ぴょんぴょんの「インドネシアは泣くのか?」 ~世界最大の鉄道車両メーカー「中国中車」がやったこと

 地球温暖化!CO2削減!の波に乗って、世界は高速鉄道の建設がブームらしい。高速鉄道と言えば、フランスのユーロスター、日本の新幹線、そしてそして中国。ほとんど、この3国で世界のシェアを取り合っているようです。特に中国国営企業の「中国中車(CRRC)」は今や、世界最大の鉄道車両メーカーです。
 自国の鉄道建設を、安い中国で冒険するか? 予算は高めだが、安心の日本を選ぶか? 各国それぞれのお家事情で、泣いたり笑ったりのようです。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「インドネシアは泣くのか?」 ~世界最大の鉄道車両メーカー「中国中車」がやったこと

日本の新幹線がインドネシアにフラレた話


ふう~ 今日もずいぶん暑いねえ。

「あつい」じゃなく「あぢ〜」だ。

なんかこう、見ただけで、さあ〜っと涼しくなれるの、ない?

なら、ホイ!

【ホワイトアウト!?】雪の上を超高速の新幹線が走ったらヤバすぎた

うっは〜〜〜! 涼しい〜! いつまでも見ちゃう!

新幹線と言えば、日本の新幹線がインドネシアにフラレた話をご存知か?

え? こんなイケメンで、カッコよくて、安心安全な新幹線がフラレたって?

ああ、婚約までこぎつけて、あとちょっとで結婚だったのに、ジャマが入ってよー。

結婚をジャマされる話なんて、よくあるからね。

日本はかなりカネをかけて、現地の地質調査までしたのに、インドネシアはその結果をさっさとライバルにくれちゃって。

ライバルって誰?

中国の「一帯一路」の中核を担う国有企業、今や、鉄道車両メーカーの世界最大手、中国中車(CRRC)だよ。

Author:Hiroki.loh.st[CC BY-SA]

へえ、中国の国営企業が、鉄道車両の世界最大手になってるのか。

そしてついに、2023年10月2日、インドネシアの首都ジャカルタで、東南アジア初の高速鉄道として、開業しちまっただあ。

でも、開業できたなら、良かったじゃん。

今のところはな。だが、新幹線と結婚してたら、インドネシアの未来はもっと明るかったはず。

で、どこを走るの?

インドネシアの高速鉄道「Whoosh(ウーシュ)」は最高時速350キロで、これまで約3時間かかったジャカルタ ↔ 観光地バンドゥン(143.2キロ)を、40分で走ることができる。(アゴラ

Author:NFarras[CC BY-SA]


良かったじゃん。

揺れも少なく安定性もあると、客の評判も悪くない。乗客数も、開業から2カ月で延べ100万人を超え、新駅建設の検討も始まって、滑り出しは順調だ・・・が。

なんか、中国中車の高速鉄道に不安があるような言い方は、捨てられた者のやっかみ?

じゃねーよ! 不安は現実だ。日本とインドネシアの婚約中、中国中車が割り込んできて、インドネシアになんてささやいたか? 「日本より短い工期で、安い予算でできまっせ。」

それで、インドネシアは中国に乗り換えたのか。

なのに、実際は、開業が予定より4年も遅れたし、当初の予算より約18億ドル(約1800億円)も増えたし、その多くは中国からの借り入れだし。日本との交渉では、総事業費の75%を金利0.1%の円借款で賄うことになってたのに、中国に乗り換えたら金利が2%になった。さらに、予算オーバーで追加融資になったら、中国はなんと4%の金利を要求してきた。47NEWS

うわお! サラ金だ、ヤミ金だ。

もっと言うと、中国は当初、「インドネシア政府による国庫支出はゼロ」を条件にしていた。ところが2021年、予算オーバーしたために、インドネシア政府は4.3兆ルピア(約380億円)の国庫支出をせざるを得なくなった。(JBpress

まるで演歌の世界だね。「ワルい男にだまされた~ 甘い約束を信じた私がバカだった〜♪」

これから、インドネシア国民は、中国に借金を返すために働かされる。それも、ジャカルタ ↔ 観光地バンドゥンの、たった143.2キロの高速鉄道のために。

143.2キロって、どのぐらいの距離?


東京 ↔ 静岡より短く、新大阪 ↔ 岡山より短く、博多 ↔ 徳山より短い。

なんとまあ、中途半端なのを作っちゃったね。たくさん乗って、運賃で稼がなきゃ。

いやいや、収益も期待できないのよ。運賃と乗降者予測に基づく損益分岐点は、当初「開業から20年以内」だったのが、今や「40年後」に延びた。JBpress

40年後?


日本の新幹線技術を導入することに決めたインド


だが、この顛末を見てあわてたのが、インド。

インドも高速鉄道作るの?

