アーカイブ: シャンティ・フーラからの記事

里山社屋主義(35) 設備工事:配管Ⅱ

————————————————————————
里山社屋主義(35) 設備工事:配管Ⅱ
前回に続いて、宅内の給排水配管工事です。


ネジ

前回、情報が多すぎて紹介できなかったのですが、給水工事をするならネジの種類も押さえておく必要があります。

前回掲載した図


R1/2のザルボを、Rp1/2の水栓に繋げようとしているところ。白いのがシールテープ。


ネジには色々な種類がありますが、正しく接続できるのは以下のパターンとなります。また、ネジを繋ぐだけではなく、右の「必要な止水措置」で水漏れを防止する必要があります。

オス側の種類 メス側の種類 必要な止水措置
G(平行オスねじ)
または
PJ(給水栓オスねじ)
G(平行メスねじ) パッキン
R(テーパーオスねじ)
※古い呼び方ではPTとも
Rc(テーパーメスねじ)
または
Rp(テーパー平行メスねじ)
シールテープ5回(※)
PJ(給水栓オスねじ) Rc(テーパーメスねじ)
または
Rp(テーパー平行メスねじ)
シールテープ10回(※)
R(テーパーオスねじ)
のうちパッキンを当てる
面が先端にあるもの
G(平行メスねじ) パッキン

※シールテープの適切な巻き数は目安です。ネジやテープの品質により異なる場合があります。

最後の「R(テーパーオスねじ)のうちパッキンを当てる面が先端にあるもの」は、少々特殊で、次のように給湯器のネジによく見られるパターンです。

上の給湯器がR1/2で下のパイプの継手がG1/2のナット付き継手


わかりやすくするため単純に言い切ってしまっている部分がありますが、より詳しく知りたい場合は、こちらのページや、この記事をご参照ください。

» 続きはこちらから

里山社屋主義(34) 設備工事:配管Ⅰ

————————————————————————
里山社屋主義(34) 設備工事:配管Ⅰ

前回は水回りの設備を設置したところでした。今回は、その設備に床下から繋げる配管の工事です。


配管のDIYはすすめられるか?

あ〜、床下作業はしんどい…


そもそも配管をDIYでやるべきか、設備屋さんにお願いすべきか、という点ですが…。経験からすると、よほど「時間はあるけど予算がない」というのでなければ、DIYはおすすめしません。

  • もし自治体の上下水道に接続する場合は、原則として水道局の指定工事事業者にしか施工ができないようなので、一般人には無理。(上手に業者を入れてご自分でされた方もおられるようです)
  • 床下を這って行う工事は大変で苦痛。(床を貼る前など、上手なタイミングでほとんどの施工を終えれば楽です。)
  • 塩ビ管の接着や、ネジの接合は、いい加減に行うと水漏れにつながる。
  • 塩ビ管の場合、慣れないうちは、パイプの接着や長さ取りに失敗することが多い。すると…
  • o →配管の失敗を繰り返すことで、地獄配管(これ以上、切ったり繋いだりできなくなる状態になること)になって、大幅な工事のやり直しになることもある。
    o →排水工事では、配管の失敗によって継ぎ手部分が多くなると、そこに汚物が引っかかり、バイオフィルム(微生物の膜)ができやすくなる。結果として排水が詰まりやすくなる。

今回社屋でDIYで工事を行ったのは、前に一度別の場所で配管工事を経験したので、ある程度は慣れていたためです。また、パイプをつなぐ作業が個人的に好きだったというのもあります。(笑) 
ただし、この工事の大変さを知り、自分には設備屋に入って働くのは無理だとも思いました。

水回りは故障して、しばらく使えなくなると大変です。設備屋さんに見積りを取ってから、考えてもよいのではないかと思います。


外部配管と内部配管

ひとえに配管といっても、建物の外と内があります。
今回、建物の外の配管については、業者の方にお願いしました。

外部配管は大変!


もし外の配管をDIYでやろうとすれば、一生懸命手掘りをするか、あるいは重機が要ります。給水管は凍結防止の為結構な深さで埋める必要がありますし、排水管は太いパイプを正しい勾配を取って埋めないといけません。

体力のある男手が2人以上いれば、可能かもしれませんが、そうでなければ止めたほうがいいと思います。
田舎暮らしではよく必要とされる浄化槽の設置に至っては、一般人で手に負えるものではありません。

今回の記事では、建物内部の水回り配管だけを取り上げます。
なお、ガス管は資格を持っていないとできませんので、ガス会社の方にお願いしました。(工事費無料でした)

