ぴょんぴょんの「ラウンドアップ裁判」 ~バイエルはこれまで、約10万件のラウンドアップ訴訟に約110億ドルの和解金を支払い、今なお6万件以上の訴訟を抱えている

 雨の季節を前にして、側溝のドブさらいをしました。ここがあふれると、うちの下水にも影響が出るからです。流れてくるのは田んぼからの水なので、田んぼの泥が底に貯まって、それをかき出すのが重くて大変でした。
 ふと見ると、側溝のふちの草が茶色く枯れて垂れ下がっています。今の時期、青々しているはずの雑草が茶色になってる? はっ! 除草剤がまかれてる? 気づいた時はすでに遅く、手袋にも泥が染み込んでいる状態。ヤバい、グリホサートに触れてしまった。
 急いで手を洗い、ぺりどっと氏ご提案、竹下先生ご愛用の「チャコール」を飲み始めました。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「ラウンドアップ裁判」 ~バイエルはこれまで、約10万件のラウンドアップ訴訟に約110億ドルの和解金を支払い、今なお6万件以上の訴訟を抱えている

植物が必須アミノ酸を作れなくするラウンドアップ


ジメジメの梅雨だねえ。

草ボーボーの梅雨だなあ。

この季節になると、ホームセンターの店頭にはラウンドアップが並んでいるねえ。

Author:Mike Mozart[CC BY]

え〜? まだ、売ってんの? 時事ブログでは、かなり前から、ラウンドアップの主成分「グリホサート」の毒性と発がん性が騒がれていたぞ。

今だに買ってく人がいるからね。でも、自分で調べたくても、ウソ情報が氾濫しているよ。たとえば、日本語版ウィキペディアでは、

ラウンドアップシリーズを日本で販売している、日産化学の見解によると (中略)...(ラウンドアップの成分)グリホサートは、グリシンから成るアミノ酸系除草剤であり、毒物及び劇物取締法の毒劇物に該当しない普通物であることも強調している。

毒劇物に該当しない普通物? まるで安全みたいに聞こえるな。

たしかに、グリホサートはヒ素みたいな毒とは違うかもしれない。でもこいつは、植物の「シキミ酸経路」のアミノ酸合成を阻害して、草を枯らす薬だよ。「シキミ酸経路」は、「微生物や植物の大半は有しているが、動物には見られない(Wikipedia)」から、ヒトには無害と思うかもしれないけど。

「微生物には害がある」イコール「腸内細菌には有害」ってことだ。

だよね。2018/06/03時事ブログで引用された記事によると、

ラウンドアップは植物が必須アミノ酸を作るシキミ酸経路を阻害する。ラウンドアップをかけられた植物はアミノ酸を作れなくなり、枯れてしまう。(中略)... このシキミ酸経路は人や家畜には存在しない。だからモンサントは人体には安全だと断言している。(中略)... 確かに人体にはシキミ酸経路は存在しない。でも人や家畜の体は膨大な数の腸内細菌に支えられている。その腸内細菌にはこのシキミ酸経路を持つものがある。(中略)...腸内細菌を損なえば当然、健康には大きな影響が出るわけで人体に安全だというのは消費者を欺く行為だ。

そうだそうだ! 腸内細菌が死滅したら、免疫力が落ちて人間もアウト。がんにもなりやすい。


ラウンドアップの発がん性に関する訴訟


グリホサートの発がん性については、日本語のウィキペディアにこう書いてある。

・日産化学工業 「グリホサートに発がん性は無いと判断している。(2015年)」
・欧州食品安全機関(EFSA)「グリホサートとがんの因果関係は結論づけられない。(2015年)」
・国際連合食糧農業機関とWHO 「食事を介した曝露による発がんリスクは低い。(2016年)」
・内閣府食品安全委員会 「グリホサートには発がん性、神経毒性、繁殖能への影響、催奇形性及び遺伝毒性は認められなかった。(2016年)」


・国連食糧農業機関(FAO)、WHO合同農薬残留会議(JMPR)、 欧州委員会、カナダ害虫管理規制庁、オーストラリア農薬・動物用医薬品庁、ドイツ連邦リスク評価研究所 「グリホサートはヒトに対して、発がん性または遺伝毒性のリスクをもたらす証拠はない。」
・米国環境保護庁(EPA)「グリホサートは、ヒトに対して発がん性がある可能性は低い。」

う〜ん、どう解釈したらいいんだ?

唯一、2015年、WHOの国際がん研究機関(IARC)だけが、グリホサートを「ヒトに対して発がん性がある可能性が高い(グループ2A)」に分類している。

Author:Yann Forget[CC BY-SA]

おやまあ、WHOがまともなことを言うことがあるんだな。

でもね、WHOの発言のせいで、アメリカではラウンドアップ(グリホサート)に対する風当たりが強くなって、モンサントは「がんのリスクを知りながら、警告を記載しなかった」という訴訟がたくさん起こされた。

つまり、「ラウンドアップでがんになった」から怒ってるんじゃなくて、「モンサントが消費者に発がん性を警告しなかった」ことが問題なんだな。

だって裁判では、そうしないと勝てないからね。モンサントはラウンドアップの発がん性を否定しているし、そもそも、発がん性があることを科学的に証明するのは難しいから。

で、訴訟はどうなってる?

