GM添加物を承認する厚労省、GM作物を承認する農水省、GMジャガイモは安全と評価する食品安全委員会

 厚労省はこれまでに43品目の遺伝子組み換え添加物を承認しているとのことです。こうしたGM添加物の承認は、2001年からはじまり、2014年ころから増えはじめ、昨年から急増しています。こうしたグレーな承認が増加しているのは、やはり今年2月に発効した日欧EPAや、9月にはまとまるといわれている日米FTAに関係しているのでしょうか。
 これらの遺伝子組み換え添加物は表示が不要とされてしまっているので、使用されていても消費者にはわかりません。この記事からわかる範囲では、栄養強化・着色用として菓子類やスポーツ飲料などに利用されたり、ビールの糖化向上のためなどに使われるようです。
 また遺伝子組み換え食品に関しては、農水省が除草剤グリホサート耐性のGM大豆やGMとうもろこし、打撲黒斑低減遺伝子を組み換えたGMジャガイモなどの栽培を既に承認しています。
 そして今、さらに疫病への耐性を付加したGMジャガイモが承認されようとしています。(8月6日、食品安全委員会は米国シンプロット社のGMジャガイモについて「ヒトの健康を損なうおそれはない」とする遺伝子組換え食品等専門調査会の健康影響評価を了承し意見公募を始めたとのこと)
 また今年7月には、米国で見つかった遺伝子組み換え小麦(除草剤ラウンドアップ[グリホサート]耐性遺伝子組み換え小麦の自生が確認された)について農水省は輸入停止はしないと発表しています。これまで農水省は遺伝子組み換え小麦が検出されるとその都度、その一部の米国産小麦について一時的な輸入停止を実施したり、そうした発表を同省のサイトに掲げたりしていましたが、今回はこうした発表などのリンクが見えないようにURLを変更したり、一部のページを削除していたようです。厚労省の統計改ざんと同様に、農水省でも「情報隠し」が横行し始めているように見えるというわけです。
 こうした悪政がまかり通るのですから、グリホサートまみれのGM大豆やGM小麦、そして危険なGM食品が当たり前のように更にじわじわと市中に流通することが予想されます。
 小泉進次郎氏のいう「悲観的な1億2千万人より、自信に満ちた6千万人のほうが良い」がいよいよ現実味を帯びてきてしまいます。このままでは。
(しんしん丸)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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■厚労省 GM添加物を承認 今年3件目
引用元)
 厚労省は8月16日、今年3品目目となるダニスコ社(米国)の微生物を利用した遺伝子組み換え添加物プルラナーゼを承認した。(中略)
これまでに承認された遺伝子組み換え添加物は43品目となる。(中略)

 今回承認された遺伝子組み換え添加物のプルラナーゼは、(..中略)ビール及びデンプン糖の製造において糖化効率の向上を目的として使用されるという。こうした遺伝子組み換え添加物は表示が不要であり、使用されたとしても消費者には分からない。(中略)

 ここ数年、承認件数が右肩上がりで増加し、昨年は10品目が承認されている。この急増は、今年2月に発効した日欧EPAや、9月にはまとまるなどといわれている日米FTAに関係しているかのようにも見える。
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引用元)
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■厚労省 GM大豆とGM微生物由来添加物を承認
引用元)
(前略)
1月30日に承認された組み換え添加物のリボフラボンは、栄養強化・着色用として菓子類やスポーツ飲料など利用されるとしている。このリボフラボンを使用したとしても、製品への表示は不要とされている。(中略)

 2月23日に承認された遺伝子組み換え大豆は、デュポンの遺伝子組み換え高オレイン酸含有大豆(DP-5423-1)をベースに、モンサントの除草剤グリホサート耐性GM大豆と除草剤ジカンバ耐性GM大豆を掛け合わせた合わせて3品種となる。これにより食品として承認されたGM大豆は28品種となる。
(以下略)
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■農水省 新たにGM作物を承認
引用元)
(前略)
 農水省は6月8日、カルタヘナ法にもとづき、新たにモンサントなどの遺伝子組み換えのダイズとトウモロコシ3品種について栽培などを承認した。(中略)

