ぴょんぴょんの「ハチミツ・エトセトラ」

 ニホンミツバチが自然の草花から集めた、無添加・非加熱の蜜をいただきました。
 小さなハチたちが命をかけて集めた、貴重な蜜。
 出始めのかぼすとピッタリの相性です。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「ハチミツ・エトセトラ」


春に置いた蜂の巣箱


おじゃましまあ〜す!

お、しろ、よく来たな。

そう言えば、春に置いた蜂の巣箱、そろそろハチミツができてるんじゃないの?


・・・・残念、今年は入らなかった。

知り合いの巣箱も、せっかく入って楽しみにしてたのに、何かがうろうろし始めたとたん、
全員、巣を捨てていなくなった
って。

おれの知り合いは、穴グマだかに襲われて、中身すっからかんだとよ。

Author:Nzrst1jx[CC BY-SA]


動物たちもエサが少ないから、ハチも落ち着いて住めないねえ。

んだな〜って、おら、ホットのハーブティーだ!

pixabay[CC0]


暑い日にホットを飲むのも、からだが喜びそう。


ハチミツは加熱したら毒になる?


これ、知り合いにもらったニホンミツバチの無添加蜜。
トロ〜リひとサジ、ハーブティーに入れるとうまいぜ。

・・・・・え! あ、ちょ、ちょっと待って!!
熱い中にハチミツ入れたら、ダメだよ。

何でだよ? 熱いからこそ、よく溶けるんじゃねえか。

ハチミツは加熱したら毒になるんだよ。


へ? ウソだろ? 昔からずっと、こうやって飲んでたぞ。

アーユルヴェーダでは、ハチミツはそのままなめるだけ。
しかも、非加熱のハチミツじゃないとダメ。

いらんこと知ってると、面倒くせえなあ〜。
それに今どき、日本に非加熱ハチミツなんて存在すんのかあ?

ほらここ、アーユルヴェーダの古典「チャラカ・サンヒター」を読んでみて。
熱々の蜂蜜を食べたり、熱が出ている人がハチミツを食べると、アーマ(毒素)が蓄積して死ぬって書いてあるよ。(Charaka総論-26:84(22)、-27:246)

ハチミツで死ぬってかあ?! んな、バカな!!

言っとくけどこれは、アーユルヴェーダのバイブルなんだからね。
守らないと大変だよ。

でもおれ、昔、漢方薬の丸薬を作ってたことがあるんだが、生薬の粉末を丸薬に固めるとき、高温で飴状にしたハチミツを混ぜて固めてた。
それこそ何十分も、ハチミツをグツグツ煮つめてたんだぜ。
薬作ってるはずが、毒を作ってたらエライコッチャ。

ふ〜ん、誰も死ななかった?

バーカ! 誰か死んでたら、おれ今ここにいねえわ。

いったいハチミツをどのくらい熱したら、毒になるんだろう?

pixabay[CC0]


おい、アーユルヴェーダの専門家はこう言っているぞ。
「もし加熱による何らかの成分変性が毒素のひとつになりえるとするならば、ハチミツはその特異的な成分構成により、AGEs(Advanced Glycation Endproducts 終末糖化産物) が生成されやすい。」(日本においてアーユルヴェーダを活用する場合の問題点)

AGEs?

まさに読みの通り、AGEs =エイジズ→エイジングにつながるってことだな。
AGEsは、「身体の様々な老化に関与する物質」(Wiki) 。
実験によると、ハチミツを60度以上で30分加熱するとAGEsが急激に増えるらしい。
だから、ヤケドしないくらいの紅茶にハチミツを入れるのはOKだけど、ハチミツを肉につけて鉄板で焼くとかはNGだそうだ。(ハチミツは何度に加熱すると毒素になるのか?)

てことは、今このハーブティーにハチミツを入れるのは、OKてことだね。
良かった〜。
温かいハチミツ・ティーを飲みたかったけど、ガマンしてたんだよ。

さらに、アーユルヴェーダの専門家はこう言う。
加熱したハチミツが有害であることの「科学的根拠は不明瞭である」。
「従って、過剰に神経質になる人達がいることは憂慮すべきであろう」。
(日本においてアーユルヴェーダを活用する場合の問題点)

ぼくみたいな人に、言ってるんだね。

現在市販されてる加熱ハチミツが、毒じゃねえってだけで一安心だな。


世界のハチミツと効果効能


だけど治療には、採れたままで何も手を加えない、非加熱ハチミツがいいらしいよ。

じゃ、インドのハチミツを取り寄せれば?

それが・・・・・、
インドでは蜂蜜の12ブランド中11ブランドから健康を害する高濃度の抗生物質で汚染されていることが報告されている。」
「日本に輸入されたインド産ハチミツの合成樹脂製容器のフタから基準値の14倍の鉛が検出された。」
(日本においてアーユルヴェーダを活用する場合の問題点)

ヤバ!! 
しかし何だって、ハチミツに抗生物質が入ってんだよ?

