今のうちにトイレ対策はしておいた方がいい
はあ〜、夕べの夢はこわかった〜。
ゾンビにでも追っかけられたか?
それがさあ、夢の中でトイレを探してるんだけど、「あった!」と思って入ると、周囲から丸見えだったり、足元が水びだしだったり、ウンコ満杯だったりで、「どうしよう!間に合わない!」って、パニックになったところで目が覚めた。「ほ〜っ、夢で良かった!」と思うやいなや、トイレに駆け込んでセーフだったよ。
なんだ〜? 今から夜間尿? 前立腺肥大になるのは早すぎねえか?
ち、ちがうよ、寝る前に水分を取りすぎただけだよ。
ま、おれもそういう夢、ときどき見るけどな。でも、災害時のトイレ探しも似たようなもんらしい。
出したいのに出せないって、マジでパニックになるからね。
これまでの地震でさんざん経験したはずなのに、いまだにトイレ問題で騒いでいることが、驚きだ。
ほんとだね〜。日本トイレ研究所の加藤篤代表理事はこう言っている。「3.11以降、大きく改善してはいないと言っていい。依然として社会的に大きな課題なんです」。(
東洋経済)
その「トイレット博士」、こういう体験をしたそうだ。
災害から数カ月して現地に行ったとき、「
そこに車いすの高齢の女性が付き添いの方と一緒に来られました。目の前にあるのは段差のある仮設トイレです。土足で利用しているので、地面も床面も汚れています。すると、
その女性は車いすから下りて、四つん這いになって段差を上がっていったのです。」(
東洋経済)
ありえね〜!!
政治が、弱者のためにカネを使ってねえのが証明されてる。
まったく、上の人たちは、そういう一番大事なところにおカネをケチる。
こうなったら上の連中は当てにならん。おれたちだって、いつ、大きな災害に見舞われるやもしれん。
今のうちに、対策を練っといた方がいいぞ。
そうだね。いくら、仮設トイレや
マンホールトイレや
トイレトレーラーが増えたからって、それらが設置されるまで、生理的欲求は待ってくれない。
携帯トイレとか、簡易トイレとか、できる範囲で準備しておきたいね。
非常時に活躍する簡易トイレ
簡易トイレなら使ったことがある。井戸のポンプが漏電したときに。
ああ、そんなことあったね。
あの時は冷や汗かいたわ。初めは水で流すことしか考えてなかったんで、予備の井戸水を2Lペットボトルで運んだが、ペットボトルでジョボジョボ注いでも流れんのよ。特に固形ブツは、バケツで一気にジャバッ!とやらんと流れんのよ。しかも1回流すのに6〜8Lは必要だ。
2Lペットボトルで3〜4本? 運ぶだけでも重労働だね。
ああ、水を運ぶのも大変。一気に流すのも大変。ということで、しぶしぶ買ってあった簡易トイレを使うことにした。
最初から使えばよかったのに。
ビニール袋にやるのって抵抗あるじゃん。で、
うちには吸水パッド入りと、粉末をかけるヤツの2種類があった。
どっちが使いやすかった?
好みで言うと
粉末かな?
瞬間で固まるし、無臭だから便利。
紙おむつとか、ペットシーツに使われている吸水ポリマーだね。ウンコもしてみた?
いやいや、さすがにウンコは我慢した。さいわい、1日でトイレが復活したからな。
袋はいくらでもあるけど、固める粉末が足りなくなったら困るね。
固めて無臭なら、ペットシーツもネコ砂も使える。
この動画では、ネコ砂を実践してる。ただし、ネコ砂の袋には「ネコのトイレ以外の用途には使用しないでください」と書いてあるがな。だがそれより、「
高吸水性樹脂CP-1」を買っとけば、1.5kg入りで4人家族なら約1週間はもつ。(
ITOITO-STYLE)
で、固まらせたオシッコ袋はどうするの?
