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まみむのメモ(44)〈食べられる野草図鑑・春(3)〉
~ 目次 ~
ツクシ(土筆)・スギナ(杉菜)
時期 | 2月頃からツクシが出始め、3月〜4月ツクシが枯れる頃スギナが芽を出す。 |
場所・環境 | 日当たりの良い、痩せた酸性土を好む。 |
花 | 胞子茎であるツクシは頭頂の胞子嚢から胞子を飛ばす。 |
葉 | ツクシの袴と呼ばれるものが葉。同じ地下茎から栄養茎であるスギナが伸びて、杉の葉に似た線状の3〜5cmくらいの葉を節ごとに放射状に伸ばす。 |
実 | ツクシの胞子で繁殖。 |
根 | 地下茎が縦・横に伸びて繁殖。 |
見分けるポイント | 土筆(ツクシ)と書くように、ツクシの出始めは袴に包まれていて筆のように見える。ツクシの後に杉の葉に似た杉菜(スギナ)が生える。 |
間違えやすい毒草 | なし |
生え方 | 多年草 |
学名 | Equisetum equusは「馬」、setaは動植物の「剛毛」の意味。 |
科名・属名 | トクサ科・トクサ属(シダ植物門) |
採取方法 | ツクシは胞子が付いているうちにいただく方が薬効があります。スギナは新芽のうちは柔らかく、美味しくいただけます。大きく硬くなったスギナもお茶などに使えます。根も薬用などに使います。 |
あく抜き | ツクシの胞子のほろ苦さが美味しく感じられますが、苦手な人は下ゆで(薬効がなくなりますが)をします。 |
調理法 | ツクシの袴を取り除いて、油炒め、卵とじ、天ぷら、汁物、湯がいて酢の物、お浸しなど。 スギナは天ぷら、乾燥葉を乾煎りし手で揉んで(すりばちですりつぶして)細かくして、ごま塩やチリメンジャコなどを混ぜてふりかけに。乾燥させてスギナ茶に。 |
他の利用方法 | かゆみ止めに生のスギナをすり鉢で潰してガーゼに包んで汁をつけると良く効きます。特に皮膚が乾燥して起こる老人性皮膚掻痒症に良く効きます。全草いずれも煎じ液やスギナ風呂でアトピー性皮膚炎、うるしかぶれなどのかゆみ止めに。 |
効能 | ケイ酸(二酸化ケイ素+水)が3〜16%も含有するスギナの薬効は高く、ケイ素の驚く効果を「こんなにすごい!ケイ素の力!!数々の体験事例」で紹介されています。 またこちら【知識】驚異の薬効植物「スギナ」若返り、体質改善、超能力…?【ケイ素やソマチッドなど】でケイ素が脳下垂体や松果体を活性化し、現代人になるほど萎縮してなくしている動物が持っている直観力などの働きに有効と言います。そのほかにも生体活性に不可欠のミトコンドリアの活性化にも有効とのことです。 スギナの栄養成分は、カリウム=ほうれん草の約5倍、カルシウム=ごぼうの約15倍、マグネシウム=ほうれん草の約3倍、鉄=春菊の約7.5倍、亜鉛=ごぼうの約6倍、リン=ごぼうの約3倍、マンガン=長ねぎの約11倍など。 スギナ茶で胆石、腎臓結石、膀胱結石の排出作用。髪の毛や爪の発育促進、脱毛予防。リューマチ、関節炎、神経痛改善、関節強化。加齢によるケイ酸減少の補強に。むくみ、利尿作用、排尿困難や痛みにスギナ湿布とお茶が有効。高血圧症改善、スギナに多く含まれるカリウムがナトリウム排出。各種フラボン類、鉄、リン、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル、ケイ酸などが出血を止めたり、血圧を下げる効果、毛細血管の強化。去痰、鎮咳効果。ヨーロッパでは古くから解熱、ガン予防に用いられてきた。 |
その他 | カリウムが多いので1日1杯までとし、長く続けるのが良いようです。ごく微量のニコチンも含まれるので、飲みにくい場合や妊婦、赤ちゃんなどは避けたほうが無難です。 英名はホーステール(Field Horsetail, Common Horsetail)。 |
参照サイト・文献 |
・YouTube スギナを食う!スギナ料理5種! ・e-yakusou.com 薬用植物一覧表 ・ウィキペディア |
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[第3回] 地球の鼓動・野草便り 今、美味しい春の野草5種(1) [第6回] 地球の鼓動・野草便り 今、美味しい春の野草5種(4) |
タンポポ(蒲公英)
時期 | 在来種の花期は4〜5月で夏は休眠状態で秋に新芽を出す。 一般的によく見られる外来種のセイヨウタンポポは3〜9月まで花を見かけ、葉はほぼ1年中生えている。 |
場所・環境 | 都市周辺ではセイヨウタンポポなど外来種が多く、自然の残る野山ではシロバナタンポポなどの在来種がみられる。日当たりが良く、水はけが良い場所を好む。 |
花 | 花は朝開いて夕方には閉じて通常3日繰り返す。頭花は直径3.5〜5cmで両性の舌状花が半球状に集まって1本の花茎に1つの頭花をつける。舌状花は5枚の花びらの合弁花冠で、中心に雌しべと5本の雄しべが合着している。色は黄色いセイヨウタンポポや白いシロバナタンポポなどがあり、日本の在来種は約20種。種は風で飛ばすが、花粉は虫媒介。 |
