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大量の太陽光パネルの廃棄問題、メーカーにリサイクル費用を義務付ける方針だった政府が急に義務化見送り / 95%リサイクルし輸入に頼らない太陽光パネルの開発に成功した企業の社長が急逝

 環境省と経産省は、太陽光パネルのリサイクルをメーカーに義務付ける法案を今国会に提出する方針でしたが、8月29日、浅尾慶一郎環境大臣は「太陽光パネルの適正な廃棄・リサイクルの制度的対応については、制度案の見直しを視野に入れて検討作業を進めることとした」と発表し、事実上、リサイクル義務化を断念しました。「自動車や家電のリサイクルは所有者負担で、太陽光パネルのみ製造業者負担にするのは合理的でない」と内閣法制局が判断したと報じられています。太陽光パネルは2030年代後半以降に大量のパネルが寿命となり廃棄される見通しです。提出予定の法案に、土壇場で内閣法制局からのダメ出しとは妙な手順です。
 昨今、メガソーラー設置による環境破壊が大問題になっていますが、パネル廃棄の際のメーカー負担も見送られました。
 国内には「技術力・市場規模ともに世界トップクラス」の、使用済み太陽光パネルのリサイクル業者が存在し、その工程も取材されていました。今回の政府の「リサイクル義務化を見送った決定は、国内産業の成長機会を潰すだけでなく、中国をはじめとする海外メーカーに有利に働く結果となった。 地球環境を守るどころか、国益を損ね、競争力を削ぐ選択をしたと言わざるを得ない。」と、「あいひん」さんが投稿されていました。
 また気になる情報がありました。岡山県新見市に新見ソーラーカンパニーという会社があり、「CO2を出さず太陽光パネルを95%リサイクルできる熱分解装置を完成。1号機は2025年に引き渡し予定。廃棄太陽光パネルから新しい太陽光パネルをつくる水平リサイクルの実現を目標にしている」「海外からの輸入に依存している太陽光パネルを国内で半永久的に循環でき、電気を半永久的に自給自足できる"日の丸リボーンソーラー"」という商品を開発していました。その新見ソーラーカンパニーの佐久本秀行社長の急逝が8月29日に会社から伝えられていました。
(まのじ)
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太陽光パネルのリサイクル断念 コストに課題…負担は誰が 「再エネ拡大阻害」懸念も【知ってもっと】【グッド!モーニング】(2025年8月30日)
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北海道ニセコ町の水源地が自治体から取り上げられる危機的裁判 〜 ニセコ町の8割の水道水源を守る嘆願のオンライン署名は8月25日まで / 前原こうしょく町議の地方からの改革案

 北海道ニセコ町の前原こうしょく町議が、原口一博議員との対談の中で、ニセコ町の水源地の問題を語っておられました(40:10〜)。ニセコ町の8割の水を担っている水源地が今、民間と裁判になっているそうです。現在ニセコ町が所有している水源地は、かつて転売の途中に地面師的な取引があり、売買無効で返還して欲しいという訴えのようです、しかし、ニセコ町としては正式に購入しており、もしこの裁判でニセコ町が負けてしまうと、この判例をもとにして全国的に公共の土地を失う危険があると言っています。地域の問題としても、大切な水源地が自治体から切り離されてしまえば、開発される危険にさらされるという大変な問題に直面しています。
 現在、ニセコ町は「ニセコ町水道水源を守る嘆願署名のお願い」というオンライン署名を募っており、締切は8月25日です。
 この話題の流れで、前原町議から原口議員に「国レベルで太陽光パネルの補助金を止めてほしい。なぜかというと、ニセコ町はSGDsの姉妹都市なので補助金を今9億円持っている。還付率は50%で18億円まで使える。情けないことに役場にソーラーパネルを設置したが、役場の電気量が約20万kw、ソーラーパネルでまかなえる電気はたった5万kw(年間130万円分)。ソーラーパネルの設置費用は補助金がつくのでニセコ町の負担は730万円だが、全体の設置費用はなんと5000万円。ニセコ町の負担730万円以外の4270万円は国民全体に負担させていることになる。北海道は半年は雪で発電できないのに、20年しか持たないソーラーパネルを設置するのは補助金目当てだ。政治が固定して動かない地方の町村は、外資に狙われやすいという現実がある。」と訴えていました。
 前原町議は「一番やりたいのは、国会議員と地方議員とで国策草案を作ること。人口が縮小していく日本でも、無理に経済を追い求めずに、無理に人口を増やさずに、交付金を狙わずに、地方自治体を小さくしながらでも街を美しく保てるようなことをやりたい。
 全国の926町村は同じ課題を持っている。人口数3000から1万8000人、予算は35億円くらいから200億円以下。これらを全て合わせると一般会計が8兆2000万円くらいで、東京都と同等のボリュームになる。東京都のトップの利権はなかなか動かせないが、町村の利権は50人100人の住民が本気でクレームを出せば変わる。全国の926町村のボトムアップで変えていける。そうなれば国会議員の地方への分配利権を崩せる(59:00〜)」と、ダイナミックな提案をされていました。
(まのじ)
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緊急コラボLive ニセコ町議前原こうしょくさんと。 【始動!地方議会Gメン】#ゆうこく連合
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「ニセコ町水道水源を守る嘆願署名」のお願い
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ニセコ町からのお願いです

