注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
最新の世論調査の結果、アメリカ軍の4分の1が、先の大統領選挙で当選したトランプ氏が行政権を掌握した際に、軍の規約や法規に反する命令を出すことを懸念しています。
ロシア・スプートニク通信によりますと、19日土曜に発表された、アメリカ軍の新聞ミリタリー・タイムズと、アメリカの退役軍人および現役軍人の家族の共同調査の結果、現役のアメリカ軍職員の27%が、自分たちの職務やポストにトランプ氏がマイナスの影響を及ぼすと考えている、ということです。
この調査ではまた、アメリカ軍兵士の39%が、トランプ大統領の在任期間について懸念を示しているとされています。
トランプ氏の大統領就任式は、来年1月にアメリカ・ワシントンで開催されます。
アメリカ国民は最近、共和党であるトランプ氏の立場に抗議し、国内各地で抗議デモを行っています。
アメリカ人ジャーナリストが、「トランプ次期大統領とフリン国家安全保障担当補佐官は、イスラム恐怖症を拡大しようとしている」と述べました。
ジャーナリストのケビン・バレット氏は、18日金曜、プレスTVのインタビューで、「トランプ氏とフリン氏は、イスラムに対する憎悪や偏見を拡大しようとしている」と述べました。
フリン氏は以前にも、「イスラム教に反対しており、過激主義とイスラム教徒に違いはない」と述べていました。
バレット氏は、「トランプ氏はイスラム教徒に対する脅迫を自らの選挙戦の基盤に据えた」としました。
さらに、「トランプ氏はイスラムへの敵意により、アメリカの利益を損なっている」と述べました。
アメリカのオバマ大統領は2014年、国防情報局長官だったフリン氏を解任しています。
フリン氏は、反イスラムの見解を持っていたために解任されたと主張していました。
フリン氏の反イスラムはトランプ氏の見解に近いものとなっています。
トランプ氏は選挙戦の中で何度も、イスラム教徒をアメリカから追い出すと発言していました。
(中略)...
リビアでムアンマル・アル・カダフィ政権が倒された翌年、2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAはシリア情勢に関してホワイトハウスに報告している。その中で、シリア政府軍と戦っている武装集団はサラフ主義者(ワッハーブ派)、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIが主力だとしている。西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとも伝えた。
(中略)...
トランプが安全保障担当補佐官に選んだマイケル・フリン中将は2012年7月から14年8月までDIA局長を務めていた。つまり、ダーイッシュの勢力拡大を予測していた報告が作成されたのはフリンが局長だった時代であり、オバマ政権とアル・カイダ系武装集団やダーイッシュとの関係を熟知しているはずだ。フリンはデンプシー大将と同じようにアル・カイダ系武装集団やダーイッシュを危険であり、ロシアと連携すべきだと考えていた。
(中略)...
日本やアメリカのメディアなどではクリントンでなくトランプを強硬派だと表現する。クリントンの周辺にいる好戦派が手先として利用している武装集団に対する攻撃を強行する勢力だということなのだろう。
イランは、トランプ政権で中東が安定することに期待を示している一方で、国家安全保障担当補佐官となるマイケル・フリン氏の、イスラムを敵視する発言を警戒しているようです。
記事では、フリン氏の“過激主義とイスラム教徒に違いは無い”という言葉を取り上げています。確かにこれほど短絡的な発言をする人が国家安全保障に関わるとなると、不安になるのも無理もありません。
この発言は、外部から日本を見て、安倍政権を一方的に賛美するネトウヨたちを見て、日本人とネトウヨを同一視するぐらい馬鹿げています。一般のイスラム教徒は大変寛容で、過激主義とは何の関係もありません。
トランプ政権にはこうした若干の不安がつきまとうものの、明らかにこれまでのアメリカとは異なり、世界が平和の方向に向かう兆しを感じ取ることができます。
下の櫻井ジャーナルの記事を見ても、マイケル・フリン氏は、シリア情勢に関して正確な情報をホワイトハウスに報告していたことがわかります。