複合除草剤(ジカンバ、グリホサート、グルホシネート)耐性ダイズ(モンサント)
・高オレイン酸含有・複合除草(アセト乳酸合成酵素阻害剤、グリホサート及びジカンバ)剤耐性ダイズ(デュポン)
除草剤グリホサート、グルホシネート耐性トウモロコシ(シンジェンタ)
(以下略)
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■食品安全委員会 遺伝子組み換えジャガイモは安全と評価
引用元)
(前略)
 食品安全委員会は8月6日、米国のシンプロット社の疫病耐病性・アクリルアミド生成量低減遺伝子組み換えジャガイモ(SPS-000Y9-7)について「ヒトの健康を損なうおそれはない」とする遺伝子組換え食品等専門調査会の健康影響評価を了承し意見公募を始めた。締切りは9月5日。(中略)

 米国では、シンプロットのこのRNA干渉技術による遺伝子サイレイシングを使った遺伝子組み換えジャガイモについて、マクドナルドを初めとして多くの外食企業がその使用を拒否している。日本の大手外食産業の多くも使用予定はないとしているという。(中略)

今回承認されようとしている遺伝子組み換えジャガイモは、どこで使われようとしているのだろうか。日米FTAに絡んで、米国から強引な輸入要求が出てくるのか。これからも注視していく必要がある。日本の表示制度では、この遺伝子組み換えジャガイモを外食産業がを使ったとしても、表示義務はなく客には全く分からない。「使わないと明言した企業しか利用ない」と声をあげていくことが重要だ。
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■米国GM小麦自生 農水省 米国産小麦輸入停止せず
引用元)
 農水省は7月17日、6月に米国で見つかった遺伝子組み換え小麦について、輸入停止しないと発表した。(中略)
これまではその都度、一部の米国産小麦について、一時的な輸入停止を実施していた。

 米国農務省は6月7日、米国で4度目となるモンサント開発の除草剤ラウンドアップ(グリホサート)耐性遺伝子組み換え小麦の自生を確認したと発表した。(中略)

その原因ははっきりしないまま「迷宮入り」となっている。しかし、遺伝子組み換え小麦を開発し、試験栽培したモンサントの杜撰な管理が招いた自生であることははっきりしている。これからも遺伝子組み換え小麦の自生が見つかる可能性はあるだろうし、遺伝子汚染が秘かに進行していないとは言い切れない。 (中略)

 農水省の遺伝子組み換え小麦に関する発表はこれまで、同省のサイトの「報道発表資料」に掲げたり、「米(稲)・麦・大豆」のページに掲載してきた。しかし今回、こうした目に見える形での発表はしていない。また、これまでの米国とカナダの遺伝子組み換え小麦自生に関連する発表などのリンクが見えないようURLを変更しているし、一部のページは削除された模様だ。厚労省の統計改ざんが大きな問題となったが、農水省でも「情報隠し」が横行し始めているように見える。
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世界的に市場縮小も…遺伝子組み換え作物に毒される日本
引用元)
 遺伝子組み換え作物(GMO)市場が世界的に縮小し始めている中、多国籍企業が拡大先として狙っているのが日本だ。
 38%という低い食料自給率の日本は、すでに大量の遺伝子組み換え作物が流通する“GMO大国”である。農水省の資料によると、日本は米国とカナダから、トウモロコシ、大豆、ナタネ、ワタの4種のGMOを大量に輸入しているという。それらGMOは、マーガリンやマヨネーズ、食用油などに加工され日本国内で出回っている。

 米国や欧州などで“脱”GMOの動きが高まっているのに、日本はまったく逆。実際、日本のGMO承認数は2016年のTPP協定署名後、急激に増加している。「国際アグリバイオ事業団」(ISAAA)のデータによると、米国での承認数が203であるのに対し、日本は317で、44カ国中ダントツに多い。(..中略)日本政府は消費者を置き去りにして、多国籍企業の意向に沿うように、農薬の残留基準を緩和したり、GMOを承認したりしている。元農水大臣で弁護士の山田正彦氏がこう言う。

「日本でGMOが作られていないといっても、民間や多国籍の種子企業は、すでに日本向けの遺伝子組み換えのコメや小麦の種子開発を終えています。(..中略)2015年に訪問先のワシントンで話をした全米小麦協会のドロシー会長は、『米国では国民の間に(遺伝子組み換え小麦に対する)抵抗が強いので、まず日本で食べてほしいと思っている』言っていました。2020年から、遺伝子組み換え小麦の流通が日本で本格化するのではないかという話もあります(中略)

 GMOは、殺虫剤や除草剤に耐性を持つように作り替えられているため、残留農薬による健康被害も心配される。
(以下略)

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