アーカイブ: 憲法

元参議院議員・平野貞夫氏ら、7日に安倍首相を内乱罪で刑事告発 〜 「爺い」かっこいいぞ!

 「爺い好き」のまのじには、拍手喝采のニュースです。
かねてより時事ブログでも注目していた平野貞雄氏が、7日、安倍首相を内乱罪で告発しました。
「内乱罪」が成立するためには「暴動」が不可欠とされますが、憲法学者の小林節先生は「組織的な不正行為」も「暴動」に含まれると解釈されていました。しかし同時に「このような解釈が、人権尊重の観点から検察官の同意を得られるとは思わない」とも書かれていました。
が、シロウト感覚では、ここまで人権をないがしろにする主体を放置することが法の精神に叶うとは思えません。どなたかのツイートに「サルがダンプカーを運転していたら、とりあえず引き摺り下ろすのが先だ」とありましたが、その通り。
 平野氏は具体的に3つの罪状を説明されていますが、どれ一つ取っても、わざわざ内乱罪を持ち出すまでもない内閣総辞職ものの破壊行為です。平野氏が政党政治の堕落を嘆かれるほど、とことん自浄能力を失った日本でした。
 平野氏82歳、同じく告発者の弁護士、山口紀洋氏は78歳、彼らカッコいい「爺い」が、日本への最後のご奉公と思って立ったとは、泣けるではありませんか。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
「権力の私物化=内乱予備罪」安倍首相を刑事告発
引用元)
衆院事務局員を30年余りも務めた平野貞夫・元参院議員がきょう7日、安倍首相を「内乱予備罪」で検察庁に刑事告発した

 平野氏は「安倍首相は権力を私物化するために国の統治機構を破壊し・・・国民の反対活動を威圧するなど破憲を強行しつつある」と厳しく指摘する。

 内乱予備罪(刑法78条)は、内乱の予備または陰謀をした者は1年以上10年以下の禁固に処するというもの。

 ここでいう内乱とは国の統治機構を破壊し、又はその領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をする犯罪である(内乱罪・刑法77条)。ひとことで言うとクーデターだ

(中略)

 平野氏は「33年間、衆院事務局にいたが、以前だったら与野党が議長を突き動かして議会を召集させた」と歯嚙みし、政党政治の堕落を嘆いた


» 続きはこちらから

学問の自由が公然と侵害され始めている 〜 戦前の天皇機関説攻撃を想起させる国会

 22日参議院での、共産党田村智子氏の質疑が注目されています。
先の2月26日衆議院で、自民党杉田水脈議員は「科研費で研究を行う研究者たちが韓国の人たちと手を組んで(プロパガンダを)やっている」と述べ、日本のアジア諸国への植民被支配を研究することは反日的だと決めつけました。さらに、その研究者の個人名まで挙げて非難し、このような活動に科研費が支払われていることは問題だという質疑を行いました。
 この質疑について今回、田村議員は「学問研究への介入を文科省に求めた看過できない問題」だと厳しく指摘しました。ことは杉田議員個人の不適切にとどまらない、重大な危険性を過去の例を示して訴えました。
 第2次世界大戦前、昭和恐慌で失業者が溢れる中、海軍の青年将校が総理大臣を殺害した5・15事件が起きるなど軍の台頭する時期であった1935年、貴族院本会議で、元軍人議員が美濃部達吉氏の天皇機関説を「国体を破壊するもの」と攻撃しました。議会や新聞もこの弾圧に加担し、著作は発禁、美濃部氏は右翼に狙われる事態にまで追い込まれました。田村議員は、この思想弾圧がやがて政党政治を破壊し、軍部独裁の道を開き、壊滅的な戦争へと繋がったことを重く見て、今一度、日本国憲法に「学問の自由」や「基本的人権」が明記された意義を問うべき、国会議員が国会において、特定の研究や研究者を攻撃し、科研費の対象であることを問題視するなど絶対に許されないと明言しました。
 この、田村議員の質疑の少し前、菅野完氏によるツイートに、同様の的を射た危惧がありました。最近騒がれている弁護士への集団懲戒請求に関してのものでしたが、過去の大学への介入「滝川事件」や法曹への弾圧「布施弁護士」を示してなお、表に出てこない「細かい弾圧は沢山あるんだろう」と鋭い指摘をされていました。確かに表に出てこない「自分には関係ないこと」「このくらいは些細なこと」の積み重ねが、ある日突然の開戦を招いたことは歴史の語るところなのでした。

