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【パブリック・ディスカッション】 ダイレクトデモクラシーで市民はここまで社会を動かせる!!

 ダイレクトデモクラシーの伝道師といわれているお二人、エノ・シュミット氏とブルーノ・カウフマン氏が来日されました。
 スイスがダイレクトデモクラシーの国であるということは、五つ星運動のリカルド・フラカーロ氏の話で知ってはいましたが、今回お二人の話をいろいろとうかがい、とても感嘆しました。
 世界にはダイレクトデモクラシーをすでに実施している国、今まさに取り入れようとしている国など、すでに多くの国がいろいろな試みで民主主義を先行させているのです。
 スイスをみてみると、スイス国民は10万人の署名を集めることで、憲法改正の国民投票を発議することができます。そして行政は国民が下した決定に従わなければならないので、制度上、民意を無視して政府が横暴な政策を推し進めることができません。一見、当たり前な民主主義の話のようですが、今の日本が直面しているのはまさにこの「民意を無視して政府が横暴な政策を推し進めている」ことだ!と思い知らされます。
 また、台湾が今や最先端の直接民主社会になっているという話は初耳で驚きました。台湾の総統が、世界最先端の直接民主法を導入して、あっと言う間に台湾は最先端の直接民主社会になったとのことです。今年の一月に直接民主条項の実施法ができて、すでに15ものイニシャチブ(発議)がレファレンダム(国民投票)にかけられたそうです。政治のトップがまともだと、まともな社会になるということがわかる心強い話です。

 シュミット氏は語ります。
「ダイレクトデモクラシーで投票するということは、白黒を決める闘いではありません。普通の人たちから生まれたアイデアを公衆の議論にして、新しい規則を憲法の中に盛り込み、社会に新しい意義をつくりだして皆で深めていくのが民主主義です。社会に属する人たちのアイデアで社会を発展させる、これがスイスの民主主義のプロセスです。政府じゃなく市民が本当に主権者なのです。」

 まさしく民主主義の姿です。日本が属国であろうとも、権力を私物化する政権がなかなか退陣しなくとも、そして国民が腐敗したメディアにいかに洗脳されていようとも、現時点を出発点として、ダイレクトデモクラシーへの道筋を開き、国民が日本丸を操舵する未来へと向かうことはできるはずです。もう現政権による改憲はありえないでしょうから、本来の、直接民主条項を憲法に反映させるような話をしてもらいたいものです。

 カウフマン氏は語ります。
「スイスやスウェーデンを参考にするのもよいですが、今年から国民投票が始まった台湾を見ていればおもしろいはずです。どう変わっていくのか!わかるからです。そして"どうしてできない?"を"どうやったらできるか!"に切り換えることです。サポートする人はいます。私たちもそうです。」

 イタリアにて五つ星運動が第1党となり、そしてこのタイミングでダイレクトデモクラシーの伝道師が来日されたのは、"国民が主権者"であることへの"目覚めの合図"ともおもわれます。
(しんしん丸)
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ダイレクトデモクラシーで市民はここまで社会を動かせる!!

エノ・シュミット氏



 ドイツ人のシュミット氏は、スイスに住み、国民投票のシステムを知るにつけ”ドイツは民主主義が無い国だ!”と実感します。国民投票で決められたことについて、自分たちでつくって決めたことだから"守る!"という意識の違いに気づきます。たとえば歩道を自転車で走ってはいけないと決められたことも、ドイツではそうした一方的に決められたことを守る人はいませんが、スイスでは自分たちでつくって決めたことだからとちゃんと守ります。
 そしてシュミット氏は、史上初となるベーシックインカムの国民投票を実現します。結果としてベーシックインカムの発議は通りませんでしたが、これをきっかけに世界的な議論が巻き起こり、各地で導入の機運が高まることとなり、 アーティストでもあるシュミット氏のつくったベーシックインカムを紹介するムービーは20か国、200万人に視聴されました。

「国民投票は、その議案について対話することが大切です。一方的な結果を与えられるだけでは意味がありません。自分で考えて、決断することが大事であり、結果としてその議案が通らなくても、ハッピールーザー(幸福な敗者)なのです」

