ジョージ・ソロスは、株式を売って金の現物と金鉱株にシフトしました。
メディアは、これを「ソロスの弱気」と書いていますが、投資家たちは「世界の市場が劇的に変化する前触れ」と捉えています。
(中略)
世論調査によると、6月11日現在では、
離脱支持が55%と残留支持の45%を10ポイント上回り、英国の世論がEU離脱の方向へと動いたことが伝えられています。
(中略)
安全資産の金(ゴールド)に避難する資金
・・・今のところ離脱派が依然として優勢であることには変わりがないものの、市場は敏感に反応しています。
英ポンド安が進んでいるところを見ると、明らかに英国のEU離脱は英国売りにつながり、市場の大きな下落要因になることは明らかなようです。
通貨安、株安と金(ゴールド)や銀(シルバー)とは一般に逆相関の関係にあるので、文字どおり、ポンド建て金(ゴールド)価格は、6月13日には1トロイオンスあたり909ポンドまで上げ、13年9月の水準まで上昇しています。
さらに6月15日には、
ポンド建て金(ゴールド)価格は過去3年間で最高値を付けています。
(中略)
すでに、各国の市場には、その反応が現れています。
(中略)
米・欧・ドイツ・スイスの各中央銀行から数十億ドルもの融資を受けていた
ドイツのメガバンク、ドイツ銀行は、期限が来ても利払いができず、いよいよデリバティブ破綻が秒読みとなってきました。
スイス・チューリッヒに本社を置く世界最大規模の金融コングロマリット、
クレディ―・スイスも、もはや危険水域に差し掛かっています。
欧州市場の冷え込みを織り込んで、中国のコモディティー市場が壊滅的な打撃を受けています。
(中略)
・・・ウォールストリート・ジャーナルが、「
弱気のジョージ・ソロスがやっと腰を上げた」というタイトルの記事を掲載しています。
(中略)
ソロスが、やっと動き出したと思ったら、株式市場からソロリソロリと撤退して金の現物と金鉱株にしぼって資金を移しているというのです。
この
ソロスの動きは、世界中で資金の流れに重要なシフトが起こっていることを示唆しています。
(中略)
ソロスが、こうした大きな戦略転換を図ったのはインフレを懸念しているからでしょうか。それは、各国の通貨の購買力が減価されることを意味します。
通常、株価とインフレは連動するので、あえて冒険せずとも、いわゆるディフェンシブ銘柄を保有していればインフレに対するリスクをヘッジしたことと同じ効果が出るはずです。
ソロスは、それにも見向きもしなくなったということは、残すところ「市場の崩壊」ということになるのです。
(中略)
すべての経済指標は世界経済がリセッションに向かっていることを示しています。
・・・ジョージ・ソロスが「弱気になっている」のは、英国のEU離脱によるEUの崩壊懸念が原因というより、アメリカの経済崩壊が目前に迫っていることに対する備えと見る方が正確です。
(中略)
どうやら、欧米のメディアは、アメリカの経済崩壊に投資家の目を向けさせたくないようです。
老いてなお賭事に抜け目のない男は、英国のEU離脱問題にタイミングを合わせて、上手に株式市場から身を引き始めています。
4分30秒以降では、別の映画で彼の名前が出て来ているのを指摘しています。