沖縄県民投票に至る経緯は安倍暴政の履歴、そして沖縄にはもう一つの住民投票への熱い訴えがあった

 告示のあった沖縄県民投票の投票日は24日、貴重な権利を無効にしないように「(基地)反対に○」と、記載の注意を呼びかけています。
 ここに至る経緯を長周新聞がまとめておられますが、それは安倍政権の暴虐の経緯でもあります。
2013年当時の仲井真知事を振興予算で懐柔し、知事公約違反の辺野古への基地建設を認めさせました。その時の条件「普天間飛行場の5年以内運用停止」は反故にされた上、それどころか改修工事や新築が進行中です。
仲井真県政への怒りから誕生した翁長前知事は、埋立承認を取り消します。しかし国は提訴し、最高裁は国の肩を持って「承認取り消しは違法」の判決を、那覇地裁も環境保全を求めた県の訴えを却下しました。
 その間も国政選挙では、辺野古を争点とした沖縄は「反対」する候補を次々当選させます。民意は十分に示されているのに、司法はそれを「民意と見なすことはできず、国の指示に従わない沖縄県は違法」という無茶苦茶な判決を出しました。選挙結果は無視され、沖縄県の自治権は司法により無効化され、政府は露骨な植民地政策を続けています。
 それでも屈せず、今度は草の根の市民から県民投票の機運を盛り上げ、日本だけでなく海外の人々にも関心を呼びました。明らかに政権の横槍と分かる市政レベルでの姑息な妨害が伝えられましたが、ついに「全県実施」が可能になりました。すると今度は官邸が「投票結果に関わらず辺野古移設の方針に変わりはない」と暴君発言です。つまり負けを認めているのだな。
 ところで、沖縄県の石垣島では、もう一つの住民投票を若い市民らが求めていました。
石垣島への陸上自衛隊配備計画の賛否を問うもので、県民投票との同日実施を訴え、なんと有権者の4割にも相当する1万4千筆の署名を集めたのでした。これだけの数があれば、議会を通さずに直接市長に請求できるにも関わらず、結局議会での審議となり、最終的には議長の判断で否決されてしまいました。
県民投票に負けないほどの熱い関心が寄せられながら、叶わない意思表示。しかし同時に、こうして力強く声を上げる人たちの存在が沖縄には確かにある。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)

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辺野古新基地建設を阻止する追撃戦 注目される沖縄県民投票
転載元)
日米政府が計画する沖縄県名護市辺野古への米軍基地建設をめぐり、埋め立ての是非を問う沖縄県民投票(2月24日投開票)が14日、告示された。沖縄県では、(中略)2回目の実施となる。

沖縄県民は、昨年9月の県知事選を含めてあらゆる機会を通じて辺野古新基地建設に対する圧倒的な反対世論を突きつけたが、政府は法解釈を一方的に変え、司法を盾にしながらこれを無視しており、県民にとってはこの計画にとどめを刺す追撃戦となる。

(中略)

 問題は、2013年12月、それまで公約である「普天間基地の県外移設」を唱えていた仲井真知事(当時)が、安倍政府との間で毎年3000億円の振興予算と引き換えに政府の辺野古移設案(新基地建設)を認め、「いい正月が迎えられる」といって公約を裏切ったことに端を発する

このとき、仲井真知事は条件として「普天間飛行場の5年以内運用停止、早期返還」など4項目を安倍政府に要望し、政府が「最大限努力する」と答えたことを「驚くべき立派な内容」と評価したうえで、公有水面埋立許可を出した

その後、仲井真県政は「普天間の運用停止は、辺野古新基地の建設とは区別する」という立場をとりつつ、安倍政府は2019年2月までの普天間基地の運用停止を明言していた。だが、その期限を迎えた現在、普天間基地の運用停止の動きはまったくみられない。それどころか、一昨年からは大規模な改修工事をはじめ、滑走路のかさ上げや兵舎の新改築などが400億円もの予算をかけて進行している

 この仲井真県政の裏切りに怒りの世論が巻き起こり、2014年11月の知事選では、那覇市長であった翁長雄志前知事が「辺野古新基地阻止」を公約にして出馬し、仲井真元知事に10万票の大差を付けて圧勝した



(中略)翁長県政は2015年、仲井真知事がおこなった埋立承認が環境保全等多くの問題があることを理由にこれを取り消した

しかし、国も提訴して裁判になり、2016年12月、最高裁は「(仲井真知事の)承認には問題がなく、取り消した沖縄県は違法」との判決を下し、国は工事を再開した。また、国の工事にともなう岩礁破砕許可を求めた県の訴えに対しても、那覇地裁はその訴えの内容を審理することなく「県の訴えは裁判の対象外」として却下した