ブルーノ・カウフマン氏



 スイス人のカウフマン氏はスイスを離れスウェーデンに住んでいます。スイスの国民投票は海外に暮らしていても投票ができます。海外から投票する人は70万人いるそうです。そうした中で、スウェーデンでは国民投票のシステムが無く、実情に沿っていない改変すべき法律等を変えたいと国民がおもっても、国民発議の場がないという実態を痛感します。そこでカウフマン氏は市議会議員となり、スウェーデンの人々にスイスのダイレクトデモクラシーを紹介ました。そしてついには、スウェーデンにおいて国民投票の道が開かれることとなったのです。
 そして現在、ダイレクトデモクラシーの伝道師として、ダイレクトデモクラシーを様々な国に紹介しています。今もダイレクトデモクラシーを紹介して20ヶ国を廻る200日のワールドツアーを行っている最中とのことです。世界のダイレクトデモクラシーの運動をつなぐグローバル・フォーラムも主催しています。

 「国民投票は、すぐに結果を出すということが目的ではありません。紆余曲折しながら少しずつでも正しい方向に進んでいるということが大切です。」

 「国のルールとは、国民がつくっていくものです。ダイレクトデモクラシーは、話し合いで解決していくという有効なツールであり、国民の願いを叶えるための国民参加のインフラです。もしこの国民主権が無いとしたならば、闘って勝ち取るべきものです。」

 今回、カウフマン氏が著し世界各国語に翻訳されている『現代のダイレクトデモクラシーへのグローバル・パスポート』の日本語版も完成しました。(手のひら大で50ページ)

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イタリアで勝利した「五つ星運動」が教えてくれること(後編):長周新聞より

 既存の政治家も報道も全くアテにならないと知った「五つ星」が、自ら政党を立ち上げたのが2009年。生活者目線の達成可能な、しかしこれまでの政治では到底不可能な、5つの目標を掲げました。
 制度面では議員の特権を無くし、有罪判決を受けた政治家は国会を去ることを要求しましたが、よく考えると全くもって当たり前なのに、素晴らしく画期的に思えます。
「議員に選ばれたら給料を半減させることを承認できる」など、いくつかの党の条件をクリアすれば、誰でもオンラインで、しかも1ユーロも支払うことなく立候補できる!日本の高額な供託金制度を思うと、夢のように政治が身近で、事実、意欲的な立候補者が地方レベルから国政レベルまで、次々と議席を獲得していきました。
 党内作業での様々な検討に大活躍したのが、いくつものアプリです。子供達の自由な発案を形にしたようなユニークなシステムがたくさん紹介されます。党内の選挙でも直接民主主義を可能にし、党員達でマニフェスト作成ができる「ルッソ」、党員や市民が一緒に法案を作成できる「LEX」、全ての議員が提案した法案を話し合える「シェアリング」、無料の議員養成コースもある「E・LEARNING(学ぶ)」、「インターネットの盾」では弁護士が議員を法的に守る方法を検討し、そして最も重要なのが、政治運動の資金を集めるアプリです。「五つ星」は全て市民の少額寄付で成り立っているので、市民以外の大企業などからコントロールを受けることはないのです。 

