注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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ゲノム編集技術の利用について、生活クラブ生協連合会が規制管理ルールの確立を求める意見を発表しました
転載元)
生活クラブ 2018/7/11
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(中略)は、(中略)ゲノム編集技術の応用で生み出される食品の安全性への疑問、また生物多様性への影響や「種子の独占」のさらなる拡大について深い懸念を表明します。国に対しては、予防原則に基づく新育種の登録制度による情報公開、消費者の選択権が保証される食品表示やトレーサビリティのしくみなど、適正な規制管理ルールの確立を強く求めます。(中略)
Ⅰ.経過と背景
1.遺伝子組換え食品に対する生活クラブ連合会の対応
(中略) 遺伝子組換え作物の作付面積は世界の耕地面積の10分の1(1億8,510万ヘクタール)と増加し続け、日本で商業流通が認められている遺伝子組み換え食品も8作物315品種(2017年12月現在)となりました。
(中略) 食料としてとしての安全性、巨大企業による種子の独占、環境・生物多様性への影響について、問題は深刻化しているのが現状です。
2.遺伝子改変技術の研究の表面化
ゲノム編集(遺伝子操作による新育種)技術の第1世代が登場したのは1996年ですが、飛躍的に研究が進んだのは2012年に第3世代のCRISPR-Cas9の技術が開発されてからです。「ゲノム」とは生物の持つすべての遺伝情報であり、ガイドRNA(標的遺伝子をみつける役割)とヌクレアーゼ(DNA切断酵素)を用いて、標的とする遺伝子を切断したり挿入したりすることで、狙い通りに遺伝子を改変することから編集という言葉があてられています。
ゲノム編集では、遺伝子を切断することで特定の機能を失わせる技術のことを「ノックアウト」、切断した箇所に代替DNAを入れる技術を「ノックイン」と呼びます。改変に使用したガイドRNAとヌクレアーゼはやがて分解されて痕跡が残らないため、特に「ノックアウト」技術の場合、自然現象で現れる突然変異と見分けがつきません。
この技術は、まだ特許登録されておらず開発費用が非常に安価で、大学の研究室でも簡単に操作できるため、ゲノム解析が行なわれているすべての生物に応用が可能です。日本でも2016年にゲノム編集学会が広島大学を中心に立ち上がり、食料、医療への研究が広がっています。
Ⅱ.問題の整理と対応
1.ゲノム編集の商業応用(食品類)の問題点
この技術について整理すると、以下の問題が挙げられています。
*オフターゲット効果:目的とした配列以外の領域に操作が及ぶ問題をいいます。ゲノム編集は従来の遺伝子組換え技術に比べると格段に効率がよくなっていますが、100%の成功率ではないため、注意深いスクリーニングが依然として必要になります。
2.ゲノム編集技術を使った作物・動物(食品類)について、懸念を表明します。
ゲノム編集で作出される生物が、結果的に遺伝子編集をした痕跡が残らないとはいえ、遺伝子を人為的に操作すること自体に疑問がぬぐえません。
ゲノム編集技術による食品類の実験研究がすすめられていますが、世界的にも現行の遺伝子組換え生物に対する規制に該当するのかどうか、議論がされている段階です。
ゲノム編集技術に登録・規制の枠組みがないまま、実験研究がすすみ食品が開発されていけば、「食料安全」「生物多様性」「種子の独占」などに加え、事故が発生した後では追跡ができず、取り返しのつかない問題が生じます。
商業流通される時期は現時点で定かではありませんが、上記4つの問題点をふまえ生活クラブとしてゲノム編集作物・動物(食品)の商業化に懸念を表明します。
商業流通が将来始まる恐れに備え、国に対し、消費者の選択権を尊重するために原材料(種子を含む)の情報開示と表示、ゲノム編集技術で作出された作物・食品(飼料)の登録を求め、政策提案運動を準備します。
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Ⅰ.経過と背景
1.遺伝子組換え食品に対する生活クラブ連合会の対応
(中略) 遺伝子組換え作物の作付面積は世界の耕地面積の10分の1(1億8,510万ヘクタール)と増加し続け、日本で商業流通が認められている遺伝子組み換え食品も8作物315品種(2017年12月現在)となりました。
(中略) 食料としてとしての安全性、巨大企業による種子の独占、環境・生物多様性への影響について、問題は深刻化しているのが現状です。
2.遺伝子改変技術の研究の表面化
