【第4位TPPに国境なき医師団は強い懸念】
ナレーション:環太平洋パートナーシップ(TPP)協定は5年以上におよぶ非公開の交渉を経て、一般には精査する機会もないまま、今月5日、大筋合意文書が正式に公表されました。これにより今後、各国内で著名と批准の手続きに回される見通しとのこと。また、TPPには、国際法で制定されている公衆衛生分野の保護手段を撤廃し、安価なジェネリック医薬品の普及を制限して、何百万人もの人に影響を及ぼす危険な条項が盛り込まれているため、国境なき医師団(MSF)は、現在も極めて強い懸念を抱いています。
アナウンサー:先生、解説お願いします。
苫米地 英人:
TPP、先ほど出しましたけど、
これですよ、これ。条約でこんなの前代未聞でしょう。条約というのは普通、数ページですよ。ところが企業対企業が交渉可能性が入ってくるのは、アメリカでもよくやってるやつで、契約書ですよ。これは
明らかにこうなります。
『TPP開始に伴う「ISDS訴訟」で都道府県や政府系企業は破産』
【※ISDS条項(現在米、カナダ、メキシコ間のNAFTA(北米自由貿易協定)で採用)…企業が相手国政府の規制等で不利益を被った場合、ICSID(投資紛争、解決国際センター、世界銀行傘下)に訴えることができる条項】
これ解説しますけど、
恐らく都道府県や政府系企業は破産します。負けたら間違いなくそうですけど、訴訟費用だけで破産します。
TPPの全文、この中から抜粋しますけど、ここにICSIDと書いてあるのだけ見て下さい。
これね、ISD条項のあるところの条文なんですけど、9章の21のところにこんなに書いてあります。これは
日本の政府が政府の訳というか、
概要というのを出してるんですけど、どう書いてあるかというと、こういうふうに書いてあります。
『政府版概要 第B説 投資家と国との有田の紛争解決(ISDS)…仲裁人の選定(第9.21条)仲裁人の選定手続きについて定める規定』
なんにも書いてない。あれだけの所、その中の一部ですよ。ICSIDという言葉これから覚えておいて下さい。書いてある所だけであんなに長いのが、単に、『仲裁人の選定第(9.21条)』、これだけしか書いてないんですよ。
要するに政府はこれがなかったことにしようとしているわけですよ。
今回のTPPは、ISD条項のためにこれだけの条文があって、ISD提訴のためにある存在だと思って下さい。ですから、関税なんかこの中で書いてないですよ。農業ほんのちょっとで、全部これだと思って下さい。
実際にISDSというのは今回ちょっと説明します。
ISDSというのは、企業と国の間のインベスターステイトという言葉ですけど、その間での
係争のことです。それをNAFTAというのは今既にある、アメリカ、カナダ、メキシコの自由協定の例で、そこにさっき書いてあったこの言葉です。ICSIDって今回TPP入ってますよね。
既にNAFTAはICSIDを使っています。ICSIDというのは、投資紛争解決国際センターというところで、これは世界銀行にある下部機関です。ですから、
もしも企業が国を訴えた、政府、公共団体を訴えたら、その国ではなくて、世界銀行傘下の投資紛争解決国際センターで決めなさいという話なんです。
実際それで
既に77件の訴訟が起こされていて、そのうちカナダ政府相手に35件、カナダは既に6敗訴してます。
それと賠償和解で、既に賠償金が200億プラス、弁護士費用がとられることが決まっています。その他継続中。
メキシコ政府に対しては22件。既に5敗訴してます。240億円の賠償が確定。その他継続。
アメリカ政府は今20件、カナダとメキシコの企業からやられてますけど、いまのところ、これ(フリップ)間違いです、11勝訴です。
11勝訴で、現在無敗です。一度も負けたことがない、アメリカは。
当たり前で、ワールドバンク(世界銀行)というのはアメリカの傘下にあるので、
アメリカの傘下のワールドバンク(世界銀行)に、アメリカの企業がそれぞれの国を訴えてもっていくなんて、アメリカが勝つに決まってるじゃないですか。これはアメリカの弁護士が仕掛けた、それがTPP条約だと思って下さい。
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