2月27日のコソボ・セルビア会談はどうなった?
ボスニア料理を摂取 pic.twitter.com/cXRpuI8Hc2
— Har (@Har90161260) March 16, 2023
I welcomed President @predsednikrs and Prime Minister @albinkurti in Brussels for a high level meeting of the Belgrade - Pristina Dialogue.
— Josep Borrell Fontelles (@JosepBorrellF) February 27, 2023
On the agenda: the EU proposal on normalisation of relations. I hope for a constructive approach by the two parties. pic.twitter.com/yFKMvjgbVZ
ベオグラード-プリシュティナ対話のハイレベル会合がブリュッセルで開催されました。
議題は、関係正常化に関するEUの提案です。
両当事者による建設的なアプローチを期待します。」(DeepL自動翻訳)
あそこら辺はでかいのが、いっぱいいるらしい。
って、それよりも、会談の結果が知りたいんだろ。
2月27日、セルビアとコソボは「関係正常化に向けた和平協定締結」に合意した。(REUTERS)
詳しくは知らねえが、「セルビアは、コソボがいかなる国際機関にも加盟することに反対しない 」という条件が入っていたらしい。(Radio Free Europe)
「独仏の計画は『コソボ独立はすでに決定されたという立場』を意味し、セルビアはそれを受け入れることができない」「コソボが独立国家であるというその根拠は、我々にとって受け入れがたいものだからだ。」(EURACTIV)
3月18日の2回目の会談
そうだ! あれはどうなった? あれ!
ヴチッチさんの悲願だった、「セルビア人自治体共同体」。
これさえ認めてくれたら、コソボの独立も国連加盟も手放しで許すって空気だったよね?
We have a deal
— Josep Borrell Fontelles (@JosepBorrellF) March 18, 2023
Kosovo and Serbia have agreed on the Implementation Annex of the Agreement on the path to normalisation of relations
The parties have fully committed to honour all articles of the agreement and implement their respective obligations expediently and in good faith. pic.twitter.com/p3CUBdcd8A
コソボとセルビア、関係正常化の道筋に関する合意の実施付属書に合意。
両当事者は、本契約の全条項を尊重し、それぞれの義務を迅速かつ誠実に履行することを完全に約束した。」(DeepL自動翻訳)
クルティは、ワケのわからんことを言っているからな。
「附属書には『セルビア人コミュニティの自治に関する協議を開始する』と書かれているが、『セルビア人コミュニティ』と『セルビア人自治体共同体』は同じものじゃない」。(b92)
「行政権を持つ単一民族の組織」なんかできたら、コソボの統合と平和は脅かされる、多民族をモットーとするコソボ憲法の精神に違反するって。
(Balkan Insight)
コソボの首都プリシュティナで、NATOのセルビア空爆を祝う記念式典があった。
そこに集まった人で、誰一人、コソボの旗を振っている者はいなかった。
彼らはみな、アメリカとアルバニアの旗を振っていた。
たとえば、サッカー選手の話がわかりやすい。
コソボ出身の一流のサッカー選手はいっぱいいる。
だが、いざ、ワールドカップとなると、誰もコソボ代表になりたがらない。
みな、それぞれが活躍しているスイスやフランスなどの代表になりたがる。
罪深きはCIAとNATO
みんな、アメリカ(CIA)とNATOが悪いのよ。
空爆前のコソボには「コソボのガンジー」と慕われた、非暴力主義のルゴバ大統領がいて、人々は非暴力を願っていたのよ。
なのにCIAは、武力によるコソボ独立を目指すKLA(コソボ開放戦線)にカネと権力を与え、訓練してテロリストに仕立て上げ、そいつらを使って、セルビア人や抵抗するアルバニア人に暴力を振るわせた。
EUなんか加盟したって、プレッシャーかけられるだけなのにな。
今回のコソボ・セルビア会談だって、そう。
「今後、双方がEUに加盟したいのであれば、義務を果たすよう強硬に要求し、そうでない場合は影響が及ぶだろう、とEUは警告した。」(b92)
コソボの独立承認、国連加盟を認めなければ、セルビアのEU加盟はなくなり、EUからの投資は終わり、EUはセルビアから撤退すると。
だが、EUはすでに、セルビアの外国投資の半分以上を占めている。
「現在、ドイツ資本の工場だけで8万人が働いている。彼ら(EU)は、セルビアが世界から孤立し、亡国となることを含め、他の多くの措置を脅かした。」(b92)
『プーチンカード』と『習カード』を持つセルビア
なんと言っても、「セルビアは公然と『プーチンカード』を使っており、将来的には、自分たちが要求する例外や特別扱いを受けられなければ、『習カード』を使うことになるだろう。」(Balkan Insight)
アメリカ・NATOに「悪役」に仕立てられたセルビアが、中国と組んでも不思議はない。
それに、セルビアがNATOから空爆されていた1999年の5月7日、ベオグラードの中国大使館に爆弾が落ちたのを覚えてるか?
