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ぴょんぴょんの「挑発するコソボ(7)」 ~セルビア人の「意地」とは?
セルビアの2大サッカーチーム「レッドスター」と「パルチザン」の直接対決の過激な現場
The amount of money I’d pay to fly to Serbia and fear for my life in a Red Star Belgrade vs Partizan match...
— 𝐍𝐨𝐜𝐭𝐮𝐫𝐧𝐚𝐥 (@Nocturnal2002) January 21, 2021
Would be an experience fs lmao pic.twitter.com/es6Ugp0ECz
「大枚はたいてセルビアに飛んだあげく、レッド スター ベオグラード 対 パルチザンの試合で、命の危険にさらされるとは... いい経験だ、爆笑」(意訳)
民族性、と言っても、セルビアだけじゃないよ。
同じユーゴの一員だったクロアチアも激アツだし、あそこら辺のサッカーはどこも熱い。
ユーゴ全体が紛争に巻き込まれた時も、サポーターたちは一丸となって参戦したそうだよ。
同じユーゴの一員だったクロアチアも激アツだし、あそこら辺のサッカーはどこも熱い。
ユーゴ全体が紛争に巻き込まれた時も、サポーターたちは一丸となって参戦したそうだよ。
セルビア人の諦めない精神、「意地」の文化
諦めない精神、「意地」のこと。
ユーゴスラビア言語研究者の田中一生(かずお)氏が言っている。
「もし日本人が『恥』を基調とする文化に属するとすれば、ユーゴスラビア人ないしセルビア人は『意地』の文化に属するとわたしは考えている。(中略)... オスマン・トルコによる400年の占領下でつちかわれた抵抗精神かもしれない。」
(「悪者見参」436p)
ユーゴスラビア言語研究者の田中一生(かずお)氏が言っている。
「もし日本人が『恥』を基調とする文化に属するとすれば、ユーゴスラビア人ないしセルビア人は『意地』の文化に属するとわたしは考えている。(中略)... オスマン・トルコによる400年の占領下でつちかわれた抵抗精神かもしれない。」
(「悪者見参」436p)
セルビアは親日国だった
ああ、ヴチッチに、新疆ウイグル自治区のこととか、武漢研究所からバラ撒かれた新型コロナの話をしても、聞く耳を持たんらしい。
どころか、ファーウェイの5Gや顔認証もどんどん入れて、孔子学院もできてるそうだ。
どころか、ファーウェイの5Gや顔認証もどんどん入れて、孔子学院もできてるそうだ。
「セルビアと日本の国旗が描かれた『ヤパナッツ』」 pic.twitter.com/YJQC8TVaEn
— UNBALANCE・・・アンバランス・・・ゥ゛ナギUSAバラエティ・スペシャル (@FakeRokuoLoto) March 21, 2020
2003年、日本政府が、無償資金協力によってベオグラード市に寄贈した93台のバスが、セルビア語で「日本人」、「ヤパナッツ」という愛称で呼ばれている。
当時、空爆と経済制裁でボロボロだったセルビアでは、オンボロバスが走っていた。そこに、「日本から贈られた93台の新車のバスは衝撃的だった。」(東洋経済)
当時、空爆と経済制裁でボロボロだったセルビアでは、オンボロバスが走っていた。そこに、「日本から贈られた93台の新車のバスは衝撃的だった。」(東洋経済)
空爆時に、在セルビア日本大使館に勤めていた外交官の話によると、
「当時、我々もあらゆる情報を収集して日本外務省にユーゴ空爆の不当性を報告していたんです。これは間違いだと。しかし本省からは梨の礫(つぶて)。痺れを切らして打電したら……」
「空爆が不当かどうかなど問題ではない。大切なのは日米安保なのだ」という返信が来たと。
(「終わらぬ民族浄化 セルビア・モンテネグロ」243p)
「当時、我々もあらゆる情報を収集して日本外務省にユーゴ空爆の不当性を報告していたんです。これは間違いだと。しかし本省からは梨の礫(つぶて)。痺れを切らして打電したら……」
「空爆が不当かどうかなど問題ではない。大切なのは日米安保なのだ」という返信が来たと。
(「終わらぬ民族浄化 セルビア・モンテネグロ」243p)
だが、空爆が始まり、他国の大使館がどんどん閉鎖していく中、日本大使館はずっと開いていた。あたかも、日本政府の姿勢に抗議するかのように。
その頃を振り返って、現在の駐日セルビア大使はこう言っている。
「当時の日本の大使館は閉鎖せずにそのままで、ずうっと残って、連帯のシンボルだった。」(YouTube 9:35〜)
その頃を振り返って、現在の駐日セルビア大使はこう言っている。
「当時の日本の大使館は閉鎖せずにそのままで、ずうっと残って、連帯のシンボルだった。」(YouTube 9:35〜)
在セルビア日本国大使館
Author:外務省[CC BY]
オッホン!
