注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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「仙道錬金術房中の法」 高藤聡一郎著 学研
p156~161
内的煉丹の法、つまり内丹法をやっていくと、最後にはその精華、大薬が発生するのである。一方、錬金術は…赤化のあと「賢者の石」が発生するという。
ひとつは男性原理と女性原理の結合、もうひとつが肉体の若返り(不死と関係する)だ。
内的煉丹の法、つまり内丹法をやっていくと、最後にはその精華、大薬が発生するのである。一方、錬金術は…赤化のあと「賢者の石」が発生するという。
(中略)
賢者の石にはさまざまな効果がある。
▲隠形――錬金術師の姿を見えなくする。
▲空中浮遊――自由に空を飛ばせる。
▲通霊――天使たちと交流させる。
▲窮理――万物の究極の理を知らしめる。
▲生命再生――灰からの植物の復活。動物についても可能だという。
▲生命創造――ホルムンスク(人造小人)を生み出す。
(中略)
実をいうと賢者の石の効果と呼ばれるものは、仙道の大薬を服用したのちの効果に似ているのだ。(中略)
隠形、空中浮遊は仙道の術のおはこで、仙人の話を読むと、このうちのひとつや2つはたいがい出てくる。(中略)
通霊、窮理は、仙道では六神通(六具神通)と呼ばれているものに相当し、天耳通(透聴)、天眼通(透視)、他心通(読心)、宿命通(予知)、神境通(時空超越)、漏尽通(精がまったく漏れない)などがある。(中略)
実はこれ以外に、大事なもので抜けているものが2つある。ひとつは男性原理と女性原理の結合、もうひとつが肉体の若返り(不死と関係する)だ。
(中略)
実をいうとこれらは、賢者の石の応用効果以上に錬金術にとっては重要なものなのだ。というのは、この原理、そしてこの過程がない限り、錬金術は完成しないからだ。さらにつけ加えると、これは単なるイメージなどではなく、ひとつの現象として物理的に出現するのである。(以下略)
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前回の記事では、“「神交法」を行う男女は相思相愛の関係でなければならず、しかも双方が肉欲から離れていなければならない”ため、現実には大変ハードルが高い行法であり、 “ハートを清めて本物の王子と姫になることで、「神交法」の房中術を実践することが可能になる”とコメントしました。
今回は、この事をもう少し分り易く説明したいと思います。高藤聡一郎氏の「仙道錬金術房中の法」には、仙道の「内丹術」と西洋の「錬金術」の類比が示されており、内丹術の「大薬」が錬金術の「賢者の石」であるとしています。
記事には、「賢者の石」のさまざまな効果が示されていますが、これらはすべて高次の身体に関することです。この中で特に重要なのが、「男性原理と女性原理の結合」であり、“この原理、そしてこの過程がない限り、錬金術は完成しない”と書かれているのですが、これはその通りです。
問題は、「神交法」における「男性原理と女性原理の結合」とは何を意味しているかです。実はこれは、「神交法」における「聖婚(ヒエロス・ガモス)」のことなのです。
高藤聡一郎氏は著作の中で、ユング心理学を説明し、男性にとっての女性原理としてアニマを、女性にとっての男性原理としてアニムスを例に挙げています。男性にとって、“アニマは心の中の理想の女性”であり、女性にとって、“アニムスは心の中の理想の男性”です。
その理想の男女(男性原理と女性原理)が「結合」するとは、どういうことかというと、これは肉体(狭義)の内側にある高次の身体での「結婚」を意味しているのです。これを「聖婚」と言います。ウィキペディアには、“聖婚は神話や儀礼などにみられる男女二神の交合や神と人の婚姻のモチーフである”と書かれています。
シュメールの都市国家の王と「天の女王」とされる女神イナンナの女祭司との間で行われる「神聖な結婚」、すなわち神殿での王と女祭司の性交渉は非常に穢らわしいもので、「聖婚(ヒエロス・ガモス)」の最も低次の表現であり、ウイッカなどの悪魔崇拝者たちに特に好まれます。
こうした最高位の女祭司の例として、皇妃エリーザベト、ポンパドゥール夫人などの名を挙げることができます。彼女たちは、こうした過去の行為を深く悔いて心を入れ替えたので、「天界の改革」で女神の地位を得たのですが、今では消えてしまいました。ですから皆さんは、こうした悪魔由来の聖婚儀礼に関わってはいけません。
本来の「聖婚」は、“続きはこちらから”に描かれているように、高次の身体での結婚を意味します。こうした結婚は「神」の祝福の元に執り行われます。霊的世界では、結婚したふたりの身体は「融合」します。私の身体に妻の清田姫(スガタヒメ)が、“ふわっと同化し、重なるように二人の姿が見えた”のは、私たちが「結婚」しているからです。