注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
厚労省が、3月5日午前7時43分に【#新型コロナウイルス マスクの供給】と題して、連続ツイートをした。
3月4日午前8時からの「羽鳥慎一モーニングショー」の出演者から、「まずは医療機関に配らなければだめ。医療を守らなければ治療ができないから、医療機関、特に呼吸器関係をやっている人に重点的に配っていく」とのコメントがありました。(1/3)
厚生労働省では、①感染症指定医療機関への医療用マスクの優先供給を行ったほか、都道府県の備蓄用マスクの活用や②日本医師会や日本歯科医師会のルートを活用した優先配布の仕組みをお知らせしています。(2/3)
最終的に全ての医療機関に十分なマスクが届くことが必要であり、引き続き、マスクの増産や全ての医療機関を対象とした優先供給を進めて参ります。(3/3)
①、②はブログの便宜上、付けた。
今朝のモーニングショーで、上記赤字部分の実態について、番組が厚労省に取材した結果を流していた。
①について
『マスクの供給を行った』については言い過ぎた表現、『行っている』『開始した』が正しい。
②について
「訂正したい。そんなことは国会でも言っていない。」「日本医師会や歯科医医師会に協力してもらってマスク配布の仕組みを医療関係者に広く知ってもらいたいというつもりで書いた」
ということだそうである。
厚労省が自分自身が行っていることについて、デマを流しているとしか言いようがない。 山本太郎が言うとおり、この国は壊れているのだ。
経済という土台だけでなく、行政という上部構造も壊れている。
ちなみに、自民党広報ツイッターは3月5日に次のようなツイートをしている。
3/4のTBS「Nスタ」で女性出演者が「新型のコロナであるため感染が新しいウイルスであり、私たちには基礎的な免疫がなく普通のインフルエンザよりも罹りやすい」と発言しましたが、厚生労働省は「季節性インフルエンザと比べて感染力は高くない」との世界保健機関(WHO)の見解を紹介しています。
このツイートに続けて正しい情報提供サイトして首相官邸サイトや厚労省サイトが紹介されている。
探してみたが、どこにこのようなWHOの見解が紹介されているのか、極めて不親切で探せない。
ちなみに2月末に公表したWHO報告書はNPO法人市民科学研究室が日本語訳をしてくれている。
WHOコロナウイルス報告書の日本語訳
WHO報告書の要約については、多分、CANさんのこのツイートが参考になる。
WHOによる「COVID-19のレポート」に含まれる重要な内容は
— CAN (@canchemistry) March 1, 2020
①新型コロナは、感染力・影響力ともに大きく、既知のウイルスと同じと思ってはいけない
②有効な手段は、「積極的な検査体制、早期の確定診断、感染者の隔離」
Report of the WHO-China Joint Mission on Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) pic.twitter.com/p5eVXyjHJZ
政府や与党、行政がデマを流し、市民が情報を提供しなければならないというこの事態。
政府も行政も全く信頼できない不安感がトイレットペーペー騒動が収まらない一番の原因だろう。
(前略)
本サイトの取材でも「安倍首相はとにかく自分の手ではじめて緊急事態宣言を出して、決断力をアピールしたいと考えている」という情報を得ている。つまり、『モーニングショー』の「後手後手批判払拭のため総理主導をアピールしたい」という見方は実際に出ているものなのだ。
(中略)
しかも、厚労省と内閣官房が偶然、同じようなタイミングで『モーニングショー』を槍玉にあげたとは考えにくく、安倍官邸が関係省庁に投稿の指示を出している可能性が高い。
(中略)
ようするに、『モーニングショー』や『Nスタ』、NHKが名指しされたのは見せしめで、「しっかり監視しているからな」「罰則もくわえるぞ」などと恫喝し、すべてのテレビ局・番組を萎縮させようとしているのだ。
(中略)
いや、さらに問題なのは、メディアに携わる人間たちがこうした官製デマ・報道圧力に対し、同調していることだ。
政府批判が高まる中、内閣官房がTV番組を名指しで反論ツイートするという異常な事が起きました。しかしその内容が総理の発言とも矛盾しているというお粗末さ。
— HOM55 (@HON5437) March 7, 2020
内閣官房と安倍晋三があまりに無能すぎて、もはや政府見解を統一する事すらできてません。これが無能の現実です。 pic.twitter.com/s3lHVN4BwA
明らかになった重要な点が2つ。
— 望月優大 (@hirokim21) March 6, 2020
①政府の様々なアカウントがメディアに対して一斉に反論ツイートを始めたのは、「首相官邸」からの「事実と異なる報道には反論」せよという指示が理由だった。
②しかし、その政府からの反論には「事実と異なる」虚偽の情報が含まれていた。https://t.co/Yc67UekvsT
暗澹とさせられるのは、Twitter Japan は政権寄りと言われているが、BuzzFeedの岩永記者などは露骨な安倍政権応援団ではないということだ。要するに「中立」「冷静」だというようなポジションをとる記者が官製デマに乗っかり、安倍首相の新型コロナ対応への批判を封じ込める役割を果たしているのだ。
— ゆみ (@yumidesu_4649) March 7, 2020
この有様では、安倍政権に対する批判はどんどん小さくなり、正当な批判・論評さえも「メディアがヒステリックなだけ」「テレビが煽りすぎなのが問題」などと矮小化されていくのは目に見えている。いま必要なのは、官製情報を疑い、このあからさまな安倍官邸によるメディア圧力を跳ね返すことの方だ。
— ゆみ (@yumidesu_4649) March 7, 2020
自民党、安倍内閣を倒さないと日本が倒れる。
— 原口 一博 (@kharaguchi) March 6, 2020
特定の番組を名指しで封じ込めようとし始めた。言論の自由もなくなった国。人々は、感染しても検査さえ受けられない。
自由も経済活動も封殺されて海外からも来るなと言われる。生きる場、行き場のない #バカの国 では #COVIDー19 に勝てない。 https://t.co/u3YjWgq0jm pic.twitter.com/dylFrYPruh
今や引っ張りだこの元感染研研究員だった岡田晴恵教授がテレビ番組で「医療現場にマスクが足りない、まずは医療機関に重点的に配るべき」と発言したことを捉え、厚労省はあたかもそれがデマであるかのごときツイートを発しました。そのツイート内容に対し、名指しされたテレビ番組がさらに取材を行い、厚労省から「行き過ぎた表現だった」「訂正したい」とのコメントを引き出しました。結果的にデマを発していたのは厚労省側だったわけです。
しかもその厚労省のデマツイートに連動するように、自民党広報ツイッターがWHOの見解を引き合いに番組批判をしましたが、当のWHOの見解はむしろ番組の正当性を裏付けるもので、さらに内閣官房国際感染症対策調整室の公式ツイッターも総理の法案改正を擁護するツイートを出しましたが、その内容が何のことはない総理の見解と真逆で、この人達は何をやっているのだろうという無軌道ぶりです。深刻なのは、これまでさして安倍政権擁護ではなかった記者が、このたびは官製デマに乗っかり、言論弾圧に手を貸してしまったことでした。多くの識者がこの件を重く捉えています。
この汚物内閣を一刻も早く駆除しないと、助かる命も救われない。