NATOは「誤爆」と言ったが、「大使館へは3方向からミサイル攻撃が行われている。(中略)...死者4名、内1人は中国人記者、負傷者も10人ほど。」
(北海道エスペラント連盟)
米国は報復としてB2を使って中国大使館を精密弾で空爆。
— 宋 文洲 (@sohbunshu) June 18, 2016
セルビア国民は犠牲者の跡地に「セルビア国民は最も困難な時に助けてくれた人々を忘れない」と記念碑を建てた。
記念碑を訪ねる習近平とセルビア大統領 pic.twitter.com/1VxQ5V5Y2g
「セルビアにとってEUは大事な支援者だが、合意形成が複雑で人権や民主についても意見を言われる。なかなか決まらない。彼らは中国の影響力は問題だとも言うが、だからといって行動には移さない」(GLOBE+)
(朝日新聞)
セルビアの高速道路も、中国から約270億円を借りて、建設されたものだ。
(朝日新聞)
セルビア・ハンガリー間の鉄道も、「一帯一路」のプロジェクトとして目下建設中だ。
(JETRO)
ベオグラードの新市街で。中国がベオグラード・ブダペスト新幹線の建設を進める。線路脇に立てられた看板には「ハンガリー・セルビア鉄道の建設は中国とセルビアの友好を深める」とある… pic.twitter.com/6lTAIoxCZt
— 富永正明/Масааки Томинага/Masaaki Tominaga (@Svetislavkun) December 13, 2019
中国からの特別輸送機を出迎えたヴチッチが、中国国旗にキスしたことも話題になった!(朝日新聞)
しかも中国のシノファーム、ロシアのスプートニクV 、ファイザーの3種類から選べる。
だが、国民の3分の2が中国製ワクチンを選び、ヴチッチもシノファームを接種した。(朝日新聞)
To Belgrade and beyond: Beijing exports China model of virus management https://t.co/OKP2Kge83y pic.twitter.com/04xvPvElGd
— Reuters (@Reuters) April 13, 2020
たとえば、大手製鉄企業「USスチール」のセルビア製鉄所が経営不振に陥って、たった1ドルで売られた時も、残された5400人の雇用者を救ったのは中国だった。(海外ニュース翻訳情報局)
2016年、この製鉄所に立ち寄った習近平は演説した。「われわれが進めている『一帯一路』で、セルビアは重要な地位を占めるだろう」。
(REUTERS)
そこに水揚げした中国製品を、パリ・イスタンブールを結ぶかつてのオリエント急行の線路を北上して、ベオグラード、ブダペストを経由してヨーロッパに売りさばきたい。
そのために、老朽化したベオグラード・ブダペスト間を複線化して、最高時速200キロの中国製の高速列車を走らせ、現在8時間かかるところを3時間でつなぐ予定だ。(世界経済評論IMPACT)
「建設には23億ドル(≒3000億円)が見込まれており,そのうちの85%を中国が20年間ローンで支給するが,利子など詳細は明らかにされていない。」
(世界経済評論IMPACT)
2月27日(第1回目)と3月18日(第2回目)に行われました。
「セルビア人自治体共同体」を作って、少数派のコソボ・セルビア人の安全を守りたいセルビア。
セルビアに独立と国連・EU加盟を認めさせたいコソボ。
両者の関係に、なにか前進はあったでしょうか?
また、両者に圧力をかけながらコントロールするEUとアメリカ。
それを静かに見守る、ロシアと中国。
大国の駆け引きも気になります。