ゲノム編集(遺伝子操作による新育種)技術の第1世代が登場したのは1996年ですが、飛躍的に研究が進んだのは2012年に第3世代のCRISPR-Cas9の技術が開発されてからです。「ゲノム」とは生物の持つすべての遺伝情報であり、ガイドRNA(標的遺伝子をみつける役割)とヌクレアーゼ(DNA切断酵素)を用いて、標的とする遺伝子を切断したり挿入したりすることで、狙い通りに遺伝子を改変することから編集という言葉があてられています。
ゲノム編集では、遺伝子を切断することで特定の機能を失わせる技術のことを「ノックアウト」、切断した箇所に代替DNAを入れる技術を「ノックイン」と呼びます。改変に使用したガイドRNAとヌクレアーゼはやがて分解されて痕跡が残らないため、特に「ノックアウト」技術の場合、自然現象で現れる突然変異と見分けがつきません。
この技術は、まだ特許登録されておらず開発費用が非常に安価で、大学の研究室でも簡単に操作できるため、ゲノム解析が行なわれているすべての生物に応用が可能です。日本でも2016年にゲノム編集学会が広島大学を中心に立ち上がり、食料、医療への研究が広がっています。
Ⅱ.問題の整理と対応
1.ゲノム編集の商業応用(食品類)の問題点
この技術について整理すると、以下の問題が挙げられています。
①遺伝子操作をした結果、標的以外の遺伝子におよぶオフターゲット効果*や遺伝子の変化がその生物の特性に意図しない変化をもたらす可能性があります。食品として流通した場合、異常タンパク質によるアレルギーなどの問題を起こすことも考えられます。<食料の安全性の問題>
②一度、改変された生物が自然界に出てしまえば、遺伝子の回収は不可能です。特別な機能を持つ生物による遺伝子汚染によって、それまでの環境が変わり生物の多様性が脅かされる可能性があります。<生物多様性の問題>
③現在、研究技術の使用は安価ですが、基礎となるゲノム解析の研究や穀物種子の多くは巨大企業が所有しており、すでにダウ・デュポンやモンサントはゲノム編集技術のライセンスや使用契約をとっており、種子の独占にいずれ包摂される怖れがあります。<種子の独占の問題>
④現在、この技術研究によって作出された生物の安全性や環境影響への国の対応は、個別に行なうとされており、規制の枠組みがないため申請がなければ情報を把握できません。<規制管理ルールがないという問題>
*オフターゲット効果:目的とした配列以外の領域に操作が及ぶ問題をいいます。ゲノム編集は従来の遺伝子組換え技術に比べると格段に効率がよくなっていますが、100%の成功率ではないため、注意深いスクリーニングが依然として必要になります。
2.ゲノム編集技術を使った作物・動物(食品類)について、懸念を表明します。
ゲノム編集で作出される生物が、結果的に遺伝子編集をした痕跡が残らないとはいえ、遺伝子を人為的に操作すること自体に疑問がぬぐえません。
ゲノム編集技術による食品類の実験研究がすすめられていますが、世界的にも現行の遺伝子組換え生物に対する規制に該当するのかどうか、議論がされている段階です。
ゲノム編集技術に登録・規制の枠組みがないまま、実験研究がすすみ食品が開発されていけば、「食料安全」「生物多様性」「種子の独占」などに加え、事故が発生した後では追跡ができず、取り返しのつかない問題が生じます。
商業流通される時期は現時点で定かではありませんが、上記4つの問題点をふまえ生活クラブとしてゲノム編集作物・動物(食品)の商業化に懸念を表明します。
3.国に対し、ゲノム編集技術で作出された作物・家畜類(食品、飼料を含む)の情報公開と登録を求めます。
商業流通が将来始まる恐れに備え、国に対し、消費者の選択権を尊重するために原材料(種子を含む)の情報開示と表示、ゲノム編集技術で作出された作物・食品(飼料)の登録を求め、政策提案運動を準備します。
①予防原則を基本とすること。以上
②作出された生物の情報開示と登録。
③商業栽培(飼育)を想定し、消費者の選択権を担保するトレーサビリティ流通と表示制度の確立。
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日本は直接民主制ではありませんが、間接民主制のデメリットともなっている、欲にまみれた政治家の横暴やそうした輩を意のままに操る国際銀行家やグローバル企業による経済的植民地支配をこれ以上みているわけにもいきません。
既得権益者を守る政治から国民主権の政治へと立ち返るためにも、国民はその実態や問題点を認識することで、国民の代表としてふさわしい政治家をちゃんと見極めて応援する必要があります。ゲノム編集という生命にかかわる技術を、優生思想に狂った輩に、軍事兵器として利用されたりしないためにも。