いや、もう作っている、日本と組んで。

【モディ首相激怒】インドで中国製を捨てて日本製新幹線を導入した結果が…中国に頼んだインドネシア高速鉄道との次元の違いに絶句【ゆっくり解説】

今度は、ジャマ男は現れなかった?

インドに日本の新幹線技術が導入されることが決まったのは、2015年、安倍ぴょんがモディと首脳会議をした時だ。その時、同時に手を上げたのが中国とフランスだった。

安倍首相とモディ首相
Author:首相官邸[CC BY]

そこにも、中国はいたんだね。

日本は「約1.6兆円」という、インドから見たら「ぼったくり」のような見積もりを出した。中国はもっと安い見積もりを出してくる。インドは迷った。だが、インドネシアの状況が少しずつわかり始めると、インドは日本に依頼することを決めた。

でも、中国はBRICSのお仲間でしょ。付き合いに影響するんじゃない?

そこが、インド! 義理人情より自国優先。と言うか、すでに日本はインドで実績を上げていたのよ。日本製の地下鉄「デリーメトロ」は、1日あたりの利用者は250万人以上、ピーク時は2分間隔で、ほとんど遅延もなく順調に走っている。

デリーメトロ
Author:Sd280391[CC BY-SA]

なるほど。

インドは、7つの高速鉄道を計画していて、現在建設中なのはそのうちの一つ、ムンバイ ↔ アーメダバード(505km)の高速鉄道だ。これが開通すれば、これまでの8時間が2時間に短縮される。


それは、便利になるね。

インドで走る車両は、東北新幹線のE5系を、気温が高く粉塵の多いインド向けにカスタマイズしたものになる。

で、いつ頃完成するの?

予定では2023年だったが、土地収用が難航して、2026年に延期されている。(YAHOO!ニュース)

でも、けっこうもうすぐだね。

モディ政権の方針は、外国資本を誘致して国内の製造業を発展させる「メイク・イン・インディア(インドで作ろう)」だ。まずは1編成10両24編成のうち、3分の2を日本から輸入、あと3分の1はインドで組み立てる予定。そして30年後に追加生産するときは、すべて現地生産に切り替える。インドの関係者は話す。「インドで製造すれば、中国よりも安くできる。また、インド製は中国製よりも信頼できると考えている国が、中東やアジアには多い。」dot.world

「メイク・イン・インディア」の取り組みによる車両
Author:Sanjeev4125[CC BY-SA]

おお、インドは高速鉄道車両の輸出も視野に入れているのか。中国にとっては「強敵現る」だけど、がんばってほしい。


中国中車の相次ぐ破談、不祥事


そうゆうわけで、中国中車はインドとの契約を取り逃がした。実は中国中車、ヨーロッパやアメリカでの契約も、相次いで破談になっている。47NEWS

う〜ん、わからなくもない。

たとえばアメリカ。中国中車は、マサチューセッツ湾交通局(MBTA)に、初めてのアメリカ向け地下鉄車両を納入して、約5年が経過した。ここも、入札時に日本やフランスと競り合ったが、中国中車が2〜5割下回る金額で受注した。なのに、運転中に扉が突然開いたり、床下から異常音がしたり、さらには脱線したり、バッテリーが過熱して爆発したり、たびたび運行中止に追い込まれる「問題児」になっている。47NEWS

あ〜あ。

これまたアメリカの話。圧倒的な安値を理由に中国中車を選択した、南東ペンシルベニア交通局(SEPTA)。ここも、車両を受け取る期限から4年を過ぎても、1両も受け取ってないとのことで、この4月に契約を破棄した。47NEWS

はあ~ 4年も待たせた方が悪い。

そしてまたアメリカ。中国中車が「熱心に獲得を狙っていた」ワシントン地下鉄の次世代車両「8000系」も、オジャンになった。理由は、中国中車が受注すれば、機密情報が中国に流出するかもしれないから。中国は2017年、国家情報法(第7条)で「いかなる組織および個人も法律に従って国家の情報活動に協力し、国の情報活動の秘密を守らなければならない」と定めている。ワシントン地下鉄と言えば、アメリカ政府関係者もたくさん利用するからな。(47NEWS


中国にとって、盗聴した内容を当局に密告することは義務、ねえ。

EU加盟国ブルガリアの長距離列車入札でも、中国中車は拒否られた。中国はブルガリアに食い込んで、EUの市場をなんとしても広げたいところだったが、2023年7月、EUは先手を打って、補助金に関する規制(FSR )を始めた。中国中車のように補助金をもらっている企業が、入札で不当に安い金額を提示して、EU企業が負けることのないようにしたんだ。47NEWS

苦戦してるねえ。

EU加盟国チェコも、中国中車との契約をすべて破棄した。中国中車の新型車両「シリウス」が、2年経ってもヨーロッパの運行認可をもらえなかったためだ。(東洋経済

でも、セルビアは中国製の高速列車を買ってたよ。

セルビアはEUに加盟していない。

そうだった。

だが、セルビア ↔ ハンガリーが開通したら、ハンガリーで走る中国中車の車両が、EUで走る第一号になるかもな。

喜んでいいのかわかんない。でも、中国本国の高速鉄道は安全に走ってるんでしょ?

