注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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これから全世界の92%の地域で進むこと……。主要道路沿いに住む人たちの認知症リスクが異常に高い理由を考えているうちにわかった「ナノ粒子とPM2.5が脳機能(海馬、松果体)を破壊していくメカニズム」
転載元)
In Deep 17/1/13
2016年9月28日の米国 CNN の報道より
世界人口の92%、大気汚染の中で生活 WHO
世界保健機関(WHO)は、世界の大気汚染物質の分布状況を示した双方向地図を公開し、世界の人口の92%がWHOの基準値を超す汚染された大気の中で生活している現状を明らかにした。
(以下略)
世界人口の92%、大気汚染の中で生活 WHO
世界保健機関(WHO)は、世界の大気汚染物質の分布状況を示した双方向地図を公開し、世界の人口の92%がWHOの基準値を超す汚染された大気の中で生活している現状を明らかにした。
(以下略)
脳の海馬や人間の記憶機能は何により破壊されるか
先日、
・健康ではない時代の健康情報 : 人体の新しい臓器の発見、高速道路の近くに住むと認知症リスクが飛躍的に高くなることが判明、大量の入れ墨が人間の免疫を高めること…など
2017/01/10
という記事を書いたときに、その中に「高速道路沿いに住んでいる人は、そうでない人に比べて、認知症になるリスクが7倍高い」という海外の報道をご紹介しました。
カナダで650万人を対象にした調査によって、
高速道路から50メートル以内の範囲に住んでいた人たちでは、高速道路からの距離が300メートル以上の場所に暮らしていた人と比較して、認知症のリスクが7倍高かったことが示された。
(中略)
「7倍」
はすごいです。
どんな病気に関する調査でも、「7倍リスクが高い」というのは、あまり聞いたことがないです。
(中略)
そして、この「認知症7倍」のニュースを知った時に、「高速道路沿いだと認知症が異常に高くなる理由がわかれば、認知症の発生原因に大きく近づくはず」だと思ったのですが、今日、何となくボーッと考えていて、昔のニュースや論文などを思い出していましたら、非常に単純なメカニズムが浮かんでしまったのです。
それは、
「最新型の大気汚染」
です。
(中略)
最近になって異常なほど全世界で認知症が増えている理由のひとつが、「新たな大気汚染」だと確信します。
「新たな」というのは、かつての大気汚染と違うナノ粒子や PM による大気汚染のことです(中略)…。
(中略)
まず、最初に、(中略)…論文の概要をご紹介します。
(中略)
Brain inflammation and Alzheimer’s-like pathology in individuals exposed to severe air pollution
NCBI 2004
重度の大気汚染にみられる脳の炎症とアルツハイマー様の病理
大気汚染は、オゾンのようなガスや粒子状物質(PM)や有機物などによって引き起こされている。深刻な大気汚染に暴露した犬は、慢性の炎症と、アルツハイマー病のような病理を進行することが知られ、このことは、脳が大気汚染により傷害を受ける可能性を示唆している。
今回の研究では、このような重度の大気汚染の中で暮らしている人たちに脳の炎症が起きているのかどうかについて調べた。
この調査は、メキシコ国内の大気汚染が深刻な都市と、そうでない都市に住んでいる人たちの中で、病気や事故で亡くなった方々の脳を採取し、分析して行われた。それぞれの脳内のシクロオキシゲナーゼ(炎症反応を起こしている酵素)と、アミロイドβ(アルツハイマー病で、脳の神経の中に蓄積し、細胞を死滅させるタンパク質)の一部の AB42(アミノ酸 42個分の断片)の蓄積を調べた。
結果
大気汚染の深刻な都市(メキシコ市やモンテレー市などの 10人)に住んでいた人たちの脳には、シクロオキシゲナーゼの量が前頭皮質と海馬において、統計的に有意に高く、さらに AB42の蓄積も神経細胞と星状細胞で多かった。
さらに、臭球(匂いを感じる細胞)でもシクロオキシゲナーゼと AB42の蓄積が多かった。
これらの発見は、重度の大気汚染が脳の炎症と AB42の蓄積につながっていることを示唆し、さらには、それらがアルツハイマー病の前兆である可能性を示唆しているといえる。
(以下略)
NCBI 2004
重度の大気汚染にみられる脳の炎症とアルツハイマー様の病理
大気汚染は、オゾンのようなガスや粒子状物質(PM)や有機物などによって引き起こされている。深刻な大気汚染に暴露した犬は、慢性の炎症と、アルツハイマー病のような病理を進行することが知られ、このことは、脳が大気汚染により傷害を受ける可能性を示唆している。
今回の研究では、このような重度の大気汚染の中で暮らしている人たちに脳の炎症が起きているのかどうかについて調べた。
この調査は、メキシコ国内の大気汚染が深刻な都市と、そうでない都市に住んでいる人たちの中で、病気や事故で亡くなった方々の脳を採取し、分析して行われた。それぞれの脳内のシクロオキシゲナーゼ(炎症反応を起こしている酵素)と、アミロイドβ(アルツハイマー病で、脳の神経の中に蓄積し、細胞を死滅させるタンパク質)の一部の AB42(アミノ酸 42個分の断片)の蓄積を調べた。
結果
大気汚染の深刻な都市(メキシコ市やモンテレー市などの 10人)に住んでいた人たちの脳には、シクロオキシゲナーゼの量が前頭皮質と海馬において、統計的に有意に高く、さらに AB42の蓄積も神経細胞と星状細胞で多かった。
さらに、臭球(匂いを感じる細胞)でもシクロオキシゲナーゼと AB42の蓄積が多かった。
これらの発見は、重度の大気汚染が脳の炎症と AB42の蓄積につながっていることを示唆し、さらには、それらがアルツハイマー病の前兆である可能性を示唆しているといえる。
(以下略)
(中略)
これを簡単に書きますと、
「大気汚染のひどい場所に住んでいる人の脳は炎症を起こしている痕跡が見られ、アルツハイマー病で多く見られる物質(アミロイドβ / ベータ)が多く蓄積されていた」
ということだと思われます。
(中略)
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WHOの調査では、「世界の人口の92%が基準値を超す汚染された大気の中で生活している」とのことが、一番下の画像を見ると、日本も中国からPM2.5の影響をもろに受けていることが分かります。
「できる限りの自衛」をして、改善される方向へ舵取りされることを期待したいです。