葉 | 鋸歯状、やや丸みを帯びた葉など、変化の多い羽状の葉で、ロゼット状の根生葉。 |
実 | 一つの舌状花の下端に一つの子房があり、その上から白い冠毛が生えていて、後に冠毛が発達して球状になる。冠毛(綿毛)がついた種子が一つ一つ風に飛ばされて繁殖する。 |
根 | ごぼうのような直根が20〜50cmくらい伸びる。年数を重ねるほど立派な根になる。根を1cmくらい切って植えても繁殖できる。 |
見分けるポイント | 根生葉と花茎1本に1つの頭花をつける。花茎や葉の付け根の太い部分などの切り口から白い乳液を出す。外来種は花びらの下側を包む総苞片が反り返る。 タンポポモドキと呼ばれるブタナはロゼット状の葉がやや肉厚で全体に毛がはえている。ブタナの花は花茎が30〜100cmくらい長く伸び、枝分かれして頭花をつけるものが多い。原産地ヨーロッパではハーブとして食用になっていて、タンポポとよく似たほろ苦い味です。 |
間違えやすい毒草 | なし |
生え方 | 多年草 |
学名 | Taraxacum handiness タラクサクムはギリシャ語「苦痛を癒す」の語源からという説とアラビア語の「苦い草」からという説がある。 |
科名・属名 | キク科・タンポポ属、 |
採取方法 | 花、葉、根を食用に。花を薬酒に。根をタンポポコーヒーや薬酒、煎じ薬に。特に薬用には秋から早春の地上部の活動がない時期の根が良いとされます。 |
あく抜き | 12月〜4月頃の葉は苦味が少ないので、そのまま調理できます。それ以後は苦味がつよくなりますので、軽く塩茹でした方が美味しくいただけます。 |
調理法 | 花びら、葉をサラダに、下ゆでして酢の物、和え物に。葉の炒め物、お浸し、胡麻和えなど。全草天ぷら、根のキンピラ、根を刻んで干して炒ってタンポポコーヒーに、ノンカフェインなので、妊婦や子供でも飲めます。花、葉、根のアルコール漬けたんぽぽ酒、たんぽぽ茶に。 タンポポの花にレモンを入れて煮詰めるタンポポシロップをユリシスさんが紹介してくださっています。 |
他の利用方法 | 全草薬用に。子供の遊びに利用され、茎を切って両端を裂いて水につけると反り返り、松葉などを通して水車や風車に。綿毛を吹いて飛ばしたり、茎や花でネックレスや花輪などアクセサリーを作る。 |
効能 | 昔から民間薬として食毒や乳腫に、ヨーロッパでは健胃薬として用いられてきた。最近では抗がん作用の効果が薬理実験で認められ、女性ホルモンのエストロゲンホルモンよりさらに強いエストロゲン活性があり、根には肝臓浄化作用、胆汁合成促進作用、抗菌作用などの研究発表がある。 特に特徴的な薬効としてホルモンバランス改善、男性の精子、女性の卵子に有効で不妊改善効果があること。生理痛、生理不順などにも有効。 含まれる栄養素は炭水化物・ビタミンB群・ビタミンA・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンK・βカロチン・カリウム・マンガン・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・オレイン酸・リノレン酸・タンニンなどで、強壮、健胃、整腸、催乳、発汗、解熱、浄血、脚気、肝臓病、肝炎、黄疸(胆汁分泌の促進)、子宮の諸病、血の道、寝汗、喘息、心臓病、小便閉塞、貧血症、瘡腫(そうしゅ・皮膚にできる腫瘍)、むくみ、熱性の風邪などに有効。 茎・根などの白い乳液をいぼ、しもやけ、腫瘍などの外用に。またお酒に入れて飲用すれば、いぼ、できもの、乳腫、消化器系の潰瘍や食道癌に。 葉や根の生ジュースには抗菌作用があり、糖尿病や肝臓疾患、貧血などの改善に。 |
その他 | 在来種のたんぽぽは日本の気候風土に合った植生で、春に花が咲き、他の草が勢いがいい夏は発芽せず休眠状態になる。虫媒介で他の株から運ばれてきた花粉により受粉するので群生する。セイヨウタンポポは休眠がなく発芽し、1個体でもアボミクシス(無融合生殖)クローン種を作り繁殖できる。自然豊かな場所よりも都市部などで多く見られる。 英名はダンディライオン (dandelion) 。 |
参照サイト・文献 |
美貌録・タンポポ(たんぽぽ)の効能と効果、作用について e-yakusou.com 薬用植物一覧表 ウィキペディア こんなに違う!西洋タンポポと日本たんぽぽ【徹底比較】 大地の薬箱 食べる薬草事典 村上光太郎著 / 農山魚村文化協会 |
関連記事 | [第6回] 地球の鼓動・野草便り 今、美味しい春の野草5種(4) |
つくしの坊やが芽を出した
つくし誰の子スギナの子
土手の土 そっと上げて
つくしの坊やが 覗いたら
外は そよそよ 春の風
スギナ茶を以前シャンティ・フーラでプレゼントされていましたね。ブログで紹介されていますが、スギナの薬効の素晴らしさに改めて納得します。
タンポポも以前時事ブログで竹下先生が紹介されています。タンポポにも特に優れた薬効があるようですね。