Democracy Now!
環太平洋戦略的経済連携協定の詳細が公表され、反対する人々は、
貿易協定は、恐れていたよりも酷いと語っている。医療、環境、言論の自由や、労働者の諸権利を犠牲にして、大企業を儲けさせるものだと警告して、世界中の活動家がTPPに反対している。
フアン・ゴンザレス: 史上最大かつ、最も秘密の貿易協定の一つが、とうとう全貌が公開され、反対する人々は、考えていた以上に酷いと言っています。長年の厳重に守られた交渉の後、木曜日に、議論の的になっている
環太平洋戦略的経済連携協定の全文が公表された。TPPは、先月、アメリカ合州国と他の環太平洋11か国との間で合意された。この集団は世界経済の40パーセントを占めている。
協定は、雇用、食品安全、インターネット、企業統治や、知的所有権を含む様々な分野に、共通基準を設定することになる。協定は大企業が、彼らの利益に影響する法律に対して、政府を訴えることができる新たな裁決機関も設置する。投資家国家紛争調停、
ISDSと呼ばれる法的な仕組みだ。公衆衛生、環境、言論の自由や労働者の諸権利を犠牲にして、大企業が利益を得るものだと警告して、世界中の活動家がTPPに反対してきた。
エイミー・グッドマン: 詳細が公開され、TPPに反対する人々は、最悪の懸念が立証されたと述べています。オバマ大統領が最終承認を求めることができる前の、90日間の審査期間が始まります。上院は、TPPをファスト・トラック扱いして、改訂は認めず、賛否投票だけするよう、議会に提出する権限を、オバマに与えました。議員たちは、裕福なTPP支援者連中による強烈なロビー活動に直面するでしょうが、草の根反対派も役割を演じることが可能です。
詳細について、パブリック・シチズンのグローバル・トレード・ウォッチ代表で、TPP批判の第一人者、ロリ・ウォラックさんをお招きします。
ロリ・ウォラック: はい、
予想以上に酷いものでした。
一つ目は、
手頃な価格の医薬品の入手という部分で、TPPの特許に関するルールが、実際、発展途上国も、アメリカも当初の改革を後退させて、
医薬品を、実に劇的な形で、より高価にします。
二つ目は、
投資家国家紛争調停制度は実際に、我々が議論すべき形で拡張され、より多くの法律が攻撃され、ずっと多くの大企業が
アメリカの法律を攻撃することが可能になることです。
そして、三つ目の問題は、
食品安全、輸入食品の安全に対して受けるある種の攻撃が拡張される
衝撃的なもので本当に深刻です。TPPに参加しているマレーシアとベトナムの二国は海産物やエビの主要輸出国で、両国の大量の物産は危険だということで止められていますが、この協定は、両国に、アメリカが食品安全の目的で、両国産品の輸入を差し止めることを基本的に攻撃し、アメリカを
危険な輸入品で溢れさせる新たな権利を与えます。
アグリビジネス業界が、唯一、大歓迎した主要産業だったのが非常に意味深いと思います。彼らは、アメリカのGMO食品を、他の国々に押し込もうと考えているのです。
TPPは、有毒の食べ物、子供の食べ物に、原産国がどこかを内容表示できないことを意味する可能性があります。これは重要な公衆衛生問題になりかねません。
フアン・ゴンザレス:いつもは貿易協定には結びつけない、国境なき医師団やヒューマン・ライツ・ウォッチのような、いくつかの団体が協定に反対しています。彼等の懸念について、お話し願えますか?
ロリ・ウォラック:はい。
国境なき医師団は、基本的に、誰でも知っているように、主要な人道主義団体ですが、
医薬品価格に何が起きるかを大いに心配しています。そして、これが、私が触れた表現で、ブッシュ政権が行った、かつての改革の後退を見て衝撃を受けたわけです。それで、
大手製薬会社は、この協定で様々なおいしいものを入手できます。"自由貿易" 協定で、
大手製薬会社の新たな独占保護が行われるのです。ですから、
国境なき医師団は、様々な政策をてんこ盛りにし、
大手製薬会社が、"自由貿易という美名"でTPPを利用し、様々な新たな保護や、
医薬品価格を上げる特権を盛り込もうとして、やりたいようにやっていることを基本的に
指摘しているのです。全ての
発展途上国は、究極的に、同じ極端な特許基準を、極端な独占権を押しつけられれば、
医薬品が高過ぎて人々が買えないようになってしまいます。言い換えれば、人々は死んで行くのです。
エイミー・グッドマン: アメリカ通商代表マイケル・フロマンは、命を救う薬の研究と入手に対するTPPの影響について、こう語っています。
マイケル・フロマン: 生物製剤は、ご承知の通り、交渉中、最も困難な課題の一つです。我々は、全てのTPP参加国-パートナーと協力して、こうした新しい命を救う薬の開発を奨励し、また、こうした先駆的医薬品の入手や、供給を保障する、強力でバランスのとれた結果を確保しました。そして、これは生物製剤にとって、最短の保護期間を確保した史上始めての貿易協定なのです。
ロリ・ウォラック: 肝心な点は、参加している大半の国々には、この種の最先端医薬品、つまり多数の最先端のガン治療法-生物製剤に対する独占権などありませんが、製薬会社は最少5年間の独占権を得られます。業界は、8年間だと主張しています。更に長く独占していられるよう大変な圧力がかかるでしょう。この論理をちょっと考えてみてください。
競争を止めてしまう"自由貿易"協定です。協定が価格を引き下げるジェネリック薬品の競争を止めるのです。アメリカ当局者が何と言おうと、実際それが文章にあるのです。
フアン・ゴンザレス: これからどうなるのでしょう? やがて議会がファスト・トラックで、この法案に投票する90日の期限になるのは明らかです。
ロリ・ウォラック: 建前上、2月第一週までにTPPが調印されかねません。
最も重要なことは、もし議会が協定を承認すれば、これが現実となってしまうということです。我々は不利な状況にあります。
しかし、ファスト・トラックは、わずか5票の差で成立しました。もし、下院で5人の議員が、"おい、だめだ、私はこういうものに賛成したわけではない"と言えば、TPPは終わりです。ですから、我々はアメリカの議員たちに語りかけなければなりませんし、
今、それを始める必要があります。友人や家族をつかまえ、地元議員に、確約して欲しいと言いましょう。 私たちはこれを止めることができるのです。
記事原文のurl:
http://www.democracynow.org/2015/11/6/full_text_of_tpp_trade_deal
記事では、ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長が訪日し、「9月に渡された日本の安全保障は春に有効になる」と発言したとのこと。どう見ても安保法制は、米軍が日本に押し付けたものだとわかります。“日本軍と米軍とオーストラリア軍が連携…米軍に組み入れられているのはフィリピン軍と韓国軍”とあります。要するに、こうした連合軍で中国と対峙しようという事なのだと思います。
南シナ海でアメリカがちょっかいを出すと、ロシア軍が入ってくると思います。ロシアの軍事力は空母の電気系統をシャットダウンさせます。連合軍に勝ち目があるようには見えません。
どうしてこの連中は、ロシア、中国と対峙する事ばかり考えて協調しようとしないのか、実に不可解です。彼らの頭の中は50年〜100年古く、ネオコン連中と同様で、アメリカが永遠に世界の覇権国でなければならないと信じているのでしょうか。それほど愚かだとは思えないのですが…。