[滝川事件(京大事件)]
1933年、京都帝国大学での思想弾圧事件。
右翼らの国会議員が京大法学部の瀧川教授を「赤化の元凶」として非難し、文部省により大学を休職処分とされた。言論弾圧の対象が共産主義的思想から自由主義的な言論へと拡大した転機だった。
[布施辰治弁護士]
1932年、社会派弁護士であった布施が「弁護士活動の逸脱」を理由に懲戒裁判所に起訴され、弁護士資格を剥奪された。その翌年には、治安維持法違反で投獄された。


(まのじ)
————————————————————————
配信元)


» 続きはこちらから

施行71年目の憲法記念日、あべぴょんの改憲発議は困難との見通し

 日本国憲法が施行から71年を迎えます。 
読売の世論調査では「憲法を改正する方が良い」が51%で過半数、安倍内閣支持率の下落の影響はないと断じていますが、対照的に朝日新聞の調査では、憲法改正賛成はわずか30%、反対が58%で昨年よりも増えています。面白いことに「今の憲法を変える必要があるか」との質問に対しては「変える必要がない」が49%であるのに、「安倍政権の元で憲法改正を実現すること」という質問になった途端に、反対が58%に跳ね上がっています。朝日は内閣支持率の急落が影響していると見ています。改憲論者もあべぴょんの元では御免こうむるということでしょう。
 国民の望む政治課題は当然ながら「景気・雇用」対策がダントツで、憲法改正は最下位、回答のわずか1割でした。
 あべぴょんにしてみれば、悲願の改憲をなんとか実現にこぎ着けたいところ、立憲民主党のえだのんは9条改正に「話し合いの余地なし」とし、分裂後の希望の玉木代表も反対、頼みの公明党も慎重姿勢を崩さず、あべぴょんの憲法改正発議は困難との見通しです。だからと言って、ここで改憲の旗を降ろしたら、辛うじてあべぴょんを支持していた連中までもが離れていってしまうという傑作な状況です。
 ずっと危機に晒されてきた日本国憲法ですが、安倍政権の魔手からは守られたようです。憲法記念日にふさわしいニュースで、まのじ嬉しい。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
改憲発議、年内は困難 政権不祥事で機運低下
引用元)
 日本国憲法は3日、1947年の施行から71年を迎える。

安倍晋三首相(自民党総裁)は2020年の改正憲法施行を掲げて今年中の改憲発議も視野に入れていたが、一連の政権不祥事で国会論議は停滞し、国民の機運も低下していることから困難な情勢だ

自民党の改憲条文案を巡って連立を組む公明党は慎重姿勢を崩さず、野党第1党の立憲民主党は批判を強める。首相はなお発議を模索するものの、具体的な時期は見通せない。
(以下略)
————————————————————————
安倍政権で改憲、反対58% 9条首相案、反対53% 朝日新聞社世論調査 あす憲法記念日
引用元)
5月3日の憲法記念日を前に、朝日新聞社は憲法を中心に全国世論調査(郵送)を実施した。安倍政権のもとで憲法改正を実現することに「反対」は58%(昨年調査では50%)、「賛成」は30%(同38%)で、昨年調査よりも「反対」が増え、「賛成」が減った
————————————————————————
憲法改正、賛成51%…自衛隊「合憲」76%
引用元)
読売新聞社は、憲法に関する全国世論調査(郵送方式)を実施した

 憲法を「改正する方がよい」は51%、「改正しない方がよい」は46%だった(中略)改正賛成が反対を上回ったのは15年調査(賛成51%、反対46%)以来3年ぶり。
(中略)
調査の期間中、学校法人「森友学園」や「加計かけ学園」を巡る問題などで、安倍内閣の支持率が下落したが、憲法改正の賛否には大きく影響しなかったようだ。
(以下略)

————————————————————————
配信元)

