読者の方からの情報提供です。
知れば知る程TPPは酷い。そしてそれを知らせない日本という国も同じように酷い。TPPに加入することが、売国行為であるということの意味がよくわかります。これを仕掛ける側(アメリカ)と、仕掛けられる側(日本)の双方の国家深部でとんでもない輩が力強く結託していて、これを無理やり押し通そうとしているということだと理解していますが(関連記事)、どれほどの長い歴史、時間をかけて彼等はここまで触手を伸ばして侵食を深めてきたのでしょうか。影に隠れて決して表に姿を現わさない彼等は、逆に人々の認識の光の元ではその力を発揮できないわけで…。「知る」という強力な武器が、私たちには残されていると思いました。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
————————————————————————
TPP ISD条項安倍政府は隠ぺい Dr.苫米地
転載元より抜粋)
YouTube 15/11/12
【第4位TPPに国境なき医師団は強い懸念】
ナレーション:環太平洋パートナーシップ(TPP)協定は5年以上におよぶ非公開の交渉を経て、一般には精査する機会もないまま、今月5日、大筋合意文書が正式に公表されました。これにより今後、各国内で著名と批准の手続きに回される見通しとのこと。また、TPPには、国際法で制定されている公衆衛生分野の保護手段を撤廃し、安価なジェネリック医薬品の普及を制限して、何百万人もの人に影響を及ぼす危険な条項が盛り込まれているため、国境なき医師団(MSF)は、現在も極めて強い懸念を抱いています。
アナウンサー:先生、解説お願いします。
苫米地 英人:TPP、先ほど出しましたけど、これですよ、これ。条約でこんなの前代未聞でしょう。条約というのは普通、数ページですよ。ところが企業対企業が交渉可能性が入ってくるのは、アメリカでもよくやってるやつで、契約書ですよ。これは明らかにこうなります。
【※ISDS条項(現在米、カナダ、メキシコ間のNAFTA(北米自由貿易協定)で採用)…企業が相手国政府の規制等で不利益を被った場合、ICSID(投資紛争、解決国際センター、世界銀行傘下)に訴えることができる条項】
これ解説しますけど、恐らく都道府県や政府系企業は破産します。負けたら間違いなくそうですけど、訴訟費用だけで破産します。
TPPの全文、この中から抜粋しますけど、ここにICSIDと書いてあるのだけ見て下さい。これね、ISD条項のあるところの条文なんですけど、9章の21のところにこんなに書いてあります。これは日本の政府が政府の訳というか、概要というのを出してるんですけど、どう書いてあるかというと、こういうふうに書いてあります。
なんにも書いてない。あれだけの所、その中の一部ですよ。ICSIDという言葉これから覚えておいて下さい。書いてある所だけであんなに長いのが、単に、『仲裁人の選定第(9.21条)』、これだけしか書いてないんですよ。要するに政府はこれがなかったことにしようとしているわけですよ。
今回のTPPは、ISD条項のためにこれだけの条文があって、ISD提訴のためにある存在だと思って下さい。ですから、関税なんかこの中で書いてないですよ。農業ほんのちょっとで、全部これだと思って下さい。
実際にISDSというのは今回ちょっと説明します。ISDSというのは、企業と国の間のインベスターステイトという言葉ですけど、その間での係争のことです。それをNAFTAというのは今既にある、アメリカ、カナダ、メキシコの自由協定の例で、そこにさっき書いてあったこの言葉です。ICSIDって今回TPP入ってますよね。既にNAFTAはICSIDを使っています。ICSIDというのは、投資紛争解決国際センターというところで、これは世界銀行にある下部機関です。ですから、もしも企業が国を訴えた、政府、公共団体を訴えたら、その国ではなくて、世界銀行傘下の投資紛争解決国際センターで決めなさいという話なんです。
実際それで既に77件の訴訟が起こされていて、そのうちカナダ政府相手に35件、カナダは既に6敗訴してます。それと賠償和解で、既に賠償金が200億プラス、弁護士費用がとられることが決まっています。その他継続中。
メキシコ政府に対しては22件。既に5敗訴してます。240億円の賠償が確定。その他継続。
アメリカ政府は今20件、カナダとメキシコの企業からやられてますけど、いまのところ、これ(フリップ)間違いです、11勝訴です。11勝訴で、現在無敗です。一度も負けたことがない、アメリカは。
