謎の人物カリオストロ伯爵 ~革命のプロパガンダの発信主?
前回の
オルレアン公が1780年にはその借金が80万ルーブルに達し、所有する財産や不動産がユダヤ債権者の管理物件になり、居城パレ・ロワイヤルが歓楽街の売春宿等になったこと、これら『闇の世界史』の記述内容は『カナンの呪い』でも記されています。
このパレ・ロワイヤルが、コデルロス・ラクロなる人物によって管理されていたことも『闇の世界史』と『カナンの呪い』が共に記しています。
更に『闇の世界史』にも同様の記載があるのですが、『カナンの呪い』200頁に次の記載があります。
「そのラクロが自らの補佐役として連れてきたのが悪名高きカリオストロ伯爵(パルザモ姓は祖母方に由来)だった。カリオストロ伯爵は23歳で薔薇十字団色の濃いマルタ騎士団に参加し、のちに総長まで務めた人物で、やがてパレ・ロワイヤルを革命の宣伝機関本部として利用しながら、扇動的な小冊子を山のように印刷して、パリ中にばらまいた。」
『闇の世界史』と『カナンの呪い』の二つの情報源が、
カリオストロ伯爵(本名もしくは別名はジュゼッペ・パルサモ)
がフランス革命に導く宣伝機関の主任を演じたとしているのです。有り体にいえばカリオストロ伯爵が革命のためのプロパガンダを盛んにまき散らしたとしているのです。
そのプロパガンダ宣伝は印刷物だけでは無く、「低俗な本能に計算された音楽会、芝居、討論会」を主催して利用したこと、更にはスパイ団も組織し、革命運動を陰から操る役割を任じたとしています。
カリオストロ伯爵は様々な通説がある謎の人物ですが、通説に共通するのは
薔薇十字に深く関わる錬金術師だということです。後述しますが、
同時代の有名な錬金術師にはサンジェルマン(セント・ジャーメイン)伯爵がいます。
さて、『カナンの呪い』の記述通り、カリオストロ伯爵がマルタ騎士団に所属しその総長を務めたとなれば、
マルタ騎士団はもともと「表のイルミナティ」勢力になるので、
カリオストロ伯爵は表のイルミナティの一員としてフランス革命を誘導していったと見るのが当然となります。
アダム・ヴァイスハウプトは当然として少なくとも物理次元では
ロスチャイルド初代やモーゼス・メンデルスゾーンたちも「表のイルミナティ」に所属するのです。つまり、これらから
フランス革命を主導したのは「表のイルミナティ」ということになります。
フランス革命の主導は彼ら自身(「表のイルミナティ」に属する大東社ロッジの幹部)が
そのように主張もしているようで、事実として間違いはないのです。しかしことは「フランス革命の犯人は表のイルミナティだ」と言った具合にすむような単純なものでも無いのです。
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チョコレートクッキーだったらしい。