 知事選だけでなく、衆参両院議員などのあいつぐ国政選挙でも、沖縄県内では「辺野古」問題が争点となり、「反対」を公約とする候補が当選し、推進側の自民党候補を落選に追い込んできた。

だが、県の「埋立承認取り消し」の取り消しを求めて国が起こした裁判で、福岡高裁那覇支部の判決(2016年9月16日)は、「普天間飛行場の移転は沖縄県の基地負担軽減に資するものであり、そうである以上本件新施設等(辺野古基地)の建設に反対する民意には沿わないとしても、普天間飛行場その他の基地負担の軽減を求める民意に反するとは言えない」として、国の「是正の指示」に沖縄県が従わなかったのは違法と断じた。つまり、県知事選や各種選挙の結果は、いくら選挙戦で「辺野古」が争点になっていたとしてもさまざまな要素が含まれており、「辺野古新基地反対」の民意とは見なすことはできないという政府にとって都合のいい見解だった

 こうして辺野古新基地をめぐって選挙で県民が突きつけてきた「辺野古新基地反対」の意志は棚上げにされ、地元自治体でありながら沖縄県の権限さえも無効化された
官僚や最高裁人事を握る安倍政府は、本来は憲法で分権が規定されているはずの行政、司法を抱き込みつつ、都合のいい法解釈の変更をくり返しながら辺野古の埋め立てに向けた工事を強行した。メディアを使って「地方自治体が反抗しても工事は進む」という諦めを誘いながら、沖縄県に配分する一般予算を減らす「兵糧攻め」をし、県内での市町村長選挙では「アメとムチ」を振りかざして介入を強め、昨年2月の名護市長選では「辺野古」を争点にさせない棚上げ作戦で市長ポストをもぎ取るまでに至った。

条例請求署名開始 2ヵ月間で10万人

 知事選などで敗北したさいには「辺野古問題は、地方選挙の結果に左右されない」といっていた安倍政府だが、名護市長選後は「地元の理解が得られた」と喧伝する。沖縄県の地方自治権や県民の意志をまるで蚊帳の外に置いた法廷での闘争や、予算配分で介入しやすい市町村長選挙という土俵で「オール沖縄」の側が劣勢となるなかで、もう一度県民の世論を土台にしてたたかいの仕切り直しを図るために提起されたのが県民投票の実施だった

(中略)

妨害乗り越え全県実施

 県民投票の実施をめぐり、安倍政府は沖縄県内の自民党議員に号令をかけて投票事務予算の否決や、市長による「投票の拒否」をやらせたものの、これも県民の反発によって覆された。市町村議員を対象にして弁護士出身の自民党衆議院議員(比例復活)が手ほどきをする学習会をしていたことも判明したが、政府を忖度して県民の投票権を強奪する手法は逆に県民の怒りに火をつけた。沖縄県内の自民党議員を使ったサボタージュ作戦が失敗し、不参加を表明していた自治体も含めた全県実施が実現すると、最後は、背後にいた官邸自身が「県民投票の結果がどういう結果でも移設方針に変わりはない」(菅官房長官)と開き直りのアナウンスをする顛末となった

(以下略)
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Qプラスリポート 県民投票「全県実施」の一方で 届かなかった石垣住民投票
引用元)
先週金曜日に、ようやく全県実施の足並みがそろった県民投票。一方で、石垣市では陸上自衛隊の配備を問う「住民投票」の行方が注目されていました

(中略)

市の中心部、平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画。環境への影響や「市からの説明が不十分」などとして、地元住民からは反対の声が上がっていました

そこで立ち上がったのが、島の若者たち。「島の未来をみんなで考えたい」市民のみならず、市長や議会にも積極的に理解を呼びかけ、去年、自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票へ向けた署名、1万4千筆あまりを集めました
しかし、その市民の声を審議する議会では。
(中略)

採決の結果、賛成と反対は同数。判断は議長に委ねられました。
平良秀之議長「議長は否決と採決いたします」
(中略)
石垣市住民投票を求める会・金城龍太郎代表「1万4千人あまりの住民の思いは横に置かれたうえで、政治的な駆け引きで採決が行われたようなかんじがして、とても残念に思います
(中略)

この陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票をめぐっては、住民投票を求める会の金城代表らが、3月とも言われている工事の着工前に民意を問いたい、経費削減や投票率アップのため県民投票と同日実施したい、署名に参加してくれた高校3年生が春に島を離れる前に実施したい、このようなことを要望していました
(中略)
「それに金城代表らが今回集めた1万4263筆という数字は、市の有権者のおよそ4割にあたります。そもそもこれだけ集めると『議会を通さなくても住民投票を直接市長に請求できる』という市の条例があるんですが、実際に投票を実施するための条例の細かな部分が定められていないことから、議会にかけて審議する方法をとりました
(以下略)

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