際限ない負担増 高齢者や家族直撃
安倍政府が2018年度予算編成で社会保障費1300億円の削減に乗り出している。
(中略)
2012年末の再登板以来、社会保障は次次と改悪をくり返してきた。お友達への国有地払い下げや大学設置への優遇など権力の私物化には熱心でさらに外遊に行く度に札束外交をくり広げている者が、国民生活の向上のためにはカネを使わないという歪な構造を露呈している。
この四年半で社会保障はどうなったのか見てみた。
安倍自民党が主導し、成立した社会保障制度改革推進法は条文から「だれでも、いつでも、どこでも保険証があれば平等な医療が受けられる」とした「国民皆保険制度の堅持」を抹殺し、「原則としてすべての国民が加入する仕組みを維持する」にとってかえた。
(中略)
2013年には「規制改革会議」を立ち上げ、「医療の成長産業化」に向けて「規制改革実施計画」を閣議決定した。その中身は、①
混合診療の実質解禁、②医療機器の承認業務の民間開放、③治験前臨床試験の有効活用、④一般医療品のインターネット販売規制の見直し、⑤
医療関連業務における労働者派遣の拡大、⑥社会福祉法人(医療法人)と株式会社等との公正な競争環境の整備――だった。
これらは今日、国民皆保険制度を柱とする日本の医療を崩している。「平等な医療」など影も形もなくなってしまい、高価な新薬・新技術を使う自由診療と基本部分を保険診療でまかなう
「混合診療」の未曾有の拡大で、月1000万円をこえる診療報酬請求が増大した。
一部のカネのあるものだけが高度集中医療を受けることができ、それ以外のものは懐次第で医療を受けることができないというものだ。
非正規雇用が働く人人の四割に達し、年収200万円以下が2000万人を突破するもとで、無保険であったり短期保険証しかない人人が増え、保険証はあっても休んで受診することが経済的に困難な人人が激増している。映画監督マイケル・ムーアがアメリカの医療問題を告発した映画『シッコ』とそっくりな世界が日本社会でも広がりつつある。
(中略)
2013年、安倍政府の社会保障制度改革国民会議
は、小泉改革でうち出した
年金給付額の「マクロ経済スライド」による
削減をうち出し、支給開始年齢の六五歳への引き上げに加えて、68歳や70歳での支給の検討をうち出した。また「年金積立金管理運用独立行政法人」の運用資金配分を変更し、リスクの大きい株式、外債への投機を拡大した。
国民の財産である年金積立金で米日財界のために株価を買い支える暴挙に及んだ。
介護保険制度改悪要支援切り 利用料は増

pxhere〔CCO〕
もっとも改悪の重点を置いたのが介護保険制度だった。2013年から検討していた
介護報酬の大幅な引き下げ、要介護1、2への介護予防の大半を占める
ホームヘルパーによる訪問介護、通所介護のデイサービスを介護保険から外し、市区町村の介護予防総合事業への丸投げを2015年度に実施した。
介護報酬の引き下げは基本報酬を4~7%も引き下げるもので、地方を中心に小規模介護事業者の倒産・廃業があいついでいる。このもとで介護職だけの手当てをしても介護福祉士やホームヘルパーの人材確保は難しく、施設をつくっても開けなかったり、ショートステイのベッドを一部閉鎖するなど、介護なしの事態はますます広がっている。
要支援1、2の認定者は、要介護者全体の3割強を占め、
全国で約150万人にもなる。
これらの人人が2015年4月から2017年4月の3年間で、
すべて所定の市区町村の総合事業に移行させられた。だが政府が計画したボランティアやNPOなど地方には満足におらず、無資格者を一定の研修で参入させる計画もスムーズには進んでいない。また市区町村総合事業の報酬が平均して現行介護報酬の2割カットという実情にあり、既存の介護事業者の参入も少ない。このため
移行の最終年度となった今日、これまでどおりの介護予防サービスが受けられない要支援者が全国各地にあふれている。(中略)
また、
2015年度の改悪では「現役並み所得」を口実に介護保険利用料の2割負担を実施した。介護利用料負担は必要になれば生涯続き、重くなるだけで一定期間で終わることはない。
このため、生涯にわたる負担が困難で、特別養護老人ホームをはじめ
介護施設からの退出を余儀なくされたり、在宅介護で利用していた
デイサービスやショートステイの回数を減らし、介護者に過度な負担を強いるものになっている。
(中略)
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下村元文科相は、加計学園の秘書室長(当時)から200万円分のパーティー券代を受け取っていながら政治資金収支報告書に記載がないということで、ヤミ献金の疑惑があります。
下村元文科相は、加計学園の秘書室長が窓口となり、現金を集め、取りまとめ役として持参しただけだと弁明しましたが、 11名の具体的な個人名や企業名は明らかにされておらず、ヤミ献金疑惑は何も払拭されていません。
「週刊文春」が入手した2014年4月21日の日報には、秘書室長が下村氏の秘書に、“文科省に何度連絡しても取り合ってもらえない。面会させてもらえないか”と担当部署への口利きを頼んでおり、秘書は〈事務方を通して、お願いをいたしました〉と対応したということです。
今回、首相官邸で加計学園幹部と共に、今治市の職員と下村元文科相が会っていたとなると、もはやヤミ献金ではなく、賄賂ではないでしょうか。下村元文科相は確か、都議選が終わったらきちんと説明すると言っていたと思いますが、どうなったのでしょうか。