注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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仮想通貨の現状――白龍会からの特別報告書 1/6
転載元)
投稿者:フルフォード
(一部は中国語からの翻訳である)
この記事の目的は、既存の金融システムと取って代わる、仮想通貨技術の世界とその将来性について金融および経済的状況を概括することである。芽吹き始めている数多くの興味深い新たな仮想通貨始動プロジェクトの内、幾つかを掘り下げてみよう。また、成長中の仮想通貨業界の秘教的ないしは悪質な側面も探求する。
多少なりとも頭が動く人間ならば気付いていると思うが、世界における既存の金融システムは虫の息だ。まだそれが受け入れられない方々には、債券王ビル・グロスの2016年の簡潔なツイートを指摘しておこう:「世界の【債権】利回りは500年間記録された中で最低である。10兆ドルものマイナス金利債。これはいつか爆発する超新星だ」。
実際には、ビル・グロスは10の倍率で外しているかもしれない。昨今の金利はおよそ5,000年間で最も低いとの証拠が幾つかあるのだ。
2008年の世界金融危機以降、誰一人可能だとは思っていなかった何かが起こった……先進国の金利がゼロに落ち込み、その後幾つかの市場参加者にとっては実際にはマイナス金利となってしまったのだ。
奇妙に聞こえるかもしれないが、これは要するに数多くの市場参加者が実際には金を貸し出すために支払っているということであり、逆に他の者は金を借りるために金を貰っているということだ。我々は上下逆さまの滅茶苦茶な世界に身を置いている。既存の金融システムは完全に崩壊したと言っていいし、この世界が嵌ってしまった金融の泥沼から抜け出すのは容易ではない。
ある意味、金融的な世界の終わりは2008年に起こったとも言えるだろう。そしてそれ以来、我々は残り少ない余生を過ごしてきた。それ故に、観察者の多くは2008年の世界金融危機以降、世界規模での通貨リセット(GCR)を予期してきたのだ。しかし何故それは起こっていないのだろうか、そしてもし起こるときにはどの様な形を取るのであろうか?
ジェームズ・リカーズのような観察者たちは、国際通貨基金(IMF)が世界の中央銀行として乗っ取るだろうと何年も前から言っている。その筋書きは以下のようなものだ:先進国はどこも押し並べて破産しているため、IMFへと“その借金を一段階上へ蹴飛ばしてしまおう”とこぞって同意するだろう。そうすればIMFの特別引出権(SDR)が“一つだけの世界共通通貨”となる筈だと。
米国ドルを改革しようと、あるいはその世界の準備通貨としての支配を終わらせようと、個々の国が一方向または双方向の措置を講じる可能性もあり、現実に脱ドル化は加速している。
以上のシナリオはどれ一つとして採用されていないが、誰もがGCRが起こって金融世界が完全に内側から崩壊するのを待ち構え、なのに一向にそうならないという最中、2008年から予期せぬ奇跡的な出来事が別個に起こっていた。
何が起こったのか? ビットコインが生み出されたのだ。2008年10月、世界金融危機が悪化しているのとぴったり時を同じくして、ナカモト・サトシという偽名の人物が初の仮想通貨であるビットコインを発明した。
2010年の時点ではビットコインは、まだ殆どがコンピューターおたく同士のものに過ぎなかった。当時は10,000ビットコインでピザがせいぜい数枚購入出来るかどうかというところだったのだ。7年先送りして今では、その同じビットコインがこの記事を書いている瞬間、5,000万ドルを下らない価値があるときた。
仮想通貨市場は確かに急成長しており、合計時価総額は1,600億ドルほど、その内たったの約半分だけがビットコインそのものだ。残りの半分は、其の他の種々雑多な仮想通貨と“トークン”なのである。
