注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

7月に報道各社から発表された安倍内閣の支持率は軒並み急落した。日本経済新聞とテレビ東京調査で39%、読売新聞調査で36%、共同通信社調査で35.8%。毎日新聞調査に至っては26%まで落ち込んだ。これは一時的なものなのか、それとも安倍政権の終わりの始まりなのか。
スプートニク日本
ロシアにおける日本研究の第一人者、モスクワ国際関係大学教授のドミトリー・ストレリツォフ氏は、安倍内閣はもうしばらく低空飛行で持ちこたえるが、その後ジリ貧になるとみている。
ストレリツォフ氏「安倍内閣には蓄積されてきた政治的資本や信頼の残り香のようなものがあり、それはまだ使えるでしょう。首相は自分の後継者についてまだ考えていないし、強い政敵もいません。安倍氏は、何をやっても裏目に出る状況を恐れているので、しばらくは何も新しいことをしないでしょうね。しかし総選挙が後に伸びれば伸びるほど、安倍氏、というより自民党が負けると思いますし、敗北の責任をとって安倍氏が首相の座を退くということにもなりかねません」
いっぽう、日本の政治学者で京都精華大学専任講師の白井聡氏は、現在の状況を「急激な流動化の直前」だと話している。
白井氏「25日、加計学園問題をめぐる閉会中審査が終わりましたが、これは安倍内閣の信頼を回復するものではなく、支持率低下はこのまま止まらないと思います。次期首相候補に石破茂氏が意欲を示していますし、支持率がもっと低下すれば状況は更に流動的になり、自民党の内外から強力な政敵が現れる可能性や、ひょっとすると自民党が分裂する可能性もあるので、何が起こるか全くわからなくなります。私も含め安倍政権発足当初から『NO』と言ってきた人たちはもちろん、そうでない人も、今は安倍政権への期待を維持するだけの具体的な理由が残っていません」
(中略)
安倍首相は歴代の日本の首脳と違って、ロシアとの領土問題の解決に向けて強い意欲を示し、プーチン露大統領との対話を重ねてきた。ロシアとの関係改善は安倍内閣の蘇生に役に立つのだろうか。
ストレリツォフ氏「安倍氏はロシア外交に実に政治的積極性を見せていますが、これもアベノミクスと同じで、今は目に見えた効果はなく、まだ効果が出るのを待っている段階にすぎません。もちろん、結果が出なくても、安倍氏が様々なことに取り組んだというのは事実なので、支持率にはプラスになると思います。しかし過大評価は禁物です。日本にとっては対中関係の方が対露関係よりも大切ですから」
» 続きはこちらから