 圧巻なのは、講演後の質疑応答でした。「五つ星」が単なる市民の寄せ集めではなく、しっかりした人間関係を築きつつ拡大してきたことが窺える、多くの新鮮な言葉があります。
 「五つ星」の成功にインターネットは欠かせないツールですが、しかし彼らは実際に広場に行き、人々と直接対話をすることも同じくらい重視します。「意見の違う人と話し合いたい場合、対面で話し合わなければ意思疎通ができない。」多くの人々と運動を作り上げてきた経験を垣間見るようです。
 どこにでも居る政治に無関心な人々に対しては、全く批判的ではなく「彼らは正しい。」と私達の目を覚まします。「無関心の人を動かすには、彼らに決定権を与えること。」
 「五つ星」が大きな共感を呼んだのは「偉大な政治的観念ではなかった。地域の最も素朴な問題を解決することからすべてが始まっていく。」つまりは「五つ星」に共感した人々の地道な活躍があったのでしょう。
 イタリアの難しさを物語る通貨について「イタリアは自分たちの貨幣を印刷する権限がない。貨幣をコントロールするものは、権力をもコントロールする。」しかし、この経済的な足枷すらも「五つ星」は粘り強く克服しそうです。
 前提として人間への絶対的な信頼を感じる「五つ星」ですが、しかしシビアな対策も持っています。
「邪悪な目的のため、または自分の利益のためだけに入ってくる人を追い出すシステムを作っている。私たちにとって外部からの攻撃よりも内部からの攻撃の方がダメージが大きいからだ。」これも幾多の苦い経験から得た知恵なのかもしれません。
 また、女性議員の割り当て枠を作ることは反対で、「私たちがなにもしなくても、選ばれた国会議員の50%が女性だった。」邪魔さえしなければ、おのずと女性に票が集まる現象を讃えて「女性というのは、本来、守られるべき(弱い)存在ではないのだ。」と、茶目っ気たっぷりです。
 やはりイタリアの国民性でしょうか、とどめはこれ。
「政治活動が退屈であってはいけないと思う。私たちの人生において、喜びや楽しみはとても重要なことなのだから。」
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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本当の市民革命をおこすには ーイタリアを席巻する五つ星運動を語るー
転載元)

直接民主主義の行使へ


 政党としての五つ星運動は2009年、聖フランシスコ記念日にあたる10月4日に結成された。五つ星は、

①公的な水源確保
②持続可能な公共交通手段
③環境保護
④インターネットアクセス権
⑤持続可能な成長

5つの大きなテーマを目標にしている。

 さらに議員の特権をなくすように要求した。市民の上に立って、自分たちが金もうけをするようなシステムを廃止し、有罪判決を受けた政治家が国会に参加できないように要求した。国政と市町村の議会が透明性を持つことも要求した。そして、市町村からはじめ、国政に至るまでいろいろなところで立候補者を擁立した。

 立候補者には、これまで見たことのない新しい人を立てた。まず犯罪歴のない人、議員に選ばれたら給与を半減させることを承認できる人、他のどの党にも属していない人、このような条件を満たした人は誰でもオンラインで立候補者として名乗り出ることを可能にした。履歴や考え方を動画などで投稿し、誰でも立候補できる。五つ星運動の党員たちは一ユーロも払うことなく、彼らに投票できるようにした。

 2010年には、市町村レベルの地方選挙に参加した。そのときに議員が34人、市長が4人選ばれた。2012年には南部シチリア州の州知事・議会選挙に参加し、14・9%の票を得た。そして2013年、つまり結党から4年後に国政総選挙に参加した。そこで私たちは約900万票、全体の25%にあたる票を得ることができた。

 そして私たちは、4200万ユーロ(約55億円)の公的な政党助成金の受けとりを拒否した。その後の総選挙で、下院議員89人、上院議員35人が当選した。その後、EU議会の議員として15人、市町村の議員96人、そして45人の市長を生み出した。現在は、市町村レベルで五つ星運動の党員としての議員は2000人以上いる。2016年には、トリノと首都ローマで、五つ星運動出身の2人の女性が新市長に選ばれた。

ローマ市長のビルジニア・ラッジョ(左)とトリノ市長のキアラ・アペンディーノ



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イタリアで勝利した「五つ星運動」が教えてくれること(前編):長周新聞より

 3月5日、イタリア総選挙の結果、新政党「五つ星運動」が躍進というニュースが流れました。以前に、しんしん丸様がイタリア社会の奇跡と紹介された、あの「五つ星運動」です。大手メディアからは単に「反体制派政党」「ポピュリズム(大衆迎合主義)」と決めつけられていますが、イタリア一国のみならず、EUそして日本にもインパクトのある出来事でした。長周新聞が見事、その本質に切り込んだ選挙解説をされました。また「五つ星運動」自体についても、その背景や運動の内容を丁寧に伝える記事があり、今の日本にとって大変参考になると思われます。2回に渡って、長周新聞からご紹介します。