以前、ニホンミツバチのお世話している人から聞いたんだけど、
今の養蜂は、ミツを採った後、エサと称して抗生物質入りの砂糖水を与えてるらしい。
(BASE Mag)

pixabay[CC0]


ヒデえ話だなあ〜

採蜜は、ハチの健康のために3分の1以内に抑えるべきなんだって。
なのに、利益追求でそれ以上採ると、栄養不足でハチが病気にかかりやすくなるんだ。

そこを、砂糖水と抗生物質でごまかしてるわけだな。

ところで話は変わるけど、ロシアのハチミツっていろいろあるらしいよ。
ロシア在住の人が、紹介してくれてる。
アカシアのハチミツ : 目によくて、解熱作用、止血作用がある。
サンザシのハチミツ : 心臓・血管によい。
栗(マロニエ)のハチミツ : 気管支炎によい。
木苺のハチミツ : 風邪をひいたとき。
アブラナのハチミツ : 利尿作用がある。
アキノキリンソウのハチミツ : 腎臓、泌尿器、肝臓。
イガマメのハチミツ : ビタミン、ミネラルが多い。
(莫斯科浮遊録)

それぞれに効能があるんだなあ。

中央アジアも、ハチミツの宝庫だよ。
蕎麦のハチミツ、野バラ、ひまわり、しながわはぎ、ラクダ草、綿花、菩提樹・・・。

シルクロードかあ〜、実際に行って味見してえなあ。

あの辺もハチミツ民間療法が盛んで、バザールに行くといろいろ教えてくれるって。
「蕎麦の蜜は貧血やヘモグロビン不足に、山の蜜は呼吸器疾患や喉の炎症に、しながわはぎは肝臓疾患に効果的・・・」。
(ユーラシア大陸 お仕事日記)


貧血には鉄剤、炎症には抗ヒスタミン剤とかよりも、ずっと豊かじゃねえか?

日本でも、口内炎や口角炎にハチミツを塗りなさいって言うよね。

塗ったことあるけど、効果わからなかったわ。
インチキ水飴ハチミツだったからかな。

そう言えば、赤ちゃんの便秘で、肛門にハチミツを塗ってあげるという話もある。

わざわざハチミツの座薬を作って、処方する先生もいたな。

肛門を刺激するのか、すべりが良くなるのか? 
でも、1歳未満の乳児には、ハチミツを与えちゃダメなんだよね。

ハチミツには、ボツリヌス菌の芽胞が含まれてることがあるからな。
ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死にません。
1歳未満の赤ちゃんにハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないようにしましょう。」(厚生労働省)

たぶん、お尻から入れるのは大丈夫だと思うよ。

とにかくハチミツは、いろんな治療に使えるってことだな。

アメリカでは、消化不良の患者さんに「1日3回、食前30mlのハチミツ」を与えたら、ほとんどが改善したって。(「寺田家のハチミツ」)

へえ〜、ハチミツなめるだけで?

古代から、ハチミツはいろいろに利用されてきたけど、「天然ハチミツの伝統的・近代的治療法」(Traditional and Modern Uses of Natural Honey in Human Diseases: A Review)によると、
エジプトの薬はほとんどが、ハチミツ・ワイン・ミルクでできてたそうだ。

うまそうだなあ〜、そんな薬なら飲みたいなあ〜。

彼らは、ミイラを作る時もハチミツを塗ってたしね。
古代ギリシャで飲まれてた、ハチミツ・ぶどうのミックス・ジュースは、痛風や神経障害に効果があった。

pixabay[CC0]


こりゃまた、甘そうだな。

ヒポクラテスは、痛み止めに酢・ハチミツのミックス・ジュース、喉の乾きにはハチミツを水で割った飲み物、熱性疾患にはハチミツ・水・生薬のミックスを使ってた。
ケガ、便秘、咳、のどのイガイガ、目の病気、 ハゲや避妊にも使ってたって。

Wikimedia[Public Domain]


へえ〜、ハゲ?

モハメッドは、ハチミツを下痢にいいって言ってるし、
古代イランの名医は、ハチミツを結核に使った。
ロシア人は第1次世界大戦のとき、兵士のケガにハチミツを使った。
ドイツ人は深いケガ、やけどに肝油 ・ハチミツの軟膏を使った。

ケガにハチミツを使うとこが多いな。

すり傷にハチミツがいいのは確かだよ。
キズに直接じゃなくて、包帯の上から塗る方が治りやすい。
ただし傷口が深い時にはハチミツで塞ぐと、汁がじくじく流れ出ない。

空気から遮断できて、感染予防になるしな。

ここまでで、わかったでしょ?
ハチミツには抗菌作用があるんだよ。

ハチミツがあれば、抗生物質はいらねえな。
しかも同時に、栄養補給にもなるし。

アーユルヴェーダでは、不眠症の治療にも使われてる。
それから、目の治療にもいいらしい。

そういやあ、うちにあるアーユルヴェーダの目薬にはハチミツが入ってたな。
さすと、目の回りがベトベトになって敬遠しがちだが、その後の爽快感!
お目々パッチリ、スッキリ
だぜ!!

pixabay[CC0]


ハチミツを毎日点眼すれば、視力が改善し、白内障の予防効果があるから、
今でも南アメリカでは、白内障治療にハチミツが使われてるらしい。(はちみつが目薬になる!?) 

どうやって、ハチミツを目に入れるんだ?

綿棒の先の方にハチミツをのせ、鏡を見ながら下のまぶたか眼球の下側の表面に1、2滴当てるように、置くようにしてつける。
目をまばたきをしてはちみつを全体になじませる。
(はちみつが目薬になる!?) 

アレ? 思ったよりもしみないぞ?

塗った後、ティッシュで拭いてみて。
中に入って、じわじわ来るよ。

あ、来たきた・・・涙がじわ〜ンと。
はあ〜、スッキリした!

これから秋になるとまた、風邪を引く人が増えるよね。
ロシアでは、風邪の症状が出たとき、ハチミツを摂取する人が多いです。そのまま食べたり、紅茶や牛乳に入れて飲んだりします。のどが痛いときは、ハチミツと重曹を温かい牛乳で溶かしたものが飲まれます。ハチミツは、ビタミンが豊富で、喉のイガイガにも効き目があるからでしょう。」
(ロシアのインフルエンザや風邪にまつわる6つの豆知識!)

冬に備えて、品質のいい、本物のハチミツを買い置きしておこうっと。

pixabay[CC0]


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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