特筆すべきは、時価総額で二番目に大きな通貨イーサリアムは今年、価格が急上昇して夏には一時10ドルから400ドル前後にまでなった。仮想通貨はビリオネアとまではいかなくても、大量のミリオネア【=億万長者】を生み出しており、ウォール街の巨大資本の耳目を集めている。
ナカモト・サトシ自身は、50憶ドルを超える価値を有するビットコインをまだ一度も手を付けていない口座の中に仕舞いこんでいると噂されている。彼がその口座のパスワードを失っていないことを願うばかりだ。
仮想通貨の利点の一つは、パスワードが守られている限り、非常に安全な上に貴方の金を盗むのは誰であっても数学的に不可能だという点である。銀行口座や資産が日常的に課税され、差し押さえられ、凍結されるなどして、消失してしまう既存の世界と比較してみるとよい(いかに銀行に預けた金塊があっさり姿を消してしまうことか、それに関する多くの議論は、『黄金の戦士たち』という優れた本を参照されよ)。これに対して、仮想通貨では、貴方がパスワードを無くせば資金は数学的に施錠されてしまい、未来永劫引き出すことが不可能となるのだ。
翻訳:Yutika
註:【 】内は訳者の解説部分です。また訳文は日本語での読み易さを優先して見出しを入れ、原文とは異なる形で文や段落を分割することもあります。原文にはないツイートや画像も加えています。
お願い
いつ崩壊してもおかしくない既存の金融システム
(一部は中国語からの翻訳である)
この記事の目的は、既存の金融システムと取って代わる、仮想通貨技術の世界とその将来性について金融および経済的状況を概括することである。芽吹き始めている数多くの興味深い新たな仮想通貨始動プロジェクトの内、幾つかを掘り下げてみよう。また、成長中の仮想通貨業界の秘教的ないしは悪質な側面も探求する。
多少なりとも頭が動く人間ならば気付いていると思うが、世界における既存の金融システムは虫の息だ。まだそれが受け入れられない方々には、債券王ビル・グロスの2016年の簡潔なツイートを指摘しておこう:「世界の【債権】利回りは500年間記録された中で最低である。10兆ドルものマイナス金利債。これはいつか爆発する超新星だ」。
Bill Gross says U.S. markets are at their highest risk levels since before the 2008 financial crisis. https://t.co/AkJ4i7Wwrg pic.twitter.com/8u4v4kmxGd
— InvestmentNews (@newsfromIN) 2017年6月8日
実際には、ビル・グロスは10の倍率で外しているかもしれない。昨今の金利はおよそ5,000年間で最も低いとの証拠が幾つかあるのだ。
2008年の世界金融危機以降、誰一人可能だとは思っていなかった何かが起こった……先進国の金利がゼロに落ち込み、その後幾つかの市場参加者にとっては実際にはマイナス金利となってしまったのだ。
奇妙に聞こえるかもしれないが、これは要するに数多くの市場参加者が実際には金を貸し出すために支払っているということであり、逆に他の者は金を借りるために金を貰っているということだ。我々は上下逆さまの滅茶苦茶な世界に身を置いている。既存の金融システムは完全に崩壊したと言っていいし、この世界が嵌ってしまった金融の泥沼から抜け出すのは容易ではない。
ある意味、金融的な世界の終わりは2008年に起こったとも言えるだろう。そしてそれ以来、我々は残り少ない余生を過ごしてきた。それ故に、観察者の多くは2008年の世界金融危機以降、世界規模での通貨リセット(GCR)を予期してきたのだ。しかし何故それは起こっていないのだろうか、そしてもし起こるときにはどの様な形を取るのであろうか?
