Dmitry Minin
Strategic Culture Foundation
2013年5月31日
中東で最も民主的な国家の一つ、シリアが、西部の隣人達の一部、獰猛な民主主義戦士を怒らせるような、
一体どのようなことをしたのだろう? ヨーロッパでテロリストと見なされているのと全く同じ
連中が、シリアのこととなると“自由戦士”だと宣言されるという、シリア危機に対する欧米諸国のやりくちの不合理さと無節操さは、シリアの悲劇の経済的側面を見ると、より明らかになる。
ヨーロッパは、なによりもまず、
エネルギー資源の為に戦っているのだと考える十分な根拠がある。21世紀の主要燃料として登場しつつある
天然ガスが、そこで重要な役割を演じているのだ。
東から西へのヨーロッパ向け
パイプラインを、イランとイラクから、シリアの地中海沿岸
にするのか、あるいは、もっと北より経路の、
カタールとサウジアラビアから、シリアとトルコ経由にするのかを巡って、戦いが行われている。“民主主義”の為の戦いというのは、全く別の狙いを隠蔽する為に放り投げられた偽の旗なのだ。
イスラム・パイプライン(出典) 中東地図(出典)
シリアにおける反乱が、2年前の、
2011年6月25日、ブーシェフルでの、
新イラン-イラク-シリア・ガス・パイプライン建設に関する覚え書き署名とほぼ同時に拡大し始めたことに気付くのはさほど困難なことではない… シリアの地中海の港経由で、ヨーロッパへの液化ガス供給の可能性も検討されている。このプロジェクトへの投資は100億ドルにのぼる。
“イスラム・パイプライン”と呼ばれているこのパイプラインは、 2014年から、2016年の間に稼働を始めるものと想定されていた。
イランからのガス・パイプラインは、シリアには大いにうまみがある。ヨーロッパも、それで恩恵を受けるだろうが、明らかに、欧米の誰かには気に入らないのだ。西欧にガスを供給している
ペルシャ湾の同盟諸国にとっても、そうなれば、
商売から外されるガス輸送国ナンバー・ワンになるのを希望している
トルコにも嬉しい話ではない。
カタール国内には、アメリカ中央軍ペンタゴン司令ノード、アメリカ空軍司令部本部、イギリス空軍第83遠征航空部隊と、アメリカ空軍第379遠征航空部隊が駐留している。実際、カタールは、その多くがサウジアラビア、パキスタンやリビア出身者であるシリア“反政府派”戦士への武器供与を含め、パイプライン建設を妨害する為、出来る限りのことをしている。
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