以下は、設備工事を自分でやりたいという人のための、マニアックなお話となります。

» 続きはこちらから

里山社屋主義(33) 設備工事:トイレ・シャワー

 全国のぺりどっと通信ファンの皆様、今回は本通信でお馴染みの謎のキャラ・まの爺が登場です。お見逃しなく。
(シャンティ・フーラ スタッフ るぱぱ)
————————————————————————
里山社屋主義(33) 設備工事:トイレ・シャワー
前回はキッチンを設置したところでした。今回も、引き続き水回りで、トイレとシャワーを設置します。


納まりの確認

トイレとシャワーは、2.2畳のサニタリールームに一緒に設置します。
メーカーの提供している図面・寸法を見ながら、きちんと納まるかどうか、給水・排水の位置は大丈夫かどうかを考えて、発注しました。

発注前に書いた納まりの検討図
紫の線が各設備の外寸です


トイレ

トイレは、国内メーカーのものでも安い価格帯のものを注文。タンク・便器・便座あわせて、2万5千円ほどでした。

キッチンの時と同じように、床に給水と排水の穴を開けます。


給水管と排水管を通しておきます。


左は給水管の先に、「床出しソケット」を取り付けて床の上に出した状態です。
右の排水管は、適当な長さに立ち上げてキャップしています。この後で、床面に沿って切り落としてしまいます。

注)ここから何点かの写真は、以前別の場所で同じトイレを取り付けたときの写真です。
(社屋の工事中は、撮っていなかったもので…。)


» 続きはこちらから

里山社屋主義(32) 設備工事:キッチン

設備工事:キッチン

前回に引き続き、社屋の整備を進めていきます。

この32回の時点で、社屋にはすでに電気やクーラー、建具が付いています。
あと、事務所として使うのに必要なのは、何といってもトイレ!

ただ、先にトイレだけ優先して付けたいといっても、配管は一度にやらないといけません。水回り全体を整える必要があります。社屋で今回計画していた水回り設備は次の3つです。

・キッチン
・シャワーユニット
・トイレ

今回紹介するのは、キッチンの工事です。

まず最初の写真です。


今回キッチンは、タカラのキッチンセットを注文しました。左奥に見えるのが流し台、右手前がガス台です。

これは本来、壁にピタッと付けて設置するよう作られているのですが、それでは面白くないので、対面式のキッチンになるよう工夫をしました。
上の写真は、前面の壁を作るために骨組みを作ったところです。この壁の中に、水道管やガス管も通します。

工事を始める前にこのような図面を引きました。


特に、排水パイプや水道の位置は、ちゃんと管が通せるように考えます。
何分こういう工事をリフォームですらやったことがなく、周りに教えてくれる人もなく、これでいいんかいな?と思いながら試行錯誤で進める状況でした。例えば途中、壁がグラグラ揺れるので、間に合わせの補強の部材を追加したりという感じです。

骨組みの上と側面に、建築で余ったヒノキの間柱で作った化粧板を付けました。


105mm幅の間柱だったので、そのままでは狭すぎ、用意したお茶などが置きにくく不便なことが、後でわかりました。
追加で同じ間柱をもうひとつ継ぎ足して広くしました。最初から想定していれば、幅の広い板を使っていたのですが。


» 続きはこちらから

里山社屋主義(31) 建具・玄関・残材置き場

建具・玄関・残材置き場

前回は、内装が完成したところでした。
ここから残りの工事を進めていきます。


建具を入れる

以前の回では、内装をする段階で建具が決まっていなかったことをお伝えしました。内装工事が終わって、ようやく建具を手配する余裕が出ました。

この社屋では、次の3箇所に建具を入れる予定にしていました。



この時点で決まっていたのは、一般的な木製のフラッシュ引き戸(イメージ)にしようということだけです。
木材屋さんに建具屋さんを紹介していただいたので、連絡を取って、ひとまず現場を見ていただきました。

フラッシュ引き戸なら、今の状態で問題なく取り付けられるということで、
引き戸を納めるための、鴨居と戸当りという部材を準備することになりました。

次の写真は納戸の建具ですが、上の部材が鴨居、右が戸当りです。


建具屋さんとの打ち合わせで取り付ける部材の仕様を決め、木材屋さんに部材を注文するための設計図を書きました。

トイレと納戸の部材設計


…というように、部材は用意・取り付けをこちらで行う段取りでやっていました。
なのですが、結局、建具屋さんが木材屋さんと直接やりとりして、木材は木材屋さん、加工と取り付けは建具屋さん、と、私は何もせずに済むような形で、話がトントンと進みました。
こちらは、どこに何をお願いするのが適切か(常識か)を知らないもので、このように「そこまでこっちで考えなくてよかった」ということは結構ありました。これも良い経験でした。

ともあれ、無事に建具が付きました。

取り付け前のトイレが転がっており
お見苦しい点はご容赦を(笑)


» 続きはこちらから
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 33