 日頃よりニセコ町まちづくりの推進にご尽力を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、ニセコ町は、平成25年に正規の売買契約に基づいて取得した土地(水道水源保護地域)について、過去の所有者(今から17年前の4社前の所有者)から、第三者が無断で売買した土地であるとの主張から、所有権の返還を求められ、現在裁判で争っています。そこで、水道水源を守るため、ご賛同頂ける皆さんの民意を、嘆願署名という形で収集し、札幌高等裁判所裁判官へお示したいと考えております。
 つきましては、下記からダウンロードできます「ニセコ町水道水源を守る嘆願署名」にご賛同頂けましたら、お名前とご住所を入力頂き、オンライン署名を頂けますと幸いです。皆様から頂戴したご署名は、責任をもって、札幌高等裁判所裁判官へお渡しさせて頂きます。
 なお、ニセコ町民全世帯へは、署名をお願いする書類一式を既に郵送しています。
  
※ニセコ町の嘆願にご賛同頂ける方は、どなたでもオンライン署名して頂けます
※オンライン署名の画面で「北海道から略さずに、、」と記載ありますが、北海道以外でも署名可能です
※第1審岩内地方裁判所ではニセコ町が敗訴判決。控訴し現在は第2審札幌高等裁判所で審議しています
※第2審で裁判中ですので裁判の詳細はお伝えできません。ご理解頂きますようお願いいたします
※オンライン署名受付期間は令和7年8月8日(金)から8月25日(月)までです
※紙媒体で嘆願署名を提出済みの方は、重複してオンライン署名はできません
「オンライン署名」はこちらからお願いします
ダウンロード「ニセコ町水道水源を守る嘆願署名」(PDF形式:142KB)

ニューサウスウェールズ大学による太陽光パネルの研究 〜 大規模気象シミュレーションでは「真夏のピーク気温が最大1.4度、地表温度が2.3度も上昇」/ 東京都の太陽光パネル義務化は罰則なし

 Alzhackerさんが紹介されていた太陽光パネルに関する研究です。
2023年のオーストラリア・ニューサウスウェールズ大学による「都市屋上太陽光パネルの局所温暖化ポテンシャルについて」という研究で、「エコの看板を掲げながら都市を1.4度も加熱する太陽光パネル、そして都市住民への健康リスク」というサブタイトルがあります。
 シドニー全域で実施された大規模気象シミュレーションでは、「屋根面積の100%に太陽光パネルを設置した場合、真夏のピーク気温が最大1.4度、地表温度が2.3度も上昇することが判明した」とあります。「現在のパネル発電効率はわずか16-20%で、残り80%以上は無駄な熱として放出される」、ということは、日中70度に達した温度がパネルの両面から無駄に放出されることになります。
さらに太陽光パネル設置は、国土交通省が推奨した「高反射率クール屋根」の温暖化抑制効果を完全に台無しにするそうです。「納税者の税金で推進されたクールルーフ政策を、同じ政府が推進する太陽光パネル政策が台無しにする茶番劇」だと言っています。
 論文では「80%以上のエネルギーを無駄な熱として放出する技術が、そもそも都市環境に適していない」「『脱炭素』という名目に隠された利権構造の犠牲者が都市住民だ」と結論づけています。
 東京都では「新築戸建て住宅に太陽光パネルの設置などを原則義務づける条例が施行」と問題になりましたが、これはハウスメーカーへの義務づけで、しかも罰則はないそうです。施主さんが望まないのであれば、自然災害に弱く、火災消火時に危険で、平時はやたらと熱い太陽光パネルは拒否できます。
(まのじ)
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釧路湿原には600ヶ所の太陽光発電施設があり、今後も駆け込み建設の見込み / 利権と対立する環境保護

