入れ、「中東のシンガポール」と呼ばれるほどに経済的に発展した。(
Wiki)
というのもドバイは「無税」、いわゆるタックスヘイブンで、2018年から導入された付加価値税VAT以外、税金は一切なし。

てことは、ドバイの人たちは、所得税も固定資産税もないの?

ああ、
法人税も、自動車税も、健康保険料も、年金保険料もない。
「月収と手取りが同じ額となる。給与明細を見ても、月収だけが1行ぽつんと書かれているだけである。」(
進め!中東探検隊)

なんと!!
給料から何も引かれずに、まるまる使える世界?
うらやましい!!

しかも、
「一般的にもドバイのホワイトカラーの給与は、職種や企業にもよるが日本と同等かもしくはそれよりも高い。ドバイで働く=自動的に給料がアップするという仕組みのよう。」(
進め!中東探検隊)

いいなあ〜!!
ぼくもドバイで仕事したくなってきた。
だが、二度と日本で仕事できなくなるぞ。
「ドバイにやってきて、無税天国の甘い汁をすすったためか、税金だらけの日本に戻るのはピラニアだらけのアマゾン川に飛び込むような所作に思えた。」
「長時間労働、満員電車、年上にこびへつらう儒教社会という過酷な労働環境には、もう戻れないと思うのが現実だ。」(
進め!中東探検隊)
ドバイの闇 ~「監視社会」「超・格差社会」

そっかー、日本はアマゾン川なのかー。
ドバイは実際に、どういう所なんだろう?

ドバイは首長国って言ったよな。

それ、ふつうの国とどこが違うの?
首長が治める国、イコール、世襲式の絶対君主制だ。
ドバイでは議会選挙は行われず、結党の自由も認められていない。(
Wiki)

へえ、首長さんの独裁ってことだね。
てことは、首長さんの資質に大きく左右されるね。
今のドバイの首長さんは、どういう人?
ドバイ首長、かつUAE副大統領兼首相のムハンマド・ビン・ラシド・マクトム氏。
ここ数年、娘の王女らや、第二夫人から逃げられて困っている。
ムハンマド・ビン・ラシド・マクトム氏

へえ??

2000年、娘のシャムサ王女がイギリスで逃亡したが、2か月後に見つけ出され、ドバイに強制的に連れ戻された。(
AFP)
それから20年間、シャムサ王女は公の場に姿を現していない。
「自由を奪われ、精神科医や看護師に付き添われている」と言うが、拷問され、薬漬けにされ、監禁されているというウワサだ。(
AFP)

ムハンマド父さん、コワい!!

父さん、コワい!!

さらに、ムハンマド首長より25歳も若い第二夫人、ハヤ元妃。
これによると、
ハヤ元妃はイギリス人ボディガードと不倫したのがバレて、首長から離婚された。
実は、ムハンマド首長は、ハヤ元妃の携帯をイスラエルのスパイウェアで監視していたとか。(
読売新聞)

う〜ん、自分より25歳も若い奥さんもらったら、しょうがないんじゃ?
どいつもこいつも、自分の思い通りにならねえと監視して、薬を飲ませて、拷問して、監禁する。
こうゆうのが首長なんだぞ。器が小さいだろ。

よもや国民も、娘や妻と同じようにコントロールしてるんじゃないだろね。
ドバイに住んでいた日本人は、こう言っている。
「ドバイの生活はよかったが、こうした言論の自由がなく少々息苦しかったのも事実である。」
「UAEでは言論の自由がかなり制限されている。ツイッターやフェイスブックなど一通りのSNSは使えるが、王族や国の悪口などを書くと、逮捕されるか国外追放になる。またドバイのイメージをぶっ壊すような言動をしても同じである。」
(
進め!中東探検隊)

言論の自由がないんだ。

「またドバイ市民の電話は盗聴されているだとか、街中には日本でいう特高警察みたいなものがはびこっているという噂がある。実際に、
とある新聞社で働いていた日本人は、『電話は全部盗聴されてるから〜』などと言っていた。」(
進め!中東探検隊)

特高警察? 盗聴?

「ドバイは警察国家であることも忘れてはならない。
いたるところに監視カメラが設置され、刑務所には犯罪者だけでなく、表立って君主制を批判する政治活動家も収監されている。政治に関する話は絶対にしてはならない。」(
NATIONAL GEOGRAPHIC)

なんか、中国に似ているね。
ゴージャスなドバイのイメージが、ガラガラと崩れていく・・。

さらにもっと言うと、
ドバイは「超・格差社会」でもある。
裕福なドバイ人は、肉体労働なんかしねえだろ?
じゃ、
あのブルジュ・ハリファを初めとする、ドバイの高層ビル群を建てたのは誰だ?
ドバイ人口の9割を占めるインドやパキスタン、バングラデシュの労働者だよ。
「ドバイで働けば大金をもって故郷に帰れる」という甘い言葉にだまされて連れてこられた、外国人労働者だよ。
ドバイに着くなりパスポートを取り上げられ、クーラーもない窮屈な所に入れられ、「現金なんて小銭程度しか持っていない労働者たちに逃げ場はなく、一生奴隷として働く以外の選択肢はない」ヤツらだよ。
(
SLUMGUY)

あ〜 帰りたくても帰れない・・死ぬまで働かされるんだね。

この動画を見ればその実態がよくわかる。
ドバイの奴隷たち - Slaves of Dubai

ひどい・・
最高気温は50度にも達するなかで、過酷な労働を休みなく強いられる? しかも寝る場所は、トイレは流れない、地面は糞尿でひどい臭い?!
(
SLUMGUY)

ドバイにニョキニョキそびえ立つ、ブルジュ・ハリファのような高層ビルが、こういうかわいそうなヤツらの墓標に見えてくる。

そんな街に行って、とても笑顔になんかなれないね。

ああ、
ドバイは、世界の1%の理想を実現した虚飾の街だな。
Writer
ぴょんぴょん
1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
(クリニックは2014年11月末に閉院)
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)
詐欺罪で逮捕されそうになって、ドバイに逃げ込んだと言う。
彼のように、日本からドバイに移住する人はけっこういるらしい。
なぜ、ドバイに移住したくなるのか?
ドバイって、どんな所?