昨日の記事で、“ロシア大統領府は、通貨ルーブルと金やその他商品の交換比率を固定することを検討していることを明らかにした。実現すれば約1世紀ぶりの「金本位制」復帰となる”とのことでした。
Kan Nishida氏は一連のツイートで、ロシアの「金本位制」復帰は、“アメリカ側にとって面倒な問題となりそう”だとして、分かりやすい解説をしています。
“現在アメリカのインフレ率は8.5%。欧米はどの国でも現在大きなインフレ圧力を抱えています。放っておいたら金の値段にも上昇していく圧力があります。…金と固定されているルーブルの世界では変化はない。しかし、ドルの世界では金と、さらにルーブルに対しても大きく価値が下がることを意味します。ドルで取引する西側諸国は、域外からの輸入品が高くなることを意味します。…ただでさえ食糧危機、エネルギー危機が騒がれています。中東、アフリカ、アジアの多くの国はロシアの穀物に頼っています。価値の下がっていくドルを保有し、取引に使い続けたいと思うのでしょうか。”と言っています。
恐らく、あるタイミングで対ロシア制裁に加担していない国は、次々に「BRICSが関与するデジタル決済通貨」に加盟することになり、ドルの崩壊というシナリオが現実味を帯びてきます。
Kan Nishida氏は、“軍需産業とネオコンに乗っ取られたバイデン政権は1手先まで考えるのが限界のようです。”と言っていますが同感で、彼らは今でも「核の先制攻撃」によってロシアを滅ぼせると思い込んでいるのではないかと思います。
ネオコンが多極化の世界を受け入れるはずがないので、ウクライナのナチス同様に殲滅されるよりないのですが、駐日ロシア連邦大使館がロシア国防省のトップニュースとして、「米国はロシアがウクライナで化学兵器、生物兵器、戦術核兵器を使用したと非難するために、3つのシナリオを用いることを計画している」とツイートしているように、彼らはこうした偽旗でロシアを悪魔化し、ロシアを不安定化することでプーチン大統領を倒そうとするでしょう。しかし、これがうまくいかなければ、「ロシアへの核先制攻撃」を正当化する偽旗を実行に移そうとするでしょう。
私たちが賢明で、例えばウクライナで虐殺が起きた場合に、“またネオコンが何かやったのか?”と思うなら、彼らのこうした偽旗は成功しないのですが…。
果たして、イランとアルゼンチンがBRICS加盟を申請し、他にも加盟希望国としてトルコ、サウジ、メキシコ、中央アジアが、さらにBRICS客員参加国にASEAN(東南アジア諸国連合)、モンゴルの名前があります。すでにBRICS5カ国はG7陣営のGDPを超えていますが、今後の成長のポテンシャルはBRICSの方がはるかに高いと思われます。遠藤誉氏は「一部の人間が儲かる戦争ビジネスか、それとも人類全体の経済発展か。世界はその分岐点に立っている。日本政府はその分岐点が見えていない。」と、盲目的にロシアを敵視する岸田政権に警鐘を鳴らしておられました。
6/15からロシアのサンクトペテルブルクで開催された国際経済フォーラムでは、NHKが閑古鳥を伝えたニュースとは裏腹に例年並みの盛況で、参加国「1割減」とされた内訳が、なんのことはない対露制裁をし、プーチンによって非友好国に指定された48の国々の中の13カ国だろうと遠藤誉氏が解説されていました。もちろん日本も招かれていません。このフォーラムで、ロシアは非西側諸国からなる「新世界G8」を提唱しました。GDP合計額を「旧世界G7」と比較すると「新世界G8」が24.4%上回っており、新旧の成長と衰退が鮮明です。また国連加盟国193カ国のうち対露制裁をしないのは145カ国、約75%の国々が「なぜアメリカだけは他国をいきなり攻撃しても許されるのか、どんなに残虐な形で他国の一般庶民を殺してもアメリカだけは非難されないのか」という怒りを共有していると、遠藤氏は冷静に述べています。「逆に言えば、人類の15%だけを世界と思っているのが日本なのだ。」とも。