中国の突然のゼロコロナ政策解除に至る経緯と理由

竹下雅敏氏からの情報です。
 週刊現代・現代ビジネス編集次長の近藤大介氏が、中国の突然のゼロコロナ政策解除に至る経緯と理由を説明しています。
 ゼロコロナ政策の解除については、“上海で4月と5月ですね。…まる2カ月のロックダウンですね。あれで第2四半期の成長率マイナス13.7%というですね、もうちょっとあり得ないような(5分23秒)…それでもういよいよ国民的に堪忍袋の緒がきれて、若者を中心にデモが起こったと、それが白紙運動と呼ばれるもので、白紙を掲げてですね、習近平退陣せよ、共産党退陣せよって怒ったわけですね。あれ何で白紙かというと、どうせ「習近平はやめろ」とか書いても削除されますので、意味がないというのと、あと白紙だと、これはただの体操ですという、これは別に反対運動じゃないですと…ごまかせるんじゃないかとか、いろんな理由で白紙でやったわけですね。あれは結構効きましてね、天安門事件以降、33年ぶりですね。あんな本格的な「共産党降りろ」とか、「最高指導者習近平降りろ」とかですね、言ったのはですね。あれでやっぱり、海外メディアがここぞとばかりに報道しますので、習近平体制ヤバいんじゃないかみたいな報道しますので、さすがにメンツが持たなくなったって言うのもあって、それで今度はゼロコロナを解除するということなんですね(7分42秒)”と言っています。
 9分8秒以降で、①白紙運動、②経済がこれ以上持たない、③習近平主席感染説、④WHOからの強いプレッシャー、⑤重症化リスクが少なく一斉に感染すると一気に収まる、という5つの説があるとしています。
 こうした説明は、それなりに理解できるのですが、何故か本質から外れているという感じがします。中国の突然のゼロコロナ政策解除の理由としては、In Deepさんの説の方が真相に近いのではないかと思います。
 記事の中に「中国共産党関係の高官と著名人たちの夥しい数の訃報 / 2023年1月18日版」へのリンクがあります。この中に「2023年1月の共産党員メンバーと有名人たちの死亡リスト」があるのですが、掲載されている著名人の全てが上海閥(江沢民派)なのです。
 江沢民は、ゼロコロナ政策を批判する「白紙運動」が起こった直後の2022年11月30日に亡くなったことが公表されています。また、「22/12/19 フルフォード情報英語版」には、“中国のハザール・マフィアエージェントの大規模な粛清が行われ、ロックフェラーの30人以上の私生児を含む、中国が完全に解放されつつある”という記述があります。
 上海などの大都市のロックダウンという異常な政策の真意を理解することは難しいのですが、2022年5月9日の記事で、“上海の政界というのは、昔から独自のシステムを持っているのです。そこへ習氏はその強権で無理やりその地方のボスらを抑え込んで、ロックダウンに踏み切ったことで上海政界の集団的な反感を買ったのは客観的事実です”という「中共内部の内輪もめ」説を紹介し、“ロックダウンを口実に、反乱分子をあらかじめ排除している可能性がある”とコメントしました。
 こうした流れから「白紙運動」が起こり、扇動に乗せられる形で参加した若者たちが「次々に忽然と姿を消している」という事実は、習近平派の勝利が確定したことを意味しているのかも知れません。
 「22/12/26 フルフォード情報英語版」で、“先週、寡頭政治が敗北したことを示すために、ダヴィド・ルネ・ド・ロスチャイルドが、白龍会のメンバーに声をかけた。彼の家族のための恩赦と引き換えに、「何兆ドルものお金」を渡すと。”という情報と整合します。江沢民に指示を出していたのは、ダヴィド・ルネ・ド・ロスチャイルドだったからです。
 このように中国での戦いは、中国のドラゴンファミリーが優位に立っています。フルフォード氏は習近平を支持するドラゴンファミリーと近いので、“中国が解放された”という表現になるのですが、キンバリー・ゴーグエンさんの立場では、ドラゴンファミリーは困った存在なのです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【近藤大介氏に聞く、コロナ感染爆発の中国の現状と習近平体制の今後】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」
配信元)
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白紙運動に参加した若者たちが「次々と忽然と消え」、共産党の元最高エリートたちが次々と「病死」する中、今後の中国で起きることは?
転載元)
(前略)
中国政府が計画的に扇動したとみられる白紙革命ですが、扇動に乗せられる形で参加した若者たちが、逮捕、というより、「次々に忽然と姿を消している」ことが伝えられています。判明しているだけで数十人ですが、実態はわかりません。
(中略)
時事の報道では、「逮捕されると SNS で訴えた」という女性について、

