トルコ軍がIS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILなどとも表記)を支援しているとアメリカのニューズウィーク誌が報じている。アメリカ、ペルシャ湾岸産油国、イスラエルと同じようにトルコがシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒すプロジェクトにトルコ政府が参加していることは本ブログでも指摘してきたことだが、
興味深いのは西側の「有力メディア」がこの事実に触れている点。
1999年にユーゴスラビアを先制攻撃した後にアフガニスタンを占領、2011年にはリビアを空爆、さらにシリアを攻撃しようとしたNATOにトルコは参加している。2003年にイラクを先制攻撃したのもNATOを主導するアメリカを中心とする軍隊だ。
イラク攻撃は「連合軍」を編成したが、総勢38万人のうち19万2000人がアメリカ、次いでイギリスが4万5000人。そのほか米英と同じアングロ・サクソン系のオーストラリアが2000人、ウクライナのクーデターで拠点になったウクライナが194人だった。このイラク攻撃でサダム・フセイン体制は倒されたが、これはネオコン/シオニストの悲願。
イスラエル/ネオコンは1980年代からイラクのサダム・フセインを排除しようと計画していたのだが、これは国務長官だったジェームズ・ベーカーをはじめとするグループの考え方とは逆。イスラエル/ネオコンはイラクを「親イスラエル体制」に作り替え、ヨルダンからトルコまでを「親イスラエル国帯」にしてシリアとイランを分断しようとしていたのだが、それに対してベーカーたちはフセインを湾岸産油国の防波堤と認識していた。
この対立は1988年の大統領選挙を前に休止するが、1991年の「湾岸戦争」で顕在化する。ベーカーが担いでいたジョージ・H・W・ブッシュ大統領はフセインを排除しないで休戦するのだが、これに怒ったのがポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)などのネオコンたち。
ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、ウォルフォウィッツは1991年の段階でシリア、イラン、イラクを殲滅すると話していた。その怒りが
1992年のDPG(国防計画指針)草案につながる。潜在的なライバルを潰し、資源を押さえ、アメリカの支配する新しい世界秩序を築こうというビジョンが描かれた内容で、草案作成の中心がウォルフォウィッツ次官だったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。
ジョー・バイデン米副大統領は10月2日、ハーバード大学でニューズウィーク誌と重なる主張を展開している。ISとの「戦いは長くかつ困難なものとなる。
この問題を作り出したのは中東におけるアメリカの同盟国、すなわちトルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦だ」と述べたのだ。
また、こうした国々はシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すため、反シリア政府軍へ何万トンもの武器、何億ドルもの資金を供給して中東を混乱させたと指摘、さらにトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は多くの戦闘員がシリアへ越境攻撃することを許してISを強大化させたと後悔していたと語っている。
おそらく、バイデンは「口を滑らせた」わけでなく、「後悔している」という表現はトルコに対する政治的な配慮だろう。
ISの後ろ盾になっているネオコン/シオニスト、サウジアラビア、カタール、イスラエルなどとアメリカのベーカー・グループはつばぜり合いを始めたように見える。
NSAが全世界の政府を監視していることは1972年にNSAの元分析官がランパート誌で明らかにしているが、
こうした事実を国のトップがアメリカの支配層に配慮しないで口にすることは注目に値する。
こうした覇権主義を前面に出しているのがネオコン/シオニストであり、「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」に基づく政策を彼らは打ち出している。この草案は2000年にネオコン系シンクタンクのPNACが公表した「米国防の再構築」につながり、ジョージ・W・ブッシュ政権はこの方針に従って中東への侵略と国内のファシズム化を進めた。
ネオコン/シオニストは西側のメディアを従え、彼らに都合の良い「仮想現実」を人びとに信じ込ませ、世界にカオスを広めている張本人。ロシアのウラジミル・プーチン大統領は「アメリカ」と表現しているが、
こうした行為を公然と批判し始めた。例えば、
10月24日にロシアのソチで開かれた「バルダイ国際討論クラブ」での発言。
今回のテーマは「新しいルールか、ルールなきゲームか」。1991年にソ連が消滅、アメリカとソ連が対立するという冷戦時代は終わり、それまでの国際秩序は崩壊したわけだが、その後の世界では
アメリカが「唯一の超大国」として身勝手な行動を始め、国際法は無視されてカオスが地球上に広がっていると語る。
アメリカは世界の支配者として振る舞い、そのためにビッグブラザー、つまりNSAを使って各国のリーダーを監視、脅迫しているとも指摘している。
こうしたカオスを生み出す行動と逆のことをしようとプーチンは呼びかけているように聞こえる。国際法や国際協定に従い、独善的な行動は止め、他者の権利を尊重して新しい相互依存体制を築いていこうというわけだ。
現在、ネオコン/シオニストを中心に集まっている勢力は長期的な見通しがなく、それに替わって自分たちに都合良く作り上げた「予定説」を信仰しているだけ。目先の利害には興味を持つが、哲学もなければ理念もない。
そうしたネオコン/シオニストをプーチンは公然と批判したわけだが、それだけでなく、
西側の一部支配層も彼らから離れ始めた可能性がある。ネオコン/シオニストに従属している安倍晋三のような人物を首相にしている日本が置かれた状況は「日独伊三国同盟」を結んだ当時と似ている。
2つ目の記事の、日本軍が略奪した宝石・貴金属コネクションの表の中にある人物は、全員が2代目裏天皇・堀川辰吉郎の部下です。具体的には堀川辰吉郎の直接の部下が岸信介。岸信介の部下が塚本素山、笹川良一。笹川良一の部下が児玉誉士夫。ジョージ・パーディは分け前をもらうことで、裏天皇側に寝返ったようです。記事によると塚本素山は創価学会初代顧問のようで、3つ目の記事と合わせて読むと、戦後日本の裏支配の様子がよくわかるものになっています。
岸、笹川、児玉は、CIAのエージェントであったというのは常識ですが、実際には日本が国力をつけなければアメリカからの独立は出来ないため、彼らと協力関係にあったわけで、2重スパイと言える存在です。彼らは全員、真の独立を目指す裏天皇に仕えていたからです。
戦後の裏支配の様子を理解しようとすると、CIA・統一教会のラインは、その様相の一端しか見ていないことになります。実際には創価学会は統一教会の下部組織であり、統一教会は北朝鮮と共に裏天皇に仕えていたのです。彼らは欧米の属国支配からの真の独立を模索していたわけです。堀川辰吉郎のことをきちんとしらべなければ、本当の歴史はわからないと思います。