FOXニュースの番組に軍事アナリストとして登場したロバート・スケールス退役少将はロシア人を殺せと発言した。そこまでアメリカの有力メディアは戦争に関して鈍感になっている。ロシアには脅しが通用しないと認識、実際に多くのロシア人を殺すしかないということのようだ。
シリアの体制を転覆し、ウクライナを制圧する作戦が思惑通りに進まないことに苛立っているのかもしれない。
ロシア人を皆殺しにするべきだと主張している人物はウクライナにもいる。例えば、元首相で西側の覚えがめでたい
ユリア・ティモシェンコ。国家安全保障国防会議の副議長を務めたことのあるネストル・シュフリチと話した内容が盗聴され、YouTubeで公開されたのだ。
2013年11月に始まった反政府運動は年が開けると暴力的になり、2月に入るとアメリカ/NATOを後ろ盾にするネオ・ナチのグループがクーデターを成功させ、ビクトル・ヤヌコビッチを大統領の座から引きずり下ろした。
クーデターで排除され、場合によっては殺されていたヤヌコビッチの支持基盤は東部や南部。そうした地域の住民がキエフのクーデターに怒り、警戒し、拒否するのは当然。そうした中、最も早く動いたのがクリミアで、ロシアの構成主体としてロシアに加盟するかどうかを問う住民投票が3月16日に実施された。
その投票率は80%を超え、そのうち95%以上が加盟に賛成したという。
アメリカの好戦派にとっても、ロシアにとっても、クリミアは戦略的に重要。
キエフ政権はクリミアを軍事制圧すると主張、
アメリカ/NATOは周辺に艦船や航空機などを配備し、軍事パレードや演習でロシアに圧力を加えている。スケールス少将のロシア人を殺せという発言には具体的な動きが伴っている。過去を振り返ると、カーチス・ルメイのようにソ連を先制核攻撃したがっていた軍人はいたわけで、スケールス少将の発言を軽く見てはいけない。
スケールス少将と同じようにFOXニュースがアナリストとして雇ったポール・バレリー退役少将はIS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISIS、ISIL、IEIL、ダーイシュとも表記)
を実際に指揮している、
あるいは生みの親だと言われている。
アメリカ/NATOの軍事力増強に対抗、ロシアも戦闘機や爆撃機を西部地域に配備するなど受けて立つ構えだ。クリミアには超音速の戦略爆撃機TU-22M3も演習のためい移動しているという。
クリミア情勢によっては核兵器を臨戦態勢に置くことも検討していたとロシアのウラジミル・
プーチン大統領が語ったそうだが、当然だろう。
キエフではネオ・ナチを使ってクーデターを行った
アメリカ/NATOはクリミアを押さえ、ロシア軍の重要な基地を手に入れたと思っていたら、住民が反発しただけでなく現地のウクライナ軍もロシア側についてしまう。少数派を扇動することにも失敗、残された道は軍事侵攻という事態になっていたのだ。NATO軍が動けばロシア軍も出るということ。西側のメディアは、ロシア軍がアメリカ/NATO軍に抵抗することは許せないという立場から報道している。アメリカの脅しに怯え、従属するべきだとでも思っているのだろうか。
当時、アメリカ/NATOの行動はロシアとの全面核戦争に発展する可能性があると警告する声が出ていた。それはそうした背景があるからだが、今、プーチン大統領が核兵器に言及し、軍事演習を実施している理由は今後の展開を念頭に置いているのだろう。
すでにキエフ軍は東/南部で劣勢。ネオ・ナチを総動員し、国外から傭兵を投入しても追いつかず、アメリカ軍がウクライナへ入り始めている。ロシア軍がウクライナにいるという作り話とは違ってこれは事実。
アメリカの好戦派がこのまま暴走すれば核戦争になるとプーチンは警告しているように思える。日米メディアの反応を見ると、プーチンの警告は効果があったようだ。
既に時事ブログで取り上げられている内容が多いので、記事の中で時事ブログの過去記事を簡単に紹介しています。
韓国で起こったリッパート大使襲撃事件は“サド・アレンというランド研究所の人間”が絡んでいるようです。また、ケネディ大使に対する脅迫もあったようです。