メキシコ便り(72):メキシコ政府はロシアのワクチンを3200万人分を11月に調達 / 「道徳経済」を基本にしたメキシコ独自の「反負債危機戦略」とその効果

 AstraZenecaの治験保留により、メキシコとアルゼンチンがAstraZenecaとオクスフォードと提携し、ラテンアメリカにワクチンを供給する計画が怪しくなってきました。AstraZeneca治験保留ニュースの直後、同日夜メキシコ政府はロシアのワクチン、3200万人分を11月に調達することを発表。AstraZeneca よりロシアのワクチンが先に調達されることになりワクチン計画どんでん返し!実は、アメリカがAstraZenecaのワクチンを大統領選挙前に欲しいということで、メキシコへの調達は3〜4月の予定になっていました。ロペス・オブラドール大統領は良いワクチンを、より早く国民に届けたい。そこにAstraZenecaのワクチンの先行きが怪しくなった今、メキシコ政府の決断はものすごく早かった!👏👏👏「政治はタイミングがとても大切」だとよく大統領が言っている意味がよくわかりました。実は9月4日の時点で、すでにロシアからメキシコにワクチン製造の提携依頼を頂いていたらしい。。。

 ユーチューバーのナチョさんによると、メキシコとAstraZenecaのワクチンには裏話があって、このコラボ案を最初に提案した人は、以前、世界一の大金持ちになったことがあるSlim氏(スリム)。スリム氏は政府を飛び越え、勝手にAstraZenecaやアルゼンチン大統領と直接話し合いをし、その後、7月にUSMCA条約の式典の招待客としてアメリカ訪問の際、ロペス・オブラドール大統領にこの話を相談したらしい。(あ〜、順番がちがうじゃん!😩)メキシコ政府はそれがあまり気に食わなかったと。。。でもワクチンは至急必要、すでに話がまとまってきているということでそのような流れになったよう。

 さて、本題です。今回は、現在のメキシコ経済を9月1日今年第2回目の大統領の政府報告演説より抜き取ってまとめてみました。大統領はメキシコ独自の「反負債危機戦略」の特許を取ると言っています。「道徳経済」を基本にしたMade in Mexicoの「反負債危機戦略」で、メキシコはV字回復しているようです⭐️
(popoちゃん)
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メキシコ便り(72):メキシコ政府はロシアのワクチンを3200万人分を11月に調達 / 「道徳経済」を基本にしたメキシコ独自の「反負債危機戦略」とその効果

2020年第2回政府報告演説


9月1日は国立宮殿の中庭で招待客を80名弱に絞りそれぞれ社会的距離を保ちつつ、ロペス・オブラドール大統領は今年2回目政府報告演説をしました。

毎朝(月〜金)大統領のプレス・コンファレンスを見ていると、あえて新しいことが報告演説で出てくることはありません。それだけ日々国民にすべてを情報開示しているロペス・オブラドール政権。大統領は日頃から透明性信頼を築く」と言い、とにかくすべてを開示してくれます。国民から求められるもの、求められなくても必要だと感じるものはすべて。。。

9月1日、第2回政府報告演説動画


演説は「汚職撲滅は前進している」改革とは、道徳を大切にすること」汚職掃除と政府の倹約でメキシコはすでに5600億ペソ2兆7000億円節約したと始まり、コロナ危機と経済危機という2つの危機、最悪時の最高の政府(不幸中の幸い?)であるとアピール。メキシコでは1932年以来の危機らしい。そしてコロナ禍での医療施設増設、医療専門家の増員、医療崩壊回避の成果を語りました。

(ツイート意訳)
 アムロ大統領:汚職掃除と政府の倹約で5600億ペソを節約


反債務危機戦略


このコロナ・パンデミックでメキシコは外貨はもちろん自国通貨でも新たな借金を一切することなく、仲介なしに直接貧しい人々から援助し、つまりピラミッドの下からお金を直接注入し、それが上の人たちにも広がり潤うというメキシコ独自のやり方が正しかったことが証明されつつあるとのこと。

*大統領は以前、「コロナ危機対策で下から70〜75%(中の中流)まで援助を届けた。」と言っていました。メキシコの50%は貧困層。

演説の所々意訳:

「世界の大半が、企業、金融機関救済のために国が借金をし、上層部を援助する方法をとったが、残念ながらお金はコロナのように伝染し浸透することはなく、上層部で止まってしまう。」

「私は国が借金をしてくれと頼まれましたが、頑なに「ノー」と断りました。汚職撲滅と可能な限りの政府の節約で出費を減少しました。」

「コロナ・パンデミックが終わったとき、評価の時が来るでしょう。私はメキシコが世界の見本になっていることを期待します。そしてこのワクチン(反債務危機戦略)の特許を取ります。」

(ツイート意訳)
 反債務危機戦略、私たちは特許を取得します:アムロ大統領

参考までに、メキシコの負債は自国通貨ではなくアメリカドルのようです。

「反債務危機戦略」はMade in Mexicoの「道徳経済」*を基本にしているとのこと。

*大企業など体力のあるところにお金を流すのは道徳に反していて、本当にお金が必要な、救済が必要な人のところにお金を流すことが道徳的だと大統領は言っています。(上の演説動画の25分あたり)

大統領の軸はいつも「愛」「道徳」「モラル」つまり✨「ヤマ・ニヤマ」✨ちなみに去年12月大統領は「道徳経済に向かって」という本を出版しています。

「道徳経済に向かって」著者:ロペス・オブラドール大統領


現在のメキシコの経済状況のざっくりまとめ


👉 食料不足なし、飢餓なし、強盗・略奪なし
👉 石油の値段、1バレルあたり$ー0 → $40に回復
👉 基本製品の消費 昨年より9.5%アップ⬆️
👉 税金徴収、海外直接投資、共に2019年と同じ
👉 経済衰退度 10.4%ダウン⬇️
👉 IMSS社会保険加入している正社員約2050万人のうち、コロナ禍で失業した人 約100万人。
  (社会保険に加入していないメキシコ人で失業した人も当然いる)
👉 メキシコの一番の歳入、アメリカに住むメキシコ人からの家族への仕送り
   昨年より10%アップ
⬆️
  (このお蔭で基礎製品の消費が落ちなかったらしい、1000万人のメキシコ人が生活費として平均約35,000円ほどの仕送りを受け取っているそう。Mexico Daily Newsより)
👉 ペソ回復傾向 コロナ真っ只中時1ドル=25ペソ → 1ドル=22ペソあたり
  現在1ドル=21ペソあたり(コロナ禍前は史上最強のペソになっていた。1ドル=約18ペソ)

INEGI(国立統計地理研究所)によると7月に150万人の雇用が回復

大統領は演説で「メキシコ経済はV字回復をしている」と言っていました。


世界で2番目に素晴らしい大統領らしい


朝のプレス・コンファレンスでも演説でもそう語ったロペス・オブラドール大統領。残念なことにどこの調査・統計なのか言わなかったのでソース不明!大統領は65〜70%の支持を維持しているらしい。(popoちゃんは、一番素晴らしい大統領がだれなのがとっても気になった!プーチン大統領かな?!)

(ツイート意訳)アムロ大統領「私は2番目に良い大統領です」

あくまでもpopoちゃん的な個人的感想ですが、たしかにこのコロナ・パンデミック、ロペス・オブラドール大統領のお蔭で穏やかに過ごせています。😌popoちゃんの旦那さまの会社でも、コロナ禍中3割の店舗で営業を続けられたため解雇せずになんとか乗り越えられ、現在はすでに雇用増加しているのでたしかに経済は回復しているように感じます。

最後にpopoちゃん夫婦の動画を見つけたのでご紹介♪(笑)
お蔭様でコロナ禍、夫婦仲良く過ごせています♪
竹下先生、シャンティ・フーラの皆さまに感謝。。。🙏。。。

popoちゃん夫婦では、右がpopoちゃん!

¡Viva Mexico!
(メキシコ万歳!)

(popoちゃん)

Writer

popoちゃん

メキシコ人夫とメキシコ在住中♪
新アムロ政権の勢いある改革ぶりを中心に
「今のメキシコ」をお届けいたします!

体癖5・9、ピッタ・カファ、エニアグラム7


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