 まず、今回の選挙について、リーマンショック後に典型的な経済植民地となり、貧困層が3倍になるほど痛めつけられたイタリア国民が、右派左派どちらに転んでも「IMF、EU、欧州中央銀行(ECB)の内政干渉政権」になるのが二大政党制だと理解し、腐敗と汚職の政権を拒否して、国民が直接政治に参加する政治制度を求めて選んだのがこの「五つ星運動」でした。「五つ星」は、2009年から政党となり、またたく間に地方議員や市長、州知事を送り出すなど急速に勢力を拡大し、今回は総選挙での勝利に至りました。
 では、「五つ星」は新星のように現れて、いきなり成功したのでしょうか。
来日したリカルド・フラカーロ氏の講演内容は、様々な示唆と人間洞察に満ちた「五つ星」の経過が語られます。まずは、政党に到るまでの軌跡を見ますと、、。
 そも市民革命が成功する背景には、歴史的に2つの要素、エネルギーと情報の革新があると言います。今はまさに再生可能エネルギーとインターネットが新時代への革新的要素ですが、「五つ星」躍進にも、この2つは重要でした。
 またイタリアでは「情報を得て、問題意識を持ち、その解決策を自分の頭で考えることができるのに、自分たちでその解決策を実現することができない」という日本でもおなじみの政治状況に苦しみ、具体的には、本来国民の使用人である議員が、国民に仕えることなく汚職で権力を濫用し、国民に主権がないことへの不満が高まっていました。
 そんな時、人気のコメディアンが政権批判を理由にテレビ業界から追放され、独自のショーで人々を揺さぶり始めました。多くの人々を啓発していたところに、IT専門家と出会い、ショーの対象は一気に世界規模となりました。しかも一方的に発信するのではなく、市民同士がネット空間で議論や協力をし、さらにはそれらを現実の世界へ移して政治的提案を作成し、政治家たちへ働きかけました。まさに草の根からの大規模なムーヴメントを何度も起こしました。ところが、政治家もメディアも全く動かない。それを知った国民は、当初自分達が政治家になるなど考えていなかったのに、ついに政党を結成して直接働きかける手段を選びました。コアとなる二人の勇敢な創設者がいてくれたラッキーはもちろんありますが、政治的無力に諦めないイタリア国民の熱い思いが、「五つ星」を運動から政党へ育て上げました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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イタリア総選挙 既存政党凋落のもとで五つ星運動が第1党に躍進
転載元)

首相候補のルイジ・ディマイオ(中央・31歳)と元党首のベッペ・グリッロ(左)


 イタリアで4日におこなわれた総選挙で、新政党「五つ星運動」が上下両院で最多議席を確保し、第1党に躍進した。
(中略)

だが、今回の選挙からは40%以上を得票した政党に自動的に過半数議席が与えられる「ボーナス制度」が廃止されたため、政党単独で過半数(158議席)に届かない場合は政党間の協議による連立政権を模索することになる。この選挙制度の改定は、国民的な支持を広げて躍進する五つ星運動などの新興勢力に政権を奪われることを危惧した民主党や右派連合の二大政党が推進し、昨年成立させていた。

今回の総選挙は、表面上対立する格好をとりながら国民を欺瞞してきた左右の既存政党と、その政治構造の根本的な変革を求める国民世論との対決となった。

 イタリアでは、リーマン・ショック後の金融危機で財政が悪化し、中道右派のベルルスコーニ政府のもとで2011年11月にIMF(国際通貨基金)の監視下に入り、二大政党の片方を担ってきた民主党政府に移行してからも、政治中枢をIMF、EU、欧州中央銀行(ECB)の通称「トロイカ」関係者が握り、国民の主権を無視した徹底した緊縮策を実行してきた。

貧困層は10年で3倍に膨れあがり、全人口の8%に及ぶ500万人が生活必需品すら買う経済力がないほどになり、IMFは昨年、「国民の29%が貧困層に転落する」との調査結果を報告している。周辺国からの移民流入に加え、イタリア人自身が移民となって欧州各地や中国、米国へと移住する事態が社会問題となっている。

(中略)

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イタリア社会の奇跡!「五つ星運動」のリーダー、リカルド氏が来日しました!