ジェームズ・リカーズのような観察者たちは、国際通貨基金(IMF)が世界の中央銀行として乗っ取るだろうと何年も前から言っている。その筋書きは以下のようなものだ:先進国はどこも押し並べて破産しているため、IMFへと“その借金を一段階上へ蹴飛ばしてしまおう”とこぞって同意するだろう。そうすればIMFの特別引出権(SDR)が“一つだけの世界共通通貨”となる筈だと。
Here’s How to Crack the Code on Gold @JamesGRickards https://t.co/ghLiCG4ZPw pic.twitter.com/XGZgFsWJux
— GoldBroker.com (@Goldbroker_com) 2017年9月1日
米国ドルを改革しようと、あるいはその世界の準備通貨としての支配を終わらせようと、個々の国が一方向または双方向の措置を講じる可能性もあり、現実に脱ドル化は加速している。
金融業界の新たなスター、仮想通貨の登場
以上のシナリオはどれ一つとして採用されていないが、誰もがGCRが起こって金融世界が完全に内側から崩壊するのを待ち構え、なのに一向にそうならないという最中、2008年から予期せぬ奇跡的な出来事が別個に起こっていた。
何が起こったのか? ビットコインが生み出されたのだ。2008年10月、世界金融危機が悪化しているのとぴったり時を同じくして、ナカモト・サトシという偽名の人物が初の仮想通貨であるビットコインを発明した。
2010年の時点ではビットコインは、まだ殆どがコンピューターおたく同士のものに過ぎなかった。当時は10,000ビットコインでピザがせいぜい数枚購入出来るかどうかというところだったのだ。7年先送りして今では、その同じビットコインがこの記事を書いている瞬間、5,000万ドルを下らない価値があるときた。
10 COINS THAT CROSSED 1 BILLION USDhttps://t.co/nY7VXlN5pr#cryptocurrency #education #technology #rilcoin #bitcoin pic.twitter.com/VhfCwZj92g
— Rilcoin (@rilcoin) 2017年9月8日
仮想通貨市場は確かに急成長しており、合計時価総額は1,600億ドルほど、その内たったの約半分だけがビットコインそのものだ。残りの半分は、其の他の種々雑多な仮想通貨と“トークン”なのである。
特筆すべきは、時価総額で二番目に大きな通貨イーサリアムは今年、価格が急上昇して夏には一時10ドルから400ドル前後にまでなった。仮想通貨はビリオネアとまではいかなくても、大量のミリオネア【=億万長者】を生み出しており、ウォール街の巨大資本の耳目を集めている。
ナカモト・サトシ自身は、50憶ドルを超える価値を有するビットコインをまだ一度も手を付けていない口座の中に仕舞いこんでいると噂されている。彼がその口座のパスワードを失っていないことを願うばかりだ。
Bitcoin's latest record high makes Satoshi Nakamoto the 247th richest person in the world - Quartz https://t.co/woulOZoC0d pic.twitter.com/WdVKQAVO3H
— Crypto Window (@CryptoWindow) 2017年10月21日
仮想通貨の利点の一つは、パスワードが守られている限り、非常に安全な上に貴方の金を盗むのは誰であっても数学的に不可能だという点である。銀行口座や資産が日常的に課税され、差し押さえられ、凍結されるなどして、消失してしまう既存の世界と比較してみるとよい(いかに銀行に預けた金塊があっさり姿を消してしまうことか、それに関する多くの議論は、『黄金の戦士たち』という優れた本を参照されよ)。これに対して、仮想通貨では、貴方がパスワードを無くせば資金は数学的に施錠されてしまい、未来永劫引き出すことが不可能となるのだ。
翻訳:Yutika
註:【 】内は訳者の解説部分です。また訳文は日本語での読み易さを優先して見出しを入れ、原文とは異なる形で文や段落を分割することもあります。原文にはないツイートや画像も加えています。
お願い
フルフォード氏本人から快く許可をいただき、英語版レポートをシャンティ・フーラで翻訳して転載させていただいております。ただ、フルフォード氏の活動を支えるためにも有料の日本語版メルマガを購読して応援してもらえると有難いです。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
6回に分割して、画像やツイートを散りばめてお送りします(いやだってオリジナル、あんだけ長くて画像たったの1つだけですよ、あとは全部文章。上下体癖でもキツイって)。第1回目は導入部分。既存の金融システムが2008年(リーマン・ショック)以降いつ何時ぽしゃってもおかしくない状態になり、その横で仮想通貨が擡頭したという話です。
白龍会がここまで長々書くってことは、やはり金融リセットの後の世界で仮想通貨が重要な位置を占めるんでしょうかねぇ。
今回登場するのはビットコインやイーサリアムという超有名どころだけですが、次回からはもっとマイナーな仮想通貨も登場します。第4回目からハッキング事件の謎に迫って、第5回・第6回で秘教的考察をしているのが面白かったです。乞う御期待。