中国の高速鉄道は中国全土を網羅し、総延長距離は2万5000キロに達している。これは日本の新幹線の8倍超にあたり、世界一の距離だ。現代ビジネス

さすがに、広いだけあるね。

しかも、最高時速350km、日本の新幹線より高速だ。ただ、中国高速鉄道と日本の新幹線のちがいは、チケットの購入から乗車、乗り換えなど、乗客の利便性だ。たとえば、チケット購入だけでも、汗だくになるような苦行らしい。「なぜか、チケット売り場は、一般に広大な駅の端の方にあり、チケットを買って改札口まで行くのに広い駅構内を行ったり来たりしなければならず、急いでいて荷物のあるときなどは汗びっしょり状態です。」(note

上海虹橋駅
Author:Baycrest[CC BY-SA]

日本は、すべてがコンパクトでいいよね。

スペースに余裕がないからだろ。で、チケットをゲットしたら、X線装置で手荷物検査を受けて、改札口を通り抜ける。改札口では、乗車人数に対して改札機が少ないので、「我先に」と人が押し寄せて、「お前並べ」「あんたこそ並べ」の言い争いが始まる。(現代ビジネス

おもしろいなあ。人口の多い中国らしいね。


中国に新幹線技術を供与した二階俊博


そして、ようやっと車内に乗り込むと、「どこか見覚えのある車両だ」と気づく。「そこで写メった画像を“自称・乗り鉄”の友人I氏に送ったところ、『日本の新幹線の普通車でしょ』(中略)...『日本の車両とまったく同じ』」「実際、中国高速鉄道CRH2型は川崎重工が新幹線E2系をベースに車両を製造したものだといわれている。」現代ビジネス

えええ?! もしかして、パクられた?

そうゆうこと! あきれたのは、中国が新幹線技術を盗んだんじゃなくて、日本が正式にあげたってこと。

誰がそんなことしたの?

自民党の二階俊博氏と、彼に従ったJR東日本と川崎重工。

二階俊博

二階氏と言えば、地元和歌山。和歌山と言えばアドベンチャーワールド。アドベンチャーワールドと言えば、日本で一番パンダがたくさんいる所。

2000年、中国を訪問した当時の二階運輸大臣は、中国の大臣に「この(新幹線の)技術が中国の発展にもしお役にたつならば、どうぞ一つお使いください。積極的に協力します」と発言し、新幹線の輸出に当たって、もともとは完成品の輸出だったのを、二階が強引に技術輸出にしてしまったそうだ。教えてGoo!

あれあれ〜?

そして、川崎重工が、東北新幹線「はやて」(E2系車両)をベースに技術供与した「CRH380A」の車両技術によって、中国は北京 ↔ 上海で、世界最速時速380キロを記録し、これは独自開発によるものとして、国際特許出願に踏み切った。

そんなことして、いいの?!

いいワケねえよ!「川崎重工によると中国政府との契約では供与した技術は中国国内だけでしか使用できず、その技術を応用して作った製品を輸出することはできないことになっている。」これに対して中国は、「350キロ(を出す)の技術があるのに、なぜ250キロの技術を盗まなければならないのか」「多数の特許を申請しており、完全に独自の知的財産権を持っている」「技術供与を受ける際、巨額の特許料を支払っている。合法的な使用は“盗作”にはあたらない」と反論している。
Buisness Journal

うわあ、開き直った。

中国に新幹線技術を渡すことを猛反対した、JR東海の葛西敬之(かさいよしゆき)は、以来、川崎重工と縁を切り、JR東海の新幹線はすべて子会社の日本車輌製造に切り替えたと言う。

でも、戦犯は川崎重工じゃなくて、二階氏だよね。

どうせみんな、毒まんじゅうでも食わされたんだろ?

トホホ、新幹線技術が毒まんじゅうで取引された?

中国鉄道省の元幹部は中国紙に暴露している。北京 ↔ 上海の中国版新幹線「和諧(わかい)号」について、技術は日本やドイツから導入されたものがほとんど。安全性を無視して最高速度を設定した」と。
Buisness Journal

Author:Jucember[CC BY-SA]

それでも、今の所、事故の話は聞かないけど?

メディアは操作できるし、事故を起こしても、車両ごと埋めちまえばわからんし。

もはや、中国中車の車両に大喜びしているのは、セルビアとハンガリーぐらいかも?



Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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