竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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シリアの停戦合意の反響
転載元より抜粋)
ラジオイラン 16/2/23
アメリカとロシアがシリアの停戦に関して合意したことは、シリア危機の政治的な解決に向けた地域や世界の努力における一歩と見なされます。国連のパン事務総長は、シリアの衝突停止に関する合意を歓迎しました。国連は声明の中で、「パン事務総長は、アメリカとロシアの外務大臣が、シリアの衝突停止を巡って合意したことを歓迎する」としました。アメリカのケリー国務長官とロシアのラブロフ外務大臣は、この合意と同時に、シリアを支援する国際グループの枠内での、停戦グループの結成を明らかにしました。この合意には、シリアでの衝突の完全な停止が含まれており、今月27日から実施される予定です。
国連の声明によれば、パン事務総長は、この合意は、政治的な対話を再開するための雰囲気作りを促すと考えています。何より重要なのは、この合意が、5年に及ぶ衝突と暴力の末、現在の苦しみから解放されるのではないかという希望をシリア国民に与えていることです。
こうした中、シリアの消息筋は、シリアの和平協議の新ラウンドの開催が3月1日に延期されたことを明らかにしました。この協議は、今月25日に再開される予定でした。国連のデミストゥラ・シリア特使が、今月25日、このことを正式に発表することになっています。
アメリカとロシアの合意により、シリアの停戦はまもなく実施されますが、反体制派はなおも、停戦の受け入れに関する条件を提起しています。
ロシアのプーチン大統領も、停戦はシリア危機の解決に向けた一歩だとしました。プーチン大統領は、「ロシアは、シリア危機について発表された停戦実施において、シリア政府と協力する」と述べました。また、「シリアで衝突する全てのグループは、軍事作戦の停止への遵守を表明すべきだ」としました。一方でプーチン大統領は、「国連安保理からテロ組織と見なされているISISやヌスラ戦線は、シリアに関して宣言された停戦の対象外だ」と強調しました。プーチン大統領のこの発言は、テログループへの軍事攻撃が継続されることを示しています。
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米露両政府はシリアでの停戦で合意したが、ISやアル・ヌスラなど「テロリスト」への攻撃は継続
転載元より抜粋)
櫻井ジャーナル 16/2/23
アメリカ政府とロシア政府は2月22日、シリアで2月27日から停戦することで合意したと発表、国連も歓迎している。この合意はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)、アル・ヌスラ(アル・カイダ系武装集団)、あるいは国連がテロリストと認定しているグループには適用されず、こうした武装集団に対する攻撃は継続される。2月10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問、ウラジミル・プーチン露大統領と会談しているが、そこで何らかの話し合いがあり、ロシア政府がそれに答えた形になっている。ダーイッシュなどはこの合意を潰そうと必死のようだ。
1月22日にアシュトン・カーター国防長官は陸軍第101空挺師団に所属する1800名をイラクのモスルやシリアのラッカへ派遣すると語り、翌23日にはジョー・バイデン米副大統領が訪問先のトルコでアメリカとトルコはシリアで続いている戦闘を軍事的に解決する用意があるとしていた。ここにきてアメリカ支配層の内部で状況に変化があったのか、脅しがロシア政府に通じなかったのか、ロシア政府が主張していた方向で停戦合意が成立したようだ。
シリアでの戦闘は2011年3月以来、アメリカ/NATO、サウジアラビア/ペルシャ湾岸産油国、イスラエルなどがバシャール・アル・アサド政権の打倒を目指して始めたものであり、侵略戦争にほかならず、内戦ではない。シリア政府軍と戦ってきたのは外国の侵略勢力が送り込んできたダーイッシュやアル・カイダ系武装集団だった。
シリア政府軍と戦っている武装勢力の実態をアメリカ政府も熟知していたはず。例えば2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAはシリアの反政府軍に関する報告書を提出、報告書が作成された当時にDIA局長だったマイケル・フリン中将はアル・ジャジーラに対し、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が行った決断によるとしている。
DIAの報告書が公開されたり、フリン中将の発言が出てきた背景には、アメリカ支配層の内部でサラフ主義者やムスリム同胞団を傭兵として使う手法に批判的な人が増えてきたことを暗示している。つまり、ネオコン/シオニストの勢いが弱まっている。
そうした傭兵、つまりダーイッシュやアル・ヌスラなどのシリアにおける敗北は決定的。侵略勢力はさらなる部隊を「穏健派」として侵攻させるかもしれないが、ロシアやシリアは「テロリスト」として攻撃するだろう。
シリアへの軍事侵攻を臭わせているサウジアラビアやトルコは現在、自国の支配体制が揺らぎ始めている。サウジアラビアは原油価格の下落などで財政赤字が深刻化、トルコはシリアやイラクからの盗掘石油が減少して苦しんでいる。トルコはNATO加盟国という立場を利用、ロシアと対決しようとしていたようだが、目論見通りには進んでいないようだが、追い詰められて暴走するという可能性はある。
1月22日にアシュトン・カーター国防長官は陸軍第101空挺師団に所属する1800名をイラクのモスルやシリアのラッカへ派遣すると語り、翌23日にはジョー・バイデン米副大統領が訪問先のトルコでアメリカとトルコはシリアで続いている戦闘を軍事的に解決する用意があるとしていた。ここにきてアメリカ支配層の内部で状況に変化があったのか、脅しがロシア政府に通じなかったのか、ロシア政府が主張していた方向で停戦合意が成立したようだ。
シリアでの戦闘は2011年3月以来、アメリカ/NATO、サウジアラビア/ペルシャ湾岸産油国、イスラエルなどがバシャール・アル・アサド政権の打倒を目指して始めたものであり、侵略戦争にほかならず、内戦ではない。シリア政府軍と戦ってきたのは外国の侵略勢力が送り込んできたダーイッシュやアル・カイダ系武装集団だった。
シリア政府軍と戦っている武装勢力の実態をアメリカ政府も熟知していたはず。例えば2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAはシリアの反政府軍に関する報告書を提出、報告書が作成された当時にDIA局長だったマイケル・フリン中将はアル・ジャジーラに対し、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が行った決断によるとしている。
DIAの報告書が公開されたり、フリン中将の発言が出てきた背景には、アメリカ支配層の内部でサラフ主義者やムスリム同胞団を傭兵として使う手法に批判的な人が増えてきたことを暗示している。つまり、ネオコン/シオニストの勢いが弱まっている。
そうした傭兵、つまりダーイッシュやアル・ヌスラなどのシリアにおける敗北は決定的。侵略勢力はさらなる部隊を「穏健派」として侵攻させるかもしれないが、ロシアやシリアは「テロリスト」として攻撃するだろう。
シリアへの軍事侵攻を臭わせているサウジアラビアやトルコは現在、自国の支配体制が揺らぎ始めている。サウジアラビアは原油価格の下落などで財政赤字が深刻化、トルコはシリアやイラクからの盗掘石油が減少して苦しんでいる。トルコはNATO加盟国という立場を利用、ロシアと対決しようとしていたようだが、目論見通りには進んでいないようだが、追い詰められて暴走するという可能性はある。
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“続きはこちらから”以降の記事を見ると、20日の時点で米国は爆撃機を撤退させています。しかも記事を見ると、到底考えられないような理由で、有志連合による空爆に“今後参加しない”というのです。この記事ひとつを見ても、キッシンジャーとの会談が決定的だったということがわかります。