注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
テロ組織ISISが、爆弾テロや破壊活動を行うとして、トルコを脅迫しました。
レバノンのアルマヤーディンテレビによりますと、ISISのトルコ人メンバーは動画の中で、トルコを脅迫し、トルコのエルドアン大統領は反イスラム教徒的な行動により、罰を受けるべきだとしました。
この動画では、ISISによりトルコの各都市が破壊されると強調されています。
ISISは22日木曜、シリアで捕虜としたトルコ軍兵士2人に火をつける動画を公開しました。
エルドアン大統領は23日金曜、ISISに対する徹底的な報復を強調しました。
トルコの治安部隊も23日、イスタンブールでISISのメンバー31人を逮捕したと発表しました。
エルドアン大統領は、イスタンブールで開かれた対外経済関係評議会会議で発言し「トルコは、シリア北部に新しい国家が作られることを許さないだろう」と述べた。
トルコは、シリア北部で軍事作戦を展開しているが、その目的は、イスラム過激派戦闘員らから国境地区を解放するためだとしている。しかし現地の観測筋は「トルコの行動は、トルコ国内でテロリストとされている武装したクルド人義勇兵にも向けられたものだ」と指摘している。
※WSJのこの寄稿者は「帝国主義列強の傀儡政権を群立させシリアを分割統治する古典的帝国主義者」らしい。米国はクルド族に傀儡政権を作らせ、アサドと国土分割する政策だが、ロシアもトルコも猛反対。クルド国を作れば中東は大騒乱するからだ。クルドが可哀想というだけですむ問題ではない。 https://t.co/d36hocch40
— 知足的隠遁者 (@SukiyakiSong) 2016年12月25日
【寄稿】トランプ氏がシリアの悪夢を終わらせる方法 https://t.co/I7qWdcneng ロシアとの協力を実現させる唯一の方法はシリアの連邦化
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) 2016年12月25日
クルド人組織をテロリスト集団とみなしているトルコのエルドアン大統領は、このようなアメリカの政策を認めるはずがありません。スプートニクの記事では、エルドアン大統領が、“シリア北部に新しい国家が作られることを許さない”と言っています。万一シリア国家がここに出来れば、いずれトルコは分割されてしまいます。それだけは絶対にあってはならないというのが、エルドアン大統領の思いです。
ロシアとトルコはシリアを分割しないこと、クルド人国家を作らないといった事で合意をしたのではないかと思います。その代わり、トルコはダーイシュ(IS)を援助するのをやめるということでしょうか。ダーイシュにすれば、これまで一緒にやってきたエルドアンに裏切られた形になります。そこで、ダーイシュはトルコを脅迫、ダーイシュはトルコの各都市を破壊すると言っています。
“続きはこちらから”以降は、こうしたアメリカの思惑を解説しています。アサド政権打倒が現実的でなくなったため、アメリカはシリア東部の三日月地帯に傀儡政権を作り、これにより“カタールから、トルコを経由し、ヨーロッパに至る天然ガス・パイプライン用の敷地を確保する ”わけです。イラク北部のモスルから脱出したテロリストたちがここに集まってきているのも、こういう意味です。
ただ、こうした思惑もトランプ氏が大統領になれば、頓挫しそうです。トランプ氏はロシアと協調してテロリストを殲滅する意向だからです。それゆえテロリストを支援している連中は、トランプ氏が大統領になるのを何としても防ぎたいわけです。