ドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」にみる”幸せな経済”

「よみがえりのレシピ」というドキュメンタリー映画の上映会が地元でありました。山形の鶴岡で在来作物を守り続ける人々の記録です。
上映後に食事が付いたプランだったので、まともな食をいただきたい!との動機から、内容もよく知らないままに参加したのでした。
・・・映画が進むにつれ、自然が香り立つ映像の連続に”この蕪(かぶ)を食べてみたい!”とおなかが鳴ります。
あまりに美味しそうなその映像をみながら、この後の食事でこの蕪が出てきたら最高の演出なのだが!とちらっとおもったりもしたのですが・・・さて、いかに。
(しんしん丸)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ローカリゼーションの"幸せな経済"

もう無くなってしまったかもしれないとされる"在来作物の蕪"を今も守っている方がいると知り、食してみてその味わいに感動したシェフが、大学の先生と組んで蕪主会というものを立ち上げます。この“蕪主”は一般的な株主とは違い配当はお金ではなく、収穫されたその在来作物である蕪が分配されるのです。さらに、採れたてのかぶ料理が味わえる特典つきとのこと。
そして映像では、蕪を収穫する様子や、かぶ料理をお披露目する蕪主総会?の様子が映しだされます。
シェフが腕を振るい素材を生かした創作料理のその新しい味わいに、蕪を守ってきた方もにっこにこです。

他にも、ミネラル豊富な土づくりのために、毎年山で野焼きをして50年というお年寄りと見習いの若者。
そして、これからも末長く在来作物の蕪を伝えたい!とのおばあさんの意をくんで、野焼き後のミネラル豊富な山の斜面に蕪の種子を蒔く親子。
小学生たちに種子から育ててもらい、収穫した在来作物を味わってもらう食育を大切にする方たち。
などなど、山形の鶴岡で在来作物を守り続ける人々の姿を記録した魅力満載の映画です。なによりも美味しそうな映像がたまりません!

映画の終了後に、サプライズで監督の渡辺智史氏が登壇されました。
監督によると、以前食の危機をうったえる映画を見たことがあるそうです。そして見終わった後の渋谷の街にて、一体何を食べたらいいのか?と不安にかられたとのことです。そこで、観た後に幸せになれる映像を撮ろう!とおもったそうです。

山の斜面を野焼きしている写真を持つ渡辺監督

そして撮影中に3.11がありました。そこで、かつてはこれらの在来作物が飢饉対策としても重宝されていたこと、さらに戦時中の食糧難のひもじい時にこの守り続けた在来作物である蕪にいかに助けられたかという話を盛り込んだとのことでした。人と種との強い結びつき、そして豊かな共生の絆を感じてもらいたいと。
監督がお話しされている最中、収穫された蕪に触れてみて下さい!と蕪をまわしてくださいました。ずっしりとした存在感のある蕪くんでした。

在来作物の温海かぶ
そして、いよいよ食事時。
有志の方々がつくってくださった食事です。
上映中にちょっとだけ期待してしまっていた、あの!映画で紹介された蕪やら芋が振る舞われているではありませんか!!!天然色の色合いもきれいです。

みなさま、グッジョブです!ありがとうございます。

机を囲んで食事をしているとき、お隣さんは島根の出身の方でした。毎年地元のおいしい在来作物の蕪を送ってもらっているとのことでした。映画にて紹介されている、由来はよく解っていないという山形の在来作物である蕪の勾玉のような形がその島根の蕪とそっくりなので、ひょっとしたら北前船で島根から山形に渡ったということもあるかもしれませんね。とおっしゃっていました。種はそこの風土に合わせて、その遺伝子を適応させていくのですから、あり得る話です。
監督に伝えたら続編をつくってくれて、そしてまたおいしい食事付き上映会が開かれるかもしれませんね!と盛り上がりました。
地元にこんなにすばらしい催しを企画してくださる方々がいることに、そしてその意図に共鳴して参加される方々がいることにも感謝です。

調理チームのご挨拶。数人いらっしゃいました。
(右端は主催者のルモアン直美さん。フランス人の夫さんはフランスで自然派ワインを造っているそうです。どんな自然派なのか、気になります笑)

在来作物を復活させた創作料理は、忘れられていた自然の恵をおいしくいただくための直感の賜物といえましょう。そして皆でその創作料理を愉しむその姿には、在来作物と共生する絆、そして人の暮らしにおける"食の喜びとは何か"を改めて観させてもらいました。
その姿を撮った映画そのものが"よみがえりのレシピ"となっているかのようです。


そして作物のタネも、お金も、志も、地域内でぐるぐる循環していくと地域は幸せになるということに気づかれた!とのことですが、まさにローカリゼーションの"幸せな経済"そのものです。


この映画は、日本で、そして世界で起きている食や農業の問題への処方箋(レシピ)でもある!という渡辺監督の思惑は大成功!です。
胃袋までつかみとるような映画でもあります。
機会がありましたらぜひ!特に左右体癖の方たちは、感動されることまちがいありません。ちなみに、監督の奥さんのまつのりさんは「山形食べる通信」の編集長をされています。

追伸。
渡辺智史監督は、「おだやかな革命」というドキュメント映画もつくられました。
両者に共通するテーマは、"幸せな経済"です。
チラシには、エネルギー自治により、地域の「自治の精神」を現代によみがえらせる「懐かしくて、新しい地域の幸福論」とあります。
再生可能エネルギーの自治からはじまる、地域の"幸せな経済"の復興の試みが、いま日本各所ですこしづつ始動しているのです。小水力発電もおもしろいです。地域通貨もはじまっています。
そして、この映画「おだやかな革命」の上映によって、さらなる"幸せな経済"の復興が全国各地で始まることを目指しています!とあります。
"電磁波の海"で暮らす私たちを目覚めさせてくれる「おだやかな革命」のようです。

Writer

しんしん丸

2015年のシャンティ・フーラ主催の関東交流会にてお手伝いをさせていただきました。平安の花を愛でる、幸せ者の一人として。

想念と電磁波の海たる東京で、ナディーチャート風水の結界ある自宅に引きこもっています。といいながらもよく出歩く、5種です。
もちろん、いろいろと出かけるのはほぼシャンティ・フーラ絡みです。ですから出歩いてはいますが、出歩いてはいないのです・・・と、どこまでもシャンティ・フーラ的な7種です。


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