かくして、セルビアは親日国である。
武道への関心が高く、黒澤明作品をはじめとする日本映画や、川端康成、三島由紀夫、谷崎潤一郎、最近では村上春樹らの著書がセルビア語に翻訳され、若者を中心に日本のマンガ、アニメが人気であることも大きい。(東洋経済)
かくして、セルビアは親日国である。
武道への関心が高く、黒澤明作品をはじめとする日本映画や、川端康成、三島由紀夫、谷崎潤一郎、最近では村上春樹らの著書がセルビア語に翻訳され、若者を中心に日本のマンガ、アニメが人気であることも大きい。(東洋経済)
日本とセルビアは、すべてが正反対
隣に住んでるセルビア人のお母さん(50)によると、「身長172cmだけど地元帰ったら小さいほう」って聞いて驚愕しました😱
— ナタリー🇨🇦Podcastハローやんさん (@samtonatalie) March 25, 2022
おじいちゃんとかでも2mはざらよ!と言ってた…世界で一番背が高い国のひとつなんだって。ひょえー
イビツァ・オシム氏
Author:Radiofabrik Community Media Association Salzburg[CC BY]
そうだ、かつてのユーゴを構成していたボスニアの人だった。
オシムが見た日本人選手はこうだった。
「日本人は平均的な地位、中間に甘んじるきらいがある。野心に欠ける。これは危険なメンタリティだ。受け身すぎる。『精神的に』周囲に左右されることが多い。フットボールの世界ではもっと批判に強くならなければ」。(「オシムの言葉」42p )
オシムが見た日本人選手はこうだった。
「日本人は平均的な地位、中間に甘んじるきらいがある。野心に欠ける。これは危険なメンタリティだ。受け身すぎる。『精神的に』周囲に左右されることが多い。フットボールの世界ではもっと批判に強くならなければ」。(「オシムの言葉」42p )
さらに言う。
「私には、日本人の選手やコーチたちのよく使う言葉で嫌いなものが二つあります。
『しょうがない』と『切り替え、切り替え』です。それで、全部を誤魔化すことができてしまう。(中略)...『どうにもできない』はあっても、『しょうがない』はありません。これは、諦めるべきではない何かを諦めてしまう、非常に嫌な語感だと思います」。(「オシムの言葉」289p )
「私には、日本人の選手やコーチたちのよく使う言葉で嫌いなものが二つあります。
『しょうがない』と『切り替え、切り替え』です。それで、全部を誤魔化すことができてしまう。(中略)...『どうにもできない』はあっても、『しょうがない』はありません。これは、諦めるべきではない何かを諦めてしまう、非常に嫌な語感だと思います」。(「オシムの言葉」289p )
今現在、セルビアからコソボを奪って、セルビアをさらに弱体化させようとしている
色の着いた部分がクロアチア。
ナチスの傀儡となったクロアチアは、クロアチアに住む多くのセルビア人を虐殺した。
その後、旧ユーゴからの独立戦争でもクロアチアは、ハンガリー経由で武器を受け取り、セルビア中心のユーゴスラビア軍と戦って、多くのセルビア人を虐殺した。
それに報復するかのように、今度はボスニアで、多くのクロアチア人がセルビア人に虐殺された。
それまで互いに助け合って暮らしてきた民族同士を、このように残虐に殺し合うよう仕向けた黒幕は誰だったのか?
ナチスの傀儡となったクロアチアは、クロアチアに住む多くのセルビア人を虐殺した。
その後、旧ユーゴからの独立戦争でもクロアチアは、ハンガリー経由で武器を受け取り、セルビア中心のユーゴスラビア軍と戦って、多くのセルビア人を虐殺した。
それに報復するかのように、今度はボスニアで、多くのクロアチア人がセルビア人に虐殺された。
それまで互いに助け合って暮らしてきた民族同士を、このように残虐に殺し合うよう仕向けた黒幕は誰だったのか?
