ぴょんぴょんの「〈FTA〉にもマケズ・・」

 〈日米FTA〉は、日本をどのように破壊するのだろうか。
 時事ブログに紹介された「長周新聞」の記事を参考に、先にアメリカとFTAを結んだ韓国と比べて、考察してみた。
(ぴょんぴょん)
————————————————————————
ぴょんぴょんの「〈FTA〉にもマケズ・・」


先にアメリカとFTAを結んでしまった韓国


「日米貿易協定承認案を19日の衆院本会議で採決することで合意し、来月9日の国会会期末までに承認する段取りだ。これでトランプが要求する1月1日発効が可能になる。」

あーあ、とうとう〈日米FTA〉発効の日がきちゃうね。

エライコッチャ!

TPPでアメリカと対峙せずにすんだ、と思ったらさにあらず。
もっと厳しい〈日米FTA〉を結ばされてしまった。

アメリカは有能な大統領を、トップに選んだもんだ。

感心してるバヤイじゃない!

転げ落ちる日本に、おバカなトップが加速度をつけてしまった。

ところで韓国も、アメリカと〈米韓FTA〉を結んでたよね。


韓国の事情は、日本とちがう。
1997年のアジア通貨危機で、韓国は、IMF管理体制下におかれたから。

「家族の絆 〜夫婦(97):IMF・形を変えた植民地支配〜」で習ったけど、IMFって、高利貸しだよね。
国を借金漬けにした上、返せなくなると、国の富をすべて外国資本に売りさばく。

その通り。
その結果、韓国の雇用は激減、失業問題は悪化。
その打開策として、自由貿易〈FTA〉するしか選択肢はなかったワケ。

日本は、する必要もないのにしちゃった・・。

〈米韓FTA〉で成長したのは「サムスン、現代自動車、SK、LG、ロッテ」の5大企業。

サムスン本社


じゃあ、韓国の雇用も増えたの?

いやいや、こいつら大企業はアメリカのグローバル資本に乗っ取られてるから、稼いだカネは国民に還元されていない。
その結果、
2016年の人口10万人あたりの自殺者は、韓国が世界一。
(北海道中小企業家同友会)

はあ・・・・。

つまり〈FTA〉で肥え太るのは大企業のみで、国民はやせ細る一方だ。
そして、貿易の自由化によって、競争社会と格差社会が確立された。

食品や農業も、大変になるんでしょ?

韓国は 貿易拡大と引き換えに農業を諦めたのです。」
(北海道中小企業家同友会)
韓国の食料自給率は、1990年【70.3%】から、2013年【47.5%】まで、大幅に減少した。(JAcom)
ちなみに日本は、2018年【37%】 ・・・。
(農林水産省)

なにい??
〈FTA〉後の韓国の方が、〈FTA〉前の日本よりも自給率が高い?!

日本の食料状況が、いかにヤバいかが知れるよな。
〈FTA〉後、韓国の畜産農家は減少したから、日本の酪農家も大変だ。
安い輸入牛肉に押され、牛肉の価格が暴落した上に、エサ代が40%も値上がりして、牛にエサをやれずに飢死させたという話もある。
(JAcom)

ひどい!

特に問題なのは、農業バイオテクノロジー製品の市場開放だ。
「農業バイオテクノロジーといえば TPPでは〈遺伝子組み換え〉作物を指していたが、日米貿易協定の目的では それに加えて〈ゲノム編集〉の生産物も対象にしている。」
(長周新聞)

Wikipedia[Public Domain]

〈ゲノム編集〉は、時事ブログにあったね。
そんな不自然な食べ物、絶対に、口に入れたくないよ。

その他、BSE対策、残留農薬、遺伝子組み換えなど、「国内の食品基準を撤廃・緩和しろ」と言われるだろう。

こんなの食べさせられたら、ぼくたち、病気になっちゃう。

病気になったら、アメリカのクスリ屋、保険屋が喜ぶだろう。
「アメリカは 日本国内でも医療保険市場の拡大を狙っている。」
(長周新聞)
なんでやろ? この頃、病んでる人、多いんちゃいます?
そうなる前に、おひとつ医療保険は、いかがおすか?
この先、おクスリも高うなるし、治療も高うなりまっせ。
病院に行くにも、おカネがぎょうさんかかりますさかい。
これから必要なんは、保険でっしゃろ。

いきなり、ニセ関西弁になってる!

もうかりまっか? もうかりまっせ〜!

あんたらに、もうかって欲しくないよ!!

いいか?
〈米韓FTA〉では 医療部門が最も影響を受けました。
(北海道中小企業家同友会)
連中のねらいは、日本の健康保険制度を崩すことだ。


ひええ〜! どうしよう!
とうちゃんもかあちゃんも、いもともおととも、じいちゃんもばあちゃんも、おじさんもおばさんも、いとこもはとこも・・・みんな病院のお世話になってるのに。

・・むむむ・・おめえんとこ、病人一家だな。
アメリカ企業が大喜びだぜ。


〈日米FTA〉で日本の医療はどう変わる?


〈日米FTA〉で、医療はどう変わるんだろう

「国民階(ママ)保険制度が形骸化し、薬価の高騰や、混合診療の解禁、自由診療の拡大、医療への株式会社の参入などで日本の医療がアメリカのようにビジネス市場にされていく。」
(長周新聞)

ああ〜〜もう、難しい言葉ばっかし、
薬価の高騰? 混合診療の解禁? 医療への株式会社の参入・・って何のこと!?

これから、一つづつ説明してやっから、落ち着け。
いいか? まずだな、
アメリカの医療制度は、政府じゃなくて企業が運営してるから、国民医療保険はない。

それで、虫垂炎の手術に2〜300万円もかかるのか。
(世界の医療事情)

アメリカの保険屋がもうけるためには、日本の健康保険がジャマだ。
ぶっつぶしたい! どうするか。
まず、クスリを値上げしてやろう。
現在、日本のクスリの値段、つまり薬価を決めているのは厚生労働省の「中央社会保険医療協議会」(中医協)。
一方、アメリカは、保険会社と製薬会社が決めている。
(TPP交渉差止・違憲訴訟の会)


おかしくない? 売る人が自分たちのいいように値段つけるって?

でも、今回は触れないが、厚労省の「中医協」だって、ブラックボックスなんだぜ。
とにかく、
〈米韓FTA〉で、韓国の医療費は二年間で二倍になりました。」
(大門みきし国会質問)

二倍だって?! どうしよう、そんなの困る!

おかしいだろ?

「それは、おかしいですよ!」って言えばいいよ。

どっこい!〈ISDS条項〉が黙っちゃいない。

それ、TPPでも問題になったね。
〈ISDS条項〉・・・なんだっけ?

日本が、「クスリの値段はこれまで通り、日本政府で決める」と言ったとする。
アメリカの製薬会社は「それじゃ、おれたちが儲からねえ!」と訴訟を起こす。
判断するのは、日本の裁判所じゃなくて〈投資紛争解決・国際センター〉
だ。

Author:Deliavincenzi[CC BY-SA]

なんで、日本の裁判所じゃだめなの?

アメリカ企業の息がかかった〈投資紛争解決・国際センター〉で裁判した方が、有利だから。

なに、それ?

センターは「はい、日本が間違ってます。変えなさい」と判決を出す。
すると日本は、損害賠償を支払わされた上に、クスリの値段は上げられる。

その理屈が通用するなら、「日本の健康保険が利益のジャマ」と言われたら・・
それも通っちゃうワケ?

そうさ、だから、国民健康保険が生き残れるかは・・正直、あやうい。

た・・たいへんだあ!! アヒルの保険にヤラれる!
いいよ〜だ! アメリカの医療保険なんか、ゼッタイに入らないから!

でも、医療費はまちがいなく上がる。
手術の術式まで、特許料を取る連中だぞ。
(大門みきし国会質問)
医療費を上げて、日本国民全員がアメリカの医療保険に入らざるを得ない状況にしたい。


でも、ジェネリック医薬品を使えば、安くなるよ。

ジェネリックも攻撃の的だ。
特許権を持つ製薬企業が、ジェネリック会社に対して特許権侵害を申し立てるということも、すでに海外では行われている。
(大門みきし国会質問)

安いジェネリック、救いだったのに。

もひとつ、重要なのが〈混合診療〉の解禁だ。

〈混合診療〉てなに?

〈保険診療〉と〈自費診療〉を併用できるシステムのこと。

それは、べつにいいんじゃない?

問題なのは、〈混合診療〉になると、保険でできる治療まで自費になってしまう。
つまり、全額自費になる
ので、カネ持ちが有利だ。

保険が効くのは効く、自費は自費でいいじゃないの?

いやいや、あんた、自費で払えるんでしょ?
そんだけのカネ持ってるなら、保険が効かなくてイイじゃん、ってこと。

出せる人は、全部自分で出しなさい?

〈混合診療〉にしたら、望む治療ができるヤツと、カネがなくて治療できないヤツに別れる。つまり医療格差を生むわな。

〈FTA〉だと〈混合診療〉になって、格差の方向に進む・・。


また〈混合診療〉になると、医療保険会社が喜ぶ。
たとえば、「先進医療特約」などは、「先進医療」に該当する治療が保険適応になってしまうと、「特約」ではなくなってしまう。
〈混合診療〉だと「特約」のまま、カネが入る。
(大門みきし国会質問)

つまり、〈混合診療〉では、新しいクスリや治療は、保険適応されにくくなる。

高額なクスリや治療は、カネ持ちの特権てことだな。
・・・ま、おれには関係ねえが。

どうして?

高い先進医療とか、新しいクスリとか、せいぜいカネ持ちの体を使って、ジャンジャン人体実験してくれたまえ。 ワッハッハ!

そうか、まさにそうだね。

おれたちの体は、そんなの使わなくても、ちゃんと治る装置が備わってるんだ。

韓国も〈混合診療〉になったの?

〈米韓FTA〉では、「混合診療を解禁する」とは書かれていない。
その代わり、「経済自由区域」つまり「特区」が設けられて、そこに行けば混合診療が受けられる。
(大門みきし国会質問)

安倍ぴょんのお友だちの「特区」で、混合診療が受けられるようにするのかも。

ついでにもひとつ、アメリカ企業は日本で〈営利病院〉を設立したがっている。

〈営利病院〉てなに?

株を売ってカネを集め、株主に配当払って経営する、病院・株式会社だな。
現在は、医療法で認められていないが、仮にできたとしたら何が起こるか?


自由な競争が起こるよね。
優秀なスタッフのいる病院とか、個性のある病院が出てくるだろうね。
患者さんも自由に選べるようになるし。

今だって、「イヌも歩けば、クリニック」状態で、患者は自由に選べる。
ま、内容はみんな似たりよったりで、選択肢はあまりないがな。
病院・株式会社の問題は、なんだと思う?

ふつうの株式会社みたいに、株主の利益を優先すること?
配当を出すために、利益を上げなきゃいけなくなること?

その通り。
その結果、必然的に医療費が高くなる。

病院なのに、患者さんより株主を優先するっておかしいよね。

また、株主たちが「売り上げを増やせ」「人件費をカットしろ」とか、「ああしろ、こうしろ」ウルサイぞ。

ただでさえブラックな医療現場が、ますます大変になるかも。

病院・株式会社が利益を独占するために、公共病院や非営利病院に圧力をかけたり。(体感エンタ!)
もうかる治療はやるけど、手間がかかってもうからない治療はやらなかったり。

いやらしいなあ、カネ本位主義は。

アメリカには営利病院がいくつかあるが、病院はカネ持ち居住区にあって、カネ持ちだけを相手に商売している。
(医療の営利と非営利を考える)

日本は、代官山にでも作るのかな?

Author:Wpcpey[CC BY-SA]

結局、自由貿易は「弱肉強食」だから、医療が食い荒らされることがわかったな。

要するに、〈日米FTA〉は、日本の主権を「なし」にする条約だった。
なんでまた、日本はこんな理不尽な条約を飲みこんだの?

すべては、アメリカさまと日本の大企業のために!!


医療依存からの自立


アホじゃない?
でも、健康保険がなくなったら困るよ、どうしよう?

う〜ん・・・
しかし、おれたち今まで、どんだけ健康保険に「おんぶに抱っこ」してきただろう?

「おんぶに抱っこ」?

医療費が安いために、自分の力で治すことを考えず、安易にクスリを飲んだり、いらない検査を受けてこなかったか?

飲んだ・・受けてきた・・。

〈FTA〉によって日本人は、医療への依存から、自立を強制されるだろう。
本当は、自発的な自立が好ましかったが・・。

どうしよう、風邪とか引いたら、インフルエンザになったら。


〈FTA〉の荒波は、否応なしに襲いかかってくるんだ。
そういうアホが自立するまでは、とても待ってくれねえよ。

だって、ホントにどうしよう?

風邪やインフルエンザに効くクスリなんか、とっくの昔からねえの!
3日も寝て汗をかけば治る。
治らなければ、おめえの免疫力がどうかしてるぞ。

治るのかなあ、不安だなあ。

簡単に病院にかかれなくなれば、風邪とか、吐き下しとか、軽い病気は自分で対処しなければならなくなる。
日頃から、自分の体と対話してないと、いざというとき困るぞ。

でも、事故とかケガとか、手術しなきゃならない救急のときはどうすればいいの?

そんときゃ、ブタの貯金箱カチ割って、全財産を投げ出すんだな。
てゆうか、そういう目に合わないために、ガヤトリー・マントラがあるんだろ。
それでもなったら、そのときは神さまにお任せだ。


うわあ、心細いなあ。

神さまに、失礼だ!
だが、健康保険という寄りかかる柱がなくなっても、救いはある。

どんな?

以前聞いた話だが、インドのホメオパシー・小児科医が言った。
裕福な子どもたちより、貧民街の子どもたちのほうが健康だと。
かえって、裕福な子どもたちには難しい病気が多いと。
裕福な子どもたちは、カネのかかる西洋医学の治療を受けているが、貧民街の子どもたちは安いホメオパシーしか使えないから健康なのだと。


ホメオパシーは安くていいよね。

また、知り合いから、こんな話も聞いた。
60代のホームレス。
何十年も保険証を持っていなかったが、病気ひとつしなかった。

歯は全部抜けてたけどな。

へえ!
保険証がないと、病気できないもんね。

そう言えば、時事ブログ「病院がなくなっても幸せに暮らせる!」という夕張市の話に、竹下先生がコメントされていた。
「おそらく今後日本は財政破綻し、国中が夕張市になると思います。この動画の内容から、日本の未来は実に明るいということがわかるのです。」

Wikimedia_Commons[Public Domain]
夕張市役所

病院がなくなって、かえってみんな、自分で健康を維持するようになった話だね。

ただ問題なのは、今現在、病院がないと生きていけない人々だ。
たとえば、インシュリン注射の必要な糖尿病患者、透析を受けないと生きられない人たち、ホルモン治療を継続しなければならない人たちなど、彼らにとって医療保険の崩壊は致命的になりうる。

その人たちに何かあったら、ただじゃすまないよ!

犯人は、「FTAを締結した安倍ぴょん政権である」ことを、よおく覚えとけ!


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

Comments are closed.