  > 動画に登場するのは、北京の出版社に勤め、昨年11月27日夜、北京市中心部で起こったデモに参加したという女性(26)。

とあるのですが、これだと、一般人の女性が連行されていくようなイメージを持ちますが、その女性は、「北京の出版社」に勤めているのではなく、「北京大学出版社の編集者」です。すなわち、中国で最も上部層のインテリに属しているはずで、本来ならエリートコースに乗るはずの人です。曹志信 (Cao Zhixin)さんという女性です。
 
消えているのは、こういう「何らかの思想を持つ」将来のエリートたちのようです。こう…「白紙革命」であぶり出して粛正、という図式があらわれている感じです。
 
なお、中国のゼロコロナ政策が白紙革命により(民衆の力により)もたらされたとする見解が西側では主流ですが、そうではない可能性が高いことについて、筑波大学名誉教授で、中国問題グローバル研究所所長の遠藤誉さんという方が、以前、「白紙革命とコロナ規制緩和は無関係」というタイトルの文章を寄稿していました。以下の記事で取りあげています。

  [記事] 認知戦のバトルフィールドで踊り続けて
 In Deep 2023年1月9日


そして、現在の中国が進んでいる方向についての私の考えは、以下の記事で書いたことと今も同じでして、それは、中国は「新たな文化大革命」に進んでいる ということです。

(中略)  
上の記事にこのように書きました。

  (2022年11月28日 のIn Deep より)
> これはあくまで私個人の考えでしかないですが、「この際、反体制思想の学生たちを一掃しよう」ということでの「仕組まれたデモ」の可能性もないではないかもしれません。

> 一般の市民ならともかく、厳しい受験競争で入学した一流大学の学生たちが、中国の「ポイント制」のことを知らないわけがありません。

> 「それほど中国の若者たちは怒っている」という見方もできるかもしれないですが、今の中国は、若者の怒りが当局に通じるほど実直ではなさそうです。
In Deep
(中略)  
ですので、自主的というより、「きわめて巧みな誘導と扇動があった」と見られます。
(中略)  
中国共産党が現在、特に圧迫し続けているのは、
 
・富裕層
・セレブ、著名人
・インテリや知識階級
 
等で、これは、昔の文化大革命などとあまり変わらない図式ですけれど、富裕層やセレブへの圧迫は、かなり進行していて、昨年には、中国の富裕層が「次々と巨額の寄付を始めた」ことも伝えられています。周囲から見れば、理由のわからない寄付でした。

今は認知戦の渦中だから

そして……まあ、これは単に偶然なのかもしれないですが、中国では、「知識層」も、ずいぶんと「病死」しています。この 1月に死亡記事が伝えられた中国共産党の著名人のリストを以下の記事で取りあげています。
 

高齢の方が多いですので、不自然さは感じられないのかもしれないですが、「階級が非常に高い人々」が多く含まれている他、学芸員、大学教授、医学博士などのインテリも多いです。
(中略)
他にも、「勤務中に急死した30代の警察官たちは全員が中国共産党員だった」というような報道 (中国語)などもあり、何が起きているのか……とは思います。
(以下略)

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