木村元彦氏は「悪者見参」の428pで、こう書いている。
「ユーゴスラビア連邦崩壊が始まって以来、この民族に対して国際社会が与えた仕打ちの不公平さはまさに筆舌につくしがたい。国際法廷で、メディアの世界で。検証すればするほど覆い隠されてきた意図的なセルビア叩きの歪んだ事実がいくつも見えてくる。世論はセルビア人だけを鬼か悪魔のように言い募り、もろもろの国際機関は言うに及ばず、日本の平和運動の中ですら、紛争に疲弊したこの民族に対する差別発言はよく見受けられた。」
「ユーゴスラビア連邦崩壊が始まって以来、この民族に対して国際社会が与えた仕打ちの不公平さはまさに筆舌につくしがたい。国際法廷で、メディアの世界で。検証すればするほど覆い隠されてきた意図的なセルビア叩きの歪んだ事実がいくつも見えてくる。世論はセルビア人だけを鬼か悪魔のように言い募り、もろもろの国際機関は言うに及ばず、日本の平和運動の中ですら、紛争に疲弊したこの民族に対する差別発言はよく見受けられた。」
さらに今現在、セルビアからコソボを奪って、セルビアをさらに弱体化させようとしている。
だが、そうはさせじ、と抗議するセルビア国民。
これは、ヴチッチ大統領とコソボのクルティ首相が会談した3月18日の夜、ベオグラードで開かれた集会の模様だ。
だが、そうはさせじ、と抗議するセルビア国民。
これは、ヴチッチ大統領とコソボのクルティ首相が会談した3月18日の夜、ベオグラードで開かれた集会の模様だ。
Tonight in Belgrade 🇷🇸 national rally for Kosovo and Metohia. No to EU proposal, no to capitulation!pic.twitter.com/gxRtxKXW5p
— Based Serbia (@SerbiaBased) March 17, 2023
「今夜、ベオグラードで 🇷🇸 コソボとメトヒアのための全国集会が開催されます。EUの提案に反対、降伏に反対!」(DeepL自動翻訳)
こんな歴史を持っているのに関わらず、人との間に壁がない、気さくなセルビア人。
「『悪者』たちがどんなに人懐こく、いかにお人好しな民族なのか。現地へ行けば必ずや体感できるだろう。」(「悪者見参」432p )
「『悪者』たちがどんなに人懐こく、いかにお人好しな民族なのか。現地へ行けば必ずや体感できるだろう。」(「悪者見参」432p )
山崎佳代子氏という、ベオグラード在住の詩人がいる。
彼女は、NATOの空爆が始まると知りながら、再三に渡る避難勧告を受けながら、家族と共にベオグラードに留まった。
友人たちを見捨てて、逃げるわけには行かないと。
彼女の著書、「そこから青い闇がささやき ベオグラード、戦争と言葉」では、詩人らしい選びぬかれた言葉で、戦時の日常をたんたんと綴っている。
最後は、この詩人の言葉で閉めよう。
彼女は、NATOの空爆が始まると知りながら、再三に渡る避難勧告を受けながら、家族と共にベオグラードに留まった。
友人たちを見捨てて、逃げるわけには行かないと。
彼女の著書、「そこから青い闇がささやき ベオグラード、戦争と言葉」では、詩人らしい選びぬかれた言葉で、戦時の日常をたんたんと綴っている。
最後は、この詩人の言葉で閉めよう。
「特定の国、特定の民族に対する憎悪に満ちた言葉が飛び交い、不安と恐怖を作り上げて、ヒトと人との絆、国と国との繋がりが断たれていく時代にも、安らかな心でありたい。安らかな心を持つ人だけが、他者を救うことができるのだから。こどもを守ることができるのだから。心の安らぎを失わぬことこそが、名も無き私たちに残された唯一の戦いかもしれない。そして、私たちは勝たなくてはならない。」
(「そこから青い闇がささやき」232p)
コソボについて、セルビアについて、旧ユーゴスラビアについて、
まったくの無知だった私は、記事を集めて関連本を読んで、
知れば知るほどに、沼にハマってしまいました。
コソボとセルビアから、世界の歪んだ構図が見えてくる。
ここから学べることがいっぱいあります。