 北海道の釧路湿原にメガソーラーの建設が相次いでいるという報道です。釧路湿原は希少な生物の宝庫として有名ですが、2012年に25ヶ所だった太陽光発電施設は、2025年6月には600ヶ所に増えていました。
 釧路市は「自然環境と調和がなされない太陽光発電施設の設置を望まない」というノーモアメガソーラー宣言を出し、9月にはメガソーラー建設を許可制にして規制する条例案を提出するなど環境保護を重視していますが、それでも駆け込みの施設建設を止めることはできないようです。番組で取り上げられていた業者は4.2ヘクタールの土地に6600枚のパネルを設置する工事を予定し、「建設現場にはタンチョウやオジロワシ、キタサンショウウオは生息していない」という専門家の調査結果をお墨付きに工事を始めました。しかしその調査結果は釧路市立博物館が環境保全を確認できるものではなかったようです。
 さらに、仮に建設予定地内には生息の実態が無かったとしても、近隣の生物たちへの影響が無いとは証明できません。「工事による音や視覚的な悪影響は事業敷地だけではなく、工事現場の周囲に及ぶのは常識で、通常は事業地から半径1~2kmの範囲で専門的な調査を行い、その結果に基づいて建設の是非や影響の緩和策を検討するのが常識」という猛禽類医学研究所の指摘に説得力を感じます。人間だってメガソーラーのそばには住みたくありません。
 建設工事段階からすでに希少生物への影響が懸念されていますが、それだけでなく将来的に耐用年数を終えた廃棄パネル問題も浮上しています。パネルの残骸が湿原を埋め尽くす懸念とその処理費用の積み立てが議会で検討されていました。
 釧路湿原は1980年代に「原野商法」と呼ばれる、値上がりの見込みのない土地を高値で売りつける詐欺商法の舞台となりました。原野の所有者たちにとって実際の土地の評価額の10倍もの値段で買い取ってくれるメガソーラー事業者は「本当に嬉しかった」存在だったようです。
 釧路湿原のメガソーラー問題は、利権と自然環境のどちらを優先する世界を選ぶのか、日本人が天に問われているような気がします。
(まのじ)
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ノーモアメガソーラー宣言の釧路市貴重な生物や環境の保護か?再生可能エネルギー推進か?
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釧路湿原周辺の太陽光発電施設問題 市長が『ノーモアメガソーラー宣言』 その効果は?
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広島大学が開発した「メカノス法」は室温で50cm程の小型装置で、水素生成速度を300倍加速させ、海水からも高効率に水素を製造でき、CO2を排出しないという画期的なもの

竹下雅敏氏からの情報です。
 これまでなら高温で大規模な設備が必要だった水素の生成に、広島大学が開発した「メカノス法」では、室温で50cm程の小型装置で大量の水素生成が可能だということです。
 この驚くべき発見は、ボールミルを用いた金属ナノ粒子合成中に偶然に見いだされたもので、水素生成速度を300倍加速させ、海水からも高効率に水素を製造でき、CO2を排出しないという画期的なものです。
 “水素製造といえば、高温・高圧が必要で、大規模なプラントを建設しなければならないのが当たり前と考えられていました。しかし、メカノス法はこの常識を覆し、常温・常圧・低エネルギーで水素を製造する新たな可能性を提示したのです。もし、この技術が商業化されれば、水素社会の実現は大幅に加速するでしょう(11分27秒)。…日本は現在、エネルギー自給率が低く、約90%のエネルギーを海外からの輸入に依存しているのが現状です。しかし、もしメカノス法が商業化されれば、日本国内で水と金属さえあれば水素を作り出せるため、エネルギー自給率を劇的に向上させることが可能になります。これは、エネルギー安全保障の面でも極めて大きな意味を持ちます。特に、地政学的リスクが高まる中、日本が独自のエネルギー供給源を確保することは、国家戦略としても重要です。(20分37秒)”と動画では説明しています。
 “続きはこちらから”の記事は、広島大学がイギリス王立化学会発行の学術誌に掲載した論文を紹介したものです。
 広島大学が開発した「メカノス法」では、金属と水の反応が連続的に持続する仕組みになっています。ボールミルは円筒形の容器の内部に複数のセラミックなどの球状のボールを入れて回転させる装置です。水、金属粉末、粉砕ボールを入れて回転させるのですが、金属粉末にチタンを用いると「水素製造の収率は1,600%に及んだ」ということです。
 そのメカニズムですが、こちらの動画の説明によると、ボールミルの回転によって微細化されたチタン粉末は表面積の増大によって反応性が高まり、水との接触面で酸化が進みやすくなります。チタンが水と反応して酸化され水素を発生させた後、酸化チタンがボールミル装置の内壁に使われているタングステンと反応し、タングステンが酸化チタンの酸素を奪い取る反応が生じます。これにより、酸化チタンが再び還元されるのです。
 広島大学の引用元の記事には、“その反応メカニズムは、反応で生じたチタン酸化物がボールミルの物質(タングステンカーバイドまたはステンレス)により還元され、再生したTi(チタン)が水と反応し水素製造を繰り返す”とあります。
 また、水素の発生量が劇的に増加する理由として、水の超臨界状態が一時的かつ局所的に発生することが確認されているということです。超臨界水とは、温度と圧力が一定の臨界点を超えたときに現れる水の特殊な状態です。ボールミル内部で、極めて短時間・局所的に高温高圧の状態が生まれ、反応性が飛躍的に向上するということです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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歴史的瞬間! 広島大学が世界を変える『水素革命』を実現!?専門家は「中国にこの技術を盗ませてはならない」と警告
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