ゴミ出しの日まで防臭袋に入れといて、燃えるゴミと一緒にバイバイ。
へえ、意外とかんたんだね。そのやり方で、ウンコも処分できる?
できることはできる。だが、防臭袋に入れてきちんと閉じておかないと・・。
臭うだろうね。
それなら、すでに
介護現場で活躍している「ラップポン」がいい。「水を使わず、臭いも漏らさず、排泄物を密封して微生物(細菌)も遮断」してくれる。(
wrappon )」
熱で密閉できるから臭わない、いいね!
すでに、災害時にも活躍している。
えっと、「主導式」は「手動式」のミスだね。
袋さえセットしてしまえば後は簡単。凝固剤を入れて用を足す。手動レバーを引くと、 袋の口が熱でラップされたものがポンと落ちる。それをゴミに出すだけ。
・・
でも、よく見たら、手動式で29,700円(税込)、電動式や組み立てトランク型になると189,200円(税込)。非常用にしては高すぎるね。
それに電気がいる。
そうなんだ、ラップの密着に電気がいる。だが、オプションでリチウムイオンバッテリーや、車のシガーソケット車用DCケーブルもある。(
wrappon)
電気不要で安価なタイプ
それでも、電気は使いたくないなあ。
電気を使わないで安上がりなのがいいなあ。
じゃあ、
これはどうだ?
アウトドアでも使える非常用トイレ
シンプルでいい!
避難所や車で避難生活をしたい人にはいいだろう。家のトイレと違うのは、
トイレの枠組みとトイレットペーパーが必要になること。さらに、プライバシーを守りたければ、ポンチョやワンタッチテントも必要だ。
便座は、もしかして
これかな?アマゾンだと3000円台、よし、これをポチろう。
ちょっと待った!
同じ3000円台なら、こっちの方がいいんじゃね?
【1台6役】大人気トイレシリーズ新旧比較おしっこ!
わお! 女性が太ももまる出しで、目のやり場に困るんですけど〜?
おいおい、見るのはそっちじゃなくてトイレだよ。どうだ?
組み立て10秒、しかも、3000〜6000円。
これなら欲しい。でも、避難所には持って行けないね。だって、自分と家族だけが快適っていうのも、ねえ〜?
たしかに、「みなさんもどうぞ」ってワケには行かねえな。ま、そんなことは、その時に考えればいい。まずは自分第一、家族第一で行動することだ。
じゃないと、他の人も助けられないもんね。
簡易トイレのゴミ問題
おう! で、ここまでで、気になってることを言ってもいいか?
うん、なに?
これまで見てきたトイレはどれも、災害時に役立ちそうだが、トイレ袋はかなり厚手のビニール袋で、用を足すたびに毎回捨てるのは抵抗がある。
たしかにもったいないね。ゴミ焼却場の負担にもなるし。
ビニール袋だけじゃない、樹脂で固めたオシッコ、そして何重にも厳重に包まれたウンコも燃やすんだぞ。ホルムズ海峡でドンパチやってて、日本に1滴も石油が入らなくなるかもしれない今、こんなの燃やすためにエネルギーを使っていいんか?
う〜ん、ゴミを燃やせなかったら、黒いビニール袋のボタ山になりそうだ。なら、
オシッコは1つの袋に1回だけじゃなくて何回かすればいい。固まらなければ、凝固剤を足して。
実際、おれもそうして袋を倹約した。
でもさあ、今や人間が宇宙に行く時代なのに、まだ、こんな原始的なことが解決できてないなんて、信じられないよ。
宇宙飛行士はどうやってるの?
宇宙では、ウンコは小さな穴が多数開いたバックに回収して、自動密封して固形排泄物タンクに送る。オシッコはバキュームホースで吸い取って、汚水タンクに溜めるか、飲料水にリサイクルする。どっちのタンクも満杯になると、使い捨ての無人貨物輸送宇宙船プログレスに積み込む。(
JAXA)
プログレスM1補給船
なんだ、ゴミが出ることに変わりはないんだ。
唯一の違いは、
ゴミを積み込んだ船は大気圏に突入したときに燃えちゃうこと。
土に返す「コンポストトイレ」
そうだった〜! 宇宙のゴミ焼却には石油がいらないんだ!
だが、地上には「土」がある。
土?
ああ、
地上ではシッコは水に流し、ウンコは土に返すことができる。
それが一番自然だとは思うけど?
となると、やっぱ行き着くところは「コンポストトイレ」だ。読者の方が教えてくれた、
この動画を見てくれ。最も単純な「コンポストトイレ」の作り方だ。
私は無事でした。トイレの作り方をシェアします。
なんと!
蓋付きバケツ2つと腐葉土があれば、できちゃうんだ。
今までのトイレと比べて、激安だし。
でも、オシッコとウンコを分けないといけない。
混ぜると臭うからな。
別々にできるか、自信ないよ〜。
それなら、「大小分離アタッチメント」をつければいい。
ネットで19,800円で販売しているが、店主は能登の人たちには無料配布すると言っている。
それは助かるね。で、
2つのバケツでどうやってトイレをするの?
ウンコ用バケツには、あらかじめ腐葉土をバケツ半分まで入れておく。ウンコをし終わったらスコップでかき混ぜる。土をかぶせただけで臭いが消える。こうして、ウンコのたびに腐葉土をかけてかき混ぜると、お一人様なら1週間位で満杯になる。それに蓋をして、4℃以上の環境で1〜3ヶ月位で熟成させると良質な肥料になる。
4℃以上? 冬の間はどうするの?
そこはまだ、解決できていないそうだ。それより、オシッコの方が問題だ。
オシッコが貯まったら、何回かに1回流すんだが。
どこに?
そこなんだよ。
マンホールに流したいが、下水管が壊れているかもしれない。直接、庭にまいたら、植物が枯れてしまう。水で薄めれば肥料になるが、災害時は水は貴重だ。
そうなると、オシッコを貯めておく大きめのタンクが必要だね。水が出るようになったら、薄めて庭や畑にまけばいい。
大きめのタンクは、今すぐにはムリだな。とりあえず、今の時点では災害時のオシッコは固めてゴミに出す。ウンコはコンポストトイレでやるのがベターじゃね?
それが無難かもね。
ところで言い忘れたけど、
トイレットペーパーはできるだけ別にして、燃えるゴミに出すこと。発酵の妨げになるんだと思う。
うっかり、一緒にしちゃいそうだ。
最後に、
こちらがモーリー氏が開発した、本格的「コンポストトイレ」。
コスパ最強、機能抜群なコンポストトイレを紹介します
いくらするの?
いいねえ。
でも、定期的に溜まったオシッコやウンコを運び出さないといけない。
はあ~ やっぱ、なんでも一気に流してくれる水洗トイレは便利だなあ。
だが水洗は、毎回5〜6Lもの水を流す、その後の下水処理にも環境負荷がかかる。そして、いつまた来るかわからない災害。
そのたびに、簡易トイレでゴミを増やすのは、ちょっと‥。
だろ?
その時になってはじめて、恐る恐る蓋付きバケツでトイレするくらいなら、今から慣れといた方がいいんちゃう?
Writer
白木 るい子(ぴょんぴょん先生)
1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)
ご紹介の記事「『大小便で満杯に』災害時トイレ問題をどうするか」は、読んでるだけで悲惨な状況が「臭って」来ました。解決策を考える上で参考になったのは、読者様が紹介してくださった「私は無事でした。トイレの作り方をシェアします。」です。
うちも、停電になったら井戸のポンプが止まって、水洗トイレが使えなくなります。トイレが使えない不自由さはすでに体験済みなので、早いうちに準備しようと思いました。