2018年8月、学校の校庭にラウンドアップを散布して悪性リンパ腫を発症した、末期がん患者の裁判で、陪審はモンサントに、損害賠償金2億8,900万ドル(約460億円)の支払いを命じた。(Wikipedia) 2019年、ミズーリ州の公園で、ラウンドアップを20年以上散布して、「非ホジキンリンパ腫」を発症したジョン・ダーネル氏には、賠償金125万ドル( 約2億円 ) の支払いが命じられた。これ以降、続々と起こされたラウンドアップ訴訟は、これまで約20万件、支払われた和解金も約110億ドルに上った。今なお、約6万件以上の訴訟が係属中である。(AP)(AP)(Wedge ONLINE)


驚いた、賠償金がかなり高額だな。バイエルも支払いが大変だな。

2018年にモンサントがバイエルに買収されたのも、訴訟で会社が傾いたのかもしれない。

やれやれ、毒の甘味料のサッカリンやアスパルテームだけでなく、白リン弾や、ベトナム戦争のダイオキシン入り枯葉剤、遺伝子組み換え種子を開発し、グリホサートと抱き合わせで販売した「悪魔の企業」モンサントも、とうとう終わったか。

モンサントと「環境保護庁(EPA)」は蜜月関係だった


いやいや彼らは、グリホサートをかけても死なない「スーパー・ウィード」のように、憎たらしいくらいたくましいよ。ところで、2026年4月27日米国最高裁で、ダーネル氏の約2億円の損害賠償について口頭弁論が行われた。ここで問題になったのは、連邦法が義務付けていない「発がん性警告」を、州法で義務付けるか、だった。(Wedge ONLINE)

アメリカには連邦法と州法があるからな。

連邦法では、国が示すのと異なる表示を、州が独自につけることを禁じている。しかも、政府機関の「環境保護庁(EPA)」は、「グリホサートに発がん性がある可能性は低い」として、警告ラベルの表示を義務付けないばかりか、そのような警告を「誤認」としている。州の裁判所が「警告を表示しなかったことは不当」と判断することは、国が定めた「表示の均一性」に反するというのが、バイエルの主張だ。(Wedge ONLINE)

Wikipedia[Public Domain]

しかし、「環境保護庁(EPA)」てのは政府機関だろ? なんでこいつらが、「グリホサートに発がん性がある可能性は低い」とか言ってるんだ? 根拠があるんか?

実はね、モンサントができた当初から、モンサントと「環境保護庁(EPA)」は蜜月なんだよ。

へえ??

「環境保護庁(EPA)」のアーカイブを調べると、1981年の時点ですでに、モンサントは「グリホサートが、哺乳類にがんを引き起こす可能性がある」ことを知っていた。

マジか??

2015年の記事モンサント、35年前にグリホサートとがんの関連性を把握していた」によると、「環境保護庁(EPA)」は、モンサントのウソデータを元に、販売許可を出したと言う。

最初から、モンサントと「環境保護庁(EPA)」の出来レースだったんかい。

それを裏付けるのが、グリホサートが最初に登録された1978年〜1986年、「環境保護庁(EPA)」に提出された「グリホサート毒性に関する動物実験」の報告書。当時から今に至るまで、企業秘密にされて見せてもらえない。(SUSTAINABLE PILSE)

明らかに、真実を隠しているな。

グリホサートの化学構造式
Wikimedia_Commons[Public Domain]

1981年時点で、モンサントと「環境保護庁(EPA)」は、実験動物に少量のグリホサートを投与した秘密裏の実験で、悪性腫瘍や前がん病変が生じることを認識していた。当時、「環境保護庁(EPA)」の委員会から懸念が表明されたものの、モンサントの重圧によって、これらの懸念は抑え込まれた。これらの研究はいずれも、独立した検証のために公開されていない。それ自体がスキャンダルである。この件に関して、長きにわたり隠蔽工作が行われてきた。

2015年のWHOの「発がん性がある可能性が高い」についても、「環境保護庁(EPA)」は「指示通りに使用すれば、人間に対しての発がん性は低い」と言う。また、グリホサートに、「発がん警告」のラベルをつけることも「誤認」だとしている。

こんなのが「環境保護庁(EPA)」だと? ちっとも、環境を保護してねえよ! とにかく、グリホサートに発がん性があるのは事実なんだろ?

うん、数え切れないほどの論文が証明している。

2015年
・『WHO国際がん研究機関(IARC)』:グリホサートを「ヒトに対して発がん性がある可能性が高い」(グループ2A)に分類。また、グリホサートの遺伝毒性には、「強力な」証拠があると結論。
2019年
・『Mutation Research/Reviews in Mutation Research』:グリホサートと非ホジキンリンパ腫の間に「説得力のある関連性」がある。
2020年
・『Environmental Health』:グリホサートはげっ歯類に様々な癌を引き起こす。
・『米国毒性物質・疾病登録局(ATSDR)の最終報告書』:グリホサートは、特に非ホジキンリンパ腫に関して、潜在的な発がんリスクがある。
2023年
・『Chemosphere』:グリホサートに発がん性がある「強力な証拠」が明らかになる。
・『Leukemia and Lymphoma』:非ホジキンリンパ腫(NHL)とグリホサートの関連が確認された。
2025年
・『Environmental Health』:低用量のグリホサートが、ラットに複数の種類のがんを引き起こした。
・『Food and Chemical Toxicology』:ラウンドアップは低用量でも、乳がん遺伝子を変化させ、乳腺細胞に毒性、増殖促進作用を及ぼす。

これだけの、いやもっとある論文より以前に、モンサントでやった秘密実験の結果を公表すれば、イチコロじゃないのか?

バイエルの最後の切り札「集団和解案」


今、バイエルは訴訟をストップさせるために動いている。農薬警告や企業責任をめぐる訴訟を制限するように、最高裁に働きかけたり(MILLER &ZOICE, LLC)、 各州に対して、「新たな訴訟を禁止する法律の制定」を働きかけたり。すでにノースダコタ州、ジョージア州、ケンタッキー州ではこの法律ができている。(AP)

バイエル本社
Author:Atamari[CC BY]

うわあ、州単位で切り崩しが始まっているのか。

そして、最後の切り札が和解案。2026年初め、バイエルは72億5000万ドルの集団和解案を提示した。(Wedge ONLINE)

2026年2月、バイエルは、ラウンドアップへの曝露により非ホジキンリンパ腫を発症したとする米国の訴訟について、最大72億5000万ドルを拠出する全国的なクラス和解案を発表した。この和解案は、現在および将来の請求を解決するためのもので、裁判所の承認を条件とする。

そして、2026年3月、この和解案にセントルイス裁判所が仮承認を下したことで、原告らは、6月4日までに和解するかどうかを判断することになった。「和解する」を選択したら、賠償金が支払われておしまい。和解しなければ、戦い続けることはできるけど、おカネは支払われない。(AP)

カネをちらつかせて、逃げようって魂胆だな。そうは、問屋が下ろすかよ。

でも、発がんまでは潜伏期間があるからね。6月4日までに和解を選択しなければ、今後、ラウンドアップのせいでがんになっても、訴訟できなくなるんだ。(MILLER &ZOICE, LLC)

おかしくないか? ズルくないか? そんな未来のこと、6月までに決められるかよ。それよか大事なのは、カネじゃなくて、発がん性のあるグリホサートを知ってて販売した、モンサントとバイエルの責任を追求することだろ? 真実をうやむやにして終わらせるんじゃなくて、グリホサートの発がん性を認めさせて、生産、販売を止めさせて、市場からラウンドアップを引き上げさせるところまで行かなきゃダメだ。

悲しいかな、大方の見方はこうだよ。「現在の最高裁の構成を見ると、バイエルが勝利する可能性が高いというのが法曹界の支配的な見解である。」 (Wedge ONLINE)

はあ? バイエルが勝つだと?許さん! いいか? 薬なら、自分から病院や薬局に行って、処方してもらって飲むから、自己責任だ。しかし公園や、ゴルフ場、農地や牧草地に、グリホサートがバラまかれたら、これはもう、自分の意志や選択じゃなくて、知らないうちに触れたり、吸い込んでしまう。これって、計画された、無差別殺人だろ? こんなことを考えるのは、どうせ悪魔の血統だろ?

モンサントの創始者ジョン・フランシス・クイニーは、マルタ騎士団の団員と言う噂もある。(anandamide .green)

ジョン・フランシス・クイニー
Wikimedia_Commons[Public Domain]

やっぱり!

悪魔は、自分たちだけが良ければいいと思ってる。でも、ぼくたちは、すべての生命と一心同体で運命共同体。植物を殺して、動物だけが生き残るなんてありえない。最後に、アンソニー・サムセル博士の言葉で締めくくろう。

生物圏を破壊し続けているモンサントやその他の化学企業に対して、各国は、団結して立ち向かわなければならない。私たちは皆、その生物圏の一部であり、互いに繋がっている。ある一箇所に影響が及べば、それは私たち全員に影響を及ぼすのだ。


Writer

ぴょんぴょんDr.

ぴょんぴょん

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
(クリニックは2014年11月末に閉院)
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)


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