当たり前で、ワールドバンク(世界銀行)というのはアメリカの傘下にあるので、アメリカの傘下のワールドバンク(世界銀行)に、アメリカの企業がそれぞれの国を訴えてもっていくなんて、アメリカが勝つに決まってるじゃないですか。これはアメリカの弁護士が仕掛けた、それがTPP条約だと思って下さい。
実際に対カナダの訴訟例で、実際見てみると例えばこの会社ですけども、アメリカ資本の紙パルプの会社です。この会社が2008年にニューファンドランド州というところで工場閉鎖したんですよ。撤退した後に州政府がその土地を収容したんです。そしたら今訴えられて、収容した後そこの水の権利と森林の権利があった、それをお前らのせいで失ったんで150億円の損害賠償(を請求した)。これ、彼等勝ちました。わかりますか?これどういうことかというと、自分がやってない仕事でも潜在的な機会損失があれば、国が訴えられちゃうんですよ。
これは、Eli社の場合。これはアメリカ省の製薬会社ですけど、カナダの法廷で彼等の特許がこれ以上は伸ばせませんという、特許延長を認めないという判断をカナダ法廷が出したんですよ。それに対して、なんと600億円の賠償請求。これは今継続中です。つまり、一国の裁判所が判断したことのおかげで、賠償請求が来るということってありえないことでしょう。
つまりTPPというのは、その国の国会や法律をこれに合わせて変えないといけないわけですから、法律や裁判所の判断よりも上です。TPPを作ってるのは実際は、例えばアメリカ通商部は全部こういった企業の弁護士が作ってるんですよ。ですからこれは条約だと思って、農業の話とか関税の話とかずーっとメディアでやってますけど、そんなの騙されちゃいけません。
TPPは明らかに企業弁護士達が、ISDS訴訟を日本に仕掛けるために、これプラス附則で1000ページの巨大な契約書にしたものです。これに対してTPP条約は何が成文かというと、英語とフランス語とスペイン語のみが成文です。そして全部英語をベースとすると書いてあります。
この参加国で更に政府調達という情報があるんですけど、政府調達で日本を対象にしているのはこれですけども、ここ見るとわかります。
衆議院、参議院、最高裁、ずらーっと書いてあって、全省庁、全都道府県名、そしてここに更に企業名まで書いてありますけど、政府が出資している企業全部。わかります?だから、政府機関、都道府県、そして政府が出資している企業、全てこれの訴訟対象になる。
そしてこれは全て英語で、そしてワシントンDCのワールドバンクの法廷で戦わなきゃいけないんで、訴訟費用だけでも最低で年間数億円かかります。私は実際アメリカ系の企業と訴訟合戦やったことありますけど、だいたい年間3億円かかってます、弁護士費用だけで。
それを各都道府県が毎年3億5億をそれを数百件挙げられますから、負ければ100億、1000億の賠償請求。これはまさに日本を相手にアメリカの弁護士が仕掛けたのがTPP条約であって、関税だなんだはほんの一部です。
これだけはっきりとワールドバンク傘下のここでやりますと書いてあるのに、しっかりと(政府の翻訳では)抜いてあるというのはとんでもないことだと思いませんか?
日本の政府訳にはこれしか書いてないんですよ。『救済人の裁定(第9・21条)』。違います。アメリカ傘下のワールドバンクの中で、日本の政府が訴えること、地方公共団体が訴えて、アメリカ企業と訴訟合戦をやる。それだけでも年間数億円の訴訟費用、負ければ100億、1000億。
コメンテーター:政府はそれわかってるんですか?
苫米地 英人:わかってるからこそわざわざ抜いてるんじゃないですか??わかってなければ、こんな重要な条項、一番重要な条項ですから、そして政府調達が全部重要で、日本の特別会計200兆円全部が訴訟対象になります。
こないだのマイナンバーで日立に150億やりましたよね。あれTPPであれば、1000億円くらいの賠償請求です。日立に150億行ったのにうちだって150億とれたはずだし、それが間接的にこういう利益をもたらすはずだ、なんだかんだと言ったら1000億円の賠償請求訴訟が日本政府に対して日立の案件だけでもしも今締結したら来ますから、これが日本にも起きるんで、大変なことになりますよ。
コメンテーター:だって先生の話でこういう難しい話聞いてもわかりやすいのは、自分達が撤退した後に土地が残っててそれをこっちに置いておいたら、そこに水とか森林が自分のものだからって訴訟起こしたら勝っちゃったというのが、こんな馬鹿な話がどこにあるのよ!
苫米地 英人:裁判所が判断したんです。特許伸ばせないって。それのおかげで損したって訴訟600億起こされてるんですよ。
アナウンサー:TPPでアメリカの正体みたいなものが見えてきましたけど。ありがとうございました。
08:26(終わり)
文字起こし:hiropan