ぴょんぴょんの「今なぜ、改憲?」

 手さぐりで調べてきた、憲法の改正。むずかしかったけど、挑戦してよかったと思います。
 何よりも自分から学べたのがよかった。時事ブログは、毎日アーンと口を開けるだけで、栄養のある食べ物が食べられる。モグモグと食べるけど、どのくらい自分の身になっているのかわからない。それが今回は、お腹をすかして食べたので、これまでスルーしていた内容が、とてもおいしく感じられ、はじめて自分の栄養になった感じがしました。
 今回のキーワードは「戦後70年」です。
(ぴょんぴょん)
————————————————————————
ぴょんぴょんの「今なぜ、改憲?」


日本国憲法は、占領軍の押しつけ?


ねえねえ、くろちゃん、憲法改正って、いつごろから騒がれてたの?

2年前、報道ステーションでスクープされた、「岸内閣時代の憲法調査会」の録音テープ、覚えてっか?


あれはたしか、昭和31年のテープだよね。
そんな以前から、憲法を改正しようとしてたんだ。

ま、あのとき、改正を声高に叫んでいたのは、おじいちゃま、そして今叫んでるのが安倍首相。
その頃から「現行の日本国憲法は、GHQの押し付け憲法」ってセリフの繰り返しだ。
「占領下にできた憲法をあらためて、日本にふさわしい自主憲法を作りたい」
と岸信介が言えば、孫は「占領時代に作られた憲法である。私たちの手で憲法を変えていくべきだ」と言う。

なんか、まったくおんなじこと言ってる。

安倍首相の頭ン中じゃ、録音された「おじいちゃま」の言葉が、こわれたレコードみたいにリピートしてるかもな。


でも、「日本国憲法は、占領軍の押しつけ」って、ホントなの?

当時の録音で、改正派は「外国の権力者が作った憲法ですから」とか、「みっともない前文」とか言ってる。これ、どっかで聞き覚えねえか?

安倍首相も、「みっともない」って言ってたような。

2012年の安倍首相の発言
「日本国憲法の前文には『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』と書いてある。つまり、自分たちの安全を世界に任せますよと言っている。・・・いじましいんですね。みっともない憲法ですよ、はっきり言って。それは、日本人が作ったんじゃないですからね。」

「いじましい」? 「いじましい」ってどういう意味?

「見苦しい」って意味だよ。おのれも今の憲法の恩恵にあずかってきたくせに、なんていいぐさだって思うな。

でも、「日本人が作ったんじゃない」って言ってるよ。

» 続きはこちらから

ぴょんぴょんの「自衛隊と国防軍」

 「憲法を百年いかす」(筑摩書房)は、「前夜」とはまた別の目線で改憲を論じた本だった。憲法の詳細な内容というよりも、その背景、明治維新から現在に至る歴史や、戦争放棄はだれの起案か、また現政権とナチスの類似点について、などが書かれていた。
 時事ブログ以外の社会科知識ゼロ、の脳ミソで、なんとか要点を書き出してみた。
(「前夜」以外のページ数はすべて、「憲法を百年いかす」のページ数である。)
(ぴょんぴょん)
————————————————————————
ぴょんぴょんの「自衛隊と国防軍」


国防軍とは? 軍法会議とは? そして最高責任者は誰?


おい、自民党の改正案に新設された「国防軍」、ってどう思う?

いきなり「どう思う?」って聞かれてもなあ〜。
ま、「自衛隊」ってひびきよりか、「国防軍」って方がカッコよくない?

はあ〜(ため息)。おめえみたいのが大勢いるから、日本はあやういってのよ。

そっかなあ〜やっぱ、「国防軍」のがカッコいいよ。「普通の国」って感じ。

おいおい、「普通の国」が出てくるか? 「あべぴょんワールド」全開だな。

だって戦後、アメリカに占領されてから、憲法もアメリカから押しつけられたでしょ。
それに、戦争を放棄したから、軍隊ももてないし。

Author:ArmySignalCorps[Public Domain]


戦争がないおかげで、おめえみたいなアホが、今でものうのうと生き残ってんじゃねえかよ。このままだと、おめえみてえなやつらが、もう一回、日本を亡ぼすぜ。

ひどいなあ。

それに「憲法を百年いかす」を読んだらわかるが、今の憲法は押しつけじゃねえって、はっきりと証明してるぜ。

そこまで言うなら、ちゃんと説明してよ。
自衛隊って国防軍とどう違うの?

よくぞ、聞いてくれましたっと! これを読め。
保阪「いまの憲法下において自衛隊は軍隊ではないんです。軍法会議はもっていない。統帥権もない、独断専行はできない。・・こうした点が歯止めになっている。」(95ページ)

いまは軍法会議がないってことは、戦前はあったのか。なんでなくなったの?

今は必要がないの。
軍隊っちゅうのは、国外に出てって「人殺しもOKです」って組織だろ。
だから「殺人」は犯罪になんねえの。てことは国内の法律が通用しねえから、軍の法律「軍法」を別にもってるんだよ。
自衛隊の隊員が犯罪を犯しても、一般の裁判でやってるだろ?。

たしかにそうだね。「軍法」ってのはないよね。

それが、自民党案9条の二(国防軍5)
「国防軍に属する軍人・・・がその職務の実施に伴う罪または国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。」
ここの「法律の定めるところ」ってのが「軍法」だな。
つまり、「審判所」で「軍法会議をしましょう」って言ってるんだ。

ということは、国防軍は、国内の法律が通用しない組織、つまり「国外に行って、人殺しをしてもかまわない組織」に変わるわけだね。

そうだ、石破ゲル発言を思い出せ。
「いまの自衛隊法では命令に従わない隊員に対し、目いっぱいでも7年の懲役刑しか課することができない。しかし(出動)命令に従わなければ、その国における最高刑、死刑、無期、または懲役300年、そんな目にあうのなら出動命令に従おうということ。」(「前夜」315ページ)

これが軍法だね。こんなコワいとこだったら、だれも軍隊に入りたがらないよね。

pixabay[CC0]



保阪「ところが国防軍という名の軍隊にしてしまったら、軍機能をぜんぶそろえることになる。いまの憲法下でやったら憲法違反になるようなことを、です。安倍さんは自衛隊を「我が軍」とさえ発言しています(平成27.3.20衆院予算委員会)。」(96ページ)

そういえば、安倍首相が戦車に乗ってポーズ取ってる写真があったね。

あれは、「ぼくが自衛隊の最高指揮官だ」ってアピールしてるんだよ。

へええ、それって自分勝手にそう思ってるのかな?

いや「自衛隊法第7条」で、自衛隊の最高指揮官は内閣総理大臣だ。

じゃあ、「国防軍」の最高指揮官は誰?

改正案・9条の2「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。」
国防軍も、最高指揮官は首相になる。
ただし、日本会議(自民党改正案の原案をつくったとされる)、は戦前の大日本帝国憲法のように、天皇を最高指揮官にしたいと思ってるんじゃないかな。

天皇が最高指揮官になったら、改正案の102条で「天皇は憲法を守らなくっていい」ってことだし、憲法で軍の暴走を止められなくなっちゃうよ。

んだな。ここを読めよ。
半藤「自民党の改正草案なんてまことにいい加減で、「自衛隊を国防軍にする」としか書いてないんですよ。アンタがた、いったいどういう国防軍にするのかいな、と聞きたくなる。自民党は、「軍隊による安全」ばかりをいって、国民を煽っていますが、国民は騙されてはいかんのです。「軍隊からの安全」ということも、生活の安全のためによく考えなければいけないのです。」(96ページ)

「軍隊からの安全」って? 「国防軍」の正体っていったい何?

「前夜」の163ページで、
岩上氏「元幕僚議長だった栗栖広臣さんが2000年に「日本国防軍を創設せよ」(小学館)という本を出版して、話題になりました。自民党が創設しようとしている軍隊の名称も「国防軍」ですよね。・・・この中で、「国防軍は国民を守らない」とはっきりと書いてあるんですね。・・・国防軍が守るものは国体、国柄である。そして万世一系の天皇制を守るんだとはっきり言っているんです。」

えっ、国体?

「国民体育大会」じゃねえぞ。国体とは「天皇を中心とした秩序」ってことだ。

なんかほんとに、ピューって戦前にもどっていきそうな勢いだね。

» 続きはこちらから