 先日の元農林水産大臣、山田正彦氏のインタビューにて紹介されていたイタリアの『五つ星運動』のリーダー、リカルド・フラカーロ氏が来日しました。
 政治腐敗の著しいイタリアで、「政治はみんなでやれる!」と直接民主社会を目指している『五つ星運動』。ミートアップというSNSで人々は話しあい、カフェで議論を深めたのです。そしてオンラインで130万もの署名を集めるまでになりますが、その提案が受け入れられることはありませんでした。そこで五つ星運動は政界に進出したのです。政党助成金は拒否し、企業からの献金も受けず、市民に雇われた政党として急速に支持を広げてきました。前回の総選挙では1人3000円ほどの市民からの支援だけを基にして臨みました。現在、政党支持率で第1党と拮抗するまでになり、来年早々に実施される総選挙で政権獲得の期待が高まっています。
 一方日本では、今や多国籍企業の思惑通りに種子法が廃止され(2018年3月いっぱいで廃止)、水道法改正もすでに危ない状況です。タミフルは野放しで、マスコミによる洗脳はひどいもの。肝心の政治家は?な輩どもが跋扈しています。しかしこうした渦中でこそ、進むべき光の道が鮮明に見えるものです。
 イタリアからやってきた『五つ星運動』は、"もう一度人々が意思決定プロセスに参加できるようにする"という運動です。一人ひとりが尊厳を取り戻し、主権を回復するための社会運動なのです。
 「お金が無い方が政治ができる」と清々しく喝破するリカルド氏!
ヴァイシャ支配から脱した政治家!いよいよの登場です。

 11/26、都内の古民家においてリカルド氏の講演会がありました。ヴィナイオッティマーナに続いてのイタリアの風です。
(しんしん丸)
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徹底したEデモクラシー運動、わずか10年たらずで支持率トップへ!!



 イタリアの地で、五つ星運動に感銘を受けた元農林水産大臣の山田正彦氏が、日本にぜひとも五つ星運動を紹介したい!と五つ星運動のリーダー、リカルド・フラカーロ氏にお声掛けしました。そしてそのおもいに応えて、今回リカルド氏が来日されました。


 日本に着くなりの会場入りで、五つ星運動のこれまでの経緯を2時間、質疑応答を1時間半お話されました。


☆ダイレクト・デモクラシー(直接民主)は答えになり得ます。

もう一度人々が意思決定プロセスに参加できるようにする。この方法だけが、人々が自分は大事な存在だと感じられます。未来の一部になることができコミュニティーの一部になれます。

直接民主は答えですが、よい方法で使わなければなりません。誰もこのことを話しませんが、参加プロセスで少ない人数というのも必要です。大きな数だと人々は、違いがないと感じてしまいます。自分の一票はどうでもよいと。だから地域レベルから始めないといけません。信頼をもう一度つくるために。

五つ星運動が、地域の組織化にフォーカスしたのは完璧でした。民主主義を具現化するには地域レベルからなのです。実際のコミュニティーで一緒にやること。地域レベルからしか参加プロセスはできないし、病んだ社会を癒せません。また、ダイレクト・デモクラシーが政党の手段のようになったら、まったく機能しません。

・新しい社会運動として何をすべきか?地域レベルから始めて、経験を共有して、コミュニケーションの新しい方法を見いだし混ぜ合わせることです。

ボトム(底)から

☆五つ星運動とは


五つ星運動とは、2009年に人気コメディアンで世界屈指のブロガーでもあるベッペ・グリッロと、起業家のジャンロベルト・カザレッジョによって開始された直接民主社会をつくる運動です。

・党名の由来であり、シンボルでもある五つの星は社会が守り抜くべき概念(発展・水資源・持続可能性のある交通・環境主義・インターネット社会)を指している。

・2012年に政界に進出。パルマなどの自治体で首長ポスト、南部シチリア州にて比較第1党となる。

・2013年イタリア総選挙では、単独政党としては第2党となる。

・反派閥政治、反政党政治の観点から連立政権に加わらないことを決める。

・2014年欧州議会への進出。

・2016年、ローマとトリノで2人の女性市長が誕生。世論調査で政党支持率トップに。

・2017年、五つ星運動の躍進阻止のため選挙法